「さて、今宵の晩飯は何がいいかね? とりあえず和洋中他諸々。大概のポピュラーで作りやすくうまい飯は作ってきたが……。桜ちゃんは何がおいしかった?」
「刃夜おじいちゃんの料理は本当に、何でもおいしかった! だからどれかっていうのは決められないかも」
「ふむ、嬉しいことを言ってくれる。まぁそれなりの修行を行っているのだから、ある意味で当然なんだが」
「子供になんつーことを言ってるんだよ、刃夜」
刃夜がリフォームした台所で、いくつかの食材を取り出しながら刃夜と桜は並んで立ち、何の料理を作ろうか悩んでいるようだった。
雁夜は手伝わず……正しくは刃夜に体のことも考えて調理については禁止令を喰らっている。が、食後の皿洗いはさせられている……椅子に座って桜の様子を見守っていた。
「事実だから仕方あるまい」
「それはそうなんだろうけど……」
「料理の基礎は教えているから後は手順と食材の扱い方辺りをもう少し教えても良いなぁ……。となると何が言いかね? とりあえず定番の肉料理辺りから行こうかなぁ」
「鶏肉の何かがいいな」
どうやら桜は鶏肉料理がお気に入りのようだった。
ただそんなことよりも、桜が自らの主張を口にしたことが、雁夜にとっては何よりも嬉しいことだった。
その思いは刃夜も同じなのだろう。
桜に笑みを浮かべながら、刃夜も同じように嬉しそうに口を開いた。
「ほう鳥か。ふむ……では逆に基本に立ち戻って難しい料理よりも簡素な料理で基本的な味わいの料理――」
そこまで言葉を紡いで、刃夜は何故かふと言葉を止めた。
そして、あらぬ方角へと視線を投じる。
突然変な動きをした刃夜に桜と雁夜が不思議そうに、刃夜へと目を向ける。
「刃夜おじいちゃんどうしたの?」
「……どうやら事が来たらしいな」
「事?」
ニヤリと、実に好戦的に笑みを浮かべながら、刃夜はぼそりとそう呟いた。
その呟きがどういう意味なのかわからない桜と雁夜は、ただ不思議そうにするしかなかった。
その二人に対して、刃夜は決定事項とでも言うように、強い意志を込めて言葉を放った。
「とりあえず今夜の料理教室は中止。これから作戦会議を始める。飯は俺がちゃっちゃと作る」
「中止? どうしてだ?」
「今宵で、最低限行わなければいけない難題を片付ける」
桜にわびるように頭を撫ながら、刃夜はすぐさま調理へと取りかかった。
その速度はまさに神速。
あっという間に簡素だが栄養満点で、実に食欲のそそられる匂いが台所を漂った。
「ごめんな、桜ちゃん。後日に望み通り鳥料理を教えてあげるからね」
「うん」
刃夜の言葉に頷くが、どうやら寂しいことは間違いないらしく、桜は少々残念そうに顔を歪ませていた。
その桜に罪悪感を覚えてはいるのだろうが、しかし刃夜はそれでも雁夜へと、言葉を放った。
「おそらく今夜、相当でかいことが起こる。その際、こちらの問題は片付けるぞ」
「でかいこと?」
口を閉じて、刃夜と二人の会話を繰り広げるために、口を閉じたままだったが。
もりもりと、いつもよりも素早く、だがしっかりと噛みながら、刃夜は高速で自らが作った料理を胃袋へと収めていく。
戦前の腹ごしらえという意味なのだろう。
刃夜がここまで明確に戦闘を意識させることを今までしていなかったため、雁夜としても何か大事が起こると嫌でも意識させられて、気を引き締めて食事をする。
そして刃夜と雁夜……そして念話でバーサーカーと雁夜……が会議を行い、夜のとばりが降りて
冬木の川に、巨大な海魔が召喚された。
あら~これはまためんどくさそうな奴が来たなぁ……
夜になり始めた逢魔が時。
その光景はまさに逢魔が時といって何ら問題のない光景となって、刃夜の目に映っていた。
距離にして未だ数㎞はあるはずだというのに、はっきりと見えるその巨体。
大きさは、そばの冬木の新都と旧市街地を結ぶ大橋よりも大きいことから、容易に巨大であることが想像できる。
その巨大海魔へと、刃夜は
そしてそのそばに、雷鳴が閃いた。
「おぉい! ジンヤよ!」
屋根から屋根へと飛んで高速で移動している刃夜の横を、空飛ぶ
声とその宝具からして考えるまでもなく、ライダーことイスカンダルと、そのマスター、ウェイバーの二人組だった。
「どうした征服王? 俺はあのデカぶつの退治に向かうところだが、お前は? 同じじゃないのか?」
「ほ。そいつは重畳。その通りだ。今他の奴にも声をかけているところだ。先に向かっていてくれ」
「了解だ」
