東方終焉雪   作:カミユ

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どうもカミユです!
雪「なぜか順番が回って来たんだが……まあいいか」
次回に幻想郷住民のドッペルゲンガーの残っている人たちとほぼ全員と戦うことになりますが、意気込みは?
雪「やれることをやります」
どうもありがとうございます!

雪&カミユ「本編へどうぞ!」


第32話 決戦前夜

 Side 雪

 

「2人とも悟り妖怪か」

 

 古明地姉妹の名前を聞いた時にふと思いついた言葉がソレだった

 ソレを聞いたこの場の俺と白雪以外の全員が俺を見る

 

「…………何故、そう思うのですか?」

 

 さとりがジト目で俺を見てくる。こいしに至っては俺から距離を取る

 

「何故……ねぇ。心を読めば良いと思ったが根拠を述べないといけないみたいだな。勝手に決めつけるなって言いそうだな」

 

 さて、どうするか…………めんどくさいな

 

「まあ、最初はこいしと会ってなんの妖怪かわからなかったんだよな。妖怪とかの伝承っつうか、妖怪の伝説?に小石が使われているものがあったかどうか考えていたんだ。その途中で鬼と戦ったがな。それで、今さとりが自己紹介してくれたから分かったんだ。こいし、お前の能力はなんだ?」

 

 急に話を振られたこいしは戸惑った様子だが答えてくれた

 

「無意識を操る程度の能力だけど……」

「悟り妖怪なのに心を読めない点に関しては聞かないでおく。それで、悟り妖怪は心が読めるって事は比較的に避けやすいが、子供が無意識に投げた小石には当たった。つまり、無意識には心を読むことができない……というか気付けないんじゃないか?」

「それでは私たち姉妹が悟り妖怪だという証拠にはなりません。貴方がやったことはただの悟り妖怪の伝承を説明しただけです」

「いやいや、こういう前置きの説明は必要だぞ?さて、ここまで話したが、決定的なことを言うぞ?こいしの無意識とさとりの名前から悟り妖怪だと言うことは分かりやすい。さて、さとり。お前は–––––」

「ひっ……え……」

「–––––やっぱりな。お前、俺が、"父さんを殺した"って言葉に反応したな?」

「え!雪お兄ちゃん……」

「いや、正確には"動く死んだ父さんを斬った"が正しいんだが……まあ表現を変えただけで意味はそこまで変わらないな」

 

 証明終了。さて、心を読むが何処までのことを言うかわからないが、納得しただろ

 

「これで証明は完了した。お前のその反応が証拠ってことで良いな?」

「……1つだけ答えてください」

「おう、答えられる範囲なら答える」

「貴方は父親を斬ってどう思いましたか?」

「………………そうだな。納得のいかない最期に憐れみとやった奴に対しての怒りだな」

「……嘘……は言っていません。貴方は正直者です」

「心理学に関しては燈も負けるだろうな」

 

 なんか分かんないけどこれで良かったよな?

 

「貴方は私たちが悟り妖怪だと知ってどう思いますか?」

「心読めば早いだろ。人間は心に正直だしな」

「直接口で言ってください」

「……幼馴染の兄弟の兄貴の方が俺の心情を察する奴がいるんだよな。悟り妖怪か!って言ったこともある。だから今更俺の心情をわかる奴が現れたところでリアクションに困る」

「…………はあ、今日は泊まりに来たのですよね?」

「イエス」

「ごゆっくりと」

 

 さとりは目を伏せてゆっくり遠くに行ってしまう。俺はどうすれば良いんだ?

 

「とりあえず許可は出たし行こっ!」

「あーはいはい。あ、2人とも今日だけよろしく」

「よろしく!」

「うにゅーよく分からないけどよろしく!」

 

 こいしに手を引っ張られ、部屋に案内される

 

「すごいな…………こんなベッド久々に見たぞ……」

「気持ちいいよ!疲れているだろうしご飯になるまで寝てるさ!」

「そういや今日は朝以外食べてなかったな。今日で同じことを2度も言ったな……」

 

 こいしに案内された部屋は客室で綺麗に清掃されたところだ。1番目を引くのはベッド。白いシーツに座ると弾力性が良い

 こいしはいつのまにか居なくなっていた。無意識を操る能力の効果か?

