美少女に"格闘戦"をしかけるのは合法である   作:くきゅる

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第六話 わざわざ格闘技をやるとか正気か?

 放課後。

 

 

「──というわけで、お願いします!」

 

 

「はぁ」

 

 

 どういう訳か。

 

 それは数時間前に遡る。

 

 

 いつものようにぼんやり外を眺めてぼーっとしたり、対戦記録を見て色々と思考を捗らせている昼休み。

 すると、珍しくメールの着信を知らせる音が鳴る。

 連絡先を知っている人間はかなり限られているので、誰かと確認したらヴィヴィオであった。

 

 内容はこうである。

 

 

 "シャロン先輩、こんにちは! ヴィヴィオです。来週のアインハルトさんとの再戦で相談があるのですが、もしよかったら今日の放課後とかって空いてませんか?"

 

 

 アインハルトとヴィヴィオの再戦。

 本格的な練習試合形式で、ノーヴェが泣きの一本をアインハルトに取りつけた形だ。

 シャロンは顎をさすりながら、珍しく普通に考えた。

 

 

 ──(まぁ、ちゃんと向き合うように促したのは俺だし)

 

 

 他人の因縁とか事情だとかは基本知ったことではないシャロンだが、多少なりともアインハルト等に関心が沸いたのもあり、協力することにした。

 無論、大部分が打算的な下心なのは言うまでもない。

 

 

 "分かった。普段は鈍らないように身体鍛えてるだけだし、大会前じゃなければ何時でも構わない"

 

 

 素で頼れる先輩感を出しながらの返信。

 くどいようだが、変態性が抜ければただのイケメン主人公なのだ。

 

 すぐに着信が入る。

 

 

 "ありがとうございます! それじゃあ、放課後中庭のベンチで待ち合わせでどうですか?"

 

 

 デートの待ち合わせみたいな感じだが、そういうのには興味がないのでシャロンは特に何も思わない。

 現に、今まで何人も告白してきた女子を泣かせているし。

 こんな変態に惚れてしまい、挙句振られたなんて真実を知ってしまったら、もう立ち直れないだろう。

 とことん、人を辱めるのに特化した変態である。

 

 

 ──"了解"っと。

 

 

 そんなこんなで今に至る。

 

 ヴィヴィオは再戦するにあたり、自分なりに考えて特訓を開始したはいいものの、アインハルトとの実力差や今度は絶対に負けられないという思いから、こうして相談するに至ったのだという。

 ノーヴェもずっとは見てくれないし、何よりアインハルトを圧倒し、DSAAの一流格闘技者としてのシャロンを見込んでの事だ。

 本当は第一印象もあまり良くなさそうだし、何より出会って日が浅い内から馴れ馴れしいかなと遠慮もあったようだが、背に腹は代えられないというやつである。

 

 シャロンからしてみれば、美少女との絡みが生き甲斐みたいなとこがあるので、無問題というか寧ろウェルカムなのだが。

 

 とはいえ、シャロンにしても少し難しい相談でもあった。 

 

 

 

「大体分かったが、俺がアドバイスできることって特にないな」

 

 

 何故なら、シャロンは古流武術に疎いどころか打撃すらあまり使わないグラップラーである。

 硬い相手を崩すために使うこともあるが、大体は相手に殴らせてからその隙を突いて一気に掴みかかるスタイルだからだ。

 ミッド式の格闘技で言っても、ヴィヴィオ等後輩組の方がよほど上手い。

 

 頼みの綱のシャロンにあっさり匙を投げられ、面食らうヴィヴィオ。

 

 

「そ、そこを何とか……!」

 

 

「と言ってもなぁ」

 

 

 シャロン、再び真面目に思考する。

 マルチタスクを使用して、九割を妄想に、残り一割を与えられそうなアドバイスの作成にあてる。

 

 

「お前、アインハルトの強めの振りを何発か耐えられるか?」

 

