東方終焉雪   作:カミユ

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第33話 決戦

 Side 雪

 

 連戦の日々(2日くらい)から一晩明けてから、こいしたちに別れを告げて地上に戻る

 そういえば土蜘蛛の妖怪と会わなかったな。忘れていた。会わなくてよかった……

 

「あー、疲れが取れたー」

(雪、もうそろそろ敵が来るのではないでしょうか)

(あぁ、ちゃんと警戒している。むしろ縦穴の時に来るものだと思っていたがな)

 

 俺は幻想郷に来て最大の警戒をする。声に出さずに心で白雪と会話しているから警戒度はMAX。大事なことなので二回言いました

 

「誰か来た」

(北北東から1人。すごいスピードで来ます)

 

 しばらく歩いていると木の上を移動しながら移動する気配を察知。白雪を出して横目で後ろを見る

 

「そこの人間!ここは妖怪の山だと知っているのか!?」

 

「……………………あ、えっと俺たちは一昨日来てあちこち移動させられて異変の情報しかない状態で立入禁止区域とか知らないんですよ」

「いや、禁止とまでは言っていないのですが……えっと、とりあえずここから立ち去ってください」

「あ、その前に1ついいですか?」

「あ、どうぞ」

「ドッペルゲンガー?」

「ノー!」

 

 急に現れた人物(?)は白髪で短髪、犬の耳が頭から生えていて、頭に文が乗っけていた赤いポンポン?がある。紅葉の模様がある盾に日本刀を持っていて、なんかモンハンの片手剣みたいだな

 なんかすっごい緩い会話してるけど、根はいい子なんだな。こっちが敬語で話すとあっちも敬語で話してくれる

 

「ドッペルゲンガーじゃないと。とりあえず人里はどこの方向ですかね?」

「あ、それならこの道をまっすぐ行って、分かれ道を左に曲がってから右に曲がってまっすぐです」

「どうも。では……」

 

 とりあえずドッペルゲンガーではないようなので(信用はしていないが)人里までの道順を聞くとあっさりと教えてくれる。本当にいい子だ

 それじゃあ、行こうとする時に獣っ子の後ろにスキマが見えた。紫だということはすぐにわかったが、本物かもしれない。少し様子を見ると悪趣味が極まっている空間から白い手が獣っ子に伸びていく

 

「後ろ!」

「えっ……」

「チッ」

 

 白い手に気付いていない獣っ子に全力で駆け寄りやがら叫ぶと、後ろを振り向いて一瞬硬直する獣っ子を左手で横に飛ばしてその場にしゃがむ

 獣っ子を捕まえることができなかった手は宙で動いてその人物の舌打ちとともに引っ込められる

 

 その瞬間、俺の四方八方にスキマが開いて大量の幻想郷の住民のドッペルゲンガーが現れる

 

「は……ハハッ。ヤベェ笑うことしかできねぇ」

 

 出てきた幻想郷住民は視界に入っているだけで30。気配も合わせれば40は超える。しかもそれぞれが俺とまともに戦える奴らばっかりで、明らかに前線で戦うやつとサポートに向いているやつで別れて居るのでサポートに回っている奴らを倒すには前線の奴らを突破するしかない

 

「まったく、朝から千客万来だな!」

 

「よお、昨日ぶりだな」

「来るなって言わなかったか?忠告したのに来たってことはここにいる全員は倒してもいいってことだろ?」

「まあ、そういう事だな」

 

 俺に最も近い位置にいる鬼の勇儀が、久しぶりに会う友人のように気さくに話しかける。対する俺は目の敵を見るような目でまっすぐ勇儀を見る

 

「つーか多すぎるだろ。なんだ?たった1人の人間を殺すためにこんな大掛かりでほぼ全戦力をつぎ込むなんて、お前らのリーダーはアホなのか?」

「私たちのリーダーの好きな言葉が多勢に無勢らしいわよ」

「そりゃあいい言葉だな。確実に不穏分子を消すためにリスクはたくさんあるが実行する決断力。さっきのアホとは反対の意味の言葉になるが凄いな。下につきたいとは思わないが」

「散々言ってくれるわね」

「その前にお前誰だよ。紅白巫女」

 

