桜花を護る、超野太刀を持つ開拓者   作:刀馬鹿

21 / 41
申し訳ない

あげる順番間違えたのであげなおしますw

前半です


迷い

一部始終を、遠坂時臣は見ていた。

 

 

 

何だ?

 

 

 

もちろん全てをみれていたわけではない。

 

 

 

何だ?

 

 

 

だがそれでもバーサーカーと刃夜が二人して何かをしているところはみることが出来た。

 

そして、バーサーカーと刃夜が手にしている物を目にした。

 

 

 

 

 

 

何だ……あれは?

 

 

 

 

 

 

目にしたのは醜い肉の塊。

 

それは直接的に言って、実に醜悪で卑猥な形をしていた。

 

しかも半ば朦朧としていながらも、雁夜がはき出した物であったはずだった。

 

自ら雁夜の体内へと侵入していった何か。

 

それは十分に優秀である時臣がみれば、すぐにどのような物であるのかは看破できた。

 

 

 

そしてその「どのような物」を無意識のうちに分析している間に……イレギュラーなサーヴァントが屋上へとやってきた。

 

 

 

!? まずい!?

 

 

 

雁夜のバーサーカーと、イレギュラーなサーヴァントが二体。

 

それに対して時臣のサーヴァントは未だ空の上。

 

今この場で一斉に二体のサーヴァントに襲われたら時臣はひとたまりもなかった。

 

だが……二体のサーヴァントは時臣には目をやることもなかった。

 

ただ二体共に……「どのような物」対して必死に力を振り絞っているだけだった。

 

それだけならばまだ時臣としても許容できただろう。

 

だが……どうしても受け入れることが出来ない要因があった。

 

 

 

雁夜の存在だ。

 

 

 

雁夜は「どのような物」をはき出してからただ……自らのサーヴァントと、協力関係にあるイレギュラーなサーヴァントの様子を見つめているだけだった。

 

時間が経過していたために、先ほどよりは意識もしっかりと保っており、時臣としても仮に雁夜に襲われたとしても、なんの問題もなく迎撃できただろう。

 

だが……そうならなかった。

 

 

 

二体のサーヴァントがいるという、圧倒的に有利な状況の中で、雁夜は自らのサーヴァントにも、そして協力関係にある刃夜に対しても……

 

 

 

何も言わなかった。

 

 

 

時臣のことを見向きもしなかったのだ。

 

 

 

二体のサーヴァントが動けないとはいえ、自らは動けるはずだというのに。

 

 

 

雁夜はただ、祈るような眼差しをイレギュラーなサーヴァント、刃夜へ向けるだけで何もしなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

自ら(時臣)に対して……雁夜は何もすることがなかった

 

 

 

 

 

 

そしてその何もしてこないという行動が……

 

 

 

時臣の「魔術師」としての感覚を狂わせる。

 

 

 

無論、雁夜だけでは狂うどころか微動だにしなかっただろう。

 

 

 

だが、圧倒的な存在であるサーヴァントが二体が一向に見向きもしない。

 

 

 

そして、雁夜の体からはき出された存在。

 

 

 

雁夜の存在そのもの。

 

 

 

 

 

 

そして……イレギュラーな存在のサーヴァント、刃夜のマスターであるという、桜の存在。

 

 

 

 

 

 

何よりも時臣を揺れ動かしたのは、雁夜の腹より吐き出された存在。

 

 

 

自然界ではおおよそあり得ない存在であり、その様はまさに「それ」だった。

 

 

 

それがどのように使われるのかも……想像に難くなかった。

 

 

 

そして、その存在が……何に対して使われたのか?

 

 

 

それを想像するのもそう難しい事ではなかった。

 

 

 

何よりも……それから感じられる魔力。

 

 

 

それが自らの娘の魔力の色を……確かに帯びていた。

 

 

 

 

 

 

何だ!? あれは!?

 

 

 

 

 

 

『俺がこの世界でしなければならないことはマスターであるこの桜ちゃんを救うことです。故に……その邪魔をしようというのなら俺は全力で貴様らと敵対する。それを覚えておいて欲しい』

 

 

 

 

 

 

刃夜は確かに冬木の教会そう言ったのだ。

 

そのときは余り深く考えなかった。

 

だがそれでも今の状況が……「どのような物」が、時臣の頭から離れない。

 

この全てが重なり合い、時臣を大きく揺れ動かした。

 

何故こんな物があるのか?

