901分枝系統 80013世界 02795726時間断面 ISの世界 【改定作業中/第一章完結】 作:白鮭
ISの世界にやって来てログ領域を操作して、生活環境を整えるのに大体1ヶ月近くかかった。
文明の度合いが低ければどうとでも誤魔化せるのだが、高いと戸籍とかの問題で意外と大変らしい。まあ、ログ領域を操作出来る俺には関係のない話なのだが。
お金は貴金属を”聖杯”で作り出して売っても良いし、紙幣だって作り出した直後だとニセ札になってしまうが、ログを操作してしまえば普通に使える。後は住む場所なのだが、ホテルに泊まっていれば良いので案外気楽だ。
ただ、人の記憶を操作して整合性を取るのは物凄く大変なので、俺と美夜は施設出身者と言う事にした。
苗字は二人共聖と言う事にして、肉親は全員死亡したことにする。後は有名にならなければ多分大丈夫だとは思うのだが、IS学園自体のネームバリューがすさまじいのでそこだけが心配だ。
***
生活する為の基盤が大体整った次の日に、俺と美夜は都心部にやってきた。俺も美夜も行動が完全に田舎から出て来た観光客になっていて、ここで暮らしている人にとっては特に珍しくもないものを見ては一々感動していた。
なにしろ約五百年の間に顔を合わせて生活していた人物が、美夜と
そんな田舎者の俺と美夜は地図を手に持って、その辺で買ったクレープを食べながらウインドウショッピングをして楽しんでいたのだが、そこに
俺は当然即座に回れ右をして、別の場所に行こうとしたのが美夜に捕まった。
美夜が目が行けと言っているが、俺にとっては逝けだ。分枝世界は多種多様なので、女尊男卑の世界でも許容出来るようになっていたが、いくら隣に美夜がいても高い服を着た美人の女の子に声をかけるのは、俺にとってはレベルが高いのだ。
それと、容姿の問題もある。一言で言うと俺の容姿は白い。アルビノなのだ。しかも高身長だ。こんなのがいきなり出てきたら怖いに決まっている。
しかし前に美夜に聞いたのだが、交信の世界で最初に美夜に容姿の変更をお願いをした時と、今の容姿は全然違っていたらしい。ついでに言うと、美夜の容姿も変わったと言っていた。
それについて”宿命”に聞いたら、美男美女だしセットで良い感じでしょうとか言っていた。
セットという言葉が密かに嬉しかったが、エターナルは永劫不変なのである。
……まあ、俺も美夜も”宿命”が直接デザインしただけあって、ちょっと人間離れしてるくらい美形に仕上がっているので文句も言いづらいのだが。
それと美夜の
ただし、色が白くて赤くて銀色だ。白いコートに赤い縁取り、そして銀の部分鎧と結構派手だ。最初は恥ずかしかったが、約五百年でもう慣れたが。
……現実逃避が長くなってしまった。
ゆ、勇気を出しては、話しかけるぞ。
セシリアside
今日ウインドウショッピングをしていたら、道に迷ってしまいました。だから日本はゴミゴミしていて嫌いですわ。
困っていたらアルビノの男性が話しかけてきたので、ナンパと思って強く言ってしまったら途中で儚げな方が仲介して下さいました。
何でも男性の方がコミュ障?? とか言う病気らしくて、病状は簡単に言うと女性が苦手で人見知りが激しいのだそうです。
それが本当に病気なのか疑問なのですが、それを克服させる為に、困っていそうなわたくしに声をかけさせたのだそうです。
人をだしにしてそんな事をしないで欲しかったのですが、男性の方があんまり女性の方を恨みがましく見ていたので、途中でおかしくなってしまって笑ってしまいました。
男性の方は
IS学園に入学する為に、施設からこちらに引っ越して来る予定との事。美夜さんがこんな無茶な事をしている理由が分かってしまいました。
ISを搭乗出来る男性が現れたと聞いて少しイライラしていましたが、司さん自体は温厚な方で、乗れると分かって入学する事が決まってしまった以上は、自分で搭乗出来る技術者を目指すと言っていました。
それよりも女性ばっかりの学園に通う事を考えると胃が痛いとおっしゃっていましたが、大丈夫でしょうか?
