死神達の恋歌   作:yatenyue

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美月の一方的卯月との再会です

美月は卯月と会いません。


月の導きside 一章番外編2 現世の記憶

 

 

「あの日番谷隊長、松本副隊長」

 

「「なんだ(何)?」」

 

「2人には現世での記憶ありますか?」

 

 

 

 

現世の記憶

 

 

「ないわねー」

「ねぇよ

そもそも現世の記憶なんて完全に持ってるやつの方が少ない

 

ていうか少なくともお前ほどのやつ見たことねぇよ

 

仮にあったとしても、

何百、何十年も前のこと記憶にねぇよ。」

 

現世での記憶を完全に持つものは少ない。

 

非常に濃密な記憶を持つあるいは何かの強い力を持つ者

 

あるいはその記憶を持ちたかったか

 

まあ全くない者も少ないのだが

 

時と共に新たな記憶に埋もれていく

 

まして普通の人間の何倍もの寿命なのだ。

 

だから尸魂界に来たばかりの者は記憶を多く持つ。

 

まあ生きていても全て記憶を忘れないわけでもないしおかしくはない

 

隊長格は少なくとも過去2、30年変わっていない。

 

生きていたなら子供が親になるほど長い刻

 

(例をいうなら乱菊さんにいたっては100年前にはすでにこの尸魂界にいた)

 

死神は輪廻の輪に入らず

 

死ぬことにより生まれ変わる。

 

流魂街 の人は一定の時が過ぎると生まれ変わるのだが…

それはまた別の話し

 

まあそんな訳で覚えていられる方が不思議だ。

 

「で美月そんなこと聞くってことは何か話したいんだろ。

現世のこと」

彼は彼女の美月の少し聞いてほしい気持ちを察したのだ。

そして彼女は話す。

大切な思い出を

 

[

 

私は空座町に住んでたの。

 

2人は知ってるかもだけど私の家は精霊術師の血受け継ぐ直系。

1000年以上前からね

精霊の力を借りて妖魔や虚を倒したり、半場虚化しかけた怨霊や整の浄化-まあ尸魂界に送ってた。

 

でも、やっぱり腐っていくの。少なくとも私の家雛桜家はね

強大な力を持つが故にね。術師以外を見下し、傲慢になっていく。

 

どんなに頭がよくても

 

どんなに運動能力が高くても

 

どんなに精霊術以外の結界術や特殊術が出来ても

 

精霊術が使えなければ全て無駄。

 

しかも私の家が司る精霊術は炎 つまり炎術師の家系

 

この力は最も強い破壊力を持つだからこそ他系統の精霊術師まで見下してた。

 

元々それが私達の力って訳じゃないのに

 

しかも金や名誉に取り付かれて

庶民の依頼を断るのなんて日常茶飯事だった。

 

とくに古い考えの持ち主はね。

 

私のお父様は、頑なに名誉を守ろうとする古参に従ってたの

当主なのにね

 

多分それは得体のしれない母を後妻とした弱みに付け込まれてだろうけど

 

私は、古い考えのやつも

いいなりの父も

全てぶち壊したかったんだ。

父は、いうなら古参にとって傀儡にしやすい楽な当主、

そんな父が唯一言いなりにならなかったのが、母を妻にする事らしいけどそれは置いといて

 

 

だってその概念のせいであの子は傷つけられたから

だから家から与えられる任務以外に

 

自主的にやってたの

 

そのうちの一つが、霊圧垂れ流しの友人に虚が近付かないようの処理

 

 

(なぜかやってなくても妙に避けてたけど…………)

 

それをあの子と

 

卯月としてたの。]

 

 

 

 

 

「卯月?

 

    それは誰だ?」

 

 

「雛桜 卯月。

 

   私の双子の妹です。

 

  今もなお生きている・・・」

 

 

「美月の一族は死神も見えるんでしょ?

 

 どうしてあなた、会いに行こうとしないの?

