東方終焉雪   作:カミユ

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どうもカミユです
今回はほぼ戦闘回です
禊「大パニック待った無し」
まあ……雪がまともな奴がいないとか言っていましたしおすし
禊「話すことない」
アッハイ
禊&カミユ「本編へどうぞ!」


第3話 体育館大騒動

 Side 雪

 

 今、俺の後ろのトイレの壁が壊れ、体育館内が見えている状況で目の前に腕が四本ある背が高い男性と対峙しているわけだが…

 

「さて、と〜倒すとしてもどうやるか。能力なんて俺には持ってないだろうし、素手で戦うのは(物理的に)手数で負けているし…だからと言ってここで白雪を出しわけにもいかない。あるとしてもせいぜいモップくらいか?まあ無いよりはマシか」

 

 近くにある掃除用ロッカーから急いでモップを取り出す。後ろからは戸惑っていたり驚いたりなんかこの状況に目を輝かせている(であろう)声が聞こえる

 モップを構えながら(なんかのアクション映画みたいだ…)松戒さんに聞こえるように話しかける

 

「松戒さん!この人たちのことご存知ですか?」

「いえ?私は知りませんが…その人は何者でしょう?」

「俺も知らないから訊いたんですけどね。この人、さっき石を凍らせた人と同じような感じなんですけど協力者って事はないですよね!」

「それはあり得ませんよ。私も想定外ですよ」

 

 どの口がほざく。動揺どころか何も反応しない時点で知っているようなものだろう

 

「じゃあ舞台袖に居る人達は一体どういう人なんですか?」

「おや?気付いていましたか。という事は、体育館外に待機させている彼らのこともご存知なのですか?」

「それを知るためにトイレから抜け出そうとしたらこの人に襲われましてねぇ。その言い方だと認めたということでいいんですか?」

「構いませんよ」

 

 松戒さんが言い終わると前に居た男性が四本の腕を伸ばして俺を捕まえようとする

 

「そんなんじゃあ捕まるわけないじゃん」

 

 横に回避しながら脚にモップを差し込み転ばせる。すかさず背中の腕を脱臼させると、あることに気づいた

 

「おいおいおい!本当にこの人死んでるじゃん!何ゾンビ?バイオハザ○ドかよ!」

 

 体温が無く、冷たい。さらに脱臼したのにうめき声の一つもあげないとかおかしいだろ

 

「禊!舞台袖に居る人が来ます!準備して下さい!」

「分かった」

 

 燈が禊に指示を出すのと同時に、松戒さんの手を二回叩く音がすると60人程の無表情の人が現れた。石を凍らせた人も居る…………いや、

 

「舞台袖にそんなに入るわけねぇだろ!」「何だ!?肩車でもして居たのか!?」「形態変化でもしてたのか!」

 

 と、体育館中から何処か間違えている発言が飛び交う。ここは普通怯えて我先と体育館から出て行くのが普通の反応ではないだろうか? あ、そういえばここの学校でマトモな人なんてあまり居なかったわ。

 でも、まあ、一応マトモな反応をしている人は何人かチラホラ居る。大半が先生だが………

 

「雪!出口の確保をお願いします!前の方は私達でどうにかします!」

「了解!」

 

 俺の足元で倒れて居る人の足元からモップを持ち、死人に意味があるかわからないけど首を一回転しておく

 体育館の出入り口まで移動すると15人の人が居る。それぞれが手やら脚やらに人が水が纏っている

 

「こんなもんか。それじゃあやりますか。行くぞ白雪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 燈

 

「さて、では雪が出口を確保してもらっている間に私たちもやりましょうか。禊はどうします?」

「前に行く」

「分かりました。雪の方が終わるまでに、出来るだけ敵の数を減らしてください」

「分かった」

 

 禊に指示を出すと松戒さんの方も準備ができたみたいです。さあ、どうなりますかね

 

「全員行きなさい!」

 

