とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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原作説明の日記。
……この人を書くと、ついにあの人が出てくるんです。
親友だから、さすがに日記に未登場は無理でした。
でも知ってるかい? この人、実は前の日記で一回出てるんだぜ?

昨日投稿できなかったので、今日は二本投稿。
もう一本はIFですがね。



173(エース日記)

 G月A日

 

 もうすぐクリスマス!

 うーん、楽しくなってきちゃった!

 イッセーくんは、クリスマスの約束、覚えてくれてるかしら?

 ……駄目だろうなぁ。すっごく昔の事だし。

 ああ、でも。やっぱり楽しみだわ、クリスマス。

 今年は、好きな人と一緒に過ごす聖夜だしね。

 まぁ、好きな人には恋人がもう居るんだけどさ……。

 大丈夫、大丈夫。

 一緒に居られるだけでも幸せだし。傍に居るだけでも――って思うけど。

 ちぇ。私の方が先に会ってるのになぁ。

 

 

 

 G月B日

 

 ゼノヴィアが生徒会長に立候補した。

 驚いた。凄く驚いた。

 というか、生徒会長なんてできるのかしら、あの子。

 私生活も戦闘面でも、猪突猛進なイメージしかないんだけどなぁ。

 まぁ、本人のやる気も凄いから、応援するけどね。友達だもんね。

 リアス先輩と姫島先輩ももうすぐ卒業だし、オカ研も寂しくなるなぁ。

 新部長と副部長、誰になるんだろう?

 

 

 

 G月C日

 

 黒歌さんが家に遊びに来た。まぁ、私達天使の家じゃなくてイッセーくんの家にだけど。

 一緒にエッチなゲームをしてたら呆れられた。

 えー? ああいうのって、一緒に楽しむものじゃなかったの?

 それに、一緒にプレイしてたら、イッセーくんの好みも判るのに。

 ゼノヴィアもノリノリだったのに。

 でも、やっぱりイッセーくんって『お姫様』『お嬢様』『お姉様』ってジャンルが好きなのかしら?

 うーん……その中からだと、私って『お嬢様』かしら。やっぱり。

 お姫様って柄でもないし、同い年だし。うん。

 明日から、少し言葉遣いに気を付けてみよう。

 

 

 

 G月D日

 

 上代先輩が、町でナンパされていた。

 やっぱりモテるなぁ、あの人。

 顔もまぁまぁだし、気配りとかよくしてくれるし。言葉遣いも丁寧だし。

 私にだって、見下した対応とかしてこない。一人の天使として接してくれる。

 他の皆って、私を『なんちゃって天使』とかいうのに!

 ……どうにかしたら、グリゼルダ様にまでツッコミをもらうし。

 書いててちょっとヘコみそう……。

 

 しっかし、なにあのイケメン集団。

 イッセーくんが居なかったら、私も声を掛けてたかも。

 私はイッセーくん一筋なんだけどね!

 ヴァーリさんに美猴さん、サイラオーグさん。

 日本人離れした並みのアイドル以上のイケメンとか。

 あれ、そのうち話題になるんじゃない? あの集団。

 

 

 

 G月E日

 

 この前のアガレス領での騒動が、ニュースになってた。

 『若手悪魔、テロリスト集団を相手に大活躍。夢と希望の学園を死守』だって。

 ……上代先輩が話題にも上がってなかったのは驚いた。

 アザゼル先生がもみ消したんだそうだ。

 なんでも、これ以上目立って上級悪魔や他勢力の人達に目を着けられるのを避ける意図だそうだ。

 まぁ、多分熾天使様クラスや神話勢の神様クラスなら情報を握ってるだろう、って諦めてたけど。

 大変なんだなぁ、アザゼル先生。

 『D×D』の運営だけじゃなくて、上代先輩のお世話もしないといけないなんて。

 あの人、物凄く目立つからなぁ。

 地形が変わった冥界をすぐに直したり、テロリスト相手に大立ち回りしたり、魔王様や熾天使様や海外神話の神様たちと仲良かったり。

 どうしてか、ミカエル様は上代先輩には最低限の接触のみで仲良くするように、ってしか言ってこないけど。

 その辺りの理由、アザゼル先生は知ってるみたいだしなぁ。

 とにかく、私としてはアザゼル先生が倒れない事を願う。

 だって先生が倒れたら、色々と大変だし。

 クリスマスの企画とか、『D×D』の仕事とか、オカ研のこれからとか。

 アザゼル先生が居ないと、その辺りの事全部、私達が考えないといけないし。

 まぁでも、アザゼル先生が倒れたら、上代先輩が治してくれそうだけど。

 それに、アーシアも。

 

 

 

 G月F日

 

 小猫さんが、上代先輩と一緒にお弁当を食べてた。

 多分手作りだよね、アレ。包みが一緒だったし。

 屋上で、二人っきりで食べてた!

