桜花を護る、超野太刀を持つ開拓者   作:刀馬鹿

14 / 41
申し訳ない
一日遅れました

TT氏 刀馬鹿~。モンハンクロス始めたから素材集め手伝って~

刀馬鹿 何で今更!? ふつーダブルクロスじゃね!?

TT氏 職場でやることになったんだけど、一人すでにクロスやってる人がいたから。おまけに安いし。600円だった

刀馬鹿 いや、ダブルクロスも大してかわらんだろw


昨日はゲネル・セルタスを三匹飼ってたら時間が過ぎてましたw

そんな間抜けの作品ですが、よければ~


二人の狂気と思い

それは刃夜とアーチャーが初めて邂逅した、その日の夜。

 

刃夜を待ち伏せるように……いや、実際待ち伏せしていたのだろう。

 

刃夜が帰宅すると、バーサーカーが玄関先に現界したのだ。

 

しかし魔力消費を嫌ったのか、すぐに霊体化した。

 

その行動の意図を察して雁夜と共に凜を救った後、雁夜が眠る時にいつもとは違う薬を、刃夜は手渡していた。

 

「これは?」

「普段よりも活性化させる薬だ。治療を少し進めようと思ってな。わかってると思うが毒じゃないから飲んで寝てくれ」

「今更疑わないさ。わかった」

 

渡された薬を飲んで軽く運動して、雁夜も眠りについた。

二人が眠ったことを確認すると、刃夜は静かに部屋を出て庭先の縁側へと出た。

手に持つのは二つのお猪口。

お猪口を持っているところから言って酒を飲むつもりなのだろうが、酒を持っていない。

 

……月見酒と思ったが……さすがに庭にまで手がつけられてないから余り綺麗じゃないな

 

自らがリフォームした家の庭先を見て、実に渋い表情をしていた。

そして縁側へと腰掛けて、左手を握る動作を行った。

普段刃夜が刀を取り出す時とは違い、手のひらをより大きく開いていた。

するとその左手に一升瓶が出現し握られていた。

その一升瓶を一つのお猪口へと注いで飲み始めた。

一升瓶とお猪口であることから、酒なのだろう。

どうやら酒の味はまずまずだったらしく、嚥下した酒の味を実においしそうに味わっていた。

 

うーん、ちょっと甘みのふくらみ方が甘いが……なかなかいけるな。米の磨き方が甘かったか? もうちょい熟成させればもっとうまくなるかな

 

小さく頷きつつ、刃夜は自らが口につけたお猪口ではないもう一つのお猪口に酒を注いで、静かに自分の眼前へと差し出した。

 

「やるか? 俺が造った酒だが……酒も結構造ってるからそこそこ自信はあるぞ? まぁ日本酒が口に合うかはわからなんだが」

「……いただこう」

 

虚空へと話しかけた刃夜だったが、すぐにバーサーカーが現界して差し出されたお猪口を受け取った。

黒紫の鎧を身に纏っているが、しかし兜は被っておらず素顔を晒していた。

その顔は……深く、醜いと言って差し支えのない皺が、刻まれていた。

 

何かに……悩み続けたというように。

 

そして刃夜の目の前に立ったままその酒を口に含み、意外そうな表情を浮かべた。

 

「ほう、うまいな」

「そらどうも」

「酒も造れるのか? というか酒税法というのはいいのか?」

「……西洋の騎士様がそれを言うとすげー笑えるな」

「聖杯からある程度現代知識は与えられているからな」

「らしいな。まぁ俺はそれを認識してないが……。まぁどうでもいいが。別に? 長生きしているからいつでも自分の国の酒が飲めるようにしたってだけだ」

 

そう言いながら、先ほど注いだ酒を一気に煽った。

それに倣ったわけではないだろうが、バーサーカーも渡された酒を全て飲み干して、お猪口を刃夜へと渡した。

 

「もういいのか?」

「わかっているのだろう? 話すために私が現界したわけではないのだと」

 

その言葉と共にバーサーカーが何歩か下がり、庭先に置かれた木材を手に取り……手に取られた木材が漆黒に染まった。

そしてその木材を剣に見立てて……否実際に剣なのだろう。

その醜い黒く、赤い血管のようなものが走る剣を、刃夜へと向けた。

 

