燈「前回はメリーさんでしたので順番的には雪なのですが、本編で大変そうなので私が代わりに参りました」
たしかに大変ですね。最初から月の住人と戦うなんて
燈「さて、雪はどう戦うのでしょうか」
燈&カミユ「本編へどうぞ!」
雪と弓を構えている永琳までの距離は約50メートル
雪は永琳をまっすぐ見据えているが、周りからの不意打ちに注意している
永琳は弓を構えながら脳内に響く声に意識を傾けていた。雪からの攻撃に反応できるように半分ほどだが
『(そちらはどうなったの?)』
(こっちは座薬……優曇華がやられたわ)
『(優曇華が?どんな風にやられたの?)』
(氷漬けにされた後粉々に崩れたわ。相手は氷を操るみたいよ。できれば紫あたりに来て欲しいのだけど)
『(………それができないのよ)』
(!?どうして?何者かが結界内に進入できないようにしたのかしら?)
『(えぇ。恐らくまだ本物の紫ね。外からは一切干渉できないようにされているわ)』
ということは内側からなら問題無いのかしら。と、永琳は思考を巡らす。内側から矢で攻撃すれば結界は破壊できるとして、その隙に相手にやられるかもしれない。そんな考えが月の頭脳と呼ばれる永琳によぎる。それほど、永琳は雪を警戒していた
一方、雪は–––
(さて、1人いなくなったから、残り7人か。ドッペルゲンガーだけなら3人か4人。本物も戦うなら7人。さっき崩れたやつと同じ姿しているうさ耳少女はそこでへたり込んでるから戦意は今の所無し。今は矢放った銀髪の人を倒す!)
(具体的にはどうするのですか?この中では一番強いと思われますが)
(そうだな。相手は弓矢ならや利用はある。が、少し不安は否めないな)
雪はそう考えた。お互いどう出るのか伺いながら睨み合っている
ピュッ!と矢を放つ音が響くと同時に雪は体勢を傾け、矢を横から掴み、体を半回転させながら矢の先端に氷を付け、お返しとばかりに投げる
「お返しだ!」
「(あの氷に触れるのは危険だからはたき落とす!)ふっ!」
永琳は矢を弓ではたき落とす。矢は地面に刺さった
雪は矢を投げ終わってから全力で永琳に向かって駆け出していた。永琳が矢をはたき落した時には残り10メートルまで距離を詰めていた
「覚神 神代の記憶」
「は?神代の…なんだって?」
永琳が急に唱えた言葉に雪は思わず聞き返してしまった。その時に、雪の周りに外側が青くなっていて、中は白い物体が現れた
「なんだこれ……」
突然現れたその物体をみているとその物体から細長い弾幕が星の角の位置に伸びるかのように飛び出た。さらには、小さく、細かい弾幕を雪を襲う
「これが弾幕…だっけ?これって遊び用じゃないの?当たったら即死するような威力なんだが……」
雪は弾幕の合間を縫うように永琳まで進む。その顔には余裕がある。弾幕は通常、当たってもかすり傷か、服が少し破れる程度なのだが、今行っているのは遊びではない。なので、弾幕1つ当たればその部位は吹き飛ぶだろう。人間である雪からすれば冗談ではない
「抜け道があるのはそういうルールだから仕方がないとしても、今は自分が生きるか死ぬかの瀬戸際なんだからそういう配慮は必要ないと思うんだが、アンタはどう思ってるのかね?」
雪は弾幕をかいくぐりながら永琳に問いかける。それに対し、永琳は雪から少しでも距離を取るように後方に下がりながら答える
「そんなことしたら、入れ替わった後に後悔するからよ」
「甘いな。優しいじゃなくて、甘い。今は殺すか殺されるか。生きるか死ぬかの場面だ。そんなことを気にしている暇があるなら確実に相手を倒すことを考えなきゃいけない」
雪は率直に自分の考えを述べる。ふっと笑い、まあ、けど。と、次の言葉に繋げる
「その甘さ。嫌いじゃあないぜ(殺し合いじゃなけりゃあな)」
