転生とかもっとこう・・・なんか違くね?   作:九十九夜

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〇月×日

今日もマダオを連れ戻しに鉄火場へ。
今日もマダオはふんどし一丁だった。
我の修行の時間を三時間ほど削ったマダオ許さない。

・・・今日も川に奴は現れなかった。当たり前か。


△月□日

父上に言われてマダオを探しに行った。
時すでに遅し、マダオが素っ裸になって地面に転がされていた。
身包み全部剥がされたんかい・・・。
近くにお盆が二枚転がっている、酒の匂いがすごい。オエッ。
苛立ちもあって粗雑に扱おうか迷った、結局荒縄で縛って帰宅。
伯母上に引っ叩かれていた。いい気味だ。フハハハハッ。



難民とかこう・・・なんか違くね?

「・・・まさかこんなに厳重な見張りが付くなんて・・・はあ・・・」

 

与えられた部屋の中である一族の族長の実子としてついてきているゾウカ・・・ではなく彼女そっくりに変装している女。コードネームはキャスターというこの女は鏡間が彼女につけている木分身の気配を察知して深いため息を吐いた。

彼女の脳裏にこの調査を依頼してきた同類の赤い外套の男の姿が思い浮かぶ。

 

「なにが簡単な、よ。全然難しいじゃない。」

 

キャスター自身もまさかここまで警戒されると思っていなかった。

あの傀儡の父親に対応を任せて自分はさらっと内部の調査をしてしまえば終わり。そう、2,3日で終わると高を括っていたのに、初日からこんな本物と変わらないような分身(見張り)が付くなんて。誤算である。

どうやら自分は思った以上に動き過ぎてしまったらしい。やはり小娘の我が儘くらいで茶々入れし過ぎたのだろうか。

愛の一族などというぬるま湯の様な呼称を持つくせにしっかりしている。

 

 

一応本格的な監視が始まる前に自身の状況とこれ以上の調査の継続はできない旨をしたためた手紙を送ったが果たして無事に届いたのだろうか。

 

「・・・後は。」

 

届いているにしろいないにしろ取り敢えずこの状況をどうやって乗りきるかが今後の問題な訳だ、が。

ちらりと部屋に設置された姿見を見る。そこにはキャスターの実年齢と比較するとかなり幼い少女・・・ゾウカの姿が映っていた。

 

「・・・続けるしか・・・無いわよねえ・・・。」

 

まだ無理なキャラ作りをしなくてはならないのか。と思うとどうしても憂鬱な気分になってしまう。

キャスターは本日幾度目かわからない溜息を吐いた。

 

 

 

 

□ ■ □

 

 

 

 

 

正午を知らせる鐘が鳴った頃。千手の集落の集会場がにわかに騒がしくなった。

大衆に囲まれるように座る者が四組。相対するようにその眼前に座っているのは長である柱間と補佐をしている扉間である。

 

ひそ  ひそ

 

「おいおい。今度はなんだ?まーた難民か?」

 

「ああ、どうやら先の戦場の近くに住んでたらしいんだが奴さんの残党に焼け出されちまったんだと」

 

「はー。難儀なこって・・・で頭領は?」

 

「受け入れるんだと。けど一族の財政は大丈夫なんかねえ?おとついも二組受け入れたばっかだろう?」

 

「あー・・・それはほら、扉間様と鏡間様がいらっしゃるから。」

 

「けどそれは・・・」

 

ひそ  ひそ

 

 

そんな囁きが漏れ聞こえる中クルリと先程まで柱間と言い合いをしていた扉間が背を向けた。

 

「そんなに言うのなら兄者の好きにするといい。」

 

「ほ、ほんとか!!「ただし。条件がある。」なっなんぞ?」

 

「鏡間にも話を通しておけ。」

 

扉間の言葉に柱間の顔が露骨に固まる。

 

「・・・それは絶対ぞ?」

 

「絶対だ。」

 

「ほんとのほんとに絶対ぞ?」

 

「ああ。」

 

「ほんとのほんとのほんとに「いい加減しつこいぞ。黙れ。」ぞ・・・。」

 