 

 断空拳、と言わずとも大振りを受けて耐えられるなら話は変わってくる。

 

 

「む、無理です、ごめんなさい……」

 

 

 が、ヴィヴィオには流石にシャロンの真似はできないし、誰もがしてほしくないだろう。

 天真爛漫な太陽の化身ようなヴィヴィオが、試合中殴られて笑いながらカウンターする様なんかほんと見たくない。

 

 

「無理か。まぁ、見た感じあまり丈夫そうには見えないし」

 

 

「うぅ……」

 

 

 これは事実である。

 

 そも、魔力による強化で性差はないと言ったが、厳密には違う。

 幾ら女性の方が親和性が高くて強化の効率が良いと言っても、元の身体が丈夫でなければ強化の恩恵は薄くなる。

 十代の未成熟な子供であれば女性の選手が多いものの、年齢制限無しとなってくると逆に男性選手との差が埋まり、男女別に分かれていることが多くなる。

 魔法戦技は一緒くたにされがちだが、格闘戦技オンリーだとどうしてもそうなってくるのだ。

 

 だから、シャロンは大人になっても男女混合の魔法戦技に絞っていくつもりだ。

 もしくは、自分で道場でも立ち上げようかと考えているのだが、女子限定というのも下心見え透いているし、悩み中だったりなかったり。

 

 閑話休題。

 

 

「高町、ちょっとお前の成績と身体測定値を見せてほしい」

 

 

「あ、はい! どうぞ! あと、私のことはヴィヴィオって下の名前で呼んでください! コロナやリオも下の名前で呼んでほしいって」

 

 

「分かったよ」

 

 

 理由は省くが、もちろん下の名前云々で照れるような男ではない。

 

 黙々とクリスが表示する成績を見ていく。

 

 前学年のものだが、殆どの主要教科を満点近い成績を収めている。

 実技の方も二桁前半を維持しているあたり、同学年では間違いなく超優秀。

 格闘技者という枠組みでさえ見なければ。

 

 資質をざっと見ても、学者だったり結界魔導師としての適性が見え隠れしているのが分かった。

 間違えても前線で身体を張るフロントアタッカーだったり、純格闘技者としての資質は低い。

 

 

「俺よりも総合成績は優秀みたいだな。学生レベルなら文句無しだとは思うが……気づいてはいるよな?」

 

 

 

ヴィヴィオの表情が僅かに曇る。

 

 

 

「……格闘技にはあまり向いてないってことですよね?」

 

 

 

「その通り。正確には向いてないというより、他の才能がずば抜けてると言った方がいいな。学者や結界魔導師……いや、総合魔導師の方がまだ楽に強くなれるだろう。まともな思考をしてれば、まず格闘技者なんて目指さないな。寧ろ、こんだけ他の分野で才能持っててわざわざ格闘技やるとか正気か?」

 

 

 

 母親の胎内に正気を捨ててきたと思われる、まともという概念から一番遠い変態に指摘されたヴィヴィオ。

 悔しくて血涙流してもおかしくないレベルの屈辱だが、さすがに変態性以外は一流の男。

 文句なしのド正論だった。

 

 極端に例えるならシャロンはゴリラ。

 対するヴィヴィオは人間である。

 ゴリラであるシャロンは暴れるしか脳がないが、人間であるヴィヴィオは非力だがやろうと思えば何でもできる。

 

 にも関わらず、ゴリラにタイマンを挑む人間がいるだろうか?

