オーバーロード 異世界に転移したアリストテレス【停止中】   作:始まりの0

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EP8 星の守護者、宝物殿に行く

 ~ナザリック大墳墓 ゼオス私室~

 

 至高の42人にはそれぞれ部屋がある。基本的な構造は同じ様な物だが、それぞれが個人の趣味に合わせて改造……改装しており、中には入ったらいきなりゴーレムが襲ってくると言うおっかない部屋まである。

 

「はぁ…………物凄く疲れた。肉体的にはないが……精神的に」

 

 そう言いながら紅いベッドにダイビングする部屋の主ゼオス。

 

「ふぅ………さてと、これからどうするかね」

 

 

「子作りしましょう」

 

 

「そうする………訳ないだろうが」

 

 視線をベッドの横に座っていた番外席次に向けて、そう言うゼオス。

 

「全く……お前の頭はそれしかないのか?」

 

 

「あらっそんな事はないわよ。私だって他にも色々と考えているわ」

 

 

「例えば?」

 

 

「貴方の本気を見てみたいとか、貴方の好きな物とか嫌いな物は何かとか、どう言うプレイがいいのかとか」

 

 

「あのなぁ………まぁいい。一先ずは武器と鍵を取りに行くか」

 

 

「武器?鍵?」

 

 

「俺の武器と宝物庫の鍵だ。普段は使わないから此処の宝物殿に預けている……お前はこの部屋に居ろ」

 

 

「分かったわ」

 

 

「用があるならそこのベルを鳴らせ、メイドの誰かが来るだろうから」

 

 ゼオスはそう言うと、再び部屋を出て行った。

 

 外に出たゼオスはメッセージを使い、アインズに連絡を入れた。

 

『モモちゃん、ちょっといいか?』

 

 

『あぁ、ユウちゃんか。どうかした?』

 

 

『俺の武器と鍵を取りに行くんだけど、一緒に行かないか?』

 

 

『確かそれって宝物殿に………ぅ』

 

 

『ぁ~そういや、あそこにはモモちゃんのパンドラズ・アクターが居たんだったか……ぇ~と黒歴史?』

 

 

『ごはっ!』

 

 

『軍服に、敬礼に、ドイツ語かぁ………オフ会の時に実演してたっけ?』

 

 

『やめろっー!俺の黒歴史を言わないでくれぇ!』

 

 

『【Wenn es meines Gottes Wille(我が神の望みとあらば)】だったか』

 

 

『ノオォォォォォ!』

 

 

『じゃあ、そう言う訳で俺は宝物殿に行くから』

 

 

『待って!俺も行く!ユウちゃん、変な事をアイツに吹き込みそうで怖い!』

 

 

『やだなぁ………そんな事する訳ないじゃない………面白そうだなぁ(ボソッ』

 

 

『今なんてったの!?』

 

 

『さてね………じゃあ、また後で』

 

 ゼオスはメッセージを切ると、直ぐにリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンの転移の力を使い宝物殿へ向かった。

 

 

 

 ~宝物殿前~

 

 ナザリックのプレイヤー達が集めた宝が納められている宝物殿。金貨の山の前にアインズが既に立っていた。

 

 この部屋はナザリックのどの部屋とも繋がっておらず、完全に独立した部屋になっている為、彼等の持つ指輪がなければ入れない。

 

「あぁ、来たか」

 

 

「御待たせ………じゃあ、行こうか」

 

 2人は金貨の山を通り過ぎ、黒い壁に向かい歩き出した。

 

「「アインズ・ウール・ゴウンに栄光あれ!」」

 

 2人がそう言うと、黒い壁に文字が浮かんだ。

 

「ぇ~と確か」

 

 

「【かくて汝全世界の栄光を我がものとし、暗きものは汝より離れ去るだろう】だろ?」

 

 ゼオスがそう言うと、黒い壁が消え道が開けた。2人は共にその道を進んでいく。

 

「此処に来るのは、魔剣と鍵を封印した時以来だったか」

 

 

「そうだったな……」

 

 ゼオスは楽しそうに進む中、アインズは何やら落ち込んでいる。

 

「未だ落ち込んでるのかよ、何時かは会わないと行けないんだし、お前のNPCだろう?」

 

 

「分かってはいるんだけど……唯……」

 

 道を抜けて広い空間に出た。その空間の奥には更に道が続いていた。そして彼等の前に軍服を着たドッぺルゲンガーが現れた。

 

「ようこそ、御出でいただきました」

 

 彼はそう言うと、姿勢を正して敬礼した。

 

「私の創造主たるモモンガ様!そしてそのご友人、ゼオス・アルドライグ様!」

 

 ゼオスは隣を見てみると、アインズが緑色の光に包まれているのを見た。

 

「おっお前も元気そうだな」

 

 

「はい、元気にさせて頂いております。それで此度はどう言うご用件で?」

 

 左胸に手を当てながら一礼した。

 

「俺の魔剣と宝物庫の鍵を取りに来たんだ、パンドラズ・アクター」

 

 

「おぉう!彼の世界を変えるワ~ルド・アイテムに匹敵するゼオス様の魔剣!そして無数の神級クラスの武器やアイテムが納められた宝物庫!その宝物庫に唯一アクセスできる鍵……どれもゼオス様の為だけに存在するアイテム!強大な力!ナザリックの秘宝の中でも1、2を争うアイテム……それを使う日が来たのですね」

 