 勇儀に変わってそんな巫女服はないだろと思う服装の少女。細かいことは言わないが可愛いと思う。身長は160前後かな

 

「博麗 霊夢よ」

「お前が噂に聞く、他人に興味がなくて喜怒哀楽が激しい幻想郷最強の博麗の巫女さんかー」

「すっごくムカつく声で棒読みもどきで私のこと解説するのやめてくれない?」

「は?なんで?」

「私が嫌だからよ。そんなことも親に習わなかったの?ろくな親じゃないわね」

「あいにく両親とも幻想入りする前に死んでるよ。あと、俺もお前らがここにいること自体が嫌だから即刻消えてくれないか?できれば死ぬって意味で存在を消せ」

 

 一気にまくしたてるように言うと少し息が切れる

 ここまで言われて博麗の巫女さんは顔を真っ赤にしてプルプル震えていた。感情表現が豊かだ

 

「さて、この人数差であなたに勝ち目があると思う?」

「ねぇな。はっきり言ってここまで来ると勝てる気がしない。しかも須臾の中を動くことができる奴に対しては初見殺しでどうにかしたからこっちはお手上げなんだよな」

「じゃあ諦めて死んでくれるかしら?」

 

 霊夢の次は紫だ。何か滑稽なことを言った気がするが気のせいだろうか?

 

「ごめんもう一回言って。ちゃんと聞き取れなかった」

「諦めてここで死んでくれるかしら?」

「気のせいじゃなかったのか」

 

 なんでだろう。こんな状況なのに笑いがこみ上げて来る

 

「俺はさ。戦争をモチーフにしたゲームとかで負けが確定している状況になると一人で突っ走ってできるだけ敵を多く殺した上で死のうとするんだよ。誰も倒せないとこもあるがな」

「それが?」

「この状況でも同じだよな?本物と偽物が、オリジナルとコピーが存在をかけて戦う戦争。そして、俺はそんな戦争に巻き込まれた存在。実際関係ないけど、勝手にやっていて欲しかったが、こうなったら––––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ––––––一人でも多く消していくのが俺なんだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雪が叫ぶのと同時に大きく踏み込む

 既に目は雪のように真っ白になっており、白雪の力を強く使うことを表している

 大きく踏み込んだ足から氷が発生し、瞬きをした時には雪を中心に妖怪の山の一部が白銀の世界になった。規模は半径1キロほどで、近くにいた獣っ子こと犬走 椛(本物)はドッペルゲンガーが出現したと報告しに行っているため、巻き込まれずに済んだ

 

(ここで1番最初に狙うべき相手は、須臾の中を動く大和撫子だが、それよりも––––––)

 

「お姉さまの仇!」

 

「お前だ。ロリ吸血鬼」

 

 雪が妖怪の山の一部を凍らせる時に地に足を付けていたもの、木に触れていたものは既に凍っている。既に半数以上が凍っている。そんな中、凍っていないものの中で1番最初に飛び出したのが、姉であるレミリアをやられたフランだ。使わないようにしていた、ありとあらゆるものを破壊する程度の能力、を使って雪を一瞬で倒そうとした

 が、雪は一度破壊されたところを見てはいないが、既に一度能力を発動するために必要な予備動作を知っていた

 飛び出さなかったとしても、最初に初撃で倒すと決めていたのでむしろ狙いやすくなった

 フランの能力の予備動作は手のひらの中に出てくる破壊の目を潰すことによって対象を問答無用で破壊する厄介極まりない能力。通常なら破壊される前にフランを倒すと考えるのだが

 

「どこにも居ない!」

「まずは一人目」

 

 フランの破壊の目はたしかに雪を捉えていたが、フランが破壊の目を出す前に瞬間にその場に簡単な動作ができる氷の像を作っており、本物の雪はフランの背後に瞬間移動(地面や木が凍っているため、氷内なら自由に使える)し、破壊されるのと同時にフランを一文字に斬り裂く

 

(須臾の大和撫子は何処にいる?俺が油断した瞬間、もしくは白雪の力の効果が切れた瞬間に動くのか?)

 

 雪が思考しながら次の相手に挑む

 

 

 

 その光景を最も見やすい場所で眺めている男が一人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ集まらないの!?」

「まだよ!」

 

 

 スキマのなかでは本物の幻想郷住民が集結して行った

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