 いや、いない。

 余程頭のネジが飛んでいなければ。

 

 さすがにこれだけ言われると、ヴィヴィオも俯いて今にも泣きだしそうになるが、そんな顔された所でシャロンをゾクゾクさせるだけである。

 勿論、悪い意味だ。

 

 

 

「──まぁ、お前の気持ちは分かるよ。どうしても、"譲れないモノ"ってのはあるからな。俺だって才能がなかったところで、諦めたりはしなかったろうし」

 

 

 

 たとえ今のような先天的な肉体の才や、魔法・魔力の才がなかろうともシャロンは諦めなかっただろう。

 美少女との合法的なスキンシップを。

 

 一瞬、ぽかんとしてからまたいつものように顔を綻ばせる。

 

 

「──はい! 私の格闘技(ストライクアーツ)にかける思いだけは、アインハルトさん……それにシャロンさんにだって負けません!」

 

 

 散々貶しておいて、一気に持ち上げる。

 正しくイケメンのやり口である。

 

 だが、まだまだこんなものは序の口だと思い知れ。

 

 

 

「となると、やっぱ勝ちたいよなぁ……アインハルトに」

 

 

 

 ──ヴィヴィオがアインハルトに負けたくないという気持ちは本物だが、やはり心の中では惨敗した記憶が鮮明に焼き付いており、気持ちではもう何度も負けていた。

 

 彼女の本音を掘り起こした言葉と、爽やかなのに闘志を焚き付けるような声色と笑み。

 

 

 

「勝ちたい……勝ちたいです! 私! アインハルトさんに!」

 

 

 

 目の前のイケメンが、完全にヴィヴィオをその気にさせた。 

 得体の知れぬ昂揚感が彼女の全身を駆け抜け、そのまま勝利への渇望へと導いた。

 

 いや、誰だお前。

 

 

 

「絶対に勝たせる、なんて無責任は言わないがな」

 

 

「もー、そこは絶対に勝たせるって言ってくださいよ~!」

 

 

 ──HAHAHAHA!

 

 

 

 やり取りが王道な青春過ぎてついていけない。

 ほんと誰なんだこのイケメンは。

 

 

 

 

「それじゃ、移動するか────特訓しやすそうな、人気の少ないところに」

 

 

「はい! 先輩!」

 

 

 

 

 ──一瞬爽やか笑顔の奥に、何かヤバいものが混じっていた。

 

 ヴィヴィオはもうシャロンの虜である。

 恋は盲目というが、それに近い現象が起きていた。

 

 やはりいつものイケメンの皮を被った変態……いや、ヤバい奴であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひ、広い!?」

 

 

「中々、良い場所だろ」

 

 

 

 ヴィヴィオを誘拐もとい、連れてきたのは何を隠そうシャロンの自宅である。

 ミッド郊外ではあるが学院とも近く、海沿いで穏やかな時間が流れるクーベル邸。

 コンクリートで埋め立てられた敷地は無機質だが、バーベーキューでもスポーツでも何だって出来る。

 しかもプライベートだから、邪魔も入らず好きなだけ使える。

 

 

 

「素敵なお家ですね~!」

 

 

「両親様々だ」

 

 

「えへへ~、あとでコロナとリオに自慢しちゃお~!」

 

 

 

 実際、羨ましがられるのは間違いない──のだが。

 

 余談になるが、ヴィヴィオとの待ち合わせから二人で下校するまでの一連の流れは人目にばっちり映っている。

 ファンクラブも存在するシャロンと、それに釣り合うような後輩の美少女。

 

 翌日から噂になって暫く困ることになるのだが、それは別の話。

 

 

 ──まぁ、そんなのどうでもよくなるくらいの衝撃を味わうはめになるので、本当に些末事だ。

 

 

 

 

 

「じゃあ早速……」

 

 

「特訓ですね!」

 

 

 

 スポーツウェアに着替えて、やる気十分とぴょこぴょこ跳ねるヴィヴィオ。

 

 

 

 

 

 

「──いや、ボディチェックからだ」

 

 

 

「……へ?」

 

 

 

 だが、残念。

 もうここは、シャロンの領域(ゾーン)

 一度入り込めば決して逃れられない、永遠の迷宮(ラビリンス)

 

 出鼻をくじかれたヴィヴィオの素っ頓狂な顔にも目をくれず、シャロンはいたって真顔である。

 

