オーバーロード 異世界に転移したアリストテレス   作:始まりの0

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タイトル通りです。


EP32 星の守護者、錯乱する

 ~ナザリックから離れた場所にあるトブの大森林に建てられた木造の建物~

 

「…………」

 

 最強の種族・アリストテレスであるゼオス・アルドライグ。

 

 リアルの時から曲がった事は嫌いであり、情に厚い精神の持ち主である。ナザリックで仲間と共に戦う時でも常に冷静な判断をしており、仲間達と共に幾多の困難を乗り越えてきた。そんな彼が取り乱す事はあまりない。

 

 そんな彼が現在、スタンしていた。

 

「あっ…………」

 

 その原因は彼が一番信頼する盟友アインズの所為である。そのアインズも口を大きく開けて唖然としている。そしてその周りには、アルベド、デミウルゴス、アウラ、マーレが膝をついて控えていた。何時ならコキュートスが居ても可笑しくないが、特別な任によりこの場にいない。

 

 そして、残りのシャルティアなのだが………彼女は何故か四つん這いになり、その上にアインズが座っていた。つまり、アインズがシャルティアを椅子にして座っているのである。

 

「も………」

 

 

「ゆっユウちゃん、これは違うんだ」

 

 混乱しているのかアインズは、2人でいる時の様に呼んでしまったが、今はそんな事を気にしている場合じゃない。

 

「モモちゃんが………モモちゃんが………変態に………

 

 おっ………おまわりさぁーん!!!

 

 いや、でも普通の警官じゃ無理だから…………

 

 たっちさぁーん!!!!

 

 

 モモちゃんが!!モモちゃんがぁぁぁぁぁぁ!!!

 

 ぶへっ!?」

 

 何時もクールなゼオスは何処に行ったのか、錯乱して、この世界にはいない筈の仲間の名前を叫んでしまう。そしてそのまま現実逃避する為に物から出ようとするが、何やら陥没している個所が在った為に転んでしまった。

 

 そんな錯乱した親友を落ち着かせる為に、アインズは守護者達に耳を塞いで待機する様に命じて直ぐに彼の後を追い掛けた。

 

 そして、別室に移動した至高の2人。

 

 

 

 

「モモちゃん!俺は年端もいかない少女に椅子にする様な変質者に育てた覚えはありません!」

 

 

「いやっ、ユウちゃんに育てて貰った覚えはないよ!」

 

 

「保護者のペロロンチーノは何処だぁ!!その前にたっちさん………いや、やまいこさん呼んできて!」」

 

 

「俺ダウンするよ!確実に3回くらいは落ちるよ!じゃなくて!ちょっと落ち着いて!アレには深い事情が……」

 

 

「………事情?」

 

 アインズにそう言われて少し落ち着いたゼオス。

 

「実は」

 

 アインズは状況を説明した。

 

 此処はトブの大森林にアウラが建てた建物で、アインズとコキュートス以外の守護者達はこの近くにあるリザードマンの村に宣戦布告をしに行き、それから此処に転移して転移してきた。

 

 そこでデミウルゴスが玉座を用意してくれていたのだが………デミウルゴスは様々な動物の骨で造ったと言っていたが、それがどう見ても人間の骨を使っている物っぽかったのでどうしようかと考えていると、ふっと数日前の事を思い出した。

 

 それはアルベドから受けた報告の事だ。シャルティアは記憶がないとはいえ、至高の存在であるゼオスとアインズに反乱した事が彼女の心に罪悪感と言う名の棘を残した。アインズとゼオスから、その件については自分達の戦力ミスで在り、気にする必要はないと言ったのだが、やはり彼女の心の棘が取れる事はなかった。

 

 そこでアルベドから、シャルティアに罰を与える様に提案された。アインズとゼオスから罰を与えられる事でその心の棘が取れるのではないかと言う事だ。アインズはその意見を受け入れ、次にゼオスと会った際にそれを話そうと考えて居た。

 

 その時の事を思い出したアインズはシャルティアを椅子になる様に命じた。

 

 デミウルゴスは「守護者に座するなど!まさに至高の御方にのみ許されたこと!」等と言った。

 

 椅子になっている当の本人に至っては息を荒げて興奮し始め、一度アインズが退こうとしたが「苦しくなんかありません!寧ろ御褒美です!」と言う始末。

 

 アインズもまた自分達の戦略ミスであり、此処は我慢するべきだろうと考えて座り続けたと言う。

 

 それを見たアルベドは一度席を外して、部屋の外に出るとシャルティアに対する嫉妬と怒りを壁にぶつけたそうだ。

 

 そんな状況に登場したのが、ゼオスである。

 