 凄い、なんだか彼女っぽい!

 ああいうのって、良いなぁ。

 私も今度、お弁当を作ってこようかしら。

 でも、そういうのってやっぱり第一彼女のリアス部長に相談した方がいいのだろうか?

 この場合だと、相談じゃなくて報告か。

 ……嫉妬深いからなぁ、あの人。やっぱり、こう、抜け駆けするしかないかっ。

 

 

 

 G月G日

 

 今日は、グレモリー眷属の皆を天界に案内した。

 それにしてもイッセーくん、私達ってものがありながらガブリエル様の胸に邪まな目を向けるなんて!

 その所為で、堕天防止用の結界に引っ掛かってるし。

 恥ずかしいなぁ……。

 アーシアとゼノヴィアは、天使の輪をもらって喜んでた。

 悪魔になっちゃったもんね。「天使になった気分だ」って喜んでた。

 なんだか昔の――教会に居た頃の気分になれた。

 

 あと、最近各地の支部やそこに所属する幹部が襲われているそうだ。

 それに、死傷者まで……。

 ミカエル様やガブリエル様は、『邪龍』の気配も感じているそうだ。

 ……何事も無ければいいけど。

 

 

 

 G月H日

 

 パパったら、もう!

 いきなりイッセーくんの家に来て……。

 それに、凄く仲良くなっちゃってるし。

 それに……何あのドアノブ。天界も、相変わらず訳の分からない技術を持ってるわよねぇ。

 ドアノブを交換するだけで、特定の部屋に繋げる事が出来るなんて。

 ……その部屋も部屋だけど。

 何あの部屋!

 天使が子――子作りしても堕天しない部屋だなんて!

 実の父親が娘にそんな部屋を勧めないでよっ。

 あー、もう。恥ずかしいなぁ。

 父親が学生の娘に向かって孫とか言うなっ。セクハラよ、セクハラ!

 ミカエル様も便乗してるしっ!

 イッセーくんも、エッチなホテルみたいだとか言うしっ。

 ――行った事あるのかな? やっぱり相手は、リアス部長なのかなぁ。

 

 

 

 G月I日

 

 イッセーくん、子供の頃の約束を覚えててくれた。

 嬉しいな。

 ――もうずっと昔の約束なのになぁ。

 クリスマス……サンタクロースを倒して、プレゼントを二人で山分けするって約束。

 まぁ、本当は忘れてて、最近思い出したみたいなんだけどね。

 今晩は、色んな事を話した。

 昔の事。どんな場所で遊んで、私とイッセーくんがバカやった事。

 私って、リアスさんの事が苦手だったけど、イッセー君の話題で盛り上がって、仲良くなった事。

 良い雰囲気になったのよ……良い雰囲気だったのよっ。

 ゼノヴィアが邪魔さえしなければっ。

 何覗いてるのよ、あの馬鹿っ。

 今度、私も邪魔してやるんだからっ。

 

 

 

 G月J日

 

 クリスマスの衣装、どうしよう?

 それに天候も――まぁ、天候の方は、デュリオ様の『煌天雷獄』で吹き飛ばしてもらう事にしてるけど。

 ……ジョーカー様の『神器』をそんな使い方して大丈夫なのかしら、私達。

 それにしても、イッセーくんはやっぱりスカートが好きかぁ。

 訓練してるから、大丈夫だと思うけど……少しダイエットした方が良いかしら?