 

 

「──今から、ヴィヴィオの身体を直接触って調べる」

 

 

 

 

 直球過ぎる。

 キャッチャーも受け止めきれない剛速球だった。

 

 

 

 

「え、ええぇぇぇ!? あ、あのあの、そ、それってどういう!?」

 

 

 

「文字通りの意味だが」

 

 

 

 

 ヴィヴィオは混乱していた。

 特訓と称して自宅に連れ込んだ先輩が、自分の身体を直接触って調べるという。

 

 邪推するなという方が無理な話である。

 

 ──ヴィヴィオの盲目な夢が覚めた瞬間だった。

 

 

 

 

「だ、だ、だめですだめです! い、い、いくら先輩でも、それはだめです!」

 

 

 

 

 目の焦点も合わないヴィヴィオは、手をぐわんぐわん振り回しながら尻もちをついて後ずさっていた。

 

 シャロン、それに対して真顔で近づいて手を伸ばす。

 

 下手なホラーよりずっと怖い。

 

 ──シャロンの手がヴィヴィオの腕を捉える。

 

 

 

 

 

「せ、せんぱ────い?」

 

 

 

 

 

 ──思わず目を瞑ったが、襲われたような感覚はない。

 

 恐る恐る目を開けると、ヴィヴィオの腕を優しく握っていた。

 

 もみもみ。 もみもみ。

 

 無心で、無言で、感触を確かめるようにもみしだいていくシャロン。

 

 

 

「ふむ、悪くない。丈夫じゃないし、筋力量もさほど多くないが、柔らかくてしなやか。持久力も十分」

 

 

「あれ……?」

 

 

 

 ──思っていた展開と違う。

 

 てっきり、全身剥かれて襲われでもするのかと思っていた。

 

 

 

 

「だから、言っただろう。ボディチェックをするって。こういうのは直接触らないと分からない事も多いんだ」

 

 

「あ、そうなんですか……」

 

 

 

 

 ヴィヴィオ、自分の不埒な想像が逆に恥ずかしくなる。

 シャロンは真顔で平然としているし、あの先輩がそんな事する筈がない。

 よくよく考えてみれば分かる事だったと。

 

 

 

「ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい!」

 

 

 

「そんな謝らなくていい。言葉足らずだったのは俺の方だった」

 

 

 

 ぺこぺこ頭を下げるヴィヴィオと、やれやれ顔で溜息を吐くシャロン。

 その実、大興奮でもみまくっているのだが、一欠けらも表情には出さない。 

 

 ──(すべすべ、もちもち、つるつる)

 

 マッサージ機もかくやと言うような指使いで、その白い柔肌に指を沈める。

 

 ──(微量の汗と石鹸が混ざり合ったような甘酸っぱく、フェチズムを掻き立てる香り。しっとりとしていて、異国のMOCHIとかいう食べ物のように柔らかい。人をだめにするクッションとやらも、きっとこんな感じなんだろうな……! こんなのに全身包まれたら、ダメになるどころか昇天してしまう……!)

 

 

 もう既にダメを通り越しているから、君には関係ないよ。

 

 

 

 

「じゃあ、次は脚」

 

 

「は、はい!」

 

 

 

 勢いに呑まれて、さらっと脚を差し出すヴィヴィオ。

 そして、もみもみと柔らかい感触を堪能……もといチェックするシャロン。

 

 

 ──(脚は別に調べなくても良かったんだけど……フフ)

 

 

 言うまでもないが、ここまで計算通りであった。

 

 太腿から足先まで、文字通り舐めるように綿密にチェックするシャロン。

 もう舐めている姿がだぶって見えるが、あくまでいやらしく触っているだけだった。

 

 ボディチェックだからセーフである。

 

 

 

「お疲れ様。もういいぞ」

 

 

「あ、ありがとうございました……」

 

 

 

