オーバーロード 異世界に転移したアリストテレス【停止中】 作:始まりの0
~ユウの屋敷 自室~
一先ず、屋敷に帰って来たユウはゼオスの姿に戻ると、ベッドに番外席次を寝かせた。
「おっと………そろそろ定時連絡をしないとな」
メッセージの魔法を使い、アインズに連絡を取る。
「よっ、モモちゃん」
『あぁ、ユウちゃんか』
「今、大丈夫かい?」
『あぁ、問題ないよ』
「じゃあ、俺から説明するよ」
まず、ゼオスがこの数日在った事を説明する。
『成程、王都についたのか………その八本指とか言う組織、どうするつもり?』
「潰す………我の全力、アリストテレスの力を持ってな」
『気持ちは分かるけど………色々と使えそうなんだし、取り込めば』
アインズは八本指を取り込む事で実質的に、リ・エスティーゼ王国を支配しようと考える。
「モモちゃん………言いたい事は分かるけど」
『ユウちゃんにとって、麻薬やそれを扱う奴等を許せないのは分かってるから………勿体無いけど仕方ない。必要があるなら、ナザリックの戦力を使って貰っていいよ』
「ありがとう、モモちゃん………あぁ、そうだ。この間、モンスター倒して報酬を貰ったぞ。合計で金貨500程」
『本当に?!助かるよ!!!これで当面は活動できる!』
「後、捕まえた組織の連中はナザリックに送ってるから、実験に使うなり自由にしてくれ」
『分かった、ありがとう』
「じゃ、金は後ほど送るとして………モモちゃんの方はどう?」
『……………』
何やら、アインズは黙っている。
『じっ実は……』
アインズは話し始めた。
アレから直ぐに出発したらしい。
指名したのは先の宿屋の事を客から聞いたからだそうだ。実際はアインズが宿屋で女冒険者に渡した赤いポーションの所為であった。ユグドラシルでは普通のポーションだが、この世界ではかなり高位の力を持つ物らしい。
そして、漆黒の剣のメンバーとンフィーリアの依頼を受けたのだが、ナーベの発言から、冒険者モモンがアインズ・ウール・ゴウンだという事がバレたそうだ。
驚く事にンフィーリアはカルネ村出身で、エンリの言っていた魔法を使う知り合いとは彼の事だったらしい。そして先程、森の賢王と呼ばれるモンスターと遭遇し力でねじ伏せ、自分のペットにしたそうだ。
「まぁ、正体がバレたのは仕方ないか。今度からは気を付けよう」
『あっ……あぁ』
「それで、森の賢王ってどんなのだったの?」
『ギクッ!』
「?」
『そっ………それは』
何やらアインズは言うべきか、言わないべきかを悩んでいるらしい。
―キュピーン!―
何やら、凄く面白そうな予感がしたゼオスは何も言わずに、何時もの様にアイテムを収めている空間から
「ほほぅ………何やら面白そうだな」
ニヤッと笑みを浮かべながら、
「えっと………
「おっと、近すぎた」
アインズから視点を離す、すると何かに騎乗している彼の姿が映し出された。因みにその隣にはナーベが立っている。
丸くてつぶらな瞳、ふかふかしてそうな毛皮、四足歩行、丸々太った身体、尻尾は蛇のようになっている。ゼオスはその姿に見覚えがあった。
前の世界で愛玩動物として飼われていたそれに酷似していたからだ。
「ジャンガリアンハムスター?」
『ぐほっ!?』
大きなハムスターに乗っているモモンが落下した。ハムスターとナーベはモモンを案じて、駆け寄っている。
『いっっ……そうだよね!やっぱりジャンガリアンハムスターだよね!
でも聞いてよ!皆、強靭とか、偉大なる力と叡智を思わせる姿とか言うんだよ!ナーベでさえ、力強そうな眼をしてるって!
ねぇ、ユウちゃん!俺がおかしいのかな?!』
「いや、愛らしいハムスターにしか見えない」
『ユウちゃんが言うなら間違いないね!よかった!俺は正常だったんだ!』
「モモちゃん……落ち着いて」
『あっ……あぁ、ごめん』
「それにしても、デカいハムスターとは………驚いたな」
『あぁ、俺も驚いたよ。あっ……漆黒の剣とンフィーリア・バレアレがこっちに来た。また連絡するよ』
「あぁ。大丈夫だと思うけど、気を付けてくれ」
『了解』
そう言うと、メッセージの魔法が切れた。
「………ハムスターに跨る不死王…………ぷっ……ククククク」
ゼオスはデカいハムスターに跨る友の姿を再び想像するとソファーの床に転がり、腹を抱えて笑おうとする。だが近くで番外席次が寝ているので大声を出せずに、笑いを必死に堪えていた。
「ぜぇぜぇ………ククク………やべぇ………写真に撮りたい。そしてドデカい額縁に入れてナザリックの廊下に飾って、仲間達やNPC達がどんな顔をするかみたい」
等と考えているゼオス。だが直ぐに気を静めると、立ち上がった。
「はぁ………こんな所をセバス達に見られると余計な心配を掛けるな。さてと…………八本指とか言う、愚かな存在……どう料理してくれようか。
なんにしても、まずは情報収集か。取り敢えず、一旦、ナザリックに戻るか」
ゼオスはそう言うと、部屋から出た。
「セバス、ソリュシャン、今いいか?」
掃除をしている2人に声を掛けるゼオス。
「これは旦那様、如何なさいました?」
「少し、ナザリックに戻るから後の事は頼むよ」
「了解しました」
「じゃ、宜しく………ゲート」
ゲートを使用し、ナザリックへ向かうゼオス。
~ナザリック大墳墓~
ナザリックに移動したゼオスは、異空間に仕舞ってあるアイテムの中からリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを取り出す。そして、指輪の力を使い転移した。
「お帰りなさいませ、ゼオス様」
玉座の間に転移すると、ゼオスをアルベドと複数のNPC達が出迎えた。
「あぁ、ただいま。すまん、アルベド、話があるんだが」
「はい。では執務室でお聞きします」
そのまま、ゼオスとアルベドは執務室に移動した。
「それではナザリックに戻られたのは……」
「人手を借りたくてな」
「ならば命令して下されば、直ぐにでもそちらにお送りしましたのに」
それもそうだ。至高の存在であるゼオスの命であれば、NPC達は喜んで、我こそはと志願する事だろう。
「力を借りると言うのに、メッセージで呼びだすと言うのもな。やはり顔を見て言わないと」
「私共の様な存在にまでその様な対応………身に余る光栄です、深く感謝いたします」
普通は命令するだけで済む事だが、態々、出向いてくれた事に感謝するアルベド。
「まぁ……丁度、お前にも話があったしな」
「私にですか?」
「あぁ………アルベド、お前はアインズ……モモちゃんの事が好きか?」
「えっ……はっはい!私はアインズ様の事を愛しております!」
始めは何を聞かれたのか分からなかったが、アインズの事だったので直ぐに息を荒げて「愛している」と返答するアルベド。
「そっか…………アルベド、お前は至高の42人に従うべく創られた存在だよな?」
「はい、勿論でございます。至高の方々に奉仕する為に我等は創られました。御望みとあらば何なりと御命じ下さい」
「なら命令する……『モモンガを殺せ』」
「はっ?」
その瞬間、世界が止まった。
やっとハム助、出せた。
最後の言葉の理由は一体何なのかは次回をお楽しみに。