 

 

 

 G月K日

 

 パパが斬られた。

 切った相手は、八重垣正臣――元、エクソシスト。

 どうしてそんな人がパパを狙ったのか判らない。 

 それに、持っていた剣も。

 神霊剣『天叢雲剣』――その神剣に『八岐大蛇』を宿した魔剣。

 傷自体はかすり傷だけど、その毒が……。

 ミカエル様は大丈夫だって言ってくれたけど……。

 それに、どうして天界とバアル家に復讐するだなんて――。

 訳が分からないよ……。

 パパの事も、憎んでるって言ってたし。

 ……パパ。大丈夫だよね?

 

 

 

 G月L日

 

 アーシアは優しいね。

 一緒に居てくれるだけで、なんだか暖かい気持ちになれる。優しい気持ちになれる。

 ……私、せっかく天使になってパパが喜んでくれたのに、そのパパを守れなかった。

 その事で酷い事を言ったのに、受け止めてくれた。

 優しいなぁ。アーシアは、本当に強い。

 私には無い強さを持ってる。羨ましいくらいの強さを。

 ――私も明日から、頑張らないとな。

 友達に、親友に笑われないように。

 

 リアス部長が上代先輩に頼んだら、って言ってたけど、それは却下になった。

 アザゼル先生は上代先輩を関わらせるのにはずっと反対してるのは判ってた。

 でも、ミカエル様やガブリエル様まであんな強く反対するなんて思わなかった。

 そりゃ、上代先輩に助けてもらえたら、って思いはしたけど、私だってそこまで期待してなかった。

 ――いったい上代先輩って何者なんだろう?

 どうしてミカエル様達まで関わらせないようにするのか。

 ……でも、大丈夫。

 天界の医療技術だって凄いんだから。

 

 

 

 G月M日

 

 八重垣正臣の事を教えてもらった。

 元エクソシスト。ずっと前、この町の教会に所属していた時に一人の悪魔と恋に堕ちた聖職者。

 相手は――当時駒王町を管理していたベリアル家の分家に当る方。

 クレーリア・ベリアル。

 そしてその二人を引き裂いたのが、私のパパとバアル家。

 今日わかったのは、これだけ。

 もう、なんなのよ。

 八重垣正臣は本当はもう死んでるって話だし。

 それに、その八重垣。

 今日は上代先輩の眷属である黒歌さんを狙ったそうだ。

 本当に見境が無い。

 天使や悪魔なら関係無なのだろうか。

 ……アザゼル先生が嘆いていた。しょうがない。

 このままなら、また上代先輩は巻き込まれるだろう。

 

 

 

 G月N日

 

 今日、初代バアル――ゼクラム・バアル様と会った。

 パパとも面会できた。

 そして、八重垣正臣の事を詳しく聞く事が出来た。

 悪魔クレーリアと恋仲になった聖職者。

 今でこそ、私とイッセーくんは仲良くやれている。

 でもそれは、当時は禁忌中の禁忌。

 そして、クレーリア・ベリアルを粛清したのがバアル家。

 八重垣正臣を粛清したのが、パパ達。

 多分、説得しようとしたんだと思う。

 でも二人は納得できなかった。出来なかったから――粛清された。

 もし粛清しなければ、特例を作ってしまう。

 悪魔と聖職者の恋愛という特例を。

 今でこそ赦されてるけど、当時では禁忌の恋の特例を。

 ……そして、ベリアル家と言えば、現当主。

 魔王と並ぶ実力を持つと言われる『皇帝』ディハウザー・ベリアル。

 彼が動けば、冥界と天界の戦争が起きるかもしれなかった。

 

 その時は、しょうがなかったのかもしれない。

 でも今は違う。

 そして、八重垣正臣は、テロリストに――『クリフォト』に与している。

 だから止めないと。

 天使として、『D×D』の一員として、パパの娘として。

 パパから受け取った『オートクレール』で……。

 

 

 

 G月O日

 

 私があの時、この町でイッセーくんと再会した時……ゼノヴィアと一緒にイッセーくんの傍に付いていたら。

 悪魔に転生していたら――今の関係も、もっと変わってたのかな?

 もっと近づけていたのかな?

 それとも……もっと遠くなっていたのかな?

 ズルい質問だって自分でも判ってる。

 それでも聞いて――イッセーくんの優しさに甘えちゃう。

 私、もっとイッセーくんの傍に居たいよ。近くに居たいよ。

 ……傍から離れたくないよ。

 悪魔と天使が、ずーっと仲良しでいいのかな?

