901分枝系統 80013世界 02795726時間断面 ISの世界 【改定作業中/第一章完結】 作:白鮭
現在俺は窮地に立たされている。一夏との約束で、ボーデヴィッヒと仲直りをする予定だからである。後、いい加減篠ノ之との仲も修復したいし、シャルルの一件もある。
今までは友好的な人ばっかり相手にしていたけど、この三人は俺の事を
解決策を考えながら、
「悩み事?相談に乗るよ」
他のみんながいるので、シャルルの事を除いて話したら美夜はがんばれと言って来た。最近、俺が対人関係であまり苦労しなくなったのが不満だったらしい。
「みんな優しいし、司は守ってもらってるからね。私たちも手伝ってる事だけど、同じ訓練をしているから一組と四組の結束も良くなってるし。問題は、最近派閥扱いされて警戒されてる事かな?」
「は?」
俺は呆気に取られていたが、それを聞いていたセシリアは肯いている。
「そうですわね。司さんも美夜も、これ以上訓練の人数が増やせないと言う物理的な限界があるのに、希望者が増えていてそれを全て断っていますから。排他的な集団と取られ始めていますわね」
「いや・・・え?」
それに続いて、乱も乗って来た。ただ、こっちはちょっと深刻だ。
「私も二組のみんなから色々言われてるんだけどね。幸い、ISを使った実習は合同だし情報は一番流れてるんだけど、成績と直結してる所があるから完全に断るのが難しいのよ、友達もいるし。
私が来る前の簪みたいな立場になってるかな?お願い、司わびおねだったっけ、あれを二組で開催して!みんなの不満を取り除かないと少し怖いし」
そして最後に、簪が申し訳なさそうに止めを刺して来た。
「学園最強を名乗ってるってデマが流れていますね・・・・・・生徒会が動き出したって噂が流れています。何をしてくるか分かりませんから注意して下さいね」
「・・・・・・嘘だろ・・・・・・」
美夜はすごくイイ笑顔で
「これからも色々ありそう、艱難汝を玉にすって言う感じだね。がんばれ」
と言って来た。苦労して環境を整えて来たのに周りからはその環境が羨ましくて、自分の身が危険になってくるのはどんな皮肉だよと思い泣けてくる。
「分かった、まずは乱のわびおねからな。何でこれが固有名詞になってるのかが疑問だけど、少しずつやって行こう」
俺が相談していたのに、何時の間にか誰かの話をみんなで聞いているのも良くある事で、俺も自分の居場所ってやつを作りつつあった。
それとは別だが、解決策は四人とも教えてくれなかった。苦笑しながら、四人ともがんばれとしか言ってくれないしなぁ・・・まずは話す事から始めるか。
***
「あ~、ちょっと良いかな、ボーデヴィッヒ・・・話が・・・あるん・・・だが」
授業が終わった後に話しかけたんだが、すんごい睨んでる。俺もあの時女の子にもみくちゃにされて気が立ってたからな。やり過ぎだったのは反省してるから、最悪殴られても文句は言わないでおこう。
「ああ、分かった。人目の付かない所に移動するぞ」
そう言われて、連れて来られたのは道場だった。これは戦えって事なのだろうか、仲直りをする為に来たのに殴り合うって言うのは激しく嫌なんだが。
「何で道場なんだよ、今日は戦わないぞ」
ボーデヴィッヒはさっきから眉間にしわを寄せてながらガンを飛ばしてくるが、即座に手が出て来る心配は無いと思いたい。ビクビクしながらとりあえず話を始める。
「この前は俺も気が立っててやり過ぎた。ごめんなさい」
そう言って謝っているが、ボーデヴィッヒは腕を組んだまま無言だ。リアクションが無いのは困るんだが、どうしたら良いのか分からなくて、俺も落ち着かなくなって来たぞ。
「・・・・・・それだけか?」
散々緊張しながら待っていた最初の言葉がこれである。最低限話せる位になっておかないと仲直りしたとは言えないのではと思い、一夏の無茶振りに内心頭を抱えながらとにかく話を続ける。
「まあ、そうだけど。後は普通に話せる位にはなりたいかな。俺も大概だったけど、ボーデヴィッヒも一人だと色々大変だしつまらないだろ?まあ、友達になってくれると嬉しいかなと・・・」
緊張して何か話し方がおかしい気がするが、取り合えず言いたい事は言った。ボーデヴィッヒの返事を待っていると何やら首を傾げ始めた。
「・・・・・・襲わないのか?」
「誰が、誰を」
「お前が私をだ・・・日本では自分が強いと思い上がってた愚か者が、本当に強い者に負けた後でエッチい事をされると聞いたぞ。確かくっころと言うらしいな、クラリッサが言っていたぞ」
微かにドヤ顔らしき物を浮かべているボーデヴィッヒを見て力が抜けたが、このアホの子が色々大変な事になっているのは分かった。人気の無い道場に連れて来られた理由があれ過ぎて帰りたくなったが、元凶に文句の一つも言いたい。
「ボーデヴィッヒはここで休憩してろ、後で色々教えてやるから。それとクラリッサとか言う奴の連絡先があったらくれ」
