IS×仮面ライダー 仮面ライダー炎竜   作:柏葉大樹

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牙也達と出会った大樹は誤解から戦うことになった。戦いの中で両者は敵ではないということを確認した。そんな中で別の世界から転生した男、神宮麗夜が現れる。神宮麗夜は仮面ライダーパンドラに変身して、大樹たちと戦う。その最中、大樹は前世の記憶がフラッシュバックしてしまった。


仮面ライダー炎竜 第19話コラボ 紫の世捨て人part3

 三人称side

炎竜へと迫るパンドラ。炎竜はフラッシュバックした前世の記憶によって立ち上がることすらできなかった。

 

 「間に合え!」

 

 零とレオンは炎竜の元へと駆け寄ろうとする。必死で炎竜の元へ向かう零とレオンだがどのようにしても助けが間に合わないと思ったその瞬間、

 

 「極アームズ!大、大、大、大将軍!!」

 

 炎竜とパンドラの間に白銀の光が割って入った。パンドラの攻撃はどこからか出てきた植物の蔦がパンドラの体に絡みつくことで止められた。光が晴れるとそこには白銀の鎧武者、仮面ライダー鎧武極アームズがいた。

 「ここからは俺のステージだ。」

 

 鎧武はパンドラを見据え、アームズウェポン無双セイバー、大橙丸を召喚した。召喚した無双セイバーと大橙丸を合体させてナギナタモードにする。鎧武は無双セイバーを構えるとパンドラをはじめとしたこの場の誰もが目に捉えることが出来ないスピードでパンドラを攻撃し始めた。

 

 「gajeyjsstxjgksjaknxaksyiajh!!」

 

 パンドラは痛みで叫びながら宙に浮きながら幾度も鎧武に切り刻まれていく。鎧武の攻撃が止み、地面へと落ちたパンドラはうずまりながら呻いている。それを見た鎧武はとどめを刺そうとドライバーに手を掛けようとするが僅かばかりに残った理性がそうさせたのかパンドラは自身の体をノイズで覆うとこの場を去った。鎧武はパンドラがこの場を離れたのを確認すると苦しんでいる炎竜の元へ近寄る。

 

 「何をするつもりだ。」

 

 鎧武に刃を向ける零とレオン。鎧武はそれに意に介することはなく、炎竜の胸に手を当てる。

 

 「ああああああああああ!!」

 

 苦しむ炎竜の全身へと光が広がっていく。それにつれて、炎竜の様子も落ち着いていく。

 

 「大樹には俺と同じようにヘルヘイムの因子が宿っている。それに干渉することで落ち着かせているんだ。」

 「あんたは一体、、、。」

 

 鎧武は自身が行っていることの詳細を零とレオン、カンナに説明する。鎧武の行っていることから彼がこれまでに出会ったアーマードライダーとは一線を画す存在であることを理解した零達。

 

 「本当なら大樹は俺たちと同じようにオーバーロードになっているはずなんだ。それがどういうわけかオーバーロードにもインベスにもならずに人間のままでいるんだ。」

 「大樹がオーバーロード?」

 「今は人間だ。ただ、いつオーバーロードになるか分からない、そういう状態だ。」

 

 鎧武の説明から炎竜=大樹がどういった存在なのか、その片鱗を知らされた零達。自分たちこともあってかその特異性をまじまじと知らされたことは彼らにとっては大きな衝撃でもあった。

 

 「これらを大樹に渡してくれ。」

 

 そういうと鎧武は紺色に近い青色のロックシードに紫がかった黒色のロックシード、黒のイヤリングを零に渡す。

 

 「それは今は大樹が持っている方が良い、時が来たら渡すべき人に渡せと伝えてくれ。」

 

 鎧武=紘汰はそう言うと自身が作り出した星へとつながるクラックを開ける。

 

 「大樹、本当の意味で強くなってくれ。」

 

 そういうと紘汰はクラックを通ってこの場を去った。

 

 「まっ、待って。」

 

 落ち着いた炎竜が鎧武を呼び止める。ただし、その言葉は鎧武に届く前にクラックが閉じてしまった。

 

 「大樹、大丈夫か!?」

 

