死神達の恋歌   作:yatenyue

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月の導き一章
月の導き  第一章  第一話 我が名


 

 

 

私はその死神・日番谷 冬獅郎に

魂葬された。

 

 

第一話 我が名

 

「ここが…尸魂界(ソールソサイティー)。

なんか、あっちの方から大きな霊圧をいくつも感じる。

なんかとても懐かしい感じもする。」

 

そう自分の世界に没頭しながら

順番待ちを通り越し勝手に中へと

自分の感じるままに歩いて行った。

霊圧を感じるほうにと。

だが、私は急にとまった。

なんとなく嫌な自分に害を及ばすタイプの霊圧を感じたから。

 

私はその辺にあった石を拾って、嫌な感じのする所に投げた。

 

すると下から大きな壁が現れた。

すべてを拒絶するかのようなオーラを放つ壁が…

 

「やっぱりね。

外敵を退けるためのものの類ね…

でもこの向こうっていったい?

守らなければいけないものがあるわけ?

それにこの霊圧…」

 

冷静に物事を推察する私こと雛桜美月。

「そこは瀞霊廷(セイレイテイ)だよ。」

突然の声に振り向くと、そこには少しわかめのおじさん。

「あなた…誰ですか?」

私が気配に気付けなかったかなりの手練と見える人物

 

「そりゃぁ失礼。僕は享楽春水という者だ。」

 

それとは裏腹に飄々として軽薄そうに見えるその男が着ているのは、

さきほどは気付かなかったが、

派手な女物の上着の下にあるものは、死神の着る黒い着物・死覇装。

それをみて少しは警戒心を解く。

全くの正体不明男ではなくなったから。

でも、私は、彼女は本能的な部分でまだ警戒していた。

 

「あなた、その服死神ね」

頭が痛い

なぜかくらくらする

「そうだよ。

僕…

私の意識はブラックアウトした。

おそらくは

生前の記憶を全く失わずに

この尸魂界にきたからも原因だった。

 

ドサッ

 

美月は倒れ

それを瞬歩でよった享楽が支える。

 

 

そしてこう疑問を空へと溶かした。

「ちょっと君っ

気を失ってるよ

対して霊圧があるわけじゃないのに

霊圧をここまで正確に感じ取れるなんて

いったい何者なんだい」

 

そういいつつ

御廷十三隊八番隊隊長である彼は

彼女を抱え、瀞霊廷の中へと入って行った。

 

 

 

IN 八番隊隊主室

 

「隊長っ

どこにサボって……

 

誰ですかその子

まさかさらってきたんじゃないですよね」

 

真面目そうな眼鏡をかけた20代半ば程に見える女性の死神。

「七緒ちゃん ただいまぁ

 この子?

 なんか霊圧ほとんどないのに

 瀞霊廷の外から霊圧を感じるとか言ってて

 話してたら急に倒れちゃったから連れてきちゃった」

 「何が連れて来ちゃったですか

 この子の親御さんが心配したらどうするんですっ」

 

会話を聞いているだけで

享楽さんのいい加減さ 

七緒さんの苦労がにじんでいる。

 

 「仕方ありません

 目を覚ますまでここにおいておいてかまいません。

そのかわり、後できっちり総隊長に事情を説明すること。

そしてサボった分の仕事してくださいね」

冷たい眼差しで享楽をにらみつけた。

「えぇ~

七緒ちゃ~ん」

 

はっきりいって情けないことこの上ない。

 

 

 

こうして享楽隊長は七緒さんの言うとおり

美月を別室において

仕事をすることになったのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

美月がいたのは

朱金色の炎につつまれた空間だった。

 

「ここは…?」

誰もいないその空間でその疑問に答えた声があった。

『ここはお主の心の世界じゃ。』

「この声は…朱夏?なんで私は死んだのに」

それは美月にとって、大事な相棒の声

死んだ以上

もうしばらくは聞くことがないと思っていた声

 

 

『そうじゃ

しかし、この世界では

精霊術師としてのお主の守護精霊として存在しているのではなく、

死神としてのお主の相棒・斬魄刀として存在し共に戦う。

だが、お主の斬魄刀は我だけではない。

あと2本ある。その名前をみつけるのじゃ』

 

私は嬉しかった。

また再び朱夏と戦えることが

ともにいれることが

”いままで”で”彼女たち”の次に永く一緒にいたのは、

まぎれもない彼女・朱夏だったから。

 

それが私を再び戦いの中に誘うものだとしても…

それに無力で護れないことがどんなに恐ろしいか彼女は

”今まで”にずっと”体験”してきたから

 

 

 

 

「わかった、朱夏。見つけてやろうじゃない」

 

私の肯定の返事に対して朱夏は

 

『よし、ならば…』

 

 

朱夏の人型があらわれた。

緋色の中国風の服を着た美月によく似た

10程美月より薄い朱髪朱瞳の少女。

 

後ろには2人ほどいるが、見えない。

 

 

『まず我はとっくにお主を認めておる。

”あの時”からのう。

卍解もできそうじゃな。

卍解はおいおいまた時間のあるときの夢の中でもなんでも教えるとして、

とりあえず、始解の時は、≪炎よ散れ朱夏≫

の言霊を言え』

 

卍解?