 松戒さんの言葉とともに無表情の人々が一斉に動き出す。中にステージから降りる人、ステージに残りながら手から雷や氷の塊を飛ばす人で別れている

 これはどうしたものか…と考えていると

 

「おー!なんか分かんないがこっちに来るぞ!しかも後ろから雷が飛んで来るし、ははは!み な ぎ っ て き た!」

「お…おい…逃げた方が良いんじゃないか?」

「あ?なんだお前?怖いのか?」

「!アイツらなんか怖かねぇ!野郎オブクラッシャー(野郎ぶっ殺してやらー!)!」

「ははは!良いな!そうでなくちゃあな!」

 

「くらえ!チョーク爆弾!」

「お前何チョークになんてもん付けてる!周りのことも考えろ!爆裂手裏剣!」

「アイェェェェェェ!ニンジャ!?ニンジャナンデ!?

 ってお前も周りのこと考えろ!」

 

「なっ!?なんだあいつらの動き!?まるで無駄のない無駄に洗礼された無駄な動きは!?」

「うおおおおおお!燃えろー!俺の中に眠る何かー!」

「うおおおおおお!写輪眼!」

「九頭龍閃!」

 

「ふっそれは残像だ」

「貧弱貧弱!ウリィィィ!」

「いや、お前それ、ダメージ絶対入ってないと思うよ?むしろお前の方が貧弱貧弱言われて倒される方だと思うよ?」

 

「何だアイツ!敵がゴミのようだ!」

「ほら!アイツだよ、2-Bの命雛 禊!何でメリケンサック持ってんだ?まあいっか。良いぞ!やれ!」

 

 ……………これならかなりの数を減らすことができるでしょう。雪が居るならば必ず「カオス過ぎるだろ……取り返しがつくレベル超えてるだろ…頭痛くなってきた…………」と言っているでしょう

 

「ねぇ燈。大丈夫なの?その……この状況。禊が最前線で暴れてるけど…」

「そうよ。それに雪君が一人で出て行ったけれど外にもあの人達みたいなのが居たら…」

「居ますよ、15人程…いえ、居ましたよ。の方が正しいですかね」

「15!雪が化け物並に強いとしても何も持ってないのにそんな数に勝てるわけないじゃん!先生に言わないと!」

「待ってください。蓮子さん、今先生方が向かったとしても足手まといになるだけですし、意味はありませんよ」

「それってどう言う–––」

 

 –––意味?と言う前に体育館の出入り口から女性の声が響く

 

「おーい、燈ー!こっちは終わったぞ〜ぴったし15人だったぞ。よく判ったな、この人数」

 

 出入り口から白髪の髪で黄色の瞳の中性的で整った顔立ちで雪のような白い肌の、出口の確保を頼んでいた幼馴染の雪が顔を出していた。報告が終わると共に思考を放棄したような顔をしてから「カオス過ぎるだろ……取り返しがつくレベル超えてるだろ…頭痛くなってきた…………」と呟く。やはり言いましたね

 

「皆さん!出口は確保しました!急いで校門の方まで移動してください!禊は先導をお願いします!」

 

 大声で出口の確保と移動先を言うと––––

 

「何!確保したのか!分かった!すぐに向かう!皆の者!行くぞーーーーーーー!」

「お前が指示するな物理的なハゲ!」

「だが、それが面白い!」

「全速前進DA!」

「禊を追い抜く速さで走るんだ!」

「逃げるんだよおおおお!スモー○ー!」

「うわああああ!スモー○ー居ないけどなああああ!」

「さらば!」

「シュタタタタタタタ!」

「走る音って自分で言う奴と、そんな所初めて見た」

「速さが足りない!」

「……………何なんだ…この学校の生徒たちは…」

 

 –––全員早く反応して体育館を出て行く。最後の言葉は2年の学年主任です。禊は誰よりも遠くにいたのに誰よりも速く体育館を出て行った。禊の後に蓮子さんとメリーさんが出て行き、生徒達が出て行ったら先生方が皆出て行った。私は最後に出て行きました