 炎竜を気遣う零。その言葉に身振り手振りで大丈夫だと意思を伝える炎竜。炎竜の様子を見てひとまずは彼が先程のような取り乱し方をすることは無いと判断した零達は変身を解除する。それを見て、近くにパンドラがいないことを確認した炎竜も変身を解除した。

 

 「なあ、柏葉。先程のあれは、、、。」

 

 大樹の様子を見て疑問に思っていた箒が大樹に聞いた。

 

 「ああ、あとで話すよ。今は逃げたあいつを追った方が良い。ああいう奴は自分が主人公になるためにその世界の中心人物を狙うはずだから。そうなる前に何とかしないと。」

 

 そういうと大樹はスマホを取り出して、学園にいる千冬に連絡を取り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はあはあ、こんなはずじゃ。」

 

 学園内の大樹たちがいる地点から海へ向かった方面、神宮麗夜はそこにいた。彼も変身を解除しており、自身が負った傷を回復させようとしていた。

 

 「ああ、くそ。あいつらの所為で、よくも!」

 

 彼は先程の戦闘において自身に手傷を与えた炎竜、大樹たちに怒りを燃やしていた。

 

 「特典を与えられたこの僕があいつらに負けるなんて、きっとあいつら何かずるをしたんだ、そうに違いない!」

 

 彼が敗北したのは純粋に経験値の違いや自身の持つ力への理解の深さに起因している。彼が神から与えられた能力は身体能力の強化やあらゆる学問への深い理解、そして仮面ライダーへの変身能力である。言ってしまえば、一流のアスリート並みの身体能力と純粋に年齢からは考えられないレベルで勉強ができるということである。元の能力が良くても使い手がこのありさまでは彼らに勝つことは難しいだろう。だが、彼が神から与えられたガシャット、パンドラハーツは神宮麗夜にとって正しくこの世界でハーレムを築くという目的を遂行するにはうってつけのガシャットであった。

 

 「パンドラハーツの洗脳さえうまくいけばあんな奴らすぐにでも殺せるのに、、、。」

 

 パンドラハーツガシャットにはパンドラハーツのバグスターウィルスを人に感染させることでバグスターウィルス感染症=ゲーム病を発症させる以外にも感染させた人物の思考を操作して自身の意のままに操ることが出来る機能が存在する。

 

 「あいつらを殺す前に誰かを僕の駒にするか、、、。」

 

 麗夜はそう言うと辺りを見る。その視線の先には、、、。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side颯斗

 

 僕とかんちゃんはハートたちと一緒に朝のSHRの時に見られた爆発的な光の調査をしていた。学園の方には念のために刀奈姉ちゃんが先生たちと一緒に残ることになった。一夏は大樹が関係していると考え、一人で突っ走っていって、箒がそれを追っていった。その後は残っているメンバーでオルコットさんと鳳さん、僕とかんちゃん、1組の編入生であるデュノア君とボーデヴィッヒさん、桐ケ谷君で分かれて調査を開始した。

 

 「ハート。何か見つかった?」

 「いや、怪しいものは無かった。」

 「私の方でも見つからなかった。」

 

 僕たちは近くを調べているもののめぼしいものは見つからない。そんな時、僕のスマホに電話がかかって来た。

 

 「しもしも?」

 「いつの時代だよ。」

 「大樹!」

 

 電話に出ると本日の朝のSHRをバックレた大樹からだった。

 

 「今、どこ?織斑先生がついでに大樹を探せって言ってたよ。」

 「ついでって、、、。今は校舎の裏の林にいるんだ。」

 「僕と簪がそこへ行くから、待っててよ。」

 「颯斗、千冬姉ちゃんにも伝えたけど学園内に仮面ライダーが侵入している。そいつのことと色々説明したいことがあるから、どこで合流する?」

 「そこからは何が見える?」

 「第5アリーナ。」

 「そこに集合ね。」

 

 僕は大樹からの電話を切って、かんちゃんとハートと共に大樹との集合場所へと急ぐ。集合場所の第5アリーナへと着くと大樹は僕たちの知らない人物と共にいた。

 

 「颯斗。」

 「その人たちは、、、箒?」

 

 一夏といるはずの箒が大樹たちと一緒にいた。

 

 「ごめん、颯斗。こっちの事情を話す前に学園の方はどうなっているのか、教えてくれない?」

 