連絡先を貰ったので・・・ボーデヴィッヒは簡単にくれたのだ。十五歳で軍人の正規身分を持っている事や、プライベートの物を簡単に渡してくる素直さの事などを考えると、育ち方が分からなくて困惑してきた。
そんな事を考えながら、ボーデヴィッヒに教えてもらった
「隊長、成功しましたか?どうでしたか、私の考えた作戦は。隊長みたいな美少女がくっころと言えば、必ず食いついて来たでしょう。後は、■■■■を蹴飛ばしてやって襲われた事実をネタに、ドイツに有利な交渉を進めるのですよ!隊長は交渉が出来ないでしょうから、私が代わりにしますけど。隊長?」
ああ、交渉役が別だから素直に連絡先をくれたのか。しかし、ボーデヴィッヒがまさかのハニトラ要員である。しかも本人が理解してないし・・・悪辣すぎて腹が立ってきた。勿論、連絡先のクソ女にである。
「おい、ボーデヴィッヒになんて事させやがる。クラリッサだっけ?貴様ぶちのめすぞ!!」
「ワタシどいつジン、ニホンゴワカリマセン」
そう言って接続を切られた。接続をしようとするが、向こうで拒否しているらしくて繋がらない。
「そう言う事をするか・・・なめるなよバカ女が」
ログ領域に接続してISコア関連の情報を漁る、特にコアネットワーク関連を重点的にだ。今までは束さんに敬意を表して、出来たとしても決してこう言う事をしなかったのだが、緊急事態なので許してもらおう。許してくれると良いけど。
何せこれを利用してコピー系能力を使うと、ISも複製出来るのだ。第三世代機は作れるし、束さんが秘匿している無人機や第四世代機も好きに作れる。
ログ領域を参照して改良とかも出来るが、ゼロからの開発は出来ないし訓練無しで使いこなす事も出来ない。今の所は他の分枝世界に移動した後で、IS”聖杯”と”絶炎”の補給物資を作る位にしか使わないんだよな。本来の使い方は、永遠神剣のコピーを作り出して戦う事だし。
「よし、必要な情報は手に入ったな。ボーデヴィッヒ、頼みがあるんだが良いか?」
近くで休めの体勢で立っていたボーデヴィッヒに話しかける。休憩しててくれって言ったのに何で立ってるんだ、この子は。
「どうした?」
「これから昼寝するから体を見ててくれ、じゃあお休みなさい」
そう言って、俺はコアネットワークにアクセスして電脳空間にダイブした。もちろんクラリッサのISコアに干渉して、電脳空間に引きずり込んだ上での話だが。
さあ、話し合いの始まりである。
***
???Side
「・・・・・・マスターが来た」
私は
私が”聖杯”の外に出られて、
「もうすぐマスターにきちんと声を聴いてもらえて会う事が出来る、あなたも嬉しい?」
「ボェエエエエエエエエエエエ!!」
そう言いながら明るい星空を見上げると、そこには大きな大きな次元鯨が浮かんでいる。
「会ったら名前を付けてもらおう?そして私とあなたでマスターにお仕えするの。すごく楽しみだね」
「ボェエエエエエエエエエエエエエエエエエェェェ!!!」
そうしながら私たちは、運命の時を待っていた。
???Side out
***
目を開けると、そこには懐かしい
「初めましてクラリッサ。俺はボーデヴィッヒにハニトラを仕掛けられた聖司と言います。取り合えず正座しろ」
そう言った後で、俺は笑顔でクラリッサが涙目になって許しを請うまで話し合いをした。意外だったのは、ボーデヴィッヒの事をそこまで考えてくれるならと、生活のサポートをしてくれとお願いされた事だった。
「隊長はご存知の通り常識を知りません。あの状態の彼女を外に出すのは我々も反対したのですが、やはりトラブルがおきましたか」
「真面目そうな事を言ってるけど、ボーデヴィッヒにした事がチャラになる訳じゃないぞ。後で謝っておけよ、まったく・・・」
話を聞いてみたらイギリスには大負けで、フランスにも負けているドイツが逆転を狙って知識の無いボーデヴィッヒに対して、えげつないハニトラ命令を下そうとしていたので、事前に手を打ったらしい。
「面倒はなるべく見るよ、同じクラスメイトだし悪いようにはしない」
「よろしくお願いします」
そう言ってクラリッサは帰って行ったんだが、ここからが俺にとっての本番かな?
「出てきて良いよ、隠れているのは分かってるしね」
そう言ったら空に隠れていたらしく、空間に光の線が走ったと思うとそこを広げて巨大な空飛ぶ鯨が出て来た。予想外のものが出てきて、それを呆然と見上げてとしていると空からウイングハイロゥを展開した女の子が降りて来る。
「ブルースピリット?」
藍に近い長く美しい青い髪と深い海色の瞳、そして真っ白な肌をしていて、着ている物は白と青系統の色で纏めた美しいドレス。頭にエンジェルハイロゥと背中にウイングハイロゥを展開している小柄で華奢な女の子だ。
「初めましてマスター、私は”聖杯”の神獣で名前はまだありません。空のあの子はマスターが作った”赦し”の神獣で、ISコアと同調してマスターにお仕えしています。私とあの子に名前を付けて下さい、お願いします」
そう言って女の子が深々と頭を下げて、空飛ぶ鯨が咆哮を上げる。それには隠し切れない喜びがあるのが、俺には何故か分かってしまった。