オーバーロード 異世界に転移したアリストテレス【停止中】 作:始まりの0
エ・ランテルで冒険者登録を終えた
「………」
「………」
2人とも無言だ。全くと言っていい程、会話がない。ベルンカステルが話掛けようとするが、ユウの顔を見た途端に顔を茹で蛸の様に赤くして黙ってしまった。
(こっこういう時、何を話せばいいの?初めて会った時は子供を作ることで頭が一杯だったけど……今考えると凄く恥ずかしいことじゃ………)
恋などしたことのなく、初めて自分に勝利し、心を射止めた相手と2人きりで旅だ。
今までは勢いに任せていたが、落ち着いて考えてみると初めて羞恥を覚えた
「ねっ……ねぇ」
「ん?」
「いっ……いい天気ね?」
やっと出てきたのが、定番な言葉である。これでも彼女なりに頑張ったのだろう。ユウはその言葉に空を見上げてみる、そこには青空……ではなく、曇り空が広がっていた。
「うん……まぁ、そこそこの天気だな」
ベルンカステルが必死に言ったのが分かったのか、空気を読んだのか分からないが彼はそう返答した。
「………」
再び黙るベルンカステル。ユウはと言うと黙ったまま、彼女を見ている。
見られている本人は既に限界なのか、俯いてしまった。
(まるで借りて来た猫みたいに大人しい………何時もこうならいいんだが………)
等と考えているユウ。ふっと辺りを見てみると、薄暗くなってきていた。
「段々と日も暮れて来たな………この辺りで宿……っと言ってもある訳ないか」
「そっそうね………野宿でも良いわよ」
「俺もそれでいいが………流石に女のお前を野宿させる訳にもな……頼んでみるか」
ユウはそう言うと、地面に手を着いた。すると黒かった髪が元の銀色に戻った。
すると周囲に幾つ物、光の球が出現し彼の周りを浮遊し始めた。彼は何かを言っているが、その言葉は
少しすると、ゼオスの前の地面に何本かの木………と言うか木材が生えだした。そして普通では在り得ない成長速度で大きくなり、組み合わさり、家の形になった。
「ふぅ」
「…………何したの?」
「
「精霊………」
「ほれっ……さっさと入るぞ」
「あっ……うん」
~家の中~
「ほらっ、出来たぞ」
「料理出来たんだ………」
番外席次が目の前に出されたゼオスの手料理を見てそう呟いた。
「これくらいは簡単だろ?」
「………」←料理できない
「冷めない内に喰え………」
「うん」
こうして2人で食事をする事になった。
食事を終えると、装備を確認しているゼオス、番外席次はその横でルビクキューをしている。
「これは………ダメ、威力が在り過ぎる。此奴は世界を滅ぼしかねないから仕舞って………」
「ねぇ…………その武器、凄く怖いんだけど」
「こりゃ失礼…………これは死の概念を形にした様な物で危険だから、仕舞うと」
そう言うと、禍々しい大剣を空間の歪みに仕舞ったゼオス。
「そっちの赤い剣……それが一番怖い」
「あぁ………これは俺の魔剣だ。まぁ………確かに此奴が一番危険かもな」
彼はそう言うと、手を振るうその魔剣は消えた。一通りの作業が終わったのか、手を止めて天井を仰ぐ。
「ふぅ………終わりと」
「ねぇ………ゼオス」
「なんだ?」
「ゼオスは凄い力を持ってるんでしょう?」
「まぁ……他の奴からすればそうだろうな」
「なのに、なんでその力で思うがままにしないの?貴方ならできるでしょう?」
「確かに出来る。その気になれば、この世界の総てを壊す事もできるだろうな…………でもそれをする理由はないからな」
「理由?」
「確かに俺の力を用いれば世界を生かすも殺すも出来る。でも、理由もなく奪ったり、殺したりするのは………駄目だ」
そう言ったゼオスが怒りの表情になり、歯が折れるのでないかと言うくらい歯を食いしばる。それを見て、番外席次はビクッと身体を震わせた。
「すまん……………まぁ、そう言う訳だ。お前も理由もなく、簡単に命を奪う様な事はするな」
ゼオスはそれだけ言うと、部屋から出て行った。
「あの人……あんな顔もするのね………」
彼女は先程のゼオスの表情を見てそう呟く。
「アリストテレス………星の守護者…………」
未知の種族……存在だと思っていた彼女はこれまで何処か、彼が遠い存在に感じていた。だが普通に笑い、言葉を交わし、怒りを顕わにする。その様子に、まるで人間の様だと思った。
~屋根の上~
「理由もなく奪われる………」
2人の男女の姿………リアルの両親と弟と過ごした日々を思い出していた。
楽しかった時の事、イタズラして怒られた時の事…………そして血塗れになり倒れる両親の姿が浮かぶ。
「父さん………母さん……」
空に浮かぶ月を見上げながら彼はそう呟いた。その瞳からは雫が流れ出していたが、それを見た者は誰もいなかった。
と言う訳で、ちょっと乙女な番外ちゃんと主人公の過去に少し触れました。