特異点 三国聖杯決斗 リィル・ミステリューズ 作:ローディオ
侵略されゆく祖国の地
血紅に染まる同胞たち
我らを滅ぼさんとする白き悪魔共
全てを呑み込む紅蓮の猛炎
それが、私がみた最期の光景だった。
《畜生ォ...!》
《怯むな、足掻き続けろ!》
《クソったれぇ!》
その身を焔で焼き続けながらも
我らは最期まで戦い続けた。
《ぎゃあああああああ...》
《た、助けてくれェ...!》
《あああ、あぁぁ...っ...》
同胞たちの阿鼻叫喚が耳に焼き付いて離れない。
《王子、お逃げくだ────ぐぁっ!?》
《王子ををお守りしろ!王子さえ生き残れば道は開ける!》
燃える、燃える、燃える。
街が灼かれる。
宮殿が灼かれる。
同胞たちの肉体が、魂が灼かれる。
何故我々が奴らの傲慢の焔のせいで、こんな目に遭わなければならない?
【所詮、いくら優れていようと黄色人種の猿共が我々白人に勝てるわけがないのだ。】
【テメェらに怨みはねぇが、俺たちは楽に生きたいんでなぁ!ははははは!】
────憎い
────憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い────奴らが憎い!
あの悪魔どもを滅ぼせるのであらば私は喜んでこの身を捧げよう!その代わりに燃え尽きろというのであらば、私は喜んでこの身を灰燼に帰そう!
だからもう1度、私にチャンスを与えてくれ...奴らに復讐出来るだけの力を...偉大なる破壊神よ...
《本当に、憎悪の炎にその身を焦がし続ける覚悟があるのか?》
声が聞こえた。
水面をかき分け、深い深い海の底から響くように。
《お前は全てを飲み込む深い深い水底に投げ込まれたとしても、怒りの業火をその身に灯し続けられるか?》
戦場で死にゆく同胞たちの声が頭をよぎる。
陵辱され無念のままに灰燼に帰した友の怒りが、私の心に火を灯す。
声の主が誰なのか、何が目的なのか。もはやそんなことはどうでもよかった。
「焔の中で滅んだ私に、もはや恐れなどない。同胞たちの怒りが私の種火となり、決して消せない復讐の炎を燃やし続ける!奴らに復讐を...憎き奴らに復讐を!!」
《ならば我らは同じだ》
《私は貴方。貴方は私。》
《我らが聖杯を手にし、奴らに復讐しよう。》
────次に目が覚めた時に目にしたものは見たことのない、だが「彼/私」が最期にみたあの大地と巨大な■■■だった。
「ああ────そうか、そういうことだったのか」
「お前は私で、私はお前。」
彼が私に声をかけた理由が
私/彼が成し遂げなければならないものが
全て理解ができた。
「ふはは、ふははははは!」
「みていろ...我らの憎悪と怒りの炎が貴様らのすべてを焼き尽くす!」
〜特異点 三国聖杯決斗 リィル・ミステリューズ〜