オーバーロード 異世界に転移したアリストテレス【停止中】 作:始まりの0
異業種で溢れ返っているナザリック地下大墳墓。
その支配者であるアインズとゼオスは第九階層「ロイヤルスイート」にいた。
ロイヤルスイートは白亜の城を彷彿とさせる荘厳と絢爛さを兼ね備えた世界で、見上げるような高い天井にはシャンデリアが一定間隔で吊りさげられ、広い通路は磨きのかかった大理石が使われている。
この階層にはギルドメンバーの住居としての私室やNPCの部屋だけではなく、客間、応接室、円卓の間、執務室等で構成されている。更に階層には他にも様々な施設がある。大浴場や食堂、美容院、衣服屋、雑貨屋、エステ、ネイルサロン等々がありショッピングモールの様になっている。
そして2人は現在、浴場のあるスパリゾートナザリックの露天風呂で入浴していた。
「くはぁ~~~」
「ぁ~~~~」
最強のアリストテレスと不死王も、此処では温泉を満喫する男達である。
「それはそうと……何してんのモモちゃん?」
と言うゼオスは盟友アインズを見た。
湯に浸かっているアインズは現在進行形でスライムに包まれていた。
スライムはウォーターベッドの様になっており、アインズを包んでいた。
「まさか……」
「違うよ。
この体って洗うの大変なんだ、だから試行錯誤してこれが一番良かったんだ」
友人が変な性癖に目覚めたのかと思ったが直ぐにそれは取り越し苦労だと分かり安堵するゼオス。
「他には何をしたんだ?」
「タオル、ブラシ、洗濯機とか試したけど、このスライムに身体を這いずり回らせらのはなんとも言えないんだよね」
「へぇ……どれどれ」
ゼオスは手を伸ばし、スライムに手を突っ込んで見る。
「おぉ……これは」
「中々いいでしょ?」
「うん、このぬめぬめが何とも言えない感覚だ。俺も後でして貰おう」
どうやらスライム風呂が気に入ったらしい。
男と骨が触手に絡まれるのは誰得だろうか?
「あっ、そうだ。この間、言ってた事なんだけど」
そうゼオスが切り出した。
「ぇえと何の事だったか?」
「ほらっ、俺が食事してたら自分も食べたいって言ってたろ」
「ぁ~」
それはゼオスとアインズが合流してナザリックに帰還した時の事、本来、食事の必要はないが人間の時の名残で食事をメイド達に運んで貰った時の事だ。
その時に出てきたのが分厚いステーキだった。アインズが彼が旨そうにステーキを食べてるのを羨ましそうに見ており、自分も食事できたらなぁと漏らしていた。
それを聞いたゼオスはアイテム使えばどうにかなるんじゃない?と言い、彼は親友の為に数多くのアイテムの中から探索をしていた。
「何かあったの?」
「あぁ……チャチャチャチャッチャーン」
何処かの猫型ロボットが道具を取り出す時の音を口で再現しながらアイテムを自分の空間より取り出した。
「【擬態腕輪・マークⅡ】……これは一定時間、姿を変化させ、種族を偽装させるアイテムだ」
「確か………ユウちゃんを中心に開発したアイテムだったよね」
「そっ、これで未だ弱かった時は無駄な戦闘を避けれたからね。まぁこれはあの時から更に改良してあるし、パンドラズ・アクターの協力の元、五感まで再現した」
パンドラズ・アクターが関わってると聞き、少し嫌な予感がしたアインズ。
「まさか……変な事にはなんないよね?」
「当たり前だ。俺が関わってるんだからちゃんとしてるよ」
「なら良かった」
アインズはそう聞いて腕輪を受け取るとそれを腕につける。その時、気付いてなかった親友の口元が吊り上っている事を。
装備した腕輪が光って、アインズの身体が変化していく。数秒で変化は終わり、彼は自分の頬を触ってみた。
(骨じゃない、人間だった時と同じだ)
自分の手を見てみる。骨だった手には肉が付き、その上に皮膚が覆っていた。そして最後に水面に映った自分の姿を見た。そこに映っていたのは紛れもなく、自分のリアルの時の姿だった。
「ユウちゃん………これ」
「一応見ず知らずの姿も嫌だろうから、元の姿に設定しておいたぞ」
「ありがとう」
「よしっ、取り敢えず部屋に戻って感覚があるかどうか確かめよう」
~ゼオス私室~
「美味い!」
「味覚はあるみたいだな………人間の時と変わりないか?」
「うん。そうみたい………味もするし、食べるとHPとMPが少しだけど回復する感覚がある」
どうやらアイテムはきちんと機能しているらしい。
「でも満腹感はないな……食欲も、睡眠欲も、アンデットの時と同じで特にない」
「性欲は?」
「無くはないって感じかな。アイテムの効果なのか精神抑制は起きないし」
「成程、成程………取り敢えず当面の目的は達成したし、改良はすべきか」
アイテムの感想を聞いて記録を取って行くゼオス。
「ユウちゃん、本当にありがとう」
「まぁ親友の為だしな」
自分の為に忙しいのにアイテムを作成してくれた親友に感動するアインズ。
「だけどアルベドやシャルティアにはバレない様にしとけよ。確実に襲われるぞ、性的に………それはそれで面白そうだけど」
「いや面白くないからね!俺が大変なんだけど!」
そう言いながら一先ずアイテムを外そうとしているアインズ。
―ガチャ、ガチャ―
「……………」
しかし何故か腕輪は外れなかった。
「ユウちゃん、これd」
どうやって解除するのかと聞こうとするアインズ。しかしニヤッと笑みを浮かべているゼオス。
そして理解した。
(はっハメられたぁ!)
「因みにそれを解除する時はカッコイイポーズを決めながら『キャストオフ』と叫ばないといけない」
「ななななななな」
「ほらっ、早くと解除できないよ」
「はっ謀ったな!ゼオス!」
「謀っただなんて………大丈夫、大丈夫、完成品はそんな事のない様にしとくから(多分……しない方が面白いのに)」
「くっ…………」
アインズは親友にハメられたものの、これは何時もの事なので慣れているのである。まぁ親友も頑張ってくれたし、少々は恥ずかしくても我慢するかと思い行動に移るのであった。
こうして至高の存在達の休日は終わった。
因みにアインズのとったポーズは何処かの世界で仮面を付けた皇子が合衆国日本と叫んだ時のポーズである。
・擬態腕輪
階級:上級
ユグドラシルで異業種狩りが盛んだった頃にゼオスを中心に開発したアイテム。
姿を変え、種族を偽装するだけのアイテム。しかし未だレベルが弱かった頃はこのアイテムのお蔭で襲われるのを回避できた。
・擬態腕輪・マークⅡ
階級:上級
元々在った擬態腕輪にパンドラズ・アクターの協力の元、改良を加えて感覚を再現できる様にしたアイテム。
何故かアインズ装備の際には精神抑制が発動しなかったのに、欲求は変わらなかったりと言う効果が在ったものの、当初の目的である食事をする事は出来たので一応完成している。
試作品にはゼオスの悪戯心でポーズを取らないと解除できない様になっていたが、完成品にはそれを無くすらしい。