901分枝系統 80013世界 02795726時間断面 ISの世界 【改定作業中/第一章完結】   作:白鮭

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一夏版わびおねと、巻き込まれる人々

午後の授業が終わった後に織斑先生のを訪ねたが、先生との話し合いは短時間で済んだ。俺と美夜が別行動を取る事と束さんの頼み事を話したら、苦労するだろうが束の事をよろしく頼むと言って来たくらいだ。

VTシステムの事は話さないでおくが、一夏の事については話しておく。その過程でシャルの事が話題に上ったが、事前に男装して転入しているのを知っていて、見ない振りをしていたみたいだ。フランスの対応によっては、面会の順番は最後に回すとか言ってるし。

 

「俺の我儘を聞いてもらって言うのも何ですが、最初に英、台、日、独、それ以降の主要国だと米、中、露、仏で決まってたじゃ無いですか。元々最後でしたよね?」

 

「いや、最終日の最後にまで順序を落とすと言う意味だ。それ以前に政変が起こって、ここに来るのかも怪しくなってきたと思うがな」

 

俺と美夜はシャルから聞いて欧州連合の作戦の一環だと聞かされていたが、先生も知っていたのか。ラウラが教官だって言ってたから、その時のコネが生きてるのかな?

人前で出来ない話だったので生徒指導室で話していたのだが、話し合いを終わらせて部屋から出たらクラスメイトのアリスとイーリンが必死に走っていた。後ろから十人くらいの女の子が必死で追っているみたいでかなり怖い。ドン引きしつつ、取り合えず聞いてみる事にする。

 

「何やったんだよ二人共」

 

「良い所に居た、司くん助けて!!」

 

そうイーリンが言って、二人は俺の後ろに隠れてしまった。そして、俺共々に追って来た女の子に囲まれる。この前の剣道場を思い出さずにはいられないシチュエーションだったので、俺の腰も引けてしまっているが、一応話が出来るならと聞いてみる事にする。

追って来た女の子達はまるで獲物を見る様な目で二人を見ているし、二人共本当に何をやったんだ?

 

「この二人が何かやったのか?必死になって逃げるような事をする子達じゃ無いと思うんだけどな」

 

リボンの色が青だから一年なのは分かるが、俺の知らない子達だよな。三組の子かな?

 

「司さんですか。お聞きしたいのですが、その子達は一組ですよね?」

 

「ああ、俺のクラスメイトだな・・・それが理由?」

 

全員が肯いたり、返事を返したりしている。成績上位を目指すなら一組の人間とペアになるのが良いとは思うが、無理矢理組んでも相性があるから勝てると思えないんだけどな。

 

「無理矢理組んでも成績は上がらないだろ。気の合った人間と組んだ方が良いぞ」

 

「いえ、それとは別です。織斑、シャルロットペアに勝つと織斑くんと婚約出来るって聞きました。そのイベント出るには、一組の子とペアを組む必要があるって美夜が言ってます。今頃、それを目的とした話し合いが起こってるはずですよ?」

 

「美夜も何を言ってるんだか。しかし、婚約ってデマじゃないのかそれ?」

 

後ろを振り返って二人に確認すると、違うと言っている。

 

「正確には、織斑くんが願いを一つ叶えてくれるらしいです。ただ、篠ノ之さんがみんなが見ている前で、勝ったら婚約しろって言ったから、それが広がったみたいですよ?」

 

今度はアリスがそう答えた。追って来た子達を見ると、願いが叶うならどっちも一緒だしとか言っているので、頭が痛くなって来た。

 

「明らかに違うと思うんだが、婚約なんて無理に決まってるだろ・・・まあ、勝ったら変な事にならない程度には、何かを叶えて貰えば良いんじゃないのか?修羅場とかは勘弁して欲しいから、頼むから自重してくれ」

 

そう言ったらブーブー言われたので、妥協案としてみんなで揃ってアリーナに向かう事になってしまった。取り合えず今できる事だと言って、ここに居る女の子達と手を繋いで歩く。

歩いている内に段々と女の子が増えて行って、みんなの相手をするのに遠回りしながらゆっくり歩いたので、アリーナに着く時間が何時もの五倍に増えてしまった。みんなが喜んでいるから良いかと暢気に考えていたが、それと同時に、最近は女の子に慣れて来たなぁ・・・と、少し自分に関心してしまった。

 

***

 

アリーナに到着したので、今日教える予定の乱とラウラがいるピットに移動するが、何故か鈴がラウラに縋り付いていた。

ラウラが凄い嫌そうな顔をしているし、乱も困っているみたいだ。取り合えず、困った行動をしている鈴を引っぺがして話を聞く事にする。

 

「ラウラが嫌がってるから止めろよ、何やってるんだ鈴」

 

「勝ったら一夏と婚約出来るのよね!?だから乱と組んでいたラウラに、私と組んでくれる様に頼んでたのよ。邪魔しないで、司!」

 

「鈴、それはデマじゃ無いのか?一夏に勝ったからって出来る事じゃ無いだろ」

 

「だって、箒はそう言ってたし。箒が良くって私じゃダメなの!?箒はズルい。美夜を引っ張り込んだり、専用機を手に入れてるし。私が最初に告白したのに、蚊帳の外って酷いよ!!」

 

そう言って真剣な表情で俺を見ている。篠ノ之も鈴も一夏の腹が決まっているのが分かっていると思うのだが、無茶を言うなと言いたい。だけど、鈴の余裕の無い表情が、それを言うのを躊躇させてしまう。

 