落ち込んでその場で膝を抱えて沈む柱間をちらりと見遣って柱間は溜息を吐くと言葉を続けた。

 

「・・・大体、あいつの収入もあって現状が維持できているのだからこれまでだって本来は儂らだけでなく奴にも話を通しておくのが筋というものだったのだ・・・そもそも兄者が賭け事なんぞに行くから・・・」

 

親であるはずの自分が、まさかこの年で息子の稼ぎを当てにしているとか、浄土にいる妻にも両親にも面目が立たない。という言葉が出かかったがすんでのところでその言葉を飲み込んで、扉間は天井を仰ぎ見た。

 

正確には鏡間本人は直接千手の財政にプラスの影響を及ぼしているわけではない。

彼は主に賭け事によって一夜限りの財を築く。ただそれだけだ。要はプラマイゼロ。

しかし、それは扉間。牽いては千手の財政面の安定に一役買っていた。

そう、全てのマイナスを帳消しにするという方向で。

そして、その恩恵をもろに受けているのは他の誰でもない柱間である。

詰まる所彼の借金の返済で全て消えていくのだ。

余りにも不憫でならなかった扉間は思わずお前が稼いだのだからお前が使えと前に言ったことがある。

 

「ん?ああ、気にすることではないぞ父上。大丈夫だ。我には父上から貰って貯めていた幼少からの貯金がある。」

 

そう言ってにへらっと笑い、貯金箱をジャラジャラと揺する我が子を見て涙が出そうになった。

成長するにつれて口調やら性格やらがちょっとアレになってしまったが、鏡間(我が子)は何処まで行っても鏡間(我が子)だった。

原理のよくわからない波紋から出てきた生首なんて見ていない。

「・・・と、これで今年は152回目っと」と言って《ジャポニカふくしゅう帳》と書かれた冊子の兄者の欄に正の数をたしていたりなどしていない。

一族・・・親思いのいい子である。

柱間は大負けするたびに彼から仕置きを受けるためか金銭が絡むと鏡間に怯えているようだが扉間には関わりの無いことだ。むしろそうなるまで怒らせるとかお前何したよ。が、正直なところである。

 

怯える兄にもう一度繰り返そうとして口を開いたときに、件の人物はやってきた。

 

「父上、伯父上。拾い物をしたのだが・・・どうしたらよい?」

 

金髪の少女を連れて。

 

 

 

 

 

 

 

□ ■ □

 

 

 

 

 

 

 

集落での出来事が起こる数刻前。アルトリアになった・・・便宜上の転生者のアルトリア(偽)は河原に来ていた。というか倒れこんでいた。

 

「う、うう。こんなことならちゃんとおかわりしてくるべきでした・・・。」

 

この燃費の悪い体が恨めしい・・・。と力なくアルトリア(偽)はその秀麗な顔を地に伏せる。

この彼女仕様の身体は恐ろしく燃費が悪く、常に何かを食べていないと身が持たないのだ。

此処まで精巧にしなくていいだろ神様と内心で思っているとざりっと誰かの土を踏む音が聞こえた。

ああ、自分はこのままこの人攫いらしき人の手によって何処かに売り飛ばされるのだろうか・・・などと何処かうわの空で考え出す。動物の餌になるのも嫌だが、売られるのも嫌だ。しかし、そんな彼女の懸念は次の言葉で吹き飛んだ。

 

「大丈夫か?」

 

霞んでゆく意識の中で辛うじて目に入ったのは金色の・・・―――

 

 

薄れゆく意識の中でかの人の裾を掴んで口を開いた。

 

「な、何か・・・食べ物・・・くだ・さ・・・。」

 

そのあとのことはよく覚えていない。

ただ何処か遠いところで「お、おい!!ここで寝るな!!」とか「ここで見捨てたら我の不手際という事になるのだろうか・・・ええいっ起きよ!!」などと聞こえた気がした。




孫の五代目があれだから祖父である初代の方もかなり賭け事弱かったんじゃないかと思う。

その点主人公はギルガメッシュ()だから黄金律とかで自分だけぼろ儲け。



ちなみに最近ちらほら出てるオリキャラ()にはキャラクター名とは別のこの世界での本名がある。
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