「王を裏切ったとはいえ、私も騎士に端くれ。貴様がどのような存在であるかは……剣で測らせてもらう」

「ふむ。それはいいが条件がある」

「何だ?」

 

お猪口の酒を飲み干し、刃夜は左手を僅かに握って、打刀を出現させた。

それは……今まで刃夜が数多く出現させた刀よりも、より鋭さを感じさせる打刀だった。

 

「やっても一分以下だ。そうじゃないと雁夜に負担がかかる。かなり良い薬を飲ませたが、用心に越したことはない」

「……わかった」

 

刃夜は静かに、緩やかに……だがそのゆったりとした動作とは裏腹に、その身には凄まじく身も凍えて砕け散るほどの重圧を、刃夜がバーサーカーへと向けて放った。

そしてその次の瞬間には……

 

 

 

!!!!

 

 

 

黒き棒の剣と、刃夜の打刀が交差し、庭に(・・)凄まじい音が鳴り響き……

すぐに雨が降り注いだかと勘違いするほどの数の音が起こった。

だが、それもそう長くない時間で止まり……再び庭に(・・)静寂が戻った。

 

「……本当にお前は何者なんだ?」

「何者と言われても……。雁夜と同じ事を答えるしかないのだが?」

「ふざけるな!」

 

たまらずといったようにバーサーカーが激昂した。

その反応に対して刃夜は、ただバーサーカーに気付かれない程度に小さくため息を吐くだけだった。

 

「今の技量といい、さらに今貴様が使っている風の能力。我が王の「風王結界」以上の宝具だ。しかもそれだけではなく、その刀も宝具に相違ない。それだけの力を有していながら、何故我らを助ける?」

「言ったとおり桜ちゃんを守るためなんだが?」

「それならば私のことはどうでもいいはずだ。なのに何故?」

「何故といわれてもなぁ。お前も少しめんどくさそうなもの抱えているからどうにかしてやりたいという、老婆心なんだが?」

「なんだと?」

 

刃夜の言葉があまりにも意外すぎたのか、バーサーカーは僅かに顔を歪ませながら刃夜を睨み付ける。

その睨み付けてくる瞳を、刃夜はまっすぐに見つめ返した。

嘘は一切言っていないというように。

 

「どうしようもないやつなら放置するんだが。今のところ俺が接した存在でどうしようもない存在はそういない。それ以外の連中に対して何かをしてやりたいという……嫌な言い方をすれば余裕ある者の驕りだよ」

 

刀を納刀し、空間へとしまいながら刃夜はただそう答えた。

 

「何故だ?」

「何故と言われても、好感抱く奴が何か問題ありそうだったらどうにかしてやりたいとは思うだろう? さきにも言ったが老婆心だよ。お前も歴史上の人物ということで功績も実力もあるんだろうが……まぁ仙人とかじゃない限り俺よりも年上って事はないよ。少なくとも老化を伴わない年を取るという……特殊な精神年齢にはな?」

「……」

「信じられないだろうな? まぁ俺も逆の立場だったらそう思うよ。なら……そうだな……」

 

少しだけ考えるようなそぶりを見せた刃夜の姿が、忽然と姿を消した。

そして消えたとバーサーカーが認識したその瞬間には……背後から首筋を薄皮一枚だけ切られていた。

 

「!?」

「圧倒的強者が弱者を従えるって言うのでもいいんだが?」

 

背後へと目を向けると、そこには腕をいつでも引けるように、僅かに腕を曲げている刃夜の姿があった。

腕を伸ばしきっていないため、押すことも引くことも容易だ。

つまり一瞬にして命を奪うことが出来るのだ。

 

これにはさしものバーサーカー……円卓の騎士であるランスロットが驚愕した。

 

一瞬で背後に回った……だと

 

円卓の騎士。

それはアーサー王とともにブリテンを守護せんと最高の騎士が集まった最強の力。

その円卓の騎士の中でも卓越した技量を誇り、アーサー王が携えた聖剣、エクスカリバー(約束された勝利の剣)と同じく神造兵装の剣を所持し、その剣を十全以上に扱える技量を有していた。

そのランスロット……バーサーカーの背後をとるというのは、かなり高度な技量が必要となる。

それをあっさりとやってのけた刃夜。

確かに本人の言うとおり「強者の驕り」と言うだけの力を有していた。

その刃夜は、すぐに刃を引っ込めて空間に打刀を収納すると……今度は先ほどとは別の酒瓶を空間から取り出してみせた。

 

