とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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優しい言葉をかけられると調子に乗る俺



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 △月L日

 

 なんか、グレモリー達が揃って学園を休んでいた。

 そう言えば今度、あのフェニックスさんと勝負するんだったなぁ、と。

 夕方に来たグレイフィアさんの話だと、山籠もりして修行しているのだとか。

 何処の漫画だよ、と。あと、普通に家に出入りしてるよね、あの銀髪メイド。

 やぁ、まー……あれだ、半分以上諦めてるけどさ。

 レイナーレさんがね、あのメイドさんを、どうにも嫌ってるようなわけだ。

 同じメイドだから? んなアホな。

 堕天使と悪魔で、仲が良くないって話だし、ソレ関係だろうなぁ。

 ま、『レーティングゲーム』? それが終われば来なくなるだろうし、今は様子見で良いだろう。

 

 

 

 

 △月+日

 

 あと一週間で『レーティングゲーム』である。

 どっちが勝つだろう、とレイナーレさんと予想してみた。

 俺としてはグレモリー達に勝ってほしい所である。知り合いだし。

 でもレイナーレさんの予想だと、フェニックスさんの勝ちだとか。

 なんでも、不死鳥らしい。そのまんまかい。

 死なない相手とか、どうやって勝てと?

 まぁ、フェニックスと言えば火。火といえば水。

 水でもぶっかければ弱まるんじゃなかろうかと予想してみる。ゲーム知識だけどね。

 

 

 

 

 △月;日

 

 いつもレイナーレさんのお世話になっているので、今日は俺が夕食を作ってみた。

 といっても、簡単な男の料理だったけど。一人暮らしなので、大雑把な肉野菜炒めは得意なのだ。あと焼き飯。

 カロリー? ……男が気にするものじゃないな。すいません、レイナーレさん。

 レイナーレさんは凄く複雑そうな表情で食べてた。……相変わらず空気が読めないな、俺。

 しかし、あまり料理が好きでもないので、レパートリーを増やすつもりも無い。

 まぁ、今度からはカロリーを気にして食事を作ろう。

 カップラーメンとレトルト食品を考えた人は神だと思う。

 

 

 

 △月*日

 

 レイナーレさんが肉野菜炒めを作ってくれた。

 でも、油が少なすぎて結構焦げていた。苦かったけれど、まぁ食べれないレベルじゃなかった。

 本当、料理の腕が上達したよなぁ。

 炊事、掃除、洗濯、何でも出来るようになってきてるし。

 ……俺の方がお荷物になってる気がしないでもない。これは由々しき事態ではなかろうか?

 どうにかして、家主の威厳のようなモノを取り戻したい。そんなモノ最初からなかったような気もするけど。

 そもそも、家主は俺の親だし。

 

 

 

 △月:日

 

 何か知らんが、フェニックスさんが訪ねてきた。なんで?

 というか、俺の家って有名なの? グレイフィアさんも普通に知ってたみたいだし。

 俺のプライバシー的なモノは無いのだろうか?

 あと、金髪ドリル? 縦ロール? ってのを初めて見た。本当に居るんだな……。フェニックスさんの妹さんらしい。

 ……心中で失礼な事を考えてすみませんでした。

 ちなみに、コーヒーより紅茶派らしい。フェニックスさんはコーヒー派。言ってはなんだが面倒くせぇ。

 自己紹介で自分の好きな物を言う奴に碌な奴は居ないというのが持論だ。

 日本茶で我慢してもらった。

 ……割と好評だったので、何とも言えない気分になったが。

 ちなみに、訪問の内容は俺と話したかったらしい。

 サーゼクスさんと知り合いだから、興味を持ったとか。

 これは知り合いではなくて、一方的に知られてると言うのではなかろうか?

 つか、サーゼクスさんって、何考えてるんだろうね? 俺みたいな素人を呼んだりしてさ。

 というか、魔王様をさん付けで呼ぶのも変だし、サーゼクス様って呼んだ方が良いのだろうか? いいよな、やっぱり。

 ちょっとだけフェニックスさんと仲良くなれた気がする。

 しかし、婚約者がグレモリーとは……将来尻に敷かれそうだと思った。失礼だけど。

 

 

 

 △月」日

 

 学生の本分は勉強である。

 ……木場君や塔城さんは判らんが、兵藤は大丈夫なのだろうか?

 修行から戻ってきたら勉強についていけませんでした、とかなったら笑うに笑えない。

 でも、微妙に脳筋っぽいからなぁ、あいつ。

 将来とかどうするんだろ? 悪魔として食っていけるのかな?

 レイナーレさんにも聞いてみた所、考えさせてほしいとの事。

 まぁ、いきなり聞いても答えなんかでないか。

 俺? 適当な大学を出て、それなりの仕事に就ければ良いと思ってる。

 ま、将来なんてまだ判らんよね。

 

 

 

 △月}日

 

 グレモリー達が居ないと、本当に毎日が静かだ。……どんだけ賑やかだったんだよ、アイツら。

 誰も居ないはずのオカ研の部室を覗いてみたら、グレイフィアさんが掃除をしてた。流石メイド。修行中のケアも万全か。

 立ち話も何だという事で、紅茶を淹れてもらって少し話す事になった。

 しかし、グレモリーも大変なんだなぁ。

 御家の為に政略結婚だなんて、中世とか一昔前の日本だ。現在の一般家庭じゃ、まず聞かない。

 良い所の坊ちゃん御嬢ちゃんならあるんだろうけど。

 本当、大変なんだなぁ、悪魔ってのも。

 でも、グレイフィアさんはそんな悪魔生活も楽しいのだと言っていた。

 なんでもこのメイドさん、サーゼクス様――魔王様の『女王』なのだとか。

 魔王様も『なんたらゲーム』ってやるんだ。

 意外だ……魔王と言ったら、玉座に座ってるか、事務机に座って書類整理しているイメージしかない。

 ゲームをやる魔王……まぁ、配下の悪魔を率いて戦うから、魔王らしいと言えばらしいのか?

 でもこのメイドさん、魔王様の事を嬉しそうに話すなぁ。

 なんとなくだけど、もしかしたら、と思ってしまう。

 魔王ともなると、こんな美人からも想われるのか……羨ましい。

 

 

 

 

 △月@日

 

 明日は『レーティングゲーム』の決戦日だ。

 グレモリー達も修行から帰ってきたし、明日は賑やかなんだろうな……はぁ。

 ため息ばかり吐いて、レイナーレさんから心配される始末である。

 だって、危ないし。普通の人間が行ったら死にそうだし。

 そんな事をグダグダ言っていたら、俺を守って下さるとの事。

 ……女の人に守ると言われる俺って…。まぁ、レイナーレさんは堕天使で俺なんかより強いんだけどさ。

 実に頼もしい限りである。信頼してます、レイナーレさん。

 

 

 

 

 

 




気付いたらこのSSも二桁いってましたね
お気に入りとか1200近いし。
もう本当、ありがとうございますw
日記形式だから話が進むの早いけど、多分ずっとこのままです

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