心残りがないといえば嘘となる。
それでも、別れてしまった道が再び交わると信じて、私は歩き続ける。
愛する人と仲間達と共に‥
仲間を守って死んで幸せとかそういうことは、考えない。
共に助かる可能性がどんなに低くても、
0%じゃない限り、
また自分がどれだけ傷ついても絶対に共に助かって見せる‥
こんな私を大切にしてくれる人のために
目の前には大虚(メノス)
こんなことになるなんて
思いもしなかった
プロローグ 始まりの時
私はいつものように、
一護に虚が近付かないように、
一護から離れてからいつもは零の状態にしてある霊圧を少し放出した。
いつもと違う所といったらいつも一緒の双子の妹卯月がいない。
ただそれだけ。
いつものように雑魚だけかと思っていた。
なのに、突然の後ろからの攻撃…
私の腹を貫いていたのは
大虚の舌。
一体だけ混ざっていた、
新種の霊圧を消すタイプの大虚だった。
私の魂は、あっという間に肉体(カラダ)から引き離されてしまった。
(ちっ。今日に限ってっ。
卯月がいれば、苦労せず気を引いてもらって
その隙に肉体に戻るのに…
卯月は狙われたりしてないよね。
因果の鎖はまだ切れてないし、
早く肉体へ…)
灼けるように傷口が痛んだ。
魂から10㍍離れた肉体へとまず行こうと考えている間に、
視線が大虚にいっていたせいで
他の残っていた雑魚が
私の鎖を
踏みちぎった。
(もうダメかな。
卯月には一護がイル。)
そう考え、霊体状態の私は朱い瞳を閉じようとした
その時、
強い冷気のような霊圧を肌で感じ、
閉じかけた眼を開けると
瞳に入ったのは
銀の髪をもつ死神。
その死神は一刀で大虚を倒し、周りの雑魚達を片付けていく。
全て片付け終えた彼が、私に近づき、言う。
「大丈夫か?
ったく、こんな所で霊圧を流すなんて何考えてるんだ、お前は‥って
人の話聞いてんのか!!
おいっ」
ほうけていた私は、正気を取り戻す。
不覚にも私はその死神に見とれていた。
私は赤くなった顔を隠して答えた。
「はっはい」
はっきりいってマヌケ極まりない。
その死神ははぁ…とため息をつくと、急に真剣な顔になって言う。
エメラルドのような翡翠色の瞳が私を一瞬硬直させる。
「お前、俺が見えるのに俺の服装見て、何も思わないんだな。
俺以外にこんな服のヤツ見たことあるのか?」
私はこの言葉を聞いて
私の男に対する態度にしてはなんの警戒も持たず、
ありのままの事実を言った。
「へ、だって死神でしょ。
ある程度霊圧あれば見えるの当たり前でしょ。」
彼は、呆れたような顔になって、
こう言った。
「死神が見える人間なんか聞いたことねぇーよ
勝手に決め付けんな!」
私はその言葉を聞いてそういえばそうだった
と思った。
でも
「あ、周り一族とか見えるから忘れてた」
「そーかよ。(でも何故こんなに霊圧が低いんだ)
お前名前は?」
霊圧を少ししか出していない状態のままで私は
彼の質問に答えた。
「私は 雛桜美月 です。あなたは?」
「雛桜か
俺の名前は日番谷冬獅郎だ」
それは
私という一人の人間の死という終わりと
新たな世界や思いの始まりだった。
しとしとと降るのは雨
それは遺された体を濡らし、
血を洗い流していった。
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