 大樹は僕たちから今の状況はどうなっているのかを聞いた。

 

 「それ、俺達が戦っていた時だな。それ絶対そうだ。」

 「織斑先生に犯人は大樹だったって言うよ。」

 「すでに申告済みだ。」

 「それで、、、この人たちは?」

 「ああ、彼らは、、、。」

 

 僕らは大樹から彼らがこの世界とは別のパラレルワールドからやって来た仮面ライダーであることを聞いた。紫野牙也とこの世界の箒とは別人の箒、二人の仲間であるカンナはいわゆる武者修行みたいなことをしているらしい。ちなみに大樹と戦っていたのは牙也君と箒、僕らの知り合いの箒と区別するために箒(紫)と呼ぶけど、だった。

 

 「別の世界ねえ。」

 「驚いた?」

 

 大樹の言葉に僕もかんちゃんも全然と答える。

 

 「「いや、アニメじゃあ異世界なんてよくあるよくある。」」

 「そんな軽く片付けるのか?」

 

 僕たちの答えに軽く驚いている牙也君。箒(紫)も驚いている顔をしている。

 

 「まあ、問題は別にあって、牙也達とは別にこの世界にやって来た奴がいるんだ。そいつが問題で、どうも侵略目的で来ていたようなんだ。」

 

 大樹は自分が遭遇した別の仮面ライダーの話をした。

 

 「能力は分からないんだよね?」

 「ごめん、俺も途中で足を引っ張って。」

 

 申し訳ないということを表情にも声音にも表す大樹。僕らはそんなことで大樹を責めるつもりは無いし、何かあったのならそれこそ相談してくれればいい。まあ、アニメにどっぷり染まっている僕らが出来ることなんてたかが知れているけどね!( ・´ー・`)

 

 「そいつ、どこにいると思う?学園の外に行っているなら探すのなんて難しいよ?」

 「そこまで頭が回る奴とは思えない。学園の方に用があるんだ。それならかなり固執するはずだ。」

 

 大樹は僕の言葉にそう言った。仮面ライダーとしての能力以上にそいつの考える行動パターンが推測できるならそれは非常に心強い。

 

 「大樹、奴に関して予想できることは無いのか?」

 

 牙也君がそう言うと大樹は人間の心理的な動きは詳しくないと前置きをすると、

 

 「ああいう奴は自分の才能にかまけて大して努力はしないだろう。戦闘時はそこに付け入る隙が必ず生じる。ただ、ああいう奴はずる賢いから正攻法だと関係ない人に被害が出るような行動をする。そうなる前に見つけ出さないと、、、。」

 

 そう言うと大樹は考え込みだした。出来れば、一夏か万夏ちゃんがいてくれる方がこういった時に大樹に声を掛けてくれるんだろうけど。なんだか見ているとなんとなく不安になるなぁ。なんか雰囲気が怖い。万夏ちゃんと一緒にいるときはこんな感じじゃないのに、、、。まあ、いい作戦を考えてくれているんなら僕は何も言わないけど。

 

 「まずは広範囲を探すしかないか、、、。」

 

 数分考えて、その結論みたいだった。まあ、普通に考えたら妥当だろうね。

 

 「ブレンならなんとかできるかも。」

 

 かんちゃんが大樹にそう言った。ブレンの能力なら学園の監視システムにアクセスして大樹たちの言っていた人物を探すことが出来る。僕らは早速ブレンに助けを申請した。

 

 「と言うわけなんだけど、助けて。」

 「ハート以外にこの頭脳を使えと言うのですか、簪?」

 

 当の本人(?)はそう言った。この人(?)、ハートにはぞっこんラブだからハート以外に協力するのはものすごく渋るんだよね。

 

 「ハートとの特別な時間が過ごせるとしたら。」

 「喜んでやらせてもらう!」

 

 かんちゃん、ブレンの扱いはお手の物でこうやってすぐに自分の考えの通りに動かすんだよねぇ。ちなみにこういう時はすぐに結果が分かることが多い。噂をすれば、、、。

 

 「私の手に掛かれば、これくらいぞ「ありがとう。」、まっ!」

 

 ブレンから送られた情報から大樹たちの言っていた人物らしき怪しい奴がいる場所が分かった。

 

 「学園のふ頭の近くにいるみたい。」

 「なら、早速行くか。」

 