 

 それどころか、現世任務に極力行こうとしないでしょ。」

 

「だって・・会えるっていっても死神…死人としてだし、

 

私が死んだ日ね、隊長は知ってると思うけど私 一人だったでしょう?

 

 あの日は、卯月の都合で、私一人で虚をおびき寄せて、へましたんだけど

 

 いつも背中合わせで戦ってるから後ろの注意怠っちゃたのよね。

 

 2人であの日戦っていたら絶対私は死ななかった。少なくともあの時はね。

 

だから 今の私をあの子が見たらきっとショックを受けると思うのよね。」

 

 

もしかしたら、それで記憶を取り戻しちゃったのかもしれない

 

それに 後を追ったかもしれない。

 

 

私は   怖い  んだ

 

あの子のためとか言いながら、

 

    過去の“私”の罪を思い出されるのが

  

   しんだ彼女を見るのが、

 

 

  そして逆にしんだ私と生きてる彼女の違いを実感するのが…

 

 

  だって私は置いてきてしまったから

 

  ≪また≫

 

 

 強いようで精神的に弱い彼女を

 

 

 まあ 私も精神的に強いとは言えないけどね

 

  だって私も“私”も置いていかれることへの絶望と辛さをよく知ってるから

 

 

 

「友人のため…か。

 

  他人のために死ぬのもお前らしいよな

 

 でも、その友人のためにそれをやってたこと後悔していないんだろう。

 

  やさしいな おまえは」

 

 

 

違う  ちがう  チガウ

 

私は優しくなんかない

 

汚くて、醜くて 人間らしい人間だ。

 

 

 嫌われるのが怖くて

 

     過去を知られるの怖くて

 

  他人を完全に信じることが怖くて

 

  失うことが怖くて

 

  一護のことだって私はただ、身近な人に死んでほしくなかっただけ

 

  卯月が少しでも悲しむのを防ぎたかっただけ

 

 一護のためじゃない

 

 だって、結局私は卯月のいえ、自分のためだっただけ

 

 そんなの私のエゴ

 

  はっきりいって私は一護とは私あまり仲好くなかったし(幼馴染ではあるが、苦手だった。)

 

 

  最後の3年くらい惰性だったし

 

 

 だって 絶対私は、卯月と一護なら、たとえ一護が死ぬことになっても

 

 卯月を真っ先に選ぶと思うから・・・

 

 

 

(ごめんなさい 私の中の美月さんはこんなかんじで 朋と卯月至上主義です。

朋&卯月≫愛する人や自分が認めた仲間≫≫越えられない壁≫≫自分≫≫≫絶対的境界≫≫敵

 

でも、彼女はこう思っていますが、他人が傷つくより自分が傷つくほうがいいと考えがちなので、やはり

 

  やさしいですよね   by ユエ)

 

 

「・・・・優しくなんかないですよ

 

  私。 だって 妹が卯月が悲しむほうが私はずっといやだから。

 

 妹と友人なら絶対妹選んじゃいますし。」

 

 

「誰だって優先順位があるのは、心がある人間なら当然だろうが

 

 人の心を考えられるその時点で冷たくなんかないだろう

 

 

 それが誰かのためにせず自分のためだと言える時点で十分おまえは優しんだよ」

 

 

 

涙がでた

 

急いでそれを隠したけど

 

 

  優しいのは隊長のほうだよ

 

  私なんかまで優しく覆ってくれる

 

  隊長には桃ちゃんがいるのに

 

  勘違いしちゃうよ

 

 

「お前はもっとわがままに自分の気持ちに正直になったほうがいい 松本」

 

「はーい。

    斎藤4席ぃ 少しの間私たち抜けるわ

 

  仕事は終わらせた(ほぼ、美月と日番谷で)から」

 

 

そううちの隊の4席・斎藤 一に言い、

 

 

「よっぽどの指令じゃない限り呼ぶなよ(冷たい霊圧)」

 

 

一体全体何なんでしょう?