どこぞの過負荷の代表格の言葉を言うと同時に永琳の懐に飛び込むように接近する
永琳は先ほどの雪の言葉に少しの間頭の中が真っ白になっていた。言っていることは矛盾している故に
その隙を雪は見逃さずに永琳の着ている奇抜な服の裾に手を伸ばした瞬間に、雪の体がくの字に曲がり、近くの竹まで吹き飛び、竹に叩きつけられてズルズルと地面に落ちる
「永琳。大丈夫?」
「ええ、私は大丈夫です。ありがとうございます」
「あの人は私達で確実に倒すわよ」
「はい」
蓬莱人であ、月人の姫蓬莱山 輝夜(ドッペルゲンガー)が雪の横っ腹を思いっきり蹴ったのだ。輝夜と永琳は不老不死なので先ほどの鈴仙・優曇華院・イナバ(ドッペルゲンガー)の様に氷漬けにされたとしても解凍されれば復活する
月人の蹴りを人間がまともに食らえば普通の人間ならほぼ、即死する。上半身と下半身が離れていてもおかしくないほどの威力なのだが、雪の体は繋がっている
その光景をみていた永琳(本物)と輝夜(本物)は雪をかばう様に立つ
「鈴仙!その人を診て!その後は永遠亭に運ぶ!」
「え?あ…は……はい」
「ここは私と永琳が抑えておくわ!」
永琳の指示を受けた鈴仙はすぐに竹の近くに座って竹に背中を預けている雪のもとに行く。服をはだき、患部を診る
(患部は横腹の腫れ、内臓に損傷があるかもしれない。呼吸は少し乱れている。なんで姫様の蹴りを受けてまだ生きているのかしら)
患部を診終わった鈴仙は雪を抱えようと手を伸ばすが空を切る
「え?」
鈴仙は思わず声が漏れた。それもそうだろう。輝夜の蹴りを食らって竹に叩きつけられ、身動きを取れない…いや、取っていなかった者が予備動作なく鈴仙の『視界から消えた』のだ
患部を診れるほど近くに居て、自分が全く動かない状態から動こうとすれば必ず気付くほどの至近距離にいたのにだ
雪はどこに行ったのか……その答えはすぐに鈴仙の耳に届く
「「「「え?」」」」
背後…永琳達が居る場所から4つ(本物、ドッペルゲンガー含めた)の同じ疑問を持つ声と、ザシュッという首を鋭い刃物か何かで斬ったかのような音が。永琳は弓矢を使う。輝夜は素手か弾幕なので刃物はあり得ない。では、今のところ空気になっている因幡 てゐか……しかし、彼女も刃物は使わない
では、誰だろう……
その答えはすぐに1人の人物の声でわかる
「これで2人目」
鈴仙が振り向くと着物姿の輝夜(ドッペルゲンガー)の目の前に、鈴仙の目の前で竹に背中を預ける様にしていた雪が右腕を水平に挙げていた。輝夜の首は体には繋がっておらず、ボトッと地面に落ちるが、その場の全員は輝夜の首を見ていない
何故ならば………『雪の掌から一振りの刀の刀身の半分が出ていた』からだ
その場の雪以外の全員の理解が追いつかないまま、そんな事は知らない雪の掌からはスーと、音を立てずに一振りの刀が全身を現す
雪は輝夜の横に居る永琳(ドッペルゲンガー)を横目で見ながら一言だけ言う
「キールターイム」
〜鈴仙(ドッペルゲンガー)が粉々に砕けた時、ある場所では〜
「どうなったの!?鈴仙からの通信が切れたわ!」
「結界により、結界内の通信ができません!」
先ほど、鈴仙が雪に弾幕を放ったのはここに居る人物達により指示だった。通信ができないのは結界が原因なのと、通信相手が通信できなくなってしまったからだ。後者の事を知るよしもない者達は混乱していた
そんな光景を少し離れた場所で見て居る者がいる。その人物は何処か懐かしそうに、哀しそうな目で遠くを見つめる
「まさか貴方が来たの?
その言葉は誰の耳にも届く事はなく、虚空に消えた
燈「ふむ、今回は短いですね」
次回が長くなるので区切りの問題というか」
燈「それは仕方がないことです。次回に期待しましょう」
ハードルを上げないで下さいお願いします
燈「次回は反撃開始でしょうか?」
ではまた次回