始解?

はっきりいって死神のことは知る必要もなかったから、

正直に朱夏に尋ねた。

「卍解?始解?なにそれ」

すると不思議そうに

 

『知らなかったのか?

説明しなかったか?』

 

おいおい

いくら私でもしんだ後必要になるかもわからないことには、手を出さないよ

 

たしかに雑学知識や専門知識は豊富に持ってるが、

 

というかこんなに早く死ぬなんておもわなかったしねぇというような思考のすえ

「朱夏私をなんだと思ってるわけ?

 

 

 

 私は”万能”じゃないんだからね」

と言うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

朱夏が言う。

 

 

『斬魄刀には、2つの解放があり、最初の解放を始解、もう1つを卍解というのじゃ。

一般的に、卍解は始解の5~10倍の力が出せるのじゃ。

じゃから使えるものは本当に少ない。

自分の斬魄刀の名前すら知らない者も多いようじゃからな。

のため、死神の隊長になる第一条件でもある。

 

力が使えないより使えるほうがいいじゃろうお主にとっては、のう美月。』

 

 

      むかし      

思い出すのは”前世”の記憶の1つ。

自分の力の無さを

いやどんなに強い力をもっていても使えなければ意味がないと思い知ったときの記憶。

力が引き寄せる者もある。

だけど、…

自分の無力に嘆くのはもううんざりだから

 

だから私は・・・

「教えて、あなたが私に貸してくれる力のことを…

あなたの力の最大限を私は引き出して見せるから」

 

『美月ならそういうと思ったぞ。

私の卍解は朱雀七星宿の力を使う

まぁ今はとりあえずここまでにしておこうかの。

今は始解で十分じゃろうし

先にお主の事をあやつらに認めさせてやれ。

大丈夫じゃ

美月ならのう』

 

 

後ろから来た二人の姿がやっと見える。

一人は女。

白に近い銀髪に、引き込まれるような深い新緑の碧。白い衣がまぶしい

もう一人は、男で、左目に大きな傷跡がある

,

黒い衣に黒髪に血のような赤い瞳の攻撃的な殺気を放つ人だった。

 

 

『あなたが美月?』

先に声をかけてきたのは女の方だった。

 

「はい。

あの貴女が私『そうよ。私はあなたの斬魂刀の1つ。

あなたを認めるかはこの質問にいかに答えるかで決めさせてもらうわ。

私の納得のいける応えなら、私もあなたに力をかしましょう』

 

どうやらめんどくさいのが嫌いなようで単刀直入に彼女は言ってきた。

 

「分かった。私も真剣に答えましょう

あなたの言葉に」

 

真剣には真剣で接するのが美月の礼儀だった。

 

 

 

 

『では聞くわ。

美月あなたは何のために戦うの?』

その言葉を聞いた途端、幼い頃から染みついた言霊が声となって、口から飛び出す。

「我、すべての人が平穏を送れるよう、また

 

時には人たることも忘れず、

大切な人を守るために」

 

精霊術師としての理…

だが無意識に答えたようにみえたのが

途中から一変し目に強い光が宿る。

 

『そう、

ならあなたは、大切な人のために死ねる?』

 

「それしか方法がないならするかも知れません。

でも、少しでも可能性があるなら、残される人の悲しみを考えて、

最後まで足掻きます。

大切な人も、自分も死なないそんな方法を見つけてみせるっ。

 

こんな私を大切にしてくれる人のために」

 

 

それは嘘偽りない言葉…

    むかし

そして”前世”からの教訓

 

親しい人に残されるのがどんなに辛いか”覚え”ているから

 

『気に入ったわ。

私の名前は癒宇(イウ)。

癒しの力を持つ者。

必要になれば、私を呼びなさい。』

 

癒宇の背中から片方だけ右側に翼が生える。

「ありがとう、癒宇」

 

そして癒宇は姿を消した。

 

いよいよ美月は男に向かいあった

 

 

 

 

 

彼は言う

『俺は、朱夏や癒宇のように甘くないぜ。

 