 

「さて、こいしのお言葉に甘えて寝るとしますかね」

(では、私と話しでもしましょうか)

「話ねぇ」

 

 ベッドに横になってシーツを被ろうとしたが辞めて代わりに目を閉じる

 そして精神世界だかよく分からない場所に移動(?)する

 

「で、白雪。話って?」

「これからドッペルゲンガーはどう動くかどうかです」

「あー、そうだな。今までと同じく勝負を仕掛けてくるんじゃないか?返り討ちにするけど」

「それならば良いのですが、雪は今まで何人倒して来ましたか?」

「さあ?20人くらいじゃないか?」

「仮に20人としましょう。本物と同じ実力で、同じ数。そしてドッペルゲンガーは影に逃げることができます。それのお陰か私たちが来るまで均衡状態だった」

「つまり、ドッペルゲンガーは今俺たちのせいで不利になっているから俺を消しに来ると。それも確実で勝率が高い大勢で」

「そうです。逃す事もあるでしょうが、ここで一気に異変の解決をすることができるかもしれません」

「そうか…………結局俺はなんでここに来たんだろうな」

「……確かに…………雪が夢幻になってしまったわけではありませんし…………燈さんなら"巻き込まれ体質なので仕方がない事です"と、笑顔でいいそうですね」

「本当にな。白雪は幽々子とまた会ったらどうするんだ?」

「…………私が幽々子様のところに留まるかどうかという事ですか?」

「そ。まあ離れるってことはないと思うが一応な」

「幽々子様は雪(せつ)が仕えていた方で、私とも親しく接してくれて良い方です。が、私が一緒にいると決めたのは博咲家のみと決めているので、率直に言って愚問です」

「だよな。あーマジで眠たくなった」

「では一眠りしますか?」

「そうする…………お休み」

「おやすみなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………きて。起き…………。起きて雪お兄ちゃん!ご飯の時間ですよー」

「ん…………幼女……じゃなくてこいしか。おはよう」

「よく寝ていたよ。それだけ疲れていたってことだよね」

「そういうことにしていてくれ」

 

 白雪の声を最後に意識が消えてから、こいしの声で覚醒する。ここだけきいたらただとロリコンだな、俺

 

「早くー!お腹が空いて背中とお腹がくっつきそうだよ!」

「そんなことは腸が無くならないと起きないから安心しろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜影の世界〜

 

 影の幻想郷。そこには幻想郷の住人のドッペルゲンガーが存在する場所

 人里。人里の広場でドッペルゲンガーが集まって各々好きなように座っている。が、雪が幻想入りする前に比べたら圧倒的に少ない

 そこに勇儀と萃香とモブの鬼たちが戻る

 

「やっと戻ったわね」

「すごいなあの人間は!一対一で本気で戦いたいくらい強いぞ!」

「白雪を使用して鬼と戦えるのはわかっていることだわ。つまり、私たちを倒せる白雪を奪い取ってから倒すってことで良い?」

「それなんだけどね、霊夢。アイツその白雪?って刀を使わずに私たちと戦ったんだよ」

「白雪を使わないで!?」

「正確には白雪の力は使ったが刀は使わなかったが正しいな」

 

 勇儀たちの報告に紫と霊夢たちは目を見開く。単純な力比べだと幻想郷でトップレベルの鬼が2人で挑んでも倒せなかった。が、それを察していたような雰囲気の幽々子は少し離れた場所で座りながら扇子を口に当てて楽しそうに見ていた

 

「楽しそうですね幽々子様」

「えぇ楽しいわ。これから私と戦闘ができないドッペルゲンガー以外を除く全戦力で雪に立ち向かうのだから」

「流石に化け物のような強さに強力な武器を持つ、まさに鬼に金棒を体現したかのような人でも勝てないと思いますが」

「そう。妖夢ちゃんはそう思うの……」

「幽々子様は違うのですか?」

「そうね。彼の能力をまだ知らないのに立ち向かうのはやめたほうがいいと思うわ。命蓮寺全員が文字通り一瞬で倒したのだから数で挑んだって無意味だと思うのよ」

「つまり、彼が能力を使用すれば勝てない……こちら側が実質全滅してしまう……と」

「そう。私の考察だけど、彼の能力は時を操るか、結果を出す能力だと思うのよ」

「前者に対してはそう思います。時を止めて攻撃したのなら一瞬で倒すことができることに説明ができますが、後者の結果を出す能力は違うと思います」

「それはどうしてかしら」

「なんとも言えませんが、彼と剣を合わせた時にそのような感じがしなかったといいますか……」

「剣士によるもの……」

 

 幽々子と妖夢が話しているとドスの効いた男の声が響く

 

「俺も出る」

「陰極様……しかし、貴方がやられたら私たちが消えてしまいます」

「それは分かっている。だから離れた場所から見て、そいつのドッペルゲンガーを作り出す」

「……それなら…」

 

 今まで表に出なかったドッペルゲンガーのボスが出ると聞いた幽々子は先ほどの表情から険しくなる

 

「彼と同等の力を持つドッペルゲンガー…………幻想郷が崩壊するわ」

「彼は何も思わないと思いますが」

 

 

 

 次の日に長期にわたる異変が集結する。その結果、幽々子が言った通りに幻想郷が崩壊するか、それとも無事に解決するか……


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