 

 

 

 

「行くぞ。 松本、雛桜。

    

    ・・

    任務だ。」

 

仕事熱心な美月はなんの疑いもなしについていく

 

「はい」

 

      松「はーいvv(確信犯)」

 

 

 

 

 

  そして現世に向かった

  ちゃんと十番隊担当区間だと信じて

  もちろん限定印は押したよ、私はなしだけど

 

 

でも。降りたったそこにあったのは見覚えのある風景。

 

  数か月では変わり映えのないそこは

 

 

「た、隊長ぅ

 

   ここ空座町じゃないですか~~

 

  ここ十三番隊担当区域でしょ

 

  だましたんですね

 

  わたし帰ります」

 

 

穿界門へと引き返そうとした私をガシっとわしづかみするのは、乱菊さんだった。

 

 

 「やっぱし、松本副隊長もグルですかぁ~~~~!!」

 

 

離せーーというようにもがいているが全く力を入れていないし、本気で嫌がってもいない

 

「おとなしく 妹の特徴を教えなさい」

 

「ううう

 

   はい (本当はだれかに無理矢理でも連れだしてほしかったんだ。会いたい気持ちもホントウだから)でもその前に行きたいとこあるんですが・・・」

 

 

 

 

そこは・・・

   私の 最期の場所

 

 そして初めて日番谷隊長と出会った場所。

 

 

「ここで 死んだんだよね 私」

 

 

もう血の跡も、匂いも何もそこには残っていない。

 

 戦った時の霊圧の痕跡さえ

 

 

そこに貼ってあったのは通り魔事件の張り紙

 

 

「私が虚に殺されたの、通り魔の仕業にしたんだ。

 

  まぁそれしかないよね」

 

 

哀愁に浸っていると懐かしい懐かしすぎる霊圧が1つと薄い薄い霊気が近くまで来たことが分かった。

 

 

「ちょっ 隠れて、霊圧消して」

 

 

慌てて私は隊長と乱菊さんの手を引き隠れた。

 

 

 

 

そこを通りかかったのは、すごい量の霊力を垂れ流しにするオレンジの髪の少年と

 

 

薄い薄い霊気を漂わせる藍色の髪をポニーテールにした少女

 

だった

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ?この霊圧・・

 

    垂れ流しすぎだろ」

 

 

そうなんだよね

 

   はっきり言ってあの霊力うざかった

 

 

  本気でうざかった(黒)

 

 それだけ蛇口が弱いんだよって思った

 

 

(すんません、一護の扱いひどくて、

   だってあんまり好きじゃないんだもん

   byユエ)

 

ていうか 年追うごとに増えてるし量

 

 

ていうか、感覚鈍ったかな?

 

  卯月の霊力感じたん・・あ

 

 

 

見間違うのも無理はない

 

    嘘のように覇気がなく

 

   生気が薄い 少女

 

 

(そういや、“私”が力ある世界で、“私”の方が早死にするの 初めてだっけ?

 

ここまで取り巻く雰囲気が変化するなんて・・・)

 

 

  浮かべている微笑みはまぎれもなく、偽り嘘のもの

 

  まぁ、あまり彼女を知らない人間ならだませるうまい仮面

 

わかってる

 

  さっき私が感覚が鈍ったかと思ったのは

 

信じたくなかったから

 

 

  私の死がこんなにも彼女を変えてしまっているだなんて

 

 その反面わかるにはわかるんだ。

 

 だって逆でも同じことしたと思うし

 

 改めて思うんだ

 

 ごめんなさい 置いていってしまって

 

 でもよかった まだ記憶思い出してないね

  

  あんな記憶なるべく遅く取り戻したいし

 

松「あの女の子。

 

   目元とか霊圧の感じとか美月ににていますね もしかしてあの子?」

 

「… はい」

 

「美月が、双子の姉が死んでまだ2、3カ月だって言うのに、全然悲しんでいないじゃない(卯月さんの仮面はうまいです)」

 

憤るように言う乱菊さん。

 

 

私は、卯月が薄情だとは言われたくなくて乱菊さんの言葉を訂正しようとした

 

 そのとき

 

「松本、悲しみを隠すのがうまいやつだっているんだ

 

 見た目で判断するな」

 

 

 

 大切な妹をかばってくれた

 

  たとえその気がなくても

 

 うれしかった

 

 たとえそれが、彼の昔の記憶と照らし合わされて言われた言葉だとしても

 

一護と別れると、とたんに仮面が崩れた

 

 

 

 

「美月・・・・

 

 美月ぃ

 

 ごめんなさい ごめんなさい

 

 私のせいだ

 

 

 ねぇ 本当にあなたの魂はもうどこにもないの?

