八月一日。
順調に修行を終えた私は、普通に夏休みお送ることにした。
ほんの少しだけ。
「お一一かえりィ一一一!!!
待ちわびたぜ一護!!一人で遊ぶのは淋しかったぞォ!!」
ズドン
「ありがとよ。」
泣きながら一護に抱き着こうとする啓吾。だが、一護に顔を蹴られて撃沈する。
久しぶりに会えたのがよっぽど嬉しいのか、一護に蹴られようが殴られようが啓吾の笑顔は崩れない。
しかし、それもこんがりと日に焼けた水色の登場で終わりを迎える。
「ただいまー!僕も帰ってきたよー!
一人で遊ぶのは淋しかったかい?ケイゴ!」
「うるせえ、外国かぶれが!!てめーなんか塩でも喰らえ!!」
「ああッ!しみる!!プーケット焼けにしみる!!」
水色が彼女(+女9人)と海外旅行に行ってたのが気に入らない啓吾は、水色に塩を投げ付ける。そのうえ、お土産のヤシの実で水色の頭を殴ろうとしている。
ようやく啓吾と水色の喧嘩(というより啓吾の一方的な怒り)も落ち着いて、四人は大人しく残りのメンバーを待つ。
一護はめんどくさそうに啓吾に言う。
「なーケイゴォ、今日のメインって夜の花火大会だろ。
こんな昼間っから集合かける必要あったのかよ?」
一護が疑問に思うのも無理はない。今は3時過ぎで、花火大会まではまだまだ時間があるのだ。
一護のそんな疑問に、啓吾は力強く反論する。
「何を言うかァ!!
俺が今日のこの日をどれだけ楽しみにしてたと思ってんだ!!」
そのまま、自分がどれほど今日を楽しみにしていたか語りだす啓吾。
昨日はワクワクして一睡もできず、本来は昨日の夜中から集合をかけたかったらしい。
それだけでは語り足りないのか、一護達がいなかった地獄の10日間を語り始める。
「外出しても一人じゃつまんねーもんだから、夏の盛りに日がな一日家にこもって、普通ならやりもしねーゲームを毎日毎日毎日毎日毎日………
10日でRPGを5本もクリアしてしまいました…!」
「おまえゲームの才能あるんじゃねえか?」
涙を流しながらゲームを見せる啓吾に、冷静に突っ込む一護。
第七話 最後の夏休み
すると、いきなり啓吾が誰かに背中を蹴られる。
それと同時に
「うるせぇ」 「ジャマ」
ぐふぁ!!
私と樹の声が重なり、私の腕を竜貴のケリがぶちあたる。
私服のチャドと織姫、たつき。
そして・・・
私が足を使わなかったのは今現在浴衣を着ているからだ。
藍色の下地に黄色の向日葵が描かれたそれ。
「おう、珍しいな チャドも
卯月っっ 浴衣かよ
珍しいな、こんな行事で着飾るのは」
と一護。
「うっさい。実家では、これが普段着なのって」
無神経に不躾にいった一護に起こっている彼女に
「浴衣似合ってるね、卯月」
「ありがとう、水色。」
水色の褒め言葉に照れながら微笑む卯月。
「あれ?たつき」
「「どうしたんだその腕!?」オマエ」
一護と声が重なる。
彼女の利き腕である右腕にギブスがされ吊られていた。
「あーこれ?これはね…」
「「準優勝ォ!?」」
竜貴の説明を聞いて、卯月と一護は目を見開く。
「じゅ…準優勝って…インターハイで2位ってことか…?」
「そーよ!やってらんないっての!
このケガさえなけりゃ優勝できたってのに!」
「でも、ケガして準優勝なんてスゴイよ!!」
「「(日本で2番目に強い女子高生…!)」」
優勝できなかったのが悔しい竜貴は、不満そうに話すが、卯月は感心するだけだったが、
一護・啓吾・水色に関しては、冷や汗をかいていた。
「しかし、オマエの腕を折るなんてな…
一体その決勝の相手ってのはどんなバケモノ…」
「あー違う違う。試合じゃないんだコレ。
準々の後ジュースを買おうとして車にハネられたの
で、そのあとなんとか準決勝は左腕一本で倒したんだけどね
決勝の相手がゴリラみたいな女でさー」
「私は車にハネられても試合に出るたつきがスゴイと思うけどな…」
「ハネられた後、よく病院に連れていかれなかったよな…」
「「(ぼくたちだったら、ライフル持っててもそのゴリラには降伏です!!)」」
感心したように呟く卯月と一護の隣で、啓吾と水色は心の中でそう叫ぶ。この時、啓吾と水色は"絶対に竜貴に逆らわない"と心に決めただろう。
「さっすがたつき 私の親友だね」
「卯月あんたに言われてもね。
私あんたに勝ったことないんだけど空手で。」
((何ーっ!!))
