901分枝系統 80013世界 02795726時間断面 ISの世界 【改定作業中/第一章完結】 作:白鮭
「神獣?あれって確か、時間樹エト・カ・リファ独自の存在だったはずだ。それに俺は
神獣と言うのは、エト・カ・リファの神々の転生システムと密接にかかわった存在で、その意義は転生後に弱くなった神の転生者を守護する者の総称だ。しかもエト・カ・リファ生まれ以外の存在が、神獣を顕現させるにはエターナルクラスの力が必要になる。
元からそこに存在する者には違和感が無いのだろうけど、エターナルがエト・カ・リファに侵入すると
「一時的に能力を下げましたが、すぐに戻しましたから大丈夫です。マスターは疑問に思いませんでしたか、今まで
「確かにそれは疑問だった。美夜は”宿命”に”絶炎”を渡された時には声が聞こえていたみたいだし、今だって話してるしね」
外から見ると、独り言を言ってるようにしか見えないので心で会話するようになったが、最初のころは良く声に出して話していたのだ。
「雰囲気で気持ちとかは伝わって来たから、そう言うものだと思ってた」
「違いますよ!!本当は私だったお話したかったのに、マスターのシンクロ率が高すぎて”聖杯”とマスターが同一化してたんです。お陰で私の声すら届かないし、マスターのサポートも出来なかったんですよ。神剣のサポートが無いのに力の使い方を覚えたから、変な癖が付いてますよ?
マスターが神剣魔法使うのが下手なのは、私のサポートが無かったからです。その代わり、時詠みとか因果律干渉とか超高等技術を覚えましたけどね。そっちは同一化していた事によるメリットです」
「フムン」
空にいる物凄く大きい次元鯨を見ながら考える・・・色々おかしい気がするんだよな。唐突に神獣なんてどうやって出て来た。それに、”赦し”と契約した覚えなんて無い。オリジナルの”赦し”は、使い手のイャガごと消滅したはずなのに・・・・・・消滅?俺は時逆で時間を
「なあ、”赦し”の神獣。イャガは消滅してないよな。何で俺と契約が出来るんだ、おかしくないか?」
「ボェエエエエエエエェェェ」
雰囲気は伝わってくる。悲しみと消滅への恐怖?”聖杯”の神獣も悲しそうな表情をして、”赦し”の神獣を見上げている。
「そうです、このままだと”赦し”は消滅しちゃうんですよ」
俺の考えている事が分かった様で、”聖杯”の神獣が続ける。
「マスターのコピー系能力だと、機能は複製出来ても神剣全てのコピーは出来ません。そこに精神が存在しませんから。”赦し”のコピーは篠ノ之博士に改造されてIS聖杯に生まれ変わりましたが、マナを集めると言う性質上オリジナルより性能が上がっちゃったんです。
そして、情報の逆流がおこって”赦し”は自分の未来を知ってしまった。生き残るために”赦し”は自分のマナをコピーに送り込んで、劣化するのを覚悟で精神を再現したんです。だからここに居るのは”赦し”ではありますけど、同時に”赦し”じゃないんです。神剣自体の能力は”赦し”より上なんですけどね」
「それって成立するものなのか?普通失敗と言うか、問題が起きそうだけど」
そう言うと、”聖杯”の神獣が乾いた笑いを浮かべながら俺の顔から眼を背けた。
「おい、こっちを見ろ。何をやった?それにしても最初に声をかけて来た時と比べても、随分と性格が違うようだけど?」
そう言ってほっぺをつまむと、俺を見ながらむーむー言って抗議らしき事をして来たので手を放す。
「こんな綺麗な神獣に手を上げるなんて、マスターは鬼畜です!・・・最初はがんばったのですが、シリアスが五分持ちませんでしたね。あ、怒らないで下さい。言いますから。
マスターの能力を借りたんですよ。私は”宿命”様に作られた子供みたいなものですから、単独で願いを叶える事が出来るんですよ。マスターの手を借りないと完全に力を発揮出来ないですけど。