「そうだったのか…………いやぁ~モモちゃんが変質者になったと思って取り乱しちまった」

 

 

「酷いなぁ、ユウちゃん」

 

 

「じゃあモモちゃん、俺が同じ事してたらどうする?」

 

 

「精神抑制が追い付かない程、錯乱してユウちゃんがペロロンチーノと同類になったと思う」

 

 

「でしょ?」

 

 

「何かごめんね」

 

 

「いや……でもペロロンチーノの奴」

 

 

「「どんだけ変態設定盛り込んだんだ?」」

 

 かつての盟友エロゲー大好きペロロンチーノの事を思い出して揃ってそう呟いた。

 

「まぁペロロンチーノだし……仕方ないか」

 

 

「ペロロンチーノだし、仕方ないよね」

 

 ゼオスとアインズはペロロンチーノならば仕方ないとして無理矢理納得した。

 

 

 

 

 

「先程は済まなかったな。あの失態は忘れてくれ」

 

 ゼオスとアインズはNPC達の所に戻るとそう言った。

 

「ぜっゼオス様も座って頂けるでありんすか?

 

 はぁはぁ」

 

 まだ椅子の状態でいるシャルティアはゼオスにも座って貰えると思い息を荒げている。

 

「おっ俺の罰については後々決めるとしよう。なぁアインズ」

 

 

「そっそうだな。1度に与えるより少し期間をあけた方がいいだろう(俺達の精神面的に)」

 

 

「そっそうでありんすか」

 

 物凄く残念そうな顔をしているシャルティアだが、再びアインズが彼女に座ると興奮し始めた。

 

 極力2人は彼女の事を気にしない様にして、リザードマン達の事に話を戻した。

 

 取り敢えず偵察をしようと考えて、遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)を使ってリザードマン達を偵察を始めた。

 

 そして途中で、2匹のリザードマンがいないのに気付き、室内に居るのだろうと思いフローティング・アイのスクロールを併用し室内も視れる様になったのだが………

 

「「あっ………」」

 

 雌のリザードマンの上に雄のリザードマンが乗って居た。その様子から何をしているのか直ぐに理解できたアインズとゼオス。どうやら守護者達も何をしているのか理解したようだ。

 

「てぇい!」

 

 アインズは遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)をOFFにした。

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 2人が沈黙する中、守護者達は先程の光景に対して愚痴を言っている。至高の2人は「生命の本能」であり仕方ないと言うと、守護者達も同意し、アインズとゼオスはアウラとマーレに「子供は何処から来るの?」と聞かれる事を考えそれぞれ案を考えながら、時を待った。

 

 コキュートスの活躍により、リザードマン達に勝利し、リザードマン・クルシュがアインズとゼオスに拝謁した。そこで彼女がアインズから番いであるザリュースの蘇生をすると言い出した。

 

 クルシュは始め目的は「私の身体でしょうか?」と言った際にアルベドとシャルティアが物凄い顔をしていたのは言うまで無い。

 

 アインズは「一族の者の監視」を命じ、彼女もそれを受け入れ、ザリュースを蘇生させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~リ・エスティーゼ王国 屋敷~

 

「と言う訳でリザードマン達は我等の配下となった。覚えておく様に」

 

 ゼオスは屋敷に戻ると、セバス、ソリュシャン、番外席次にリザードマンの件に関して説明した。

 

「承知致しました」

 

 

「それではリザードマンは殺さない様に気を付けます」

 

 セバスとソリュシャンはそう言い、リザードマンが配下となった事を理解したようだ。

 

「………椅子…………それはそれで………ありかな」

 

 

「はっ?」

 

 番外席次はシャルティアがアインズの椅子となったと言う所から顔を赤くし始めており、妄想の世界へと入っていた。

 

「ねぇ、1k「しない」1度だ「しません!」いっ「絶対しない!」」

 

 変な方向へ行こうとする番外席次の方向修正に大変なゼオスで在った。




もしもアインズがシャルティアに座っている場面に他の仲間が居たら

たっち・みー「モモンガくん…………少しあっちで御話しようか。大丈夫、かつ丼は用意して貰うから。出来心でもして良い事と悪いことか………(延々とお説教」

やまいこ「モモンガさん、歯……食いしばれ。小さい子達が真似したらどうするの!」

ぶくぶく茶釜「うわぁ………モモンガさん、愚弟と同じ道に……」

ペロロンチーノ「モモンガさん………俺も未だそんな事した事ないのに?!と言うか俺の可愛いシャルティアに何してくれてるんだ!表出ろ!」




冷静なゼオス「………アインズ………俺はどんな事が友達だぞ(と言いながら後ろに下がる」

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