 

 

 虚に 食われてしまったの?

 

  答えてよ

 

 答えてよ  美月ぃ」

 

まさにそれは 悲しみの慟哭だった。

 

  卯月の瞳からあふれ出る涙

 

必死に、私は 自分を抑えた

 

  そうじゃないと飛び出して行きそうだったから

 

 

 魂の双子の間には

 

 

  生と死の 絶対的な壁があった。

 

 

 

 

だって 一緒に過ごすことはもうできないのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一通りなき終わると

 

 

 「駄目だな

  私

 

  いつまでもイジイジしてそれこそ美月に叱られるよね。

 

 死したものにこだわるな

 

 とか

 

 そんなに悲しいなら忘れて・・・とか

 

 

 でもね美月。あなたは私の半身なの

 

 たとえ 道が分かれてしまっても」

 

 

強がりだということは

 

      分かった

 

      わかってしまった

 

 

 

  でも その言葉に励まされた気がした。

 

 

 

「いいのか?会わなくて」

 

 

「うん」

 

 

美月の瞳からも涙が次から次へと流れていた。

 

 

「美月がここにいないことは知ってる

 

 でも、私はここと、あなたの眠る場所だけでは

 

 弱い私でいさせてね

 

 美月はなんでも抱え込むから、気をつけてよね」

 

卯月に拾われないような小さな声で言う

 

「それは 卯月もでしょ」

 

 

似すぎる二人の性格であった

 

 

「いっけない

   

 

  今日仕事はないけど任務があったんだっけ

 

 急げーー あと5分」

 

 

 

相変わらず無理した表情ではあるが、

 

  さっきよりはるかにすっきりした顔で

 

  走って行った

 

 

  すごく素早く

 

  死神の瞬歩に劣らない

 

 

 

ちなみにふつうに帰ると、15分ほど

 

 

それに美月はついていく

 

「最初はいやだって言ってたくせにねぇ」

 

 

「それはそれです

 

 見ると

   少しは成長してるか見たくなって

 

(私という後ろ盾なしの家の反応も)」

 

 

そしてついて行ってたどり着いたのは

 

    雛桜家の目の前

 

 

そこで私は待っていたが

 

   揺れる卯月の霊圧で

 

 何も この家は変わっていないのだとはっきりと自覚した。

 

 

 

 

 

 

 

しばらくするとまた卯月が出てきた。

 

 

持っていたカバンなどは手になく、代わりに肩下げのショルダーバックを付けている。

 

 

まぁもちろん両手がふさがれないようにの処置なのだが、

 

 

美月は懸命に自分の気配を消す。

 

霊圧を無にし、存在感をゼロにする。

 

 

   (ハンターで言う絶、である。)

 

そして卯月の後を追う。

 

どうやら今日は比較的近場のようで、車ではない。

 

まぁ、車を使うのは車で1時間の距離以上からぐらいであるが・・・

 

 

    (遠っ)

 

夕闇がかっているので、彼女は急ぐ。

 

 

あらゆる建物の上を飛び越し、走り、疾走し

 

 

   ついたのはとある古い神社の前

 

 

 

「うわぁ

 

   ひとけがないなここ

 

  でも、TVでにぎわうような神仙疑うところより小さな祠とかのほうがよっぽど力持つ場合もあるしね

 

   まぁ、神様はいい意味でも悪い意味でも神様でしかないしね。

 

  さってとここでよかったよね。

 

  依頼状読んでなかったし、今読もううん」

 

物陰からは

 

 

   小声で

 

 

「おい、お前の妹抜けてないか?

