妖怪の山の一帯が白銀の世界になっている。その中では外来人とドッペルゲンガーが全力で戦っていた
「数が多すぎるだろ!これラノベとかだったら何人か端折られて出番ないまま後で本物が出て来て『あー、そういや居たなー』程度の会話が起きると見た!」
(何言ってるんだあいつ……)ドッペルゲンガー達の心の声
雪の意味不明な言葉(実際そうなる)を心の中で不思議がるドッペルゲンガー
雪は白雪を地面に突き立て、背後から迫って来る勇儀の拳を回避する。勇儀がさっきまで雪の居た場所に来ると地面から大質量の先端が鋭利な氷が突き出しす
「しゃらくせぇ!」
勇儀はそれを拳で砕く。そしてすぐに雪の方を見ると既にその場には居なく、別のところに移動してしまっていた
(にしても、空中にいるやつがウザいな)
勇儀や萃香たちみたいに接近戦で雪を追い込み、距離をとったら空中にいる少女たちがじわじわと弾幕で雪の体力を削る
(どうする?このままだと削りきられて終わるだけだ。一気に状況打破できる方法は……あるけど、まあ、後処理は紫たちに任せようか)
雪は若干の躊躇はあるものの、ドッペルゲンガーを倒すことを優先し、実行する
(白雪、出力を一気にあげるぞ)
(問題ありません。とは言え、すぐに破壊されそうですが)
(三、四人倒せればいいさ。それに他にまだまだある)
雪は大量に展開されている弾幕を、白雪を上段で構えて全力で振り下ろす。斬撃は弾幕を破壊しながら延長線上にいる少女たちも捉えるが、紫のスキマに吸い込まれる。そして、一瞬だけ間が空く
「標高高い氷山の一帯!」
雪がそう宣言すると地面の氷が一気に上空まで分厚い氷の壁を作り出す
「なっ……」
「真楼の居合 散!」
いきなりのことで動揺している少女たちに雪が無数の斬撃を飛ばす。斬撃は少女たちの目の前まで来ると爆発するように全体に小さな斬撃を飛ばす
「っ!二重結界!」
「マスタースパーク!」
「アーティフルサクリファイス!」
霊夢、魔理沙、アリスがそれぞれの弾幕で斬撃を相殺する。が、雪は既に霊夢の背後に移動しており、既に居合の構えを取っていた
雪の気配を博麗の巫女の勘で瞬間的に察知して、背後に勾玉を飛ばす
「チッ」
勾玉を瞬間移動で回避した雪は霊夢の代わりにアリスの背後に移動して一太刀。アリスは気づくことができずに消えた
「アリス!」
「うおっ」
アリスを倒されたことに魔理沙がミニ八卦炉を構えるが、それと同時に勇儀たちによって足場を破壊された雪は身を宙に投げ出される。足場の氷は綺麗に落ちていく
「捉えた!」
「残念♪」
自分の体を疎にした状態で雪に近づき、密の状態して、全力で殴ろうとした萃香に、昨日のお返しをするかのように、歌うようにしながら白雪を左手に持ち替えて背後に刃を突き出す
萃香の腕と白雪の刀身のリーチでは白雪が優っているため、カウンターをされるとは思わなかったのか萃香は自分の体を疎にすることができずに体に突き刺さる。そして、疎にするという思考が出る前に体の中から全身が一瞬にして凍りつく
「あばよ!」
雪は白雪を引き抜き、空中で体勢を変えて凍り付けの萃香の脳天に踵落としをする。パリーンと綺麗な音を立てて萃香が消えた
「っと、2人か。まあこんなもんだろ。萃香を倒すことができたんならそれでいいや」
雪は着地しながら真横に飛ぶ
「チッ!萃香の仇!」
「危ねぇ」
先ほどまで雪のところに強烈な勇儀の拳で地面が割れる
「……マジ?」
雪にもこれは笑えなかった。一撃一撃は避けることができるが続けられると白銀の世界を保ち続けることができなくなる
「クッソ、ほんとクソ。いつ大和撫子がくるか分かんねえってのに一気に不利になってきたじゃねぇか」
「オラオラオラオラ!」
「ジョースター家か!」
勇儀の目にも止まらないラッシュを背後に飛んで回避する。それと同時に氷の槍を勇儀の周りに展開し、突き刺そうとするが、勇儀は目の前からくるものだけを破壊してまっすぐ雪に向かう
「はっ、数が足りないんじゃあないか!?一方向を破壊してそこに進めば回避できるぞ!」
「ちくしょう!正解だよ!」
雪と勇儀は妖怪の山を駆けながら攻防する
それを見ていた1人の男は呟いた
「良し。やるか」
「みんな揃ったわね!?」
スキマ内にて、本物の幻想郷の実力者達がそこにいつでも戦えるように闘志をみなぎらせている
「作戦は、雪って奴を下がらせてから私たちが一気に攻めて偽物達を倒して行く。妖怪の山の奴らはもう動いているみたい。紫は自分の偽物を真っ先に倒して。1番の移動手段を消して」
「いや、1番の移動手段は影だろ」
「…………ゴメン、間違えた」
「みんなは自分の偽物を集中的に攻撃して、偽物がいない人たちは近くにいる奴らを攻撃。これでいい?」
「問題ないぜ!」
「それじゃあ行くわよ!」
スキマが開き、妖怪の山から少し離れた場所に出る
「なんで……」
スキマを開いた紫は確かに、妖怪の山の一部で起こっている先頭の中心に開いたはず……なのに、現実は少し離れた場所に開いた。その事に驚いていると、前の草むらがガサガサと動いた
「誰!?」
その音に全員が振り向くと、1人の人間が出てきた
白髪で整った中性的な顔。体格は細く、背もそこまで高くない。白ワイシャツの上に紺のブレザーを着ており、黒の長ズボンを履いている。本を読んでいるインドアな姿が容易に想像できるが、それらをひっくり返すような機嫌の悪そうに細い目。そして、腰には一刀の刀が携えられている
「雪?」
紫がその人物の名前を口に出すと、その人物はぼりぼりと頭をかいて空を仰ぐ
「あー、もうめんどくせぇな」
「雪?なんで……貴方は戦っているんじゃあ……」
「アレが博咲 雪」
雪の事を噂でしか知らない人物は警戒心はそこそこに観察していると雪は機嫌の悪そうな目を紫達に向けると、手首を軽く回す
「なあ、お前らさ、さっさと帰ってくれないか?」
「何言ってるの?この先にドッペルゲンガーがいるんだよ」
「そうだな」
「そのドッペルゲンガーを貴方が戦っていたんじゃないの?」
「戦ってないな」
「貴方は戦う気はないの?」
「ないな」
「じゃあそこを通して。ドッペルゲンガーを倒せないから」
「いや、そんなこと言われてもなぁ。俺はお前らと戦う理由があるんだよ」
「どういう……」
「離れて紫!」
紫が一歩踏み出すと、霊夢が結界を張る。そこ瞬間に斬撃が結界に衝突し、相殺される
「そうだな。いきなりバトってるとこに飛ばされたり、色々とめんどくさい事に巻き込ませたりした事とかか」
まあ、と雪は一言区切ってから言う
「俺が博咲 雪のドッペルゲンガーだから、とかはどうだ?この先にいる仲間の所に行かせないためとか1番理由として成り立つと思うぞ?」
ドッペルゲンガーは本物と同じ実力を有している者たちを1人で倒して行った人物が、本物と衝突すれば、力のバランスが変わる
今度は本物が狩られる番になった