 お礼を言うのは逆だが、誰も突っ込む人間は居なかった。

 

 堪能し終わると、一度咳払いをしてからヴィヴィオの前で腕を組む。

 

 

 

「結論から言うと、お前の肉体じゃアインハルトとまともに撃ちあうのは無理だ。諦めろ」

 

 

 

 先に結論だけあっさり述べる。

 

 

 

「えぇ!?」

 

 

「まぁ最後まで聞け。でもその分お前の身体は、長時間にわたって相手の拳を避け続けることに特化している。だがこれだけじゃ足りない───がッ!」

 

 

「ッ!?」

 

 

 

 話の途中で、空気を裂く鋭い一閃。

 

 反射的(・・・)に、ヴィヴィオは後ろに下がった。

 

 

 

 

「──その目があるなら合格だ。まだ身体が追いついていないが、良い目をしている」

 

 

「目……ですか?」

 

 

「さっき俺は格闘技者になるなんて正気じゃないとは言ったが、才能が無いとは言ってないしな」

 

 

 

 他の才能が突き抜けているだけで、この目と身体を活かせば十分に戦えるだけの資質は備えてある。

 

 モノにするには、シャロンよりも険しい道のりになるが確かに才能はあるのだ。

 

 

 

「~~~ッ!!!」

 

 

 

 散々、周りからも遠まわしに向いていないとは言われてきた。

 ノーヴェは肯定してくれるが、身内びいきというか、彼女は否定的な言葉は決して吐こうとしない。

 

 ──だからこそ、先達であり遥か上の強者であるシャロンから認められたのがこの上なく嬉しかった。

 

 声にもならない歓喜が胸の中で踊り狂う。

 

 この男、変態だが腐っても一流の格闘技者であり飴と鞭の使い分けも上手い。

 選手と指導者、どっちの才能も持ち合わせている傑物である。

 

 

 

「さあ、特訓の時間だぞ」

 

 

「あ、そうでした!」

 

 

「おいおい、元々こっちがメインだろう?」

 

 

「えへへ、褒められたのが嬉しくてつい忘れちゃいました」

 

 

 

 "こいつめー!"

 

 "ごめんなさーい!"

 

 ──HAHAHAHA!

 

 

 そんな会話が続きそうなくらい、至って健全な先輩後輩の景色である。

 

 

 ──だが、飴と鞭の使い分けが上手いと言いつつも、シャロンにしてみればここまで全部飴みたいなものだ。

 

 真面目に指導するなんて柄でもないことやらされた分、きっちり"鞭"で元を取るのがシャロン流。

 

 

 

 

「防護設定は十分だな?」

 

 

 

「ばっちりですど……ッ!?」

 

 

 

 

 ヴィヴィオ、シャロンから流れ出る不穏な気配に戦慄する。

 

 何かまたヤバいモノが出ていると。

 

 そう、本能が警告していた。

 

 

 

 

「あまり打撃は得意じゃないが……まぁ、速度と力だけはあるからな」

 

 

「は、はい……あの、もしかしてなんですが……?」

 

 

 

 

 ヴィヴィオの顔が引きつる。

 

 

 

 

「────避けられるようになるまで、俺と特訓だ」

 

 

 

 

 シャロンの笑顔が、鬼のように歪んで見える。 

 

 

 

 

「ク、クリスッ!? ぜ、全力で防御してええぇぇぇッ!?!?」

 

 

 

 

 

 ──HAHAHAHAHAHAHAHA!!!!!!

 

 

 

 クーベル邸に愉快な笑い声が響き渡る。

 

 この地獄のような訓練が一週間続いた結果、ヴィヴィオは凄まじい成長を遂げた。

 

 

 

 

 ──何か悟りを開いたような顔をしていた。

 

 

 ──というより、あれは死の淵から這い上がってきた顔だった。

 

 

 以上が、ヴィヴィオを見た知人友人の談である。

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