オーバーロード 異世界に転移したアリストテレス【停止中】   作:始まりの0

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EP17 星の守護者、屋敷を購入する

 ~王都リ・エスティーゼ 高級住宅街~

 

 リ・エスティーゼ王国の首都だ。

 

 塗装されていない場所や、古い建物が並んでいる。そして、この国の王がいる城が街を見降ろす様に立っていた。そしてこの高級住宅街には富める者達(金持ち)が住む場所だ。

 

「へぇ……此処が俺達が住む場所か」

 

 

「申し訳ありません。至高の御身が滞在する場所としては相応しくありませんが、急遽用意できたのはこのランクの物でして」

 

 ユウ達は大きな屋敷の前に居た。セバスとソリュシャンは王都に到着して直ぐに、居住する為の屋敷を購入した。元々社長とは言え一般人のユウからはすれば、とても大きな屋敷だ。だがセバス達はこの屋敷は至高の存在であるユウには相応しくないと思った様だ。

 

「いや、十分だよ(それにしてもデカいな)」

 

 ユウは目の前の屋敷を見て、かつての自分の家の事を思い出していた。

 

 玩具メーカーの社長とは言え、普通の家に住んでいたユウ。何で社長なのに、一般的な家に住んでいたのかと言うと『普通に住むならこれで十分、金は生活と趣味に使う』との事だ。

 

「旦那様」

 

 

「なんだ、セバス?」

 

 

「私とソリュシャンは先に屋敷に入り、掃除をして参ります。御手数でしょうが、少々御待ち下さい」

 

 

「あぁ、俺とベルンカステルは冒険者組合にパーツを提出して報酬を貰ってくるよ。後、アインズと連絡を取るとしよう…………帰るのは恐らく昼前くらいかな」

 

 

「承知いたしました」

 

 

「ベルンカステル、行くぞ。じゃあ、セバス、ソリュシャン、行ってくるよ」

 

 

「「行ってらっしゃいませ、旦那様、ベルンカステル様」」

 

 そう言って、彼等は2人を見送った。

 

 セバスはともかく、ソリュシャンはベルンカステルを良くは思ってない、しかし彼女は主の客人であるので形式だけとは言え挨拶したのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~王都 冒険者組合~

 

 ユウとベルンカステルは報酬を貰う為にギガントバジリスクのパーツを持って、冒険者組合に来ていた。受付の女性の元に向かう。

 

「スマン、モンスターのパーツを持ってきたんだが」

 

 

「はい、では此方です」

 

 受付の女性の案内で、報酬を支払う窓口にやって来た。そして異空間に繋がっている皮袋から、倒したギガントバジリスクの角を取り出し、差し出した。

 

「………アンタ等、(カッパー)のプレートだろう。此奴はギガントバジリスクの角じゃねぇか、(カッパー)の冒険者が倒せる訳がない。何処からか盗んで来たのか?」

 

 と窓口に座っている男に言われた。

 

「違う。俺が倒したものだ」

 

 

「おいおい、あんちゃん、流石にそれは無理があるぞ。いいか、ギガントバジリスクは最低でもオリハルコン級の冒険者チームじゃなきゃ倒せない。ギガントバジリスク(こいつ)を1人で倒せるなら、そいつはもうアダマンタイト級の冒険者だ」

 

 この窓口担当の男のいう事は正論である。

 

 ギガントバジリスクを倒せるのは、オリハルコンの冒険者チーム、アダマンタイト級冒険者だけ。銅の冒険者(ユウ)が倒せる筈がないと思っている。

 

「俺は真実しか言っていない」

 

 

「そうは言ってもなぁ……」

 

 担当の男は信じられないと言う顔をしており、横にいた受付嬢も同じ様な顔をしている。

 

『それは私達が保証する』

 

 声が聞こえ、振り返るとそこには覚えのある面々がいた。

 

「あっ貴方達は」

 

 

「【蒼の薔薇】!?」

 

 先の事件の際に出会った蒼の薔薇の面々だ。

 

「しっしかし」

 

 

「私達がこの目でちゃんと見たんだもの、ねぇ、イビルアイ?」

 

 

「あぁ………唯の一撃で群れを一掃していたな」

 

 

「「なぁ!?」」

 

 担当の男と受付嬢は蒼の薔薇とユウを交互に見る。

 

 受付嬢は大変だと言う表情で走って何処かに行った。担当の男は目を点にしていたが、ラキュースに声を掛けられて我に帰ると報酬の用意をし始める。

 

「アンタ達は……あの時の……スマン、助かった。あの男も受付嬢も信じてくれなくてな」

 

 

「ハハハ!アタシ等だって、この目で見なけりゃ信じられなかったよ!」

 

 ガガーランが笑いながらそう言う。

 

「ねぇ………誰?」

 

 ベルンカステルはどうやら彼女達の事を覚えてない様だ。

 

「前にいた村で会ったろ?」

 

 

「……………?」

 

 顎に手を当てて、上を向いたり、下を向いたり、しながら思い出そうとしている。だが欠片も思い出せない様だ。

 

「…………あっ!」

 

 考え始めて数分、どうやら思い出した様だ。

 

「あの時、剣に向かってはな「わぁ!わぁ!わぁ~!」もごっもごっ」

 

 ベルンカステルが何を言おうとしたのか、分かったのかユウは直ぐに彼女の後ろに回ると後ろから彼女の口を押える。ラキュースに至っては大声を出して、仲間達に聞こえない様に遮っている。