 

「雪は行かないのですか?」

「あー、燈は先に行ってて良いよ。俺は少し松戒さんと話があってな」

「そうですか。気をつけて下さいね」

「ああ、そっちもな」

 

 体育館内に雪以外の生徒がいない事を確認し、校門に向かって走る

 雪が言った時は好奇心が強く出ている気がしました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 雪

 

 燈が最後に出て行ったの見届けてから未だにステージで立っている松戒さん(恐らく偽名)に中央まで移動してから話しかける。周りに暴れる生徒達(さっき)のにやられた人たちが転がっている

 

「逃げなかったんですね」

「いや………あの……その、翠刹高校の生徒は凄いですね。一応中にはレベル紫が居たのですが…」

「それは能力の有無じゃ勝敗は決まらないということが分かったから良かったんじゃないですかね」

 

 周りに転がっている人達に同情してしまいそうになる。少なくともあんな奴らと戦わせられた時点で無事なんて事はそうそう無いだろう

 

「ところで博咲君はどうしてここに残ったのですか?」

「その話し方がイラつくから変えてもらっても?

 さっき、何で俺と燈と禊の色が変わんなかったのかをアンタ達が雲隠れする前に訊いておこうと思いましてね」

 

 そう。俺が此処に残った理由は能力の事だ。どうしてこんなことをやっているのかはどうでも良い。それよりも、俺と命雛兄弟のモニター?の色が変わんなかったのかが分からなかった。それが判ったらさっさと此処から立ち去るつもりだ

 

「ああ、そのことか。まだ判ってないことが多々あるが、恐らくレベル紫の更にその先だと考えている。そうだな…判んなかったらと○る魔術の禁○目録のレベル0〜レベル5のものだと考えれば想像しやすいか?」

「物凄く判りやすい。ていうことは白は0、水色は1、青は2、緑は3、紫は4、その…俺達に出て来たのは5ということか」

「そういうことだ。しかし、俺の考えではお前達…色は変わらなかったから黒にしようか…中には既にその先に行っているものもいるだろう」

「ふーん…(燈と禊は確定してるだろうな)」

 

 その黒の先というのはどういう条件で到達するのかは判らんが命雛兄弟は行っているだろうな。そうなると二人とも一方○行を超えているということか

 

「あ〜あともう一つ。そこら辺で転がってるゾンビ?は現代でできることなの?」

「それは森とかで転がっていた死体を素体にして、俺に協力してくれなかった能力持ちから能力を奪…ゲフン!提供してもらったものを与えただけの事だ」

「提供してもらったんだ。良かったね。その人が今そこら辺で転がっているような気がしてならないけどな」

「良い勘だな。お前のいう通りそこらで転がっているのは能力を提供してくれた奴だ」

「良い趣味してるのな」

「それはどうも」

 

 成る程成る程、つまりコイツは中々のマッドサイエンティストか。でも、コイツがここまでやる理由がわかんないんだよな。どうでも良いけど

 

「で、お前は訊いたがこれからどうするんだ?」

「ん〜もう用は無いから此処から離れるつもりだけど?」

「何だ。自分の能力の事を知るために俺たちと戦うや、これ以上は見過ごすことはできないとか言って戦うと思っていたのだが、違ったんだな」

「まあな。もしかして、上条さんみたいなこと言うような展開を期待してた?」

「まあ俺としては紫の先の力というものが気になっていてな。是非ともそんな展開になって欲しいものだが」

「残念ながら俺は『自分に攻撃して来ない限り、戦わない』性格でね。外の人達は俺が構えた瞬間に攻撃して来たから今頃上半身と下半身がお別れになってたりマミってるのもあった様な気がしたな」

「そうか。なら、仕方がないな。ここは諦めるか」

 