 台詞を発する度にポーズを決めるパンドラズ・アクター。彼はアインズが作ったNPCであり、彼の言動、服装に至るまで全てアインズの設定である。

 

 アインズは幾度も強制的に精神が抑制されていた。それを見て、ゼオスは笑いを堪えていた。

 

「ククク……あぁ」

 

 

「そっそうだ、私の事はこれからアインズと呼ぶ様に。アインズ・ウール・ゴウンだ」

 

 

「おぉ……承知しました!私の創造主!ん~アインズ様!」

 

 再び精神が強制的に抑制させられたアインズ。

 

「じゃあ、パンドラズ・アクター。指輪を頼んだぞ」

 

 

「はっ!」

 

 ゼオスとアインズはこの先に進む為に、指輪を彼に預けた。

 

「行ってらっしゃいませ!アインズ様!ゼオス様!」

 

 再び敬礼、そしてアインズの精神もまた抑制された。

 

 

 

 

 

 

「ぁ~面白かった」

 

 

「そんな楽しまないでよ!こっちは精神抑制されまくりなんだから!」

 

 ゴーレムの安置された廊下を進みながら彼等は話を続けていた。

 

「あっペロロンチーノの………こっち茶釜、たっちさん」

 

 

「ウルベルトさんに、武人建御雷さん」

 

 彼等は並んでいるゴーレムを見ながらそう呟いた。

 

 此処に置かれたゴーレムは全て、去って行った至高の42人を模った物だ。ゴーレムに装備されているのは、彼等が引退の際にゼオスとアインズに預けて行った装備やアイテムだ。

 

 本人達は売却してもいいと言っていたが、2人は決してそれをする事はなかった。何故なら何時か彼等が戻ってくるとずっと信じていたからだ。

 

「1人でもいいから、こっちに来てればいいだけどな」

 

 ゴーレムを見上げながらそう言うアインズ。そんな姿を見て、ゼオスは彼の背を叩いた。

 

「いたっ!」

 

 

「何落ち込んでんだよ、さとっち!お前は1人じゃない、俺がいる。それにアルベドや他のNPCだっている。決して1人じゃない!」

 

 

「ユウちゃん……ありがとう」

 

 

「おうさ」

 

 そして再び、2人は奥へと進んでいく。

 

「NPCと言えば………そういやユウちゃんの」

 

 

「アリストテレスとなった際に、得た12体の僕達………NPCではなく、ユグドラシルに存在したモンスター達をキャプチャーして育てた」

 

 

「そういやレベル100で彼等だけで俺達全員より少し弱いくらいだったか。それを知った時、みんな驚いていたよね」

 

 

「1週間限定だったけど、俺をメインにしたイベントの時の守護役だったし」

 

 

「確かあのイベントに出る時の条件って」

 

 

「ワールドアイテム、二十の内5つ」

 

 

「あの時、皆の表情引き攣ってたっけ」

 

 昔の事を思い出し笑みを浮かべながら、彼等は再び奥へと進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 ~番外席次side~

 

 ―私は人間とエルフの間に産まれた………種族を越えた愛………と言う訳ではない。エルフの男が法国の切り札だった母だった女を強姦して私が出来た。母親から私を取り上げなかったから性格が歪んでいると最高執行機関の1人が言った。私にとってはどうでもいいことだけど………。

 

 毎日が詰まらなかった、殆ど神器の警護で日々を過ごしていた。それ以外はルビクキューで遊ぶくらいしかなかった………唯一の望みは私より強い男と子供を作ること………何故か?だって、私より強い男との子供よ?どれ程の強さを持っているか、興味あるじゃない。

 

 それに恋と言う物をしてみたかったのよね。六大神の残した文献で見た事があった……1人の姫と恋に落ちた騎士との物語。魔王に攫われた姫を助ける為に幾度も死地を越えて、魔王の城へ乗り込み、魔王を打倒した後に姫と結ばれた。

 

 在り来たりな物語であるけど、この物語は他の物と違ってやたらと細かく書かれていた。だからこそ、幼い頃の私はこの物語に引き込まれていた。修練が終わり、寝る前には必ず読んでいた。

 

 今でも、そのふっとした時に写本に手を伸ばすこともある。でもそれは幻想の中の話だ、何故なら私より強い存在なんて今まで居なかったもの。

 

 けど今は違う………私を一撃の元に吹き飛ばした男が現れた。ゼオス・アルドライグ、吸血鬼であり、最強の種族・アリストテレスだと言う。詳しくは分からないけど、骸骨……アインズとか言うマジック・キャスターが言っていた。星を護る者であり、最強最悪の存在だと。

 

 フフフ、彼に出会って数日、私はおかしい。例の物語の姫を私に、騎士にあの人を置き換え自然に頬が緩んでにやけてしまう。

 

 そして子供だけ作ってくれればいいと思っていた筈なのに、今はゼオスの事を知りたい、共に居たい、触れ合いたいと考えている。これが恋なのかしら?

 

 これから退屈はなくなりそうね。ウフフフフフフフ―




~宝物殿~

―ゾクッ―


「!?(キョロ、キョロ)」


「どうしたの、ユウちゃん?」


「何か……何て言っていいか。変な感じが」


「?」


『くふふふふっ……アインズ様との御子は男の子と女の子どちらになるでしょうか?ふふふ』


『アインズ様の覇気でまだ拙いのが収まらんでありんすぅ』


―ゾクッ―

「!!?」


「どうした、さとっち?」


「俺も変な気配が……」

色んな意味で凄い女性に惚れられているナザリックの2柱であった。
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