虚ろだった存在を因果律操作で確定させて、”赦し”のコピーを独立した存在にしたんです。その際にタイムパラドックスが起きて”赦し”の詳細な未来の情報が流れ込んできたから、その中にあった
そう言って、涙目になりながら上目遣いで俺を見上げて来た・・・くそ、あざとい、あざといけど、俺のパートナーの”聖杯”だもんな。ため息を付きながら頭を撫でるとすごく喜んでいる、俺もニコニコ笑いながら”聖杯”に聞く。
「で、タイムパラドックスの影響は?」
”聖杯”は、途端に青くなって挙動不審になる。言わなきゃダメですか言いながら、言いたく無さそうにしているので、撫でている手に力を籠める。
「痛いです、マスター!・・・あのですね、オリジナルとコピーが同調しました。因果律操作で無理矢理リンクは切断しましたが」
「つまり?」
「神剣宇宙が同じ力を許容するなら問題は無いです。でも、力を一つと定めているならどちらかが消滅します」
話を聞いて即座に時詠みで未来を見るが、霧がかかったように何も見えない。条件を変えながら色々見てみると、短期的な物なら使える様だが長期的な未来視は使えなくなっていた。
「タイムパラドックスの影響で時詠みの大部分が使えなくなってる、時逆は怖くて試せないな。同じ力が二つあるのを否定してる可能性が高いし、どちらかを排除する為に制限がかかったのかも知れないな」
今この瞬間にも消滅する可能性があるし、生き残るためにイャガを消滅させる必要があるのか?そう思って”聖杯”の方を見ると、下を見ながらションボリしていた。
「そんな顔をしなくて良いよ。俺のパートナーなんだし、少しくらい抜けてるのは仕方ないだろ?俺だって色々残念なんだしさ」
そう言いながらションボリしている”聖杯”に対して、俺は頭を撫でながら慰めた。
***
「と言う訳で、名前を付けて下さい!私と”赦し”の分ですよ。素敵なのにして下さいね」
少し時間はかかったが、”聖杯”が元の明るい感じに戻った。まだ神獣と話をする事に違和感があるけど、”聖杯”には変わりない。契約して長くなるが、伝わってくる気持ちにはポジティブな物が多かったからな。
「名前ねぇ・・・ネーミングセンスが無い俺に、そんな事を頼むとは命知らずな。
う~ん・・・”赦し”の神獣だから、ユー?」
そう言ったら”聖杯”俺の事を冷たい目で見始めた。
「最っ低なネーミングですね。”赦し”も怒って良いですよ!もっと良い名前を付けてくれって!!」
「ボェエエエエエエエェェェェ!!!♪」
「え~・・・良い名前を付けてくれて、ありがとうって言ってます。それと、
そう言っていたので、”聖杯”だからセーとか言おうとしたら思いっきり頭を叩かれた。痛くは無かったが宥めるのに苦労したので、真面目にやろう。
「う~ん、”聖杯”ってブルースピリットの姿をしてるんだよな、何でだ?」
そう言ったら、何故か焦りながら赤くなって
「良いじゃ無いですか、趣味ですよ、趣味・・・」
そう言いなが、らこっちをチラチラ見ながら気にしている。ブルースピリットか・・・
「フィエル、通称フィーな」
確か水の支配者の天使にそんなのがいたはずなので、少し変えて名前にしてみた。フィーも喜んでいるみたいだなので、一安心である。
「後は最初の名乗りを決める必要もありますけど、ここではエターナルの名を名乗る事は無いので、後で良いんじゃ無いですか?マスターは私と”赦し”の契約者なんですから、”聖杯”の司じゃおかしいですし・・・ユーが呼んでるんで行ってきますね!」
そう言って、フィーはユーの所に行ってしまう。少しするとユーが俺に連絡して来た。神獣が
『司さま、ご挨拶が遅れてしまって申し訳ありません。先ほど司さまに名付けて戴きましたユーです。契約の完了を持って全システムを使えるようになりました、よろしくお願いいたします』
姿が見えないとクールで綺麗なお姉さんのように思えて、滅茶苦茶動揺しながらも答える。
『ああ、こちらこそよろしく。ユーは
