901分枝系統 80013世界 02795726時間断面 ISの世界 【改定作業中/第一章完結】   作:白鮭

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よろしくお願いします。


プロローグ1

 目覚めると、そこは白い世界だった。

 

 「ああ、まあ死んだよな」

 

 雪の降っている夜に、外で睡眠薬をつまみに一人で酒盛りをしたのだ。

 普通は死ぬ。

 

 時間の経過が分からないが、フワフワ浮き(?)ながら寝て過ごす。

 

 何分、何時間、何日、何年、何十年、あるいはもっと……時間の経過が良く分からないが静かで良い環境だ。

 まどろみながら過ごしていたら、ある日に黒いフード付きローブを着た人がやって来た。

 

 ***

 

 「こんにちは」

 

 何か若い女の人っぽいので無意識に一歩下がる、自慢じゃないがコミュ障だ。

 

 「っこ、んんっ!! ……こんにちは」

 

 思いっきりきょどっているが、許してほしい。

 女の人は苦手なのです。

 

 じーっと、女の人がこちらを見ている気がするが、俺は気まずくって身じろぎする。

 うう、いやだなぁ……。

 

 「なるほど、分かりました」

 

 フードさんがこくこくと肯きながら、こっちをじーっと見つめている。

 正面から見ると、顎のラインとくちびるが見える。

 ああ、この人は美人だ。脅威度が2段階ほど跳ね上がる、コミュ障なめんな。

 

 「ここは人間に罰を与える牢獄なのですが、書類の不備があってあなたは塩漬けされて、長い間ここに留まっていました。申し訳ありません、まだ正気でいた事に驚いてしまいました」

 

 何気に酷い事を言ってるな、このフードさんは。ああ、普通の人間は孤独に耐えらえないのか。

 もう少し薄暗い方が好みだけど、静かで気に入っている場所なんだけどな。

 

 「あの死に方は不味かったですか?」

 

 そう聞くと、フードさんから困ったような雰囲気が伝わって来る。

 

 「普通はここに入れられて後悔しながら反省して、罪と記憶を消去して転生すると言う手順なのですが、新神(しんじん)が書類のミスを犯して、あなたの所在が分からなかったのです」

 

 じゃあ、これから転生か。

 記憶が無くなるなら死ぬのと同じか。まあ死んだ後のモラトリアムが長かったのも笑い話で済むのかな。

 

 そう思っていたのに、フードさんはこう言って来た。

 

 「ですので、あなたに罰を与えます」

 

 ***

 

 「……え」

 

 ここに居たのが罰なのでは? そう思っていたのに、フードさんが困ったような雰囲気を出しながら言って来た。

 

 「あなたが嫌がることをしないと、罰と認められないのです。おまけに、長い間ここに留まっていた為に魂が不具合をおこしてしまっているので、それの修正をしなければなりません」

 

 困ってしまってうろうろしだす、痛いのは嫌なんだけどな。

 

 「どんな罰ですか?」

 

 痛いのが嫌なので渋々と聞く。一応こちらが悪いようなので、内容次第ではフードさんにすがりつくつもりだ。

 

 そう思いながら嫌々聞いてみると、フードさんが申し訳なさそうにしながら言って来た。

 

 「記憶を保持したまま、美形になってIS世界に転生です。もちろん男性でIS学園に行ってもらいます」

 

 「はぁ!?」

 

 恥も外聞も関係ない。俺はそれを聞くと、ちょっと良い匂いがするなぁと思いつつ、俺はフードさんに縋り付いていた。

 

 「ちょ、じっ冗談ですよね!? 止めて下さい死んでしまいます!!」

 

 女尊男卑な世界観は嫌だけどまあ良い。金髪貴族少女や竹刀振り回す暴力系少女や突っ込みの激しい中国少女や金髪のあざとい少女や銀髪の眼帯軍人少女にボコられて、既知の外のウサギ女にホルマリン漬けにされる未来しか無いじゃないですかヤダー!!