 

   ふつう状況とかは把握してから来るだろ」

 

 「あはははは、私がいた時は2人での任務だったから私が一回目を通してそれを卯月に簡単に伝えるって感じだったしねぇ。

 

   

  でもさらに、ボケボケになった気が…」

 

 

読み終えた卯月は

 

「なんだ、ただの浄霊(ジョウレイ)か。

 

除霊でもいいらしいけど、こっちは簡単だけど問答無用の魂の消滅だしね

 

    っ」

 

言葉を唐突に止めた卯月。

 

 

彼女の様子は気になるが少し話しておこう

 

  除霊は、霊を取り除くことであるが、これは霊に関する配慮なしなので、その霊は魂を消滅するか大きな損傷を魂に受ける。

 

これをするのは、未熟な術者か、あまりに凝り固まった悪意の念が強い半場怨霊化したどうしようもない時である。

  

なお、霊子は残るのでそれは器子に変換するか、

尸魂界(ソールソサイティー)に送る。

 

まぁ術者の種類によって(まぁ言及はしないが) これしかできないときも多々あるが。

 

 対する浄霊は、魂の穢れを浄化し、虚の場合は罪を洗い流し尸魂界(ソールソサイティー)に送る。

 

 

 

では卯月に視点を戻そう。

 

 

「気のせいだと思いたい。」

 

 浄霊のため、精霊の声に耳をすませる。

 

 もし精霊の見える者がいたのならこの膨大な数を統べる彼女に驚くであろう。

 

 数百数千数万、この世界の精霊は、五種類に分かれる。

  

 

  炎   水   地   風   雷

 

そして、それを操るものを精霊術師という

 

たとえば、マグマなら、炎2に対し、地8のようになるし、水蒸気なら水9、空気1のような割合でその精霊が存在し、

 

この混合物はより強者が操れる。

 

 

例をあげるならば、マグマを同力量の地術師と炎術師が争えば、地術師に分があり

 

炎術師がそれを上回るなら、はるかに力量は上だということである。

 

ほかの話はとりあえず置いておいて

 

 

卯月が操る精霊は、水。

 

 

 

「げっ 虚が20ほど出てきそう。」

 

「≪ピーピーピー≫」

 

  指令機が鳴り響く。

 

 

そして、その通りの虚が出現した。

 

 

 

 

 

 

「隊長、乱菊さん。

 

    大丈夫ですよ。

 

   私たちが相手しなくても」

 

 

 

 

そう美月は言う。

 

 

「なんだ、雑魚か。」

 

 

卯月は出現した虚を見ながらそう言いその手に一瞬して氷の矢を作り出す。

 

もちろんこれは精霊術である。

 

水術師の彼女にとって水や氷、雪、水蒸気

 

 どれも操るのが容易なものである。

 

同じく氷の弓で、的確に矢を放ち命中させる。

 

  もちろん狙うのは虚の頭。

 

 

自分に何一つ傷をつけず、土埃一つ体を汚さず、周りの神社などの建物や木々にまったく被害はない。

 

 

その間わずか、1、2分。

 

「いつまで倒れたふりしてんの?

 

  気配であんたが2体が合体した姿だったってわかってんのよ

 

 下だったあんたは倒されて(死んで)

ないでしょ

 

 

〈うまそうなその魂を喰わせろーーーーーっ〉

 

グサっ

 

 

  氷の矢はそれの頭と腹を貫く。

 

 

 

「悪いけど虚には手加減しないから」

 

 

瞳に冷たい怜悧な光を宿して彼女は言った。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「美月の妹もなかなかやるじゃない」

 

「うん。

   だけど、うちは、炎術師の一家だから

 忌むべき突然変異だって言われてるのよね」

 

 

  権力に固執し

 

  力に固執し

 

  傲慢に人を見下す最悪な人たち

 

 血が繋がってるだけの他人と私はみなしている

 

  そしてその考えに何も疑問を抱かず卯月を迫害してきた分家の子供たち。

 