短いやりとりを終えて、ライダーが空を駆けて行く。
その様子を横目に見ながら……刃夜はぼそりと、小さく呟いていた。
「さて、これで予定通り終われば良いんだが……さてさて」
そう呟きながら、刃夜は冬木の川辺にたどり着き、その場にすでにセイバーとアイリの姿を見つけてそのそばへと降り立った。
「ようセイバー。それにアイリスフィールのご婦人。ご機嫌いかが? まぁ良くないとは思うけど」
「ジンヤ。あなたも来たのか?」
「そらな。これ、あの怪物の集合体ないしボスだろ? これが街に行ったらえらいことになるぞ?」
「たしかに……そうね」
一度共闘しているのと、また状況が状況ということで、ジンヤにもセイバーにも互いに戦うという意識はないようだ。
互いにこの膨れあがった巨大な海魔をどうにかするという共通の目的があった。
そしてすぐにライダーの呼びかけに応じたランサーが集まり、ちょっとした作戦会議が行われた。
「僕とライダーは戦ってないけど、他の奴らは一度戦ったんだろう? あんたらに何か策は?」
この場で唯一のマスターであるウェイバーの言葉。
それに対して言うことは単純明快だった。
ともかくあのデカい化け物が、岸辺に上がって捕食……生命体を喰らって活動する……する前に討伐すること。
これ以外にあり得なかった。
「あんなのが岸辺に上がったら……無作為に人を食べてしまう。それだけは避けないと」
悲痛な面持ちで、アイリスフィールがそう言葉を放つ。
ここまで聖杯戦争の……魔術の大原則である、秘匿を無視されたことに対する怒りと、冬木に住む人々の営みが無秩序に犯されそうになっている事に対しての怒りがあわさったものなのだろう。
一般市民を巻き込んで良しとする人物は、この場にはいなかった。
「とりあえず川で足止めをするとして……決め手に欠けるな。あのキャスターめをどうにかせんことにはあの海魔はとまらんだろう。だが、キャスターはあの分厚い化け物の中だ。どうする?」
「引きずり出せば、我が
「ランサー。あなたの腕を疑うわけではないが……この岸辺からキャスターの宝具を投擲で仕留められるか?」
同じ騎士として、妙な信頼感があるセイバーとランサー。
互いに手の内を明かすことになっているというのに、特にそれに対して思うことはないらしい。
といっても、すでにセイバーもランサーも真名については半ば周知の事実となっているのもあるだろうが。
「造作もない」
「よし、では方針が決まったな。とにもかくにもあのキチガイを怪物の腹の中から引きずり出す」
刃夜が巨大な海魔を睨み付けながら、そう絞める。
皆同じ気持ちなのだろう。
とにもかくにもあの海魔を退治するのだと。
「それしかあるまいな。さて、ならばランサーはこの場で待機するとして、セイバーにジンヤ。余の戦車は道など不要であるから問題ないが……お主らはどうする?」
「舐めるなよ征服王。この身は湖の乙女の加護を受けている。水が我が歩みを阻むことは出来ない」
「ほう」
セイバーのスキルに、ライダーは実に興味深そうに笑っていた。
その笑みを見て、刃夜はライダーに半ば呆れていた。
以前に自らが言われた軍門に下るという事を、こんな時にでもそんなことを考えているらしい。
「ならばセイバーは問題ないとして、ジンヤ? お主は?」
「あー俺は跳べるし、飛べるからどうとでもなる」
「ほほう? 飛べるとな?」
そして今度は刃夜の言葉に、ライダーはさらに興味津々そう問うてくる。
さすがにこの好奇心と言うべき行動に、この場にいる全員が呆れた様な顔をライダーへと向ける。
そして当然だが……その気持ちが一番大きいのは刃夜だった。
「ともかく行くぞ。もたもたしてると、戦車に先駆けて一番槍をもらっちまうがいいのか?」
「ほう? それは余に対する挑戦状と受け取って構わないか?」
「どちらでも? ともかく俺は行かせてもらうぜ?」
刃夜が左手を握り、自らの得物を顕現する。
その左手に握られているのは、優に全長数メートルはあろうかという、巨大な刀だった。
刃渡り二丈(600cm)。
身幅は刃夜がぎりぎり握り込める程度で二寸(6cm)あり、重ねの厚さは下手な文庫本ほどの厚みがある。
柄はその長さに対応してか、二尺二寸(66cm)の長さがあった。
だが柄がかなり薄めに作られているようで、その長大な大野太刀を握り込むのに支障を来さないように拵えられていた。
全長二丈二尺二寸(666cm)の大野太刀、銘を