 

何故、こんな物から桜の魔力を感じられるのか?

 

だが、答える者はいない。

 

そんな時臣に目もくれず、刃夜はしばし瞑想するように目を瞑っていると……すぐに鋭く目を見開き、一瞬青白く光ると同時に屋上から消えていた。

 

そして刃夜がいなくなったことで、バーサーカーが自らのマスターを守るようにしながら、すぐに雁夜を抱えて飛び去った。

 

疑問が胸中を渦巻く時臣だけを残して。

 

 

 

 

 

 

何だというのだ!? あれは!?

 

 

 

 

 

 

想像せざるを得ない……間桐の魔術。

 

そして自らの愛娘がされたであろう、行為と状況。

 

おそらく雁夜に敗れる前の時臣であったならば……おそらくそれも是としただろう。

 

だが、「人」としてあり続けた雁夜が……

 

 

 

一度魔道を諦めた存在の、薄汚い犬畜生にも劣ると思っていた存在からのあの態度。

 

 

 

雁夜が勝ったのだ。

 

あのとき殺されても不思議ではなかったのだ。

 

だというに、雁夜はただ、二人の様子を見守っていただけだ。

 

その態度が。

 

時臣の「魔術師」を狂わせる。

 

 

 

だがそのことに……

 

 

 

時臣は気付いていなかった。

 

 

 

 

 

 

その様を……遙か上空から見つめる、血よりも紅い双眸があった。

 

 

 

突如として、空中戦闘を行っていたバーサーカーが消えたため、一体何事かと思ったのだ。

さらに言うのであれば、先の空中戦闘を行った際、違和感を覚えたのだ。

 

この狂犬……。以前とは違うな?

 

最初に戦った時よりも、狂気が薄れていた……というよりもなくなっていたのだ。

何よりも、自らと戦っている時に漏れ出ている感情が、狂気でも戦意でもなく……

 

焦燥

 

を感じ取った事が大きかった。

バーサーカーが「焦る」などという感情を抱かないとは言い切れないが、狂化を得ているはずのバーサーカーの焦りというのは、どうしてもおかしいと考えられた。

さらにその焦りは、確かに自らに(アーチャー)向けられた感情。

戦いながらもどこかがおかしいとアーチャーは思っていた。

そしてそのバーサーカーは自らのマスターのそばへと突如として転移した。

令呪を使ったことは容易に想像できた。

そしてその転移先が自らのマスターのそばと言うことで、さすがのアーチャーも少々慌てたが……すぐに様子がおかしいことに気がついた。

 

何を行っている?

 

何かをしているのかはわかったが、しかしバーサーカーが何を行っているのか見当も付かない。

するとすぐに川辺にいたはずの刃夜がやってきて、バーサーカーと同じようなことをし始めたのだ。

 

ふむ……

 

すぐにでも助けに行くべき状況だったが、何を思ったのかアーチャーは何もすることなく、その様子を眺めていた。

そして、刃夜が戦意をみなぎらせて……姿を消した。

 

何だと?

 

これにはアーチャーも眉をひそめた。

令呪を使ったのかと思ったが、しかしその様子は感じられなかった。

何せ圧倒的なまでの魔力の波動を感じられなかったからだ。

感じられたのは、刃夜から一瞬発せられた稲光と力。

それだけだった。

刃夜がいなくなるとバーサーカーは雁夜をつれて一目散に逃げ出した。

魔術師である時臣に対して、何をすることもなく。

 

 

 

ふ……本当におもしろい男よな

 

 

 

この様子を見れば、アーチャーも刃夜が聖杯に興味がないということも十分に理解できた。

 

では逆に……刃夜は何のために戦っているのか?

 

そう、興味を抱かせてしまった。

 

今まで以上に。

 

刃夜は。

 

 

 

 

 

 

紛う事なき、最強のサーヴァントに。

 

 

 

 

 

 

こうして、巨大海魔と間桐臓硯。

 

 

 

冬木に顕れた巨大な悪魔と

 

 

 

永劫のとも呼べる長き時間を生きた執念の怪物が

 

 

 

この世界から消滅した。

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。