 かんちゃんの言葉を聞いた牙也君がそう言った。僕らはふ頭の方へと向かった。

 

 

 

side三人称

 

 大樹たちが神宮麗夜がいると思しき場所へ到着するとそこには複数の女子生徒がいた。

 

 「颯斗、専用機持ち以外は待機しているはずなんだろ?」

 「そうだよ。先生たちが厳命していたはずなんだけど。」

 「おい、あそこにいるのは鈴とセシリアなんじゃないのか?」

 

 大樹はその様子から颯斗に詳細を確認する。人ごみの中で牙也は鈴とセシリアの姿を確認する。

 

 「鳳さん、オルコットさん。今、何して、、、。」

 

 颯斗が声を掛けると、二人はなぜかISを展開する。それだけではなくISの装備を大樹たちに向けて攻撃まで仕掛けた。

 

 「なっ、何をするのさ!」(# ゚Д゚)

 

 颯斗が二人にそう言うものの二人は颯斗の言葉に反応を返さなかった。その様子に違和感を持ち始める大樹たち。鈴たちのことで気が付かなかったが周りの女子生徒達も異様な雰囲気を纏いながら、大樹たちを見ていた。

 

 「一足遅かったか。」

 

 牙也がそう言うと、、、。

 

 「ご名答!」

 

 神宮麗夜が女児生徒たちの中からやって来た。

 

 「皆に何をしたの!」

 

 簪が神宮麗夜を問い詰める。

 

 「僕の持っているパンドラハーツはバグスターウィルスを他の人間に感染させるとその人間を僕の意のままに操ることが出来るのさ!彼女たちは今は僕の操り人形さ!」

 

 麗夜は大樹たちが来る前に鈴たちと接触したのだった。一夏に似ている風貌とはいえ、付き合いの長い鈴は麗夜を警戒した。それを察した麗夜はウィルスを鈴たちに感染させたのだった。

 

 「貴様!」

 

 箒はロックシードを開錠しようとするが他の生徒たちがいる以上巻き込んでしまう危険性が高い。

 

 「僕をコケにした君たちはここで殺してやるよ。」

 

 麗夜はバグルドライバーアナザーを取り出し、パンドラハーツガシャットを起動する。

 

 「変身!」

 「ガッチャーン。バグルアップ。今こそ世界を掌握せよ!」

 

 パンドラはバグルドライバーアナザーからバグヴァイザーアナザーを取り外し、チェーンソーモードにする。

 

 「まずは君だ!」

 

 パンドラはそう言うと大樹を標的にする。パンドラが大樹に刃を振りかざそうとした時にどこからか音声が流れた。

 

 「ステージセレクト!」

 

 パンドラの攻撃が当たる前にパンドラはどこかへ飛ばされた。そこはIS学園には無い荒地だった。そこには黄色のアーマーに黒のアンダースーツ、バイクをゲームのキャラにデフォルメした顔を持つ仮面ライダーレーザーターボと濃い青色のライオンのような頭をした仮面ライダーがいた。

 

 「おい、無茶はするなよ。」

 「分かってるって!」

 

 レーザーは青色のライダーにそう言った。パンドラはこの二人がまるで自分などいないかのようにやり取りをしているのが気に食わなかった。ただでさえ、自分の行動を邪魔されて怒りを感じているパンドラにはこの二人は非常に気に食わないだろう。

 

 「お前たちは何なんだ!」

 「俺は仮面ライダーレーザー。そんでこいつが、、。」

 「俺は仮面ライダーエグゼリオン。今日が初の手術だ。」

 

 レーザーと青いライダー、エグゼリオンはそう言って、自己紹介する。

 

 「さあ、ノリノリで行くぜ!」

 「超絶怒涛の達人プレー、見せてやるぜ!」

 

 レーザーはガシャコンスパロー、エグゼリオンはガシャコンランサーを構え、パンドラとの戦いを始めた。

 

 

 




仮面ライダーパンドラと戦うレーザーとエグゼリオン。そして、大樹たちの前に強大な敵が現れる。新たなアームズ、異世界の仲間、新たなライダーと共に決戦に挑む。

 「マスケティアーオブサファイア!」
 「バスターオブクレイモア!」

そして、万夏にも変化が、、、。

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