お前純粋な殺意を持って人を殺せるか?』

 

殺人‥

人を殺すことが悪いことだとかそんなこと言うつもりはない

 

人を殺すのは覚悟が必要

 

それが自分の心を削ることだとしても…

 

きれいごとで生きて行けるほど人は綺麗じゃないから

できる限り人は殺したくない

でも…

「それが大切な人や、自分を守るために必要なら

自分の手を汚します

(もう汚れているし)」

 

男は美月の答えに対し

『ハハハ

おもしれぇ

とりあえず認めてやるよ

俺を呼ぶときは生半可な覚悟で呼ぶなよ

 

それでいいなら

俺を呼べ

俺の名は刹那だ』

 

★―★★―★―★―★★―

 

癒宇もそして刹那も消え、

私と朱夏だけになった。

朱夏が私にこう言葉をかける。

 

『美月、刹那を試しに使おうとか思わないことじゃな。

刹那はわざと説明を省いたようじゃが、

刹那は諸刃の剣。

少しでも斬るいや殺すことに躊躇いがあれば、自分にダメージが帰ってくる。

 

本当に殺したいと思った時だけつかえ。

こころするのだぞ』

 

まるで私のしようとしそうなことを、先読みしたかのような言葉…

 

いや確かにすこしだけ試してみようかな~とは思ったけどね。

 

いや永年私とつきあってないね うん

 

「わかったよ」

 

そうして再び美月の意識は遠ざかっていった。

そして自らの心の世界から現実の世界へ…

 

 

 

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アカ アカ

紅い朱い光が収束し、

1点へと集まる。

 

朱いつかの普通と同じか少し長い刀と

反対に懐に仕舞えるほど小さい癒という字が印字されている小太刀と

玄(クロ)のつかで鎖にまかれた普通より長い刀

 

美月によりそうかのように

それはゆっくり下に落ちた。

 

彼女の半身、斬魄刀の誕生だ。

 

 

その一瞬高まった霊圧の強さに、

 

隊主室にいた、八番隊隊長享楽 春水や同隊副隊長 伊勢 七緒 、

そして離れた一番隊にいた隊長山本元柳斎重國が

その部屋に集まる。

 

前者2人は、先ほど美月に大した霊圧がなかったからの驚愕で

後者はその霊圧の根っこがよく知るもう居るはずのない者に似ていたため

 

 

 

そして、霊圧はおさまり、もとの抑えた霊圧のに戻った。

そして少女は

美月は目を覚ます。

 

自分の心の世界から現実へ

 

あたたかくて冷たい現実の世界へと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここどこ?

あなた達誰?」

 

開口一番の言葉はそれだった。

 

「瀞霊廷内だよ。

僕は言ったよね。

この子が僕の副官の「八番隊副隊長の伊勢七緒と言います」…だよ」

 

「わしは一番隊隊長兼総隊長山本元柳斎重國じゃ

おぬしの名前は?」

 

 

 

 

「私?

私の名前は雛桜美月

生前精霊術師でした。」

 

 

その美月の言葉に納得したように笑う山本総隊長。

精霊術師…

 

同じ精霊術師の血を引くなら似ていてもおかしくないから…。

 

ああこれで決められたサダメへのトキが遠ざかった…

 

「そうか。精霊術師か」

 

 

隊長格なら精霊術師のさわりぐらいなら知っているし、総隊長は直系5家の名くらいは知っている。

だからこそ嘘ではないと分かった。

 

 

「それならいつまで霊圧を下げておくつもりじゃ?」

 

総隊長がやっと気づくレベルだったので後2人は驚いた。

「あ、はーい」

 

美月は霊圧を上げる。だいたい死神でいう4席レベルに。

 

(ハンターの"念"でいうなら、絶からうっすーい纏に)

「これでいい?

山本総隊長さん?」

 

「(4席レベルか)…それで全力か?」

 

そうとわれ

彼女は考えた。

<

本当のこと言っていいのかな?

ぶっちゃけ1割弱くらいなんだけど。

封印状態で…

 

うんごまかすの決定ー

なんかいやな予感するし

 

>

 

 

という具合だ

封印状態というのはまた追って話そう。

 

「さあどうかな」

「ほう 1割のう」

 

年の巧で読み取られたようで

思わず美月は天然で黒化する…

[天然だから恐ろしいー

バーイ 月 ]

「心読まないで(微黒笑)

 

そうじゃないと目潰れちゃうよ」

 

はっきりいって恐い。

のだが飄々と

 

「細かいことを気にするな。

さてどこかの隊の3席にでもするかのう。」

 

 

 

まさに年の功ほどに厄介なものはないのだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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