そんな、普通の人間は持つどころか、僅かでも上げることすらもできないであろう巨大な刀を……刃夜は苦もなく持ち、重さを感じさせないほどの疾走で、まるで放たれた刃の弾丸のように、海魔へと突貫した。
その速さには、周囲の人間は驚き昂揚するのと同時に、競争心が爆発した。
「ほう!? やるではないかジンヤ! だが、余の戦車は神威の車輪。そんじょそこらの戦車とは、比べものにならぬ一品よ!」
雷鳴が響き、稲光がいくつも瞬き、ライダーの宝具……神威の車輪を引く神牛である飛蹄雷牛が凄まじいうなり声を上げて宙を走る。
状況が状況とはいえ、さすがに二人の英霊の勇士を見せられては、さしものセイバーも気が猛ったようだった。
刃夜に負けじと川の水をしっかりと踏みしめて疾走し、海魔へとつっこんだ。
「行くぞ、キャスター。貴様が何を企んでいるかはわからんが、この場で決着をつけよう!」
見えない聖剣を振りかぶり、セイバーも巨大な海魔へ斬りかかった。
そんな他のサーヴァント達がいる中、英雄王ギルガメッシュだけは、ただ自らの宝具である
計、四騎のサーヴァント達が巨大海魔に攻撃を行っている様子を、実に興味深そうに。
そしてもっとも注視しているのが、刃夜であった。
ほう、あのような巨大な剣も用いるか。あれだけ巨大でありながら、なかなか興味をそそられる得物だ
嬉しそうに笑みを浮かべて他の四騎が戦う姿を、見つめている。
そのギルガメッシュの態度と下の状況を、マスターである遠坂時臣は、苦虫をかみつぶしたような思いで見つめていた。
言峰璃正と共に画策した令呪の報酬を得る事が出来そうになく、また神秘の秘匿……魔術に対する侮辱にしか取れないこの状況であれば、仕方ないのだろう。
生粋の……魔術師らしい魔術師である遠坂時臣では。
その宙の黄金に輝く玉座に座す、英雄の王へと……現代の巨大で無骨な鉄の翼が
踊りかかって来ようとしていた。
「ほう、あの狂犬め。あれから姿を現さないからどうしたのかと思ったが……どうやらまだ生きていたらしい」
「王よ、下にバーサーカーのマスターがいます。私はあちらの迎撃に向かいます」
「よい、許す。遊んでやるがいい」
遙か上空にある
ギルガメッシュただ一人となった|天翔る王の御座へと、鋼鉄の無骨な翼が……襲撃をしかける。
そのコクピットには、黒紫の騎士が乗り込んでおり、操縦桿を握っていた。
「ふん。地に伏す狂犬の分際で、我のいる王の天へと上ってくるとは、こざかしい。その意気はよしとしてやろう。だが……粋がるなよ、雑種!」
その宝物庫から射出されたいくつもの宝具が、バーサーカーが操る鋼鉄の翼へと、襲いかかる。
その宝具全てを、バーサーカーは難なく回避を行い……あろう事か戦闘機に装備されている機関砲で、
その動きには確かな戦略と知性を感じさせるものがあった。
「ほう?」
その理知的な戦闘行為に、ギルガメッシュも意外そうな……だが妙に嬉しそうな言葉を漏らしていた。
「狂犬の狂った猛りが消えているな。一体何があった? 犬めが」
片や黄金に光り輝く神話の箱舟。
片や現代科学で作られた鋼鉄の翼。
正反対な空飛ぶ力が、互いを堕とさんとその牙を剥く。
上と下。
聖杯戦争では異例の大規模戦闘。
上は飛行戦。
下は怪物退治。
それはまさに神話の再現と言っていい光景だった。
FGOがスタミナでなかなかプレイできないから暇つぶしにアズールレーンに手を出したら、ほとんどそればっかやってて執筆できてないw
本末転倒とはこのことか!? ←バカw
一日に無料で何回かは建造出来るからそう言う意味でストレスがなくて良い
初めてまだ一週間足らずだけど赤城も加賀もいるしなかなか好調~♪
後もう一人SSR艦がくれば第二艦隊まではSSRで埋められる!
愛宕がほしいけど……建造で今でてくるのかね?
調べ方が下手なのかようわからんw
が、FGOの種火システムを知ってる身としてはレベル上げが楽しいやら面倒やらw
わかっていたことだが種火も一長一短だな
(ある程度育てている時に新たなSSR艦手に入れたときとかね。種火だと貯蓄してれば一瞬でレベルマックスに出来るから即前線に出せる。が、当然貯蓄がないとあげられないw)
ストックあるからまだ何とかなるけど、いやぁ、我ながらバカw
↑とか書いてたらさっき建造したら愛宕出てきちゃって思わず爆笑しちまったよw
たびたび遅れて申し訳ない
神羅様 誤字報告どうもありがとうございました!