 してこなかったのは明良だけかな。

 

  私たちの一族は炎の熱さを知らない

 

 ふつうの炎は効かないし、効くのは自分より上の炎術師の炎だけ。

 

 だから、無邪気にひどいことを私がいないときにしていた

 

唯一の例外である卯月 

水の力はわずか1年以上前に発現し覚醒した。

 

だからそれまで、無能者と言われ

 

炎で腕を焼き、

 

      背中を焼き、

 

         集団でリンチした。

 

あれは、いじめなんて軽いものじゃない

 

  迫害よりも強い

 

   殺人未遂だ

 

 

  恐ろしかった

 

 少しだけ

 

    自分たちの無知の罪も知らないあの子たちが

 

 

 

血がつながっているだけで恐ろしく感じた

 

 

“私”のことを思い出す前だったからなおさら

 

 

 思い出してから思うのは、哀れだと

 

  ただそれだけだ

 

 

  もう私にとってどうでもいいものだから

 

 

 

 

嫌いな相手に割く時間はもったいないと私は思う

 

 

 

 

 

卯月は行きと違いゆっくりと帰っていた。

 

まぁ少しでも家に帰るのを遅らせたいのだろう

 

 

 

その帰り道。

 

 

 

 

 

 

 

「おいっ

 

   馬芝中の雛桜 卯月だな」

 

 

ガラの悪い連中が、卯月を引きとめた

 

「そうだけど、何か用?大勢お揃いで」

 

 

 

そうすると口々に、〈男女入れ混ざっている〉

 

 「あんたのせいで、うちの彼氏全治5カ月だってよ」

 

 

 「俺の連れにずいぶんなことしてくれたな」  

 

 

 「私のところなんて後遺症が残るかもって」

 

 

etc

 

 

「はいはい。

 

  うるさい

 

   ていうかどれのことかわかんないんだけど

 

 私は理由なしに手出ししたりしないよ

 

 向こうから手ぇ出したか、しつこかったからじゃないの?(美月が死んで喧嘩ばかりの時も理由なしにはしてないし)」

 

 

 

冷静かつ反省のかけらもなく、恐怖もない卯月に腹をすえかねているのか、

 

 

一気に卯月に襲いかかる。

 

 

ここからは一方的かつ一瞬だった。

 

 

一人ひとりの急所を的確につき

  

  意識不明の重体もしくは、気絶状態にさせて行った。(微妙に男のほうが対処だひどいが、そこまで変わらない)

 

   ←←確実に過剰防衛

 

 

最後の一人のとき

   気を失う前に

 

「さすが、〝瞬殺の戦姫″ね。

 

 ところでもう一人の〝微笑の戦姫″はどうしたの? 

 最近うわさも「うるさい」グハッ」

 

卯月の雰囲気が変わった。

 

 

「あんた達なんかがその名を口にしてみろ

 

 

    堕とすよ、下に」

 

 

鋭い殺気が一瞬放たれたのであった。

 

 

 

 

 

「おい、〝瞬殺の戦姫″とか〝微笑の戦姫″

とかなんだ?」

 

もちろん隠れたままで、日番谷隊長が聞く

 

乱菊サンは今の卯月の動きに感心している。

 

 

「あぁ、生きてた時の私と卯月の通り名みたいなもんかな。

 

しつこい男とか今みたいに容赦せずにしばいてたし

 

たしか、卯月のほうは、一瞬で笑いながら相手をKOするからで、

 

私のほうは笑いながらそれを眺めて弱いと狙えば返り討ちにあうから

 

 

らしいわ   戦姫ってほどじゃないと思うんだけど」

 

 

「「(怒らせないようにしよう)」」

 

 

そして私たちは帰って行った

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

side卯月

 

 

 

 

今日放課後から妙な視線を感じた

 

気配もしないし気のせいかな

 

 

あんなこといったけど

 

 

本当はまだまだ立ち直れない

 

 

苦しい さみしい

 

 

 

そうしてもういない 半身を求めて泣くのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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