 

 

 

 G月P日

 

 『クリフォト』が天界に攻めてきた。

 第三天――信徒の魂が行きつく場所である『天国』から。

 アザゼル先生の話では『邪龍』アポプスが冥府で何かした、という話だった。

 リゼヴィムの支配を受け付けなくなった三匹の『邪龍』。

 クロウ・クルワッハ、アジ・ダハーカ、アポプス。

 その三匹が、いずれかの勢力の神クラスの存在と契約する事。その条件で、解放されているそうだ。

 それが何を意味するのかは判らないが。

 

 結局、天界でデートをしてた上代先輩達も巻き込んじゃったし。

 というか、デートをするにしても、人間界でしましょうよ先輩。

 ……助かりましたけど。

 レイナーレさんと黒歌さん以外は、人間界にお留守番してたけど。

 流石に、デートで他の人達は連れてなかったか。

 天界の門も閉じられてたから、結局合流出来なかった。

 そのレイナーレさん。

 『宝樹の護封龍』ラードゥンの結界に手間取っていたら、その結界を簡単に壊してくれた。

 この前の冥界の時の黒い槍。そして、一緒に助けてくれた曹操の聖槍。

 あの二人、揃ったら手が付けられないわよね。

 仲が良い訳じゃないみたいなのに、息ピッタリだった。

 

 それにしても、八重垣さんを救えて良かった。

 聖剣『オートクレール』。斬った者の心すら洗い流すという特性。

 ――まさか、神剣の淀みすら浄化できるなんて思わなかったけど。

 私と相性が良いんだそうだ。

 

 その後、油断してたところをリゼヴィムが襲ってきて、八重垣さんと黒歌さんがやられた。

 ……二人を上代先輩が助けてくれた。

 その所為で、上代先輩は倒れて、レイナーレさんはキれて――。

 大変だった。

 正直、戦う力なら多分魔王クラスはあると思う。

 オーフィスさんの魔力と、それを補う技術。

 その両方を、あの人は持っている。

 冥界の『超越者』の一人であるリゼヴィムが、左腕を犠牲にして逃げるしかなかったのだから。

 

 

 

 G月Q日

 

 上代先輩と黒歌さんが、目を覚まさない。

 上代先輩は力を使ったから。

 黒歌さんは……一度死んだから。

 乱戦で気付かなかったけど、黒歌さんは上代先輩を庇って死んだ。

 それほどの激戦だった。上手すぎる奇襲だった。

 私達は、また上代先輩達に頼ってしまった。

 

 特に、先輩と仲が良いイッセーくん、ヴァーリさん、サイラオーグさん。

 今日、曹操に叩きのめされていた。

 腑抜けるなと、下を向くなと、前を向けと。

 私も――私も、前を向かないと。

 イッセーくんの隣に居る為に。傍に居る為に。

 

 

 

 G月R日

 

 レイナーレさんって、皆から愛されてるなぁ。

 上代先輩を守れなくて、落ち込んでたところを皆から励まされていた。

 ……訓練場で、戦ってだけど。

 仲が良いなぁ、皆。

 私はもっと優しく励ましてほしいけど。

 いくらなんでも、動けなくなるまで戦うってどうだろう。

 熱血だなぁ。

 

 

 

 G月S日

 

 イッセーくんとキスしちゃった。

 二度目のキス。一度目も、イッセーくん。

 本人は知らないんだけどね。寝てる時にしたし。

 

 それにしても、アザゼル先生。

 今日はハジけてたなぁ。

 オカ研メンバーにクリスマスプレゼントを配る時、サンタクロースの衣装を着てた。

 プレゼントが欲しければ俺を倒せ、だって。

 しかも、滅茶苦茶強いの。凄いテンションだった。

 ……色々とストレスとか溜まってたんだろうなぁ。

 今度から、少しは手伝えるお仕事が無いか聞いてみよう。うん。

 昔の約束、果たせなかったなぁ。

 サンタクロースを倒して、プレゼントを二人で山分けにする。

 難しいなぁ。

 ……だって相手、オーフィスさんだし。

 最後には、アザゼル先生が逃げ回ってたし。

 

 あー、楽しかった。

 上代先輩も目を覚ましたって言ってたし。

 レイナーレさん達と仲良くやってるんだろうなぁ。

 

 

 

 




ホースオルフェノク「」
アザゼル「」

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