「今夜は寝なくてもいいか。出来れば寝たいんだが……。まぁそれ以上にやらなきゃいけないこともあるな。また夜に出掛けなきゃいけないから、二時間ほど酒に付き合ってくれないか?」

「……毎晩、マスターとあの幼子が寝た後、一体どこに行っているんだ?」

「ちょっと害虫駆除に……な」

 

取り出した瓶の酒を先ほどのお猪口に新たに注ぎながら、刃夜は酒を注いだお猪口をバーサーカーへと差し出した。

その差し出された酒と、何よりも刃夜の顔を……バーサーカーはいぶかしそうな表情で見つめる。

そのいぶかしげな……端的に言えばうさんくさいものを見る顔……表情に刃夜は少しだけ肩をすくめながら苦笑した。

 

「敵じゃないことは間違いないんだ。なら酒飲みながら、つまみを食いながら話をして互いを理解するってのは……万国共通じゃないかな? 少なくとも俺が旅した異世界ではほとんどの世界と国で、この考えは通用したぞ?」

「例外が?」

「そりゃまぁ中にはあるさ。特に人間同士の戦いじゃない場合はその傾向が顕著だったな。地球外起源種とかを相手にロボットで戦ったこともあるぞ~」

「……なんだそれは」

 

さすがにこうまで邪気のない表情でそう言われては、バーサーカーとしても酒を断るのは難しかったようだった。

 

 

 

こうして二人は静かに酒を飲み、互いのことを話した。

 

どのような話をしたのかは二人にしかわからない。

 

同居人とも言える桜と雁夜はすでに夢の中。

 

ただ冬の澄んだ空気と僅かにかけた月が、二人を包み、見守っていた。

 

むろんたったこれだけで互いを信頼など出来るわけもない。

 

だがそれでも、間違いなく二人はこの夜に確かに何かを得た。

 

それが信頼なのか?

 

それとももっと違う何かなのか?

 

言えることは一つだ。

 

 

 

ただ二人は静かに、互いのことをぽつぽつと話して、酒を飲んだ。

 

 

 

それだけは間違いなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、綺麗に終わるかと思ったのだが……

 

 

 

「あなたのマスターは将来きっと美人になる」

「それは同意だな。あの子はスゲー美人になりそうだな。性格も……まぁこの歳じゃ何とも言えないが、優しい子だしな。手伝いもしてくれて、料理も習いたいみたいなこといってるしな」

 

刃夜が台所で残り物で調理したそれなりの量の料理を二人でつまみながら……

 

「美人で優しくて料理上手とは……。いかん、思わず想像してしまう」

「何を想像したのかはあえて聞かないが……内容次第によっては桜ちゃんから半径数メートル以内には近寄らせないぞ?」

「失礼な。私だって弁えている。幼子に手を出すなど狂気の所業」

「いや、その思考してその台詞を吐いた時点でアウトだよ!?」

 

実に危なげな会話をしていたりする。

 

「まぁでもなんか桜ちゃんほっとけないのと同時に……なんか引っかかるんだよなぁ? なんでかね? 俺の知り合いに間桐桜ないし、遠坂桜なんていないはずなんだが?」

 

本当に不思議そうに、刃夜は桜の名前を言いながら首を傾げていた。

 

「ほう。それはどういう意味でかな?」

「いっとくがお前と同じ理由と思考じゃないことだけは断言するからな?」

 

だがどこか楽しそうに見える……会話の内容から言って結構危ない事だが……のは気のせいだろうか?

 

「私は……ただ、狂いたかっただけなのだ」

「狂うか……」

 

しかし楽しいばかりでもなかった。

酒に酔ったわけではないのだろう。

何せ飲食が出来るとはいえサーヴァントが酒に酔うはずもない。

本人曰く、肉体があり生きていると自称している刃夜も酒に酔った様子もなかった。

ただ……少々騒がしかった会話が一転し、静かに言葉を交わし始めていた。

 

「私が行ったことは王への侮辱。王への裏切り。王への反逆に他ならなかった。その所業は騎士ではない。ただの畜生にも劣った行動だった」

 