「そりゃねぇ。でも私時々混ざるしね
合気道、空手、柔道とかさ無差別で武道してたからね(無能だった頃必要最低限以外にメチャ真剣に)
剣道は混ざりようがないから中学んときやってたけど
(もう絶対やらない。間接的に美月を死に追いやったものだから。
戦う時必要ならするけど)
私高校は帰宅部。
中学の剣道部は暴力座田起こして部に迷惑かからないよう2年の時退部したしね。」
合気道、空手、柔道、少林寺拳法
剣道、弓道、なぎなた
居合に抜刀術
すべて正式ではないが10段実力者である。
彼女精霊術は未熟で留依と同等レベルだが、
武道は達人クラスで、封印術など精霊術なしで戦うすべも心得ている。(無能期間のおかげ)
「よく言うぜ1年でその剣道も全国大会優勝しておいて」
「はいはい、今だに私に勝てない一護くん
ほらいこ。」
その影で水色たちは卯月にも絶対逆らわないと決めたそうな。
メンバーもそろったので、話しながら花火大会の会場へと向かう一護達。10日ぶりに会ったので、なかなか話は尽きない。
気がつくと、空はもうオレンジ色に染まっていた。そこでふと竜貴が疑問を口にする。
「会場どこだっけ?」
「小野瀬川」
「え?じゃあもうここじゃん」
「違げーよ、打ち上げは川向こうの市立グランド!」
「だからもっと向こうじゃないとキレイに見えないよ」
「え一一一一
なんか、もうこのへんでいいんじゃん?あんま近いと出店とかで人多いし」
「それが若者の言う事かァ!!」
竜貴の言葉に啓吾と水色が答えるが、竜貴はめんどくさいとばかりに、近くの川辺に腰を下ろす。
しかし、そんな竜貴の行動に啓吾が黙っているはずがない。啓吾は花火大会について熱く語り始める。
「花火大会ってのはお祭りだぞ!!花火に大騒ぎ、出店に大騒ぎ、浴衣の女子には鼻血!!
これこそが花火大会の神髄だ!!」
そのまま浴衣じゃない竜貴と織姫に怒り、"井上さんの浴衣は超見たかったー!!"と騒ぎ始める啓吾。
一護・卯月・水色・茶渡は遠巻きにその様子を眺めている。
すると、進行方向から聞き覚えのある声が啓吾に同意する。カラカラカラという音が聞こえ、何事かと前を向くと、遠くから何かが猛スピードでやってくる。
「おに一一ちゃ一一ん!!おね一一ちゃ一一ん!!」
「一護ォ一!!卯月一!!」
「一兄ぃ一一!!卯月姉ぇ一一!!」
「「な/え…
ぎゃ/キャ一一一一一一一!!!!」」
どざざざざざ
それは間違いなく一心・遊子・夏梨だった。
一護は家族仲良く土手下に落ち、卯月の方は避けたが
普段着物や浴衣の時は足袋や素足なので、
下駄のバランスを少し誤り、
卯月の体が少し傾いた・
が、すぐに体勢を立て直す。
「大丈夫?卯月」
水色が聞く。家族で騒ぎ中である。
一護は今下で
「・・・やばい。
コンタクト今ので片方外れた。」
卯月は片手で瞳を抑えながら、下を向いて話す。
いつも目と目を向き合って話すのにだ。
「大丈夫?」
腕を掴むと、手がずれて、その下から現れたのは
藍色の瞳・
虹彩と瞳孔両方共藍色の
片方が茶色(カラコン)のままだから、
藍と茶のオッドアイのようになっている。
「綺麗な藍色の目なのになんで隠すわけ?」
とごく自然にたらしな発言をする水色様。
思わず、赤面する卯月。
「どうしたの・ってあんた目、
ふーん本当はそんな目だったのね。」
「それだけ?」
「一度見てみなよ、あのオレンジの髪になれてんのよ。
目が藍色なくらい気にするかよ。ねえ」
ほかも頷く。
そしてキレイに少女は笑った。
出発まで、後六日…
To Be Continued