なので一話一話が非常に短いです。
番外編なので、本編を読んでいないと分からないことがあると思いますので注意です。
後、不定期更新です。
食事というものは生きる上でとても大切なことだ。
どんな生物も古来からの風習ともいえる。
そんな食事をより深く、味わえるように人間は料理というものを見出した。
そしてこれはあくまで持論だ。
料理というものは、作る側がただ満足するためのものではない。
その料理を食べて貰う側のことを想いながら、愛情を込めて作るものだと思う。
そうすることで初めて、お互いが満足できるのだ。
故に私……鈴仙・優曇華院・イナバは料理をするのだ。
感情を出す事が上手くできないため、せめて料理という形で恩返しをするために。
さぁ、今日はどんな料理をつくろうか。
小鳥がさえずる清々しい朝。
自分は自らの聖域……台所に立つ。
お気に入りのエプロンを装備し、調理中は邪魔になる長い髪の毛をまとめ上げ、袖をまくって手を洗う。
愛用の調理器具たちの状態をきめ細かくチェックして、ようやく準備完了だ。
今からつくるのは、朝ご飯だ。
既に何度もつくっているとはいえ、気を抜かないために頭の中で調理法を復唱しながら調理を始める……
まずは味噌汁。
具材の豆腐をさいの目に、長ねぎを小口切りに切っていく。
乾燥したわかめは水に浸けて戻してから、水気をきっておく。
次に、鍋に鰹節と昆布のだし汁と用意した具材たちを入れ煮立たせる。
鰹節と昆布のだし汁は、鍋に水と昆布を入れ、弱火で沸騰寸前までじっくり温めてから昆布を取り出し、鰹節を入れ、鰹節が自然に鍋の底まで沈むのをまってから火を止める。
そしてアクを取り出し、その汁を濾し布か何かで濾せば完成だ。
だし汁と具材を入れた鍋が沸騰し始めたら、一度火を止め、お玉などを使って丁重に味噌を溶き入れ、沸騰しないように気をつけながら再び火をつける。
そして沸騰直前になったら火を止め、小口切りした長ねぎを最後に加えて味噌汁は完成だ。
お次は魚の塩焼き。
今回使う魚は秋刀魚だ。
まず下準備として、頭と尻尾を切り落とし、背中に包丁の切れ込みを入れた秋刀魚に塩を振って、数時間冷凍しておく必要がある。
そうした秋刀魚からは、水分が染み出すので清潔な紙などで拭き取る。
次に水分を取った秋刀魚をフライパンに入れ、蓋をして中火で蒸していく。
秋刀魚が充分に蒸されたら、一度秋刀魚をひっくり返してもう一度蒸していく。
両面に焼き目がついたら、お皿に乗せて完成だ。
最後にほうれん草と卵の炒め物。
最初にほうれん草を細かく切っていく。
そして卵を溶きほぐし、みりんを少し加えてかき混ぜる。
フライパンに油とバターを入れて、ほうれん草を炒めていく。
ある程度炒めたら、溶きほぐした卵を加え、半熟状になるまで再び炒めていく。
そして最後に醤油を少し入れて完成だ。
後はご飯と納豆を用意して、今日の朝食は完成した。
さて……皆んなを起こしに行かなくては。
いただきます。
そんな小さな合唱が食卓に響く。
「あら、イナバ? 魚にソースかけるの?」
「いや、この前ソースついた魚食ったら意外と上手くてさ……」
「ふーん、私はどんな味付けでも、鈴仙のなら美味しく感じるわよ」
と、仰る姫様。
嬉しいこと言ってくれるじゃないですか姫様。
「……あら、味噌汁の味付け変えたかしら?」
(あ、わかります師匠? この間慧音さんに教えてもらっただし汁を使ってみたんですけど……もしかして美味しくないですか?)
「え、あ、違うわよ? とっても美味しいわウドンゲ」
なら良かったです。
やはり料理というのはとても素晴らしい文化だ。
こうして食べる人、つくった人全員が自然と笑顔になれる。
だから私は料理をつくる。
さぁ、お昼は何をつくろうか。