 松戒さんが『諦める』と言って背を向けたら、周りから雷やら氷やらが俺に殺到して来た

 

「へ〜まだ動けるんだ。もう死んでるから痛みとか無いのかな?」

「そういうことだ。ではまた会う機会があるなら会おう。さらばだ」

 

 そう言ってすぐに消えた。あの野郎……俺にコイツらの処分させる気だったのか。チッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 燈

 

 雪が体育館の中央に移動している時、私は校門に着いていた。生徒の皆さんはそれぞれで固まって話をしています

 

「あーーーー!黒棺やれば良かった!」「鼻フックデストロイヤーハリケーンやりたかったな」「アイツら相手に鼻フックは頭がおかしいだろ」etc……

 

 など………個性豊かな人達ですね

 

「雪は?」

「彼なら中で好奇心で何かやっているのではありませんか?もし、戦っていたとしても問題はないでしょう」

「………みたい」

 

 此処から微かに見える体育館のドアからは雪の斬撃が見えます

 

「確かに、あれならば大丈夫でしょう」

「ねぇ雪君」

「どうしました、メリーさん?」

「その…どうしてあんなに冷静でいることが出来たの?」

「…………そうですね。個性豊かな皆さんが愉快に騒いだお陰かもしれません。もし、絶叫でしたら先ほどのように落ち着いているか私にも分かりません」

「そう…でも、燈君なら常に冷静で居られると思うわ」

「そうでしょうか」

 

「何であの二人付き合ってないの?」

「さあ?」

「メリーが告白すれば燈ならOKすると思うけど……」

「どうだろうね」

 

 ニ方向で話をしていると体育館のドアから雪が出てきました。どうやら怪我はないらしく衣服には何処にも血が付着していません

 

「あー逃げられた。なあ燈。あの人達、死んでる体に能力を与えたら動いたって言ってたんだけどこの話信じるか?」

 

 雪はこちらに歩きながら話しかけてきます。雪からは嘘を言っているようではないようなので此方も思ったことを言わなければなりません

 

「到底信じることが出来ませんが、雪は嘘を言っているわけではないようですね。そもそも、松戒さんが嘘を言っている可能性は如何でしょうか」

「あーどうだろう。そんな感じはしなかったけどな〜」

「雪がそう言うのならばそうなのでしょう。では、その話は本当なのかもしれません」

 

 この話はすぐに蓮子さんの介入により中断されることになりました。しかし、本当に死体に能力を付与した場合、動くなんて……松戒 廣戸…彼は一体何者なのでしょう…

 

 

 

 

 

 

 

 その後、各自警戒をしながら教室に戻り自分の荷物を持って下校ということになった。明日の学校は会議によって決めるらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何なんだアイツは!ハハハ!強過ぎる!30人の能力者相手に刀一本で突破するとは!本当に高校生か!?」

「一度落ち着いて下さい。こちらで生徒のピックアップをしておきました」

「ほう、仕事が早いな。で、何人だ?」

「先程言っておられた、博咲 雪、彼は異常です。無意識の内に霊力を扱っていました。しかし、能力を使っていたようには見えません

 次に命雛 禊、彼は最前線で戦っておりました。誰よりも速く、誰よりも強く行動しておりました。恐らく能力を無意識の内に使っているのでしょう。

 最後に命雛 燈、命雛 禊の兄である彼は特にこれといった活躍はしておりませんが、あの状況下で暴れていた生徒以外、彼を除いていては怯えていました。しかし、彼は常に冷静でいることができ、的確な判断の指示をしておりました。

 この三人です」

「ご苦労だった。全員がレベル黒か。そうだな、命雛家は無理だろうな。となると、博咲家だな。近日中に博咲家を襲うぞ」

「了解しました」




禊「まともな奴が居ない」
一部の生徒と先生はまともでしたがね
禊「これはひどい」
そんなこと言われましても……
禊「また次回」
それ僕のセリフ!

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