オーバーロード 異世界に転移したアリストテレス【停止中】   作:始まりの0

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EP9 星の守護者、冒険者になる

 ~エ・ランテル~

 

 堅牢な三重の城壁に守られた城塞都市エ・ランテル、この街にはある組合がある。冒険者組合だ。

 

 まず、冒険者から説明しよう。冒険者とはこの世界の職業の1つ、一言で言えば「対モンスター用の傭兵」だ。仕事内容は基本的には厄介なモンスターの退治を請け負う事だが、秘境の探索なども行う。

 

 冒険者組合は、モンスター討伐の依頼の仲介などを行う組織だ。その組合の1つがこのエ・ランテルに在る。

 

 そして、冒険者になるには組合に登録する必要がある。冒険者は誰でもなる事ができる。そして登録時に(カッパー)のプレートを身分証として貰う。プレートとは簡単に言えば階級の様な物であり、最低位が(カッパー)、次に(アイアン)(シルバー)(ゴールド)白金(プラチナ)、ミスリル、オリハルコン、そしてアダマンタイトがある。

 

 そして、つい先程、冒険者の登録を行い(カッパー)のプレートを首から掛けている4人がいた。4人は堂々と、宿屋に入って行く。

 

 フルプレートの大男が入って来たのを見て、この宿屋にいる冒険者達が彼に視線を集めたのは言うまでもない。

 

「宿だな……相部屋で1日10銅貨、「4人部屋を希望したい。食事は不要だ」」

 

 店の主が視線を上げ、大男のプレートを見る。

 

「お前さん、(カッパー)のプレートだろう。だったら此処は「先程、組合で登録してきたばかりなんでな」……1日14銅貨、前払いだ」

 

 それを聞き、店の主は前の机を叩きそう言った。

 

「それで構わない」

 

 大男はそう言うと、14枚の銅貨取り出し、店主の前に出した。

 

「部屋は2階の奥だ」

 

 大男が部屋へと行こうとすると、柄の悪いの冒険者が通る場所に足を出す。完全に嫌がらせだ。大男は溜息を吐きと、それにわざと引っかかる。

 

「いってぇ!どうしてくれるんだよ、ぁあ!」

 

 男の冒険者は立ち上がると大男に絡み始めた。そして彼の後ろにいた、2人の女性に目を付ける。

 

「おっ、えらくいい女じゃねぇか。こうなりゃそっちの姉ちゃん達に手当てをして貰わないとな」

 

 厭らしい笑みを浮かべてそう言う冒険者。

 

「「くっククク……アハハハハ」」

 

 その冒険者の態度に笑いを上げる、大男と黒い髪の男。

 

「いや、すまない。雑魚に相応しい台詞だと思ってね」

 

 

「お約束だな、こりゃ」

 

 

「なんだと!テメェ!」

 

 

「モモちゃん……どうする?」

 

 

「この程度、遊びにもならないな」

 

 大男はそう言うと、目の前の冒険者の首を掴み放り投げた。

 

『えっ?』

 

 

「で?次は誰が相手だ、何なら纏めてでm『おぎゃーーー!!』」

 

 

「「?」」

 

 大男と仮面を付け白いマントを羽織った黒い髪の男はその悲鳴に首を傾げた。

 

「ちょっと!ちょっと!」

 

 赤い髪の女性が何やら怒りながら此方に近付いてきた。

 

 黒髪の男は先程まで女性が居たであろう机を見た。大男が投げ飛ばした冒険者により潰れており、割れた瓶と中身であろう青い液体が床に落ちていた。

 

 赤い髪の女性によると、あの青い液体はポーションらしい。節約に節約を重ねてやっと買えた物の様だ。

 

「弁償しなさいよ!」

 

 

「なら、そっちの連中に言ったらどうだ?」

 

 大男は絡んできた冒険者達の方を見た。

 

「金貨1枚と銀貨10枚よ、何時も、飲んだくれてるんだからそんなお金在る訳ないじゃない」

 

 女性にそう言われると、男の冒険者達は気まずそうな顔をしている。

 

「アンタさぁ、御大層なフルプレートの鎧を着てるんだから治癒のポーションくらい持ってるんでしょ?現品でいいからさ」

 

 

「持ってはいるが」

 

 大男は黒髪の男の方を見る。黒髪の男は「それは拙いでしょ」と言う雰囲気を出していた。

 

「この……(ボソッ」

 

 ポーションを要求する女性の後ろで剣を引き抜こうとする黒髪の女性。

 

「わっ分かった!ポーションだな!」

 

