901分枝系統 80013世界 02795726時間断面 ISの世界 【改定作業中/第一章完結】 作:白鮭
乱音Side
今日も今日とて訓練の日々。台湾代表候補生として恥ずかしくない……鈴おねえちゃんに負けない様に一生懸命がんばっていると、
訓練の時には、絶対に連絡を入れないのに急用? 急いで向かうと、普段の優しそうな表情から一変した厳しい表情の
「おはようございます、
いきなりそう言って来た。
「はぁ!? 勝っても負けても大問題になるから、今年は避けるって話じゃなかったっけ?」
私は鈴おねえちゃんと一緒に学園に通いたと思っていたのだが、私は歳が一つ下で、しかもおねえちゃんは中国代表候補生なのだ。
以前と比べても台湾と中国の関係は改善されてはいる。現に私が使っている
「状況が変わりました。まずこの映像を見て下さい」
そう言って見せられたのは、IS同士の試合だった。青いのはブルー・ティアーズでイギリス代表候補生の機体で、ネイビーカラーのラファールはフランス代表候補生の機体? ……機動性特化型ラファールの圧勝ね。
「フランスの第三世代機? 凄い機動性だけど、搭乗してる奴は頭がおかしいと思うわ。あんな狭いアリーナで、音速出すとか死にたいのかしら」
「違います。あれは訓練機で、乗っているのは男性です」
劉さんからは、冗談を言っている雰囲気は全く感じられない。
「冗談でしょ? あのラファールが訓練機な訳ないし、あの練度で男性搭乗者って……そんなのどこから湧いて出て来たのよ!?」
納得出来ないまま、次に見せられたのはラファールと打鉄vsヘルハウンドver2.5とコールドブラッドの対戦試合だった。
勝ったのは量産機ペア。何なのだろうこの人たち? 戦闘経験値を得る為に、この人たちと戦えって事なのだろうか?
「……強い人がIS学園にいるのは分かった。あの人たちと戦えって事?」
「それも目的に入りますが、ここからが本題です。次にこれを見て下さい」
そう言って渡されたのは、コスプレしているおねえちゃんの映像。劉さんは大丈夫なのだろうかと心配したが、内容が大問題だった。
このコスプレおねえちゃんは篠ノ之束博士で、聖司と言う人と聖美夜と言う人を助手兼協力者にしたとの事。
本当は自分たちと一緒に暮らして欲しかったのに、学園に行きたいと言ったから、泣く泣く送り出したと言っている。
そして博士謹製のISを持たせて送り出した……本人たちの自主性に任せてはいるが、二人に無理矢理何かをさせたら容赦しないとか、思いっきり恫喝して映像は終わった。
「先ほどのラファールに搭乗していたのが聖司で、打鉄に搭乗していたのが聖美夜です。この二人は自由国籍権を取得しています……篠ノ之博士の仕込みのようでしたが。
IS学園には政府関係者は入れませんので、これは政府からの命令として受け取ってください。
「私がそんな事やるの!? これでも代表候補生で、そんな訳の分からない事をやらされる筋合いは無いと思うんですけど!」
劉さんは目を逸らしながらも、冷静な声で続けた。
「我が国にあるISコアは三個です。もしも彼らが我が国に来てくれたら五個になる。それも篠ノ之博士謹製のIS付きがです。
そして映像を見て分かる通り、彼らは篠ノ之博士にある程度の意見を聞いてもらえると言う、とてつもない権利を持った人なのです。
彼らが頼めば、ISコアを再生産してくれるかもしれない。政府の上層部は、そう考えています」
私は引きつった笑みを浮かべてしまった。
「かもしれないばっかりじゃないの!? まさか、そんなアホな作戦を本当にやるの!?」
劉さんは申し訳なさそうにしていたが、その命令には優しさの欠片も存在していなかった。
「我が国の明日の為です。
鈴おねえちゃんとIS学園に通えるのは嬉しいけど、想定出来る条件が悪すぎだよ!! 私こと凰乱音が、IS学園に飛び級で入ったのはそんな理由からだった。
乱音Side out
***
シャルロットSide
「遅れてしまって申し訳ありません。社長」
私はこの人の前に立つと、いつも委縮してしまう。アルベール・デュノア、私の父だと言う人だ。
「ああ、先ずはこの映像を見ろ」
ラファールとブルー・ティアーズの対戦試合。それとラファールと打鉄vsヘルハウンドver2.5とコールドブラッドの対戦試合だった。結果は信じられない事に、量産機の圧勝。
「それと、画像を解析した結果なのだが……これも見てみろ」
そう言って超スローモーションでラファールの機動を確認するのだが、信じられない事に、ごくわずかな時間だが完全に消えるのだ。