遠い月を眺めて、そう独白するようにバーサーカーが……円卓の騎士、ランスロットが呟いている。

独白なのかもしれない。

もしかしたら、口からこぼれている言葉に気付いていないのかも知れない。

 

 

 

そしてそれ以上に……言葉から漏れ出る感情に……

 

 

 

 

 

 

気付いていないのかも知れない。

 

 

 

 

 

 

泣き出しそうな

 

崩れ落ちそうな

 

消えてしまうような

 

 

 

そんな……言葉だった。

 

 

 

 

 

 

「私は……」

 

 

 

 

 

 

言葉に出来ないと言うかのように……ランスロットは口を閉じてしまった。

 

閉じたと言うよりも……言葉が出なくなったという方が正しくなったのかもしれなかった。

 

 

 

 

 

 

狂気を喰われた存在であるバーサーカー。

 

 

 

 

 

 

荒れ狂うために召喚に応じたために……どうすればいいのかわからないのだろうか。

 

 

 

 

 

 

自らが調理したつまみを口に運び、味わいながら……刃夜もぽつりと、

 

 

 

言葉を紡いだ。

 

 

 

 

 

 

「色んな国に行って、人を殺してきた」

 

 

 

 

 

 

「弱者をいたぶって快楽に浸る者。弱者の命を啜るようにして、金銭を得る奴。色んな奴を殺してきた」

 

 

 

 

 

 

酒を飲み、ただ独り言を呟いていく。

 

 

 

 

 

 

「そして全てが狂い、やがて治った。そして色んな事を学んだ」

 

 

 

 

 

 

お猪口の酒に写った月を見つめていた。

 

 

 

まるで、その先に何かがあるかというように。

 

 

 

 

 

 

「だが色んな人を殺し、狂い、学び……旅をしてきた。だが最後に残ったのは、俺が最初にしたいと思ったことだった」

 

 

 

 

 

 

「したいと思ったこと?」

 

 

 

 

 

 

思わずといったように、ランスロットは刃夜の独白に、口を出してしまっていた。

 

 

 

 

無意識のうちに出した言葉にランスロットは、はっとしたが、撤回することなく刃夜の言葉を待った。

 

 

 

 

 

 

「最後に残ったのは、料理を極めたいこと。そして何よりも……刀を鍛えることだった」

 

 

 

 

 

 

「鍛える?」

 

 

 

 

 

 

「雁夜に言ったが俺の本職は刀鍛冶だ。色んな事を学んだ上で、それがもっともしたかったことなんだろうな」

 

 

 

 

 

 

小さく笑みを浮かべながら、刃夜はそう答えていた。

 

 

 

その笑みは本当に、澄んでいた。

 

 

 

見る者にそう感じさせるほどに、赤裸々に心情を表していた。

 

 

 

その笑みを見て……バーサーカーが思わず息を呑むほどに。

 

 

 

 

 

 

「だから、考えてみればいい。色々間違ったかも知れない。狂ったのかも知れない。だが……俺が言うのはちょっと違うかも知れないが、狂った思考は消し飛ばしたんだ。思わず出来たこの時間で、考えてみればいいさ」

 

 

 

 

 

 

残った酒を一気にあおって、刃夜は立ち上がって左手に打刀を出現させた。

 

どこかに出掛けるのだとすぐにわかった。

 

 

 

「いくのか?」

 

「日課の害虫駆除だ。結界があるから大丈夫だけど二人のこと頼む。それと……」

 

 

 

立ち上がり、戦闘態勢を整えながら……といっても打刀を肩に担いでいるだけだが……背後を振り返り、バーサーカーが手にしたお猪口と縁側の床に置かれた料理が盛られていた皿を指さした。

 

 

 

「後片付けしておいてくれ。働かざる者食うべからずだ」

 

 

 

そう言ってニカッと笑って、夜の街へと躍り出ていった。

 

 

 

片付けを言い渡されたバーサーカーは一瞬きょとんとしていたが……すぐに苦笑すると酒瓶に残っていた酒を飲み干して、静かに食器類を片付けに台所へと向かっていった。

 

 

 




神羅様、誤字報告ありがとうございました!
水曜、木曜はパソコンもつけずにfgo二部をやってたもので
強くなったお陰で令呪三画の全滅復活使わずにクリアできたぜ!
だが、やはりまだ特殊クラスが、つーかルーラーが一人は欲しい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。