わたくしが守ってさしあげますと言ったら、お願いしますと頭を下げていました。本当に苦手なんですね。
偶然、明日は三人とも入学試験ですので、一緒に行く事にしました。
日本に来てイライラする事ばかりでしたが、良いお友達が出来たと思うと少しだけ気持ちが楽になったように思います。
***
入学試験の日に三人でやってきました。
私はイギリス代表候補性なので試験が非公開だったのですが、司さんも美夜さんも嫌な顔ひとつせずに、だったらオルコットさんの入学は確実だねと言ってくれました。
二人が応援していてくれると思うと、いつもより上手く乗れて教官を倒すことが出来ました!! ブリーフィングルームで待っていて下さった司さんと美夜さんも喜んでくれて、わたくしも嬉しく思いました。
わたくしの試験が終わった後、二人共国家代表候補生ではないので、量産機での試験と言う事なので見学する事が出来ました。
美夜さんが両手剣一本だけ持って試合に臨もうとして首を傾げられていましたし、司さんも学園には槍もハルバードも無い事を聞いてがっかりしているのを見てしまって、悪いのですがくすくす笑ってしまいました。
二人共、近接戦闘武器に拘り過ぎです。
でも、本当にすごかったのはそれからでした。
お二人の飛び方は本当に美しいものでした。まるで本物の翼があるよう自由自在に空を駆け、司さんはまるで相手の動きが全て分かっているかのように、ライフル一本で相手を完封してしまいました。
それだけでも驚きなのですが、美夜さんは両手剣一本で真正面から勝負を挑み――そして、ブリュンヒルデに勝利してしまったのです。
当然、大騒ぎになってしまって緘口令が敷かれる事となりました。
お二人とも頭を抱えて、いつもの癖が……とか、手加減するの忘れてたとかおっしゃっていました。それが本当だとしたら、お二人の実力はあんなものでは無いと言う事なのでしょうか。
そして、お二人に学ぶことが出来たのなら、わたくしはもっと強くなる事が出来るのでしょうか?
…………ですから、俺たちが急にいなくなっても気にするなとか、私たちは何時までも友達だよ。とか、司さんも美夜さんも、不吉な事をおっしゃらないで下さい!!
セシリアSide out
***
入学試験でやらかした。
基本、俺たちの訓練は永遠神剣を使っての殴り合いだ。神剣魔法も飛び交うし、オーラフォトンだって使う。
俺が法の迷宮の能力を開発して、リスクとコストの少ない”
そこには最低限の手加減、死ななきゃ良いやしか存在しない。
そのノリをこの学園に持ち込むのは非常に危険で自重するつもりだったのだが、試験の教官がかなり強かったから、つい訓練モードに入ってしまった。
そして使っていた武器がIS用だったからこそ、勝った負けたの問題で終わったのだ。
ロウ・エターナルは敵対者と戦い、分枝世界を砕いてマナを回収するのが本分だ。襲撃をかけられて本気になって、つい使い慣れた永遠神剣を……何て事をしてしまったら、マズい事になる。
ISは絶対防御があるから大丈夫とか言われているが、触れた物質はどんなものでも破壊可能な能力とか、全ての気力を奪って人間を死に陥れる能力、全てを打ち砕く鉄槌、空間を切り裂く、竜巻と地震をおこす、概念攻撃、内部への直接攻撃、素粒子への分解など、IS何かでは防げない攻撃手段が、俺にも美夜にもそれこそ山のように存在するのだ。
……何が言いたいかと言えば、篠ノ之博士の対策を本気でする必要が出てきた。
俺が戦った緑色の髪の女の人やブリュンヒルデが強かったからこそ、俺も美夜も勝ってしまったのだが、その事で身内の面子を潰されたと思った天災が何を仕掛けてくるか想像がつかないのが恐ろしい。
俺と美夜ならどうとでもなるが、篠ノ之博士が切れて友人のオルコットさんを狙いだしたら、俺は確実に篠ノ之博士を殺ってしまう。
俺たちは別に、この分枝世界に対して攻撃を仕掛けたい訳じゃない。先生は良い顔はしないだろうがここではカオス・エターナル流である、この世界に対する事は、この世界の人々自身のものと言う言葉を守って、平穏無事で過ごすつもりだったのだ。
それを学園入学前に盛大破ってしまった事で、合格通知書が来て本来なら喜ぶべき所なのに、今一つ喜べないでいる事に俺と美夜はため息をつくのであった。
ISの小説を読み返しています、セシリアってこんな感じで良いのでしょうか?