 

「「「「?」」」」

 

 

「ベルンカステル………その事は黙ってなさい。人には触れられたくない事もあるんだから」

 

 

もごっもごっ(どういうこと)?」

 

 

「良いから、その事は言わない。いいな」

 

 

「………(コクッ」

 

 どうやらベルンカステルは納得はしてない様だが、ユウのいう事なので大人しく従った。

 

「すっすまない」

 

 

「えっ……えぇ、俺も同じ様な事がありましたし(色々な事を書いたノートや技のポーズの練習(黒歴史)とか。弟に見られた時は変質者を見る眼で見てたからなぁ。あの時は本気で首を吊るか、首を切るかって考えていたな………それにしても、この世界で厨二病患者に会うとは)」

 

 ユウは元の世界での暗黒時代の事を思い出していた。そして同情の眼(生暖かい眼)でラキュースを見ていた。

 

「だっ大丈夫ですよ。あの事は口外しませんから(1人を除いてだけど)」

 

 ユウはベルンカステルから手を離し、ラキュースにそう言った。それを聞いた彼女は若干、瞳に涙を浮かべながらユウの手を握った。

 

「あっありがとう!本当にありがとう!」

 

 

「えっ……いっーピシッ!ー」

 

 

「っ!」

 

 ラキュースの手が叩かれた。叩いた犯人はベルンカステルである。

 

「なに気安く、この人の手を握ってるのよ」

 

 私、怒ってますと顔を見れば丸分かりの顔でラキュースを睨んでいる。

 

「すっすまない、そう言うつもりはなかったんだ」

 

 

「フン……」

 

 

「あっ、おい!連れがすまない、ではまた」

 

 怒って冒険者組合を出ていったベルンカステルを追い掛けて、ユウも出ていこうとするが、報酬の事を思い出し直ぐに窓口まで行くと、報酬の入った皮袋を受け取り彼女を追い掛け始めた。

 

「ハハハ、変な勘違いされちまったな」

 

 

「あぁ、申し訳ない事をした」

 

 

「………ラキュース、何故、そんなにも残念そうな顔をしている?」

 

 

「えっ?」

 

 イビルアイにそう言われてラキュースはドキッと動揺した。

 

「そっそんな事ないわよ」

 

 

「そうか?」

 

 

「えっえぇ!そうよ!あっ、そうだ!ラナーとの約束があるんだった!」

 

 ラキュースはそう言うと、その場から離れようとするが、動揺し過ぎて途中で転んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~王都 市場~

 

「おい、ベルンカステル、何なんだいきなり?」

 

 

「あの女がムカついただけ………」

 

 

「何故に?」

 

 

「知らない………」

 

 そう言ってベルンカステルは頬を膨らまして、そっぽを向いている。彼女が腹が立てたのは、勿論、ユウが原因である。

 

 ラキュースが彼と楽しげ?に話し、手を握っていたので彼女に焼き餅………嫉妬したのである。特に彼女は今まで、親しい者がいなかった。そしてユウは初めて出来た好意を寄せる存在だ、そんな男が他の女と仲良くしていれば嫉妬するのも無理はない。

 

 だが番外席次(彼女)はそんな感情を今まで感じた事がないので、感情が何なのかが理解できない。またゼオス(ユウ)もそんな乙女心が理解できる筈もなし。

 

「一体何なんだ?…………おっ、アレ、美味そう。ベルンカステルも食べるか?」

 

 出店の菓子を見つけ、それを買おうとするユウ。彼女にも食べるのかと聞いた。

 

「…………食べる」

 

 

「それ2つくれ」

 

 ユウは菓子を買うと、1つをベルンカステルに渡す。

 

「ほれっ」

 

 

「………ん」

 

 2人は菓子を食べながら市場を歩き始めた。

 

(フム………悪くない……ん?)

 

 菓子の感想を考えながら、歩いていると左手に何かが触れる感触を感じた。視線を左手に向けてみると、ベルンカステルが自分の手を握っていた。そんな彼女を見て笑みを浮かべるユウ。

 

 視線をそのまま、彼女の方へと向けてみると、無表情で歩いていた。

 

(何………あの女。ゼオスと仲良さげに話して、手まで握って………私だってした事ないのに………このままじゃあの女に取られちゃう……そんな訳は…………ないとは言えない。

 

 私、そんなに美人じゃないし、可愛くないし………胸もそんなに大きくない………あの女は結構美人だった。やっぱりゼオスもあんなのがいいのかな?)

 

 等と考えているベルンカステル。そして我に帰り、自分の右手が何かを握っているのが分かった。

 

(何コレ?柔かくて、暖かい)

 

 止まって視線を自分の手の方へ視線を向け、握っているのが何なのかを見た。どうやら手の様だ。しかし誰のだろう?

 

 そのまま視線を上へ逸らすと、笑みを浮かべるユウの顔が在った。

 

「…………」←思考停止

 

 ベルンカステルの思考が完全に停止してしまった。

 

「(えっなんで?なんで、私は彼の手に………???………かっ彼と私が手を繋いで)………きゅぅ~」

 

 ボンッと音を立てて、頭から湯気を出しショートするベルンカステル。彼女はそのまま、気を失ってしまった。どうやら、彼女がユウの手を握ったのは意識しての事では無かった様だ。

 

「おっと………なんで、いきなり気を失うんだ?」

 

 この男、乙女心が分からなさ過ぎる。彼はベルンカステルを背負うと屋敷に向かって歩き始めた。

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