 大男は赤いポーションを取り出すと彼女に渡した。

 

「これで問題ないな?」

 

 

「赤いポーション?……えぇ、まぁ一先ずは」

 

 一先ず事を解決した大男たちは早々と部屋へと向かった。

 

 

 

 

 

 ~宿屋の部屋~

 

 部屋に入った2人の男は息を吐いていた。

 

「ですが、この様な場所に至高の御方々が滞在されるなど」

 

 

「そう言うなナーベ………それにしてもあれが冒険者か、組合に管理され、モンスターを駆逐する毎日、予想以上に夢のない仕事だな」

 

 ヘルムが光りだし、現れた顔は骸骨………アインズ・ウール・ゴウンの物だった。

 

「そう言うなよ、モモちゃん」

 

 黒髪の男性の髪の色が銀髪変わり、仮面を取った。最強のプレイヤー、ゼオス・アルドライグだ。

 

「ねぇ、これ、もうとってもいいの?」

 

 黒髪と半分白い髪の仮面を付けた女性がそう聞く。

 

「あぁ、構わないぞ。番外……コホン、ベルンカステル」

 

 

「なんか、慣れないわね。偽名で呼ばれるの」

 

 

「慣れて貰わないと困る、此処に居る間はお前は冒険者・ベルンカステル。俺は冒険者・ユウ、アインズがモモン、ナーベラル・ガンマがナーベだ」

 

 仮面を外した番外席次はベットに腰掛ける。

 

「アインズ様、ゼオス様、あの人間はどうしましょう?」

 

 ナーベが言ったのは先程ポーションを渡した女性の事だろう。アインズは放置でいいと判断した。

 

「それよりもナーベ、此処に居る間はモモンだ」

 

 

「承知しました……モモンさm…-ん」

 

 

「モモンさーんか………少しマヌケた感じだがいいだろう」

 

 

「じゃあ、ナーベ。俺の事も呼んでみて」

 

 

「ゼオ……コホン、ユウさーん」

 

 

「うん……まぁいいだろう。それよりも問題は………モモちゃん」

 

 

「えっ?」

 

 ゼオスは笑みを浮かべてアインズの方を見た。

 

「なんで、ポーションを渡しちゃうかな?」

 

 

「あっあの時は」

 

 

「そうだな……あの場を収めるには金を渡すか、ポーション渡すかしかなかったろう。でもだ……さっきの女がいた場所に散らばっていたのは青いポーションだった。完全に俺達の世界の物とは別物だ、創作者(アイテム・メーカー)の特性を活かして鑑定してみたけど俺達の物より劣る。

 

 俺と同じ様に鑑定のスキルや魔法を使える奴に見つかったら面倒だ」

 

 

「そうか……すまん」

 

 

「まっ……あのままじゃ、血の海になってたから仕方ないと思うけど、これからは気を付けようぜ」

 

 

「あぁ」

 

 

「さて………金がないな」

 

 

「ないな」

 

 アインズ……モモンがポーチから金を取り出す。銀貨数枚、銅貨数枚しかない。これが現在の彼等の所持金である。

 

「まずはコネクションを作るより」

 

 

「仕事だな!仕事を探すぞ!」

 

 そう意気込むゼオスとアインズ、改めユウとモモン。

 

「仕事はいいけど依頼書は読めるの?」

 

 

「「えっ……」」

 

 番外席次……改めベルンカステルがそう言う。2人はそう聞くと、今まで街で見た文字を思い出してみた。全く見た事ない文字だ。

 

「重要な問題だな」

 

 

「あぁ」

 

 

「後々、解決していくか」

 

 

「そうだな」

 

2人は基本的な事を言われて初めて気付き、少し反省した。

 

「さてと………じゃあ、モモちゃん。この街の事は任せるよ」

 

 

「何か在れば連絡しよう。気を付けてな」

 

 

「おう、じゃあ、行くぞ。番外……じゃなかったベルンカステル」

 

 

「えぇ」

 

 ゼオスは番外席次と共に部屋を出て行った。

 

「モモンさーん、ぜ……ユウさーんはどちらに?」

 

 

「彼等は私達とは暫くは別行動だ」

 

 

「そうなのですか?」

 

 

「あぁ、王都へ向かった」

 

 

「そちらの方はセバス様とソリュシャンが向かっている筈では?」

 

 

「あぁ、セバス達は貴族方面から、ゼオス達は冒険者方面から情報を取る事にした」

 

 

「しかし、至高の御方が情報収集など……その様な些事は下々の仕事です!」

 