「光学迷彩? ……高機動戦闘時に、そんなことが出来るなんてあり得ない!」
「IS学園で撮られた映像だ。学園と交渉して、このラファールを手に入れることが出来た。近日中にラボに送られてくる予定で、到着しだい徹底的に解析するはずだったのだがな」
社長が苦虫をかみつぶしたような表情をしている
「途中で正体不明のISに奪われた。全力をあげて探しているが、おそらく出てはこないだろう。裏取引の材料として、IS学園にラファール二機を送ったのだが無駄になってしまった」
「ラファール二機って、研究用のコアを取引材料に使ったんですか!? アラスカ条約違反ですよ!!」
社長がこちらを睨みつける。
「こちらの想定外の機動力を発揮したのだ、だから”不良品”として引き取る予定だった。
ラファール二機はそのお詫びの印だったのだよ。アラスカ条約には抵触していない、今では意味の無い仮定だがね」
社長が苛立たし気に歩き回る
「あのラファールがあれば、第三次イグニッション・プランのトライアルに参加できる可能性が出て来ていたんだ。
あの機動力に光学迷彩。学園で改修したのだと思うが、あれは既に第三世代機として使用出来るポテンシャルを持っていた可能性が高い。
それにあの機体をベースにして、量産型第三世代機を作り出せれば、我が社は確実に持ち直すことが出来る。イギリスのティアーズ型を圧倒できるポテンシャルが、あのラファールにはあったのだからな」
社長はため息を付きつつ椅子に座る
「それと先日、篠ノ之博士から全世界に通達が出た。あのラファールの搭乗者の聖司と、打鉄の搭乗者の聖美夜を、助手兼協力者に認定して囲い込んだと。自主的に何かをさせるのは良いが、強制させたら報復するそうだ。
は! イギリスはティアーズ型がいいように潰されて、関係者の顔が真っ赤になっていたが、代表候補生が両名に特別扱いされていて鼻高々だそうだ。
外部に代表候補生に対しての護衛を増やしたと報告が来たが、自分たち以外の関係者が両名に接触しないように、囲い込んでるんだろうよ。畜生!!」
気を静めるように両眼を閉じて、少しすると目を開いて私を見た。
「シャルロット、お前はIS学園に入学して両名に接触しろ。特にあのラファールを開発したと思われる、聖司の調査と研究資料の収集だ。あの篠ノ之博士が認めた才能だ、絶対に学園内にIS関係の開発情報があるはずだ。
ただ彼には問題があって、女性が苦手らしい。よほど慣れた女性以外は近寄らせないとの事なので、こちらで情報は偽装する。男性として入学して、あらゆる手を使って両名を我が社に引っ張り込め。良いな?」
「はい、分かりました」
こうして私はシャルロットからシャルルになり、IS学園に入学する事になった。
シャルロットSide out
***
クロエSide
「送信終了っと。色々誤解されるように言ったから、有象無象共が山のように、つかちゃんとみゃーちゃんに集まってくるだろうね」
お二人が眠っている深夜に、束さまが各国に通達を行いました。内容は束さまがお二人の後ろ盾になると言う事なのですが、悪い笑みを浮かべている束さまを見て私は心配です。
「あの、お二人は本当に大丈夫なのですか? 色々な勢力に目を付けられて、大変な目にあってしまうのでは?」
私は司さんと美夜さんが心配で、つい束さまのする事に口を挟んでしまいましたが、束さまは私を見て、優しい笑みを浮かべていました。
「くーちゃんは優しいね。くーちゃんはあの二人といて楽しいかい?」
私は、お二人とした色々なことを思い出しました。みんな苦手なのに、がんばって料理をしたり、海で遊んだり、釣りをした思い出が蘇って来て自然と笑顔になっていきます。
「はい、楽しいです」
「束さんも、つかちゃんとみゃーちゃんと研究しててすっごい楽しいんだよね。学園に行きたいって言ってたから泣く泣く許可したけど、自分達から戻ってきたら別でしょ?」
束さまが黒く黒く笑っています。
「束さんの願いでもあるし、くーちゃんの願いでもある。二人共束さんは逃さないので、早く帰って来てくれると良いな~」
そう言って束さまは、お二人のISの製作に戻って行きました。そして、いけないと思いつつも私も、お二人が早く帰ってくると良いなと思ってしまうのでした。
クロエSide out
ISABから鈴の従妹の
ISABの世界だと、第三世代機の甲龍の量産機の
ただ、これだと第三世代量産機を始めて配備したのは中国になるんですよね。