『はい、ISコアを取り込んだ為に、電脳空間やネットワーク上の活動も可能です。電脳猟兵としても期待して下さい。後は”赦し”本来の能力と組み合わせると、リアルボディーごと電脳空間にダイブ出来ますのでエターナルとしての訓練に活用して下さい・・・イャガと戦う必要があるかも知れませんので』
そういう風にユーは言っているが、ユーから悲しみの気持ちも流れて来る。”赦し”も生き残るのに必死で実行したのだと思うが、元々イャガと契約していたから悲しんで当然だ。だが、ユーは俺に詫びて来た。
『申し訳ありません、司さま!今後はこのようなことがないように注意しますので、何とぞご容赦ください』
『ユー、俺は生き残る為にイャガを消滅させるかもかも知れない。色々思う所があるだろうけど、自分の心を偽らなくても良いよ。悲しいんだったら悲しんで良いんだ、それは心を持つ者にとって当たり前の事なんだからね』
『・・・はい、司さま。ありがとうございます。私はイャガと契約している者とは別の”赦し”です。なにしろ私は”赦し”の神獣ユーなのですから。これからも末永くお仕えいたします、よろしくお願いしますね』
そう言って、ユーの嬉しい気持ちが流れて来る。心が繋がってるのも色々問題があるような気がするな、少なくとも俺は
***
『では司さま、フィーの協力で私の形状を変えます。それが新しい”赦し”で、司さまの永遠神剣第二位・赦しになります。想像して下さい。司さまの思い描く最強の永遠神剣を、お願いします』
目を閉じて想像する。俺が思う最強の象徴とは、
そこから苦労してコピー系能力を開発して、”宿命”に戦闘情報を貰って最初に作り出したのは”虚空”だった。俺の最強と思う永遠神剣・・・・・・手に重みが加わって、目を開くと手には槍斧が握られていた。
「すごい派手だな」
外見は二メートル位のハルバードなのだが、全体のベースは白銀で白、青、赤、緑、黒のエングレービングが全体に施されていて、中心部分には同じく五色の菱形の形状をしたクリスタルが輝いている。クリスタル?
「これ、ISコアかよ・・・」
外で使うのは非常に躊躇われるが、せっかく二人が用意してくれたのだから有り難く使わせてもらおう。そう思っていると、ユーから報告が届く。
『IS聖杯の名称をIS赦しに変更・・・登録の変更が完了しました。
名前がヤバ過ぎるので詳細を確認したら、俺とユーとフィーをシンクロ状態にして自己の能力を爆発的に高めるみたいだ。能力を抑えに抑えても、攻撃に使ったら大陸位は余裕で更地に出来るので、使い方を考える必要がある。
その後は
フィーを人形サイズ縮めたりしていた。(自力でこの程度は余裕ですよ。と言っていたが、自立行動する美少女フィギュアサイズのスピリット型神獣を連れて歩のは大丈夫だろうか?心配だ)
「じゃあ、電脳空間から出るよ」
右肩にフィーが座っていて、左肩の上辺りにディフォルメされたユーが浮かんでいる。久しぶりに電脳空間上だとしても
「守る為に強くならないとな。一夏に偉そうな事を言ってたけど、俺も同じ事を言ってるのか。何を思って言葉にしているのか、少しだけ理解出来たかな?」
そう呟いた後、俺の意識が切り替わって現実世界に戻って行った。
***
最後の聖母”赦し”のイャガ
ロウ・エターナルの中でも屈指の危険人物。その思想は、全ての生きとし生けるものは罪を犯し、それを忘れる事が出来るからこそ、みんなが笑顔で生きていける。
でも、忘れる事が出来なかったら?己の犯した罪によって、引き起こされた悲劇を突き付けられたら?
他者がいるから罪を犯す、ならば他者と自分が一つになれば罪を犯す事が無い。
これがイャガの思い描く救いであり、”赦し”です。
自らの罪に気付かない者や、罪を背負いきれずに苦しみ続ける者に”赦し”を与え、永遠の安息をもたらす為に、生命の根源であるマナを集めています。
又、その思想の為に消滅した分枝世界も存在します。
イャガは、全部食べちゃう腹ペコエターナルです。分枝世界丸ごと食べます。