 

 涙目になりながらお願いします、助けて下さい死んでしまいます肉体の前に精神が!! そう言っていると、フードさんが頭をなでながらこう言ってくれた。

 

 「ですので、あなたのお願いを三つかなえてあげます。

さすがにあなたをあそこに送るのは、私も酷いと思いますので」

 

 「おおおおおお……」

 

 感動の余り思わず声が出て、フードさんにすがり付きながら上を……目が合うとはずかしいので、下を見ながら言う。

 

 「罰なのに、願いを叶えてくれるのですか?」

 

 「ここは、実はマナの貯蔵庫を兼ねているのです。マナで魂を清めて、罪を洗い流して転生してもらうのですが、あなたの魂はマナを貯め込みすぎて転生させられません。ですから、願いを叶えてマナを抜きます」

 

 ふはははは。では、考えるまでも無いですな。

 

 「きお「記憶を消すのはダメですよ。あなたの罰なのですから」

 

 「…………………はい」

 

 ちくせう、考えろ、考えるんだ俺の脳みそよ!

 

 「…………質問、使いこなすのに時間のかかるお願いなら?」

 

 フードさんが考えながら、う~んと言っている。段々慣れてきたから、普通に見る事が出来るようになってきたかな?

 

 顔は見れないけどな!

 

 「ここで訓練です。何を想定してるのか知らないですが、使いこなせるまではここに居て良いですよ」

 

 ふむふむ。魂よ、もっともっと考えるのだ。使いこなすのに難しいお願い、お願いを!!

 

 「質問、お願いに付随する変化は? 例えば、吸血鬼の不老不死や人狼の変身とか」

 

 フードさんは怪訝そうな雰囲気を出しつつ、小首をかしげている。

 

 「ありですけど、吸血鬼になって太陽に当たって灰になるとかは出来ませんよ?」

 

 さすがに罰を受けに行くのに、その発想は無かったよ。

 

 「決まりました。一つ目は永遠神剣を下さい。永遠神剣第一位・”宿命”が欲しいです」

 

 そう言った瞬間、空間からブザーの音が鳴り響いた。

 

 フードさんが頭を軽く叩いて来た。

 

 「使いこなすのが難しすぎるお願いなので、ダメだって言ってます。

 ペナルティーで完全制御可能を強制的に取ってもらいます、この二つは変更出来ませんよ」

 

 …………は!? いや、え……叶うのか。

 

 驚きに硬直していると、フードさんがどうしました? そう言いつつ、首をかしげている。

 

 「いや……ま、まあ良いや。最後のお願いは姿と名前を今変えて下さい。

かっこいい感じにお願いします。名前は……(つかさ)で良いかな? 良くゲームで名乗ってましたから」

 

 こくこく肯きながら、小首をかしげているフードさん

 

 「今は魂の状態で、身体は与えます。

私は良いのですが、お願いが一つ無駄になってしまいますよ?」

 

 そう言われて改めて自分を観察してみると、なにやら白いモヤモヤな感じだったことに気が付いた。そうか、今まで身体が無かったんだ。

 

 「全部でセットでのお願いなので、これで良いんです。まさか叶うとは思いませんでした」

 

 フードさんは微笑みながらこちらを見ているような気がする。

 

 「一応、お詫びも含めているんですよ。罰は罰なんですが、お詫びはお詫びです。

神様にはナイショにしておいてくださいね」

 

 そんな事を話している内に身体が出来たのか、フードさんの目線が変わって俺を見上げている感じになっていた。

 

 「願いが叶いました。転生の手順に入りますね」

 

 その瞬間に空間に大穴が開いて、長柄の斧を持った長髪のイケメンと、その隣で宙を浮いていて何か光ってる……指輪? がこちらに向かって来たのだが、雰囲気が何やら剣呑だ。

 

 そして、それを見た俺は生き返る寸前に、自分が死ぬ事を覚悟するのだった。

 

 

 

 

 

 

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