 ナーベ………ナーベラル・ガンマ、人間の姿はしているが実は二重の影(ドッペルゲンガー)であり、ナザリック地下大墳墓の戦闘メイド「プレアデス」の1人だ。

 

「では聞くが、人間の事をどう思う?」

 

 

「何の価値もないゴミです」

 

 

「その考えを捨てろとは言わんが、態度には出すな。問題になる」

 

 

「はい」

 

 

「お前達は人間とのコミュニケーションが真面にできないだろう?ならばゼオスが適役だ、番外席次が居るとは言え、彼ならなんとかするだろう」

 

 

「?」

 

 

「昔、ゼオスとペロロンチーノさん、茶釜さん、たっちさん、ウルベルトさんが出掛けた事があったんだ」

 

 

「そう言えば、ペロロンチーノ様とぶくぶく茶釜様、たっち・みー様とウルベルト様は仲が………私達が仕事をしている時もよく喧嘩なさっていました」

 

 ナーベの言葉にアインズはモモンガとしてギルドの仲間と共に冒険していた日の事を思い出していた。ぶくぶく茶釜とペロロンチーノはリアルでは姉と弟であるが、常日頃喧嘩していた。とは言う物の、最終的には姉である茶釜の「黙れ」の一言で終了する。

 

 たっち・みーとウルベルトは色々な事があり、日々喧嘩がしていた。

 

「ナザリックであれば観察している所だったがな……その出掛けた時はそう言う訳にはいかなかった。私が止めに入ったものの、両側で喧嘩されては私もどうしようもなかった。

 

 そんな時、2組を止めたのがゼオスだった。ククク」

 

 その時の事を思い出して、笑いが漏れるモモン。だが直ぐに、緑色の光に包まれ感情が抑制された。

 

「チッ……そう言う訳だ。何せ、彼はユグドラシルでも最強のプレイヤーでもある。それに彼は頭がいい、万が一にプレイヤーと接触する事が在り、敵ならば直ぐに撤退するだろう」

 

 ナザリックの中でも最もゼオスを信頼しているのはモモンガであり、モモンガを最も信頼しているのもゼオスである。彼等は幼馴染であり、ゲーム内でも共に戦った仲間だ。アイコンタクトで大概の事は分かり合える仲だ。ゼオスが何を第一に考えるか、彼には分かっていた。

 

「この部屋をキープしておく為にも、我々も金を稼ぐぞ!」

 

 

「はっ!」

 

 

 

 

 

 ~エ・ランテル外~

 

 ゼオスと番外席次……もといユウとベルンカステルはエ・ランテルを出てリ・エスティーゼ王国へと向かっていた。因みに、仮面は外している。

 

「………フフフ」

 

 

「どうかしたか?」

 

 

「こうやって誰かと歩くのも悪くないわね」

 

 

「そうか」

 

 

「でも良かったの、骸骨の人を置いてきて?」

 

 

「問題ない……モモちゃん……アインズは強い。今は制限が付いているとは言え、お前よりも強い」

 

 

「ふぅん……これでも貴方のペット達と戦って少しは強くなった筈だけど………それにしても、世界は広いわね。あんなにも強い連中がうじゃうじゃいるんなんて本当に面白いわ」

 

 彼女はナザリックでゼオスの僕達と戦った時の事を思い出した。自分の力が全くと言って、通用しない相手がゼオス以外にいるなど知らなかった彼女は歓喜した。

 

「世界は広いぞ………そうだな。全ての目的を果たした後に、世界を旅するのも悪くないな」

 

 

(そう言えば、誰かと2人で旅するの何て始めてね。何でかしら、頬が緩む)

 

 

「それはそうと、これから先、お前を知る輩がいないとも限らない。認識阻害アイテム、暗殺者の衣(アサシン・ローブ)が着けている限り誰もお前が番外席次とは分からない。だが知り合いが居れば行動・仕草からお前を疑う輩も出て来るだろう」

 

 

「でも私を知っているのなんて、漆黒聖典と最高執行官くらいのものよ?彼等があの国に居るとは思えないわ」

 

 

「万が一と言う場合もあるんでな」

 

 

「まぁいいわ。また楽しませてくれるんでしょう?」

 

 

「協力してくれるならな。また僕共と遊ばせてやるさ」

 

 彼等はそんな話をしながら、王都へ向かうのであった。




と言う訳で、アインズ様と別れて別行動になりました。

偽名?中の人と、性格の事を考えて、ふっと出てきたキャラクターの名前です。
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