ガンゲイルオンライン:rehab   作:madamu

2 / 13
雨にはいい思い出は無い

朝は雨だった。雨にはいい思い出は無い。

 

SAO事件。ゲーム世界に閉じ込められた1万人は恐怖に震える者、それを打ち破り荒野に出る者、悪意をむき出しに振舞う者、いろいろいた。

 

俺は、冒険をして経験を積み、早々に「行政」を作ることを提唱し動いた。ギルドと言えばそれまでだった。

メンバーが手に入れた資材を買い上げ、ミッションを告げる。その繰り返しの中で未成年の保護、前線攻略組への支援、等々。

 

「これはゲームではない」とあのクソ野郎が言ったので、出来る限り現実として振る舞ってやった。

いくつものギルドにも協力を申し入れた。アインクラッド解放軍は協力後、内紛が起きそうだったので速攻解体させた。

ゲーム感覚で「狩場占拠」などトラブルを起こしたので、よく切れた。

 

「お前ら、弱い人間を殺す気か!」と何度怒鳴ったか数えきれない。

プレイヤーキラーもオレンジとか、レッドとか使わずに「暴行犯」や「殺人犯」と出来る限り現実に即した言葉を使った。

何度も何度も、「ゲームじゃないんだ。死ぬんだ」と説明した。時には実名で話をし、オレンジプレイヤーを説得した。

ラフコフの説得には大変だった。自分の手も汚した。

 

相手の家族やリアルな実情も聞いた。人生相談どころの話じゃなかった。

社会人経験者、警察官、行政関係者を集めて、怯えるプレイヤーを集団として安定させた。疲れた。

 

時には攻略組に混ざり命を削った。必要なら仲間を奮起させ戦いに向かわせた。数名死んだ。

 

SAO解放後、仲間の親御さんに頭を下げに行きたかったが、役人が個人情報を教えてくれなかった。

俺は「麒麟」と「白夜」と「ゴッドハルト」を死に追いやったのだ。

 

みんな市長と呼んでくれた。

 

血盟騎士団とも交流があった。キリトもアスナも知っている。

風林火山のクラインはお調子者だがいい奴だ。一度後任の市長を振ったが断られた。

 

「茅場の金玉蹴り上げて殺してやる!」と何度叫んだか。みんなは笑ったが半分は本気だ。

この糞みたいなことを始めたクソ野郎。

 

SAO解放後もALO内に意識を監禁された。クソ野郎が増えた。須郷の糞は逮捕された。

ざまーみろ。

 

仕事で海外との交流がある。VR会議が数回あった。どうも気持ちが乗らなかった。

カウンセラーに相談したところPTSDと言われた。

日常生活には支障はなかったが、以前より睡眠時間が少なくなった。

 

仕事でのVR会議は減らないだろう。どうにかしないと。

カウンセラーに相談したら、他のVRゲームを進められた。

 

アクション映画が好きで、ガンゲイルオンラインの存在を知ったとき興味を引かれた。

対人戦も数回やったが、ぎりぎり戦闘というものに緊張や快感を感じなかった。

 

俺は猟師を始めた。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。