「・・・・・・もし一夏に勝ったとしても、拒んだら素直に聞いてやれ。今の篠ノ之の言ってる事は俺もおかしいとは思うけど、事情があって一夏は拒否出来ないんだよ」

 

俺の曖昧な言い方で、鈴も気が付いたようだった。

 

「ああ、美夜の件と専用機ってそう言う事なんだ・・・身内のコネって羨ましいわね」

 

鈴は鼻で笑いながら篠ノ之の事をバカにした。篠ノ之も束さんの事で苦しんだのだとは思うが、それを出しにして無茶苦茶な事をするのは止めて欲しいと思う。一夏はこんな事を決して呑まないだろうし。

その後は俺が間に入って、鈴と乱とラウラで話し合って、ラウラは鈴とペアを組む事を了承してくれた。ただ、ラウラ本人は乱とペアを組みたかったみたいだったが。

 

早速ラウラと鈴は連携を確かめる為にアリーナへと飛んで行って、ここには俺と乱が残されていた。

 

「司と美夜とセシリアで、箒の事を庇おうとしてるのは分かるんだけどさ、こんな事をしたらダメって怒った方が良くないかな。周りからの評判がかなり悪いわよ?」

 

「そんなにか?」

 

「美夜とペアを組んだって言うのは、元々親友だってみんな知ってるから大丈夫だったんだけど、専用ISってやりすぎ。専用機を持ってない代表候補生だってこの学園にはいるから、反発が凄い事になってるよ」

 

篠ノ之が安易にISを手に入れてしまった事で、周りから反発されて、篠ノ之の将来自体が不安定になってしまった。束さんに頼んだみたいだったが、俺たちの事を見て何も思わなかったのだろうか?苦労して俺たちがコネを作ろうとしていたのも、後ろ盾が無いと危険だと思ったからなのに、その辺を考えて無いように思える。

束さんは急速にISの世界に対する興味を失いつつあるようだし、俺たちに付いて来るのは規定事項だ・・・そんな事を考えていたら、乱が俺の腕を抱きしめる様にしながら、不満そうな顔をしていた。

 

「一応、彼女と一緒なのに司は他の女の子の事を考えるんだ。へー、ほー、ふーん・・・」

 

「あー・・・ごめんなさい。確かに悪い事だな、この話題は終わりにしよう。乱はラウラと組めなくなったけど大丈夫か?」

 

俺は乱の事を見ながら心配そうに言うと、乱は嬉しそうにし始めた。

 

「ふふん、私は友達多いから平気よ。心当たりに声をかけるから一緒に行こ」

 

そう言われながら、今度は手を引っ張られつつ乱の心当たりを探しに別のアリーナに向かう。その日は乱に付き合って、ペアを見つけた後は乱とペアの子を指導して過ごした。アリーナの終了時間ギリギリまで一緒にいたから乱は喜んで行ったが、遠目に見た美夜は、先輩に囲まれて何か大変みたいだったが。

 

***

 

その後みんな揃って夕食を食べたが、美夜は疲れたのかぐんにょりしていた。

 

「篠ノ之の件で無理したみたいだけど大丈夫か?クラス全体に、一夏とシャルが負けたら願いを叶えるって言ったみたいだけど」

 

美夜はう~とかあ~とか言いながら軽い物を食べていたが、それを聞いてこっちを見ながら詳細を教えてくれた。

 

「織斑くんとシャルには許可を取ったよ、シャルが結構タフネゴシエイターで大変だったけど。困った時に助けて欲しいだって」

 

「・・・無茶な事を頼んだから、その位の事は言って来るか。曖昧過ぎるのが怖いなぁ」

 

一組限定とシャルと一夏が言ってたので、参加出来ない上級生との交渉バトルをしていた美夜や、トーナメントが近づいて来て、イギリスとの打ち合わせをしていたセシリア、打鉄弐式がいよいよ完成に近づいて来ていて、学園に居なかった簪や、鈴のしつこさに負けてペアを組まされたラウラ等、みんな気疲れで元気が無かったが、放課後からずっと一緒だった乱は、機嫌良さそうに笑っていた。

 

***

 

トーナメント前の最後の日曜日は休む暇が無かった。俺は直接トーナメントには出ないが、集団戦に詳しいのは学園中に知られているので、アドバイスを求める人が兎に角多いのだ。

女の子に慣れる訓練も兼ねると思って、色々回って知り合いを増やす。ついでに束さんと約束した篠ノ之についての悪評を消す為の行動もするのだが、さり気無くやらないと逆効果になるから大変だ。例外は剣道部の人くらいで、後はみんなが少なからず文句を言っているので困ってしまう。

  

最近改善しつつあるが、俺だってコミュ障なので分かるつもりだ。篠ノ之も俺と同じく、知らない人間に対する強烈な不信感が根底にあるのだと思う。

幸い俺にはここに来る前から美夜と言う理解者がいたし、コミュ障って言っても、俺のは生前に人見知りを拗らせて色々上手く行かなくなって死んだのを引きずっているだけで、ISの世界では友好的な人が多いからリハビリに丁度いい環境だと思っている。それに、俺だって努力をしているから、コミュ障?と言えるくらいにはなって来ている。

 

「だけど、篠ノ之はな・・・」

 

自暴自棄になって破滅的な行動をしなければ良いと思いながら、色々な人にアドバイスをして行く。

 

そして、瞬く間に最後の一週間が過ぎて学年別トーナメントの開催日がやって来た。

 

 

 

 

 




休日出勤なんて無くなれば良いのに、時間が足りない。
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