東方終焉雪   作:カミユ

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第36話 本物と偽物

 幻想郷の妖怪の山に同じ容姿の人物が向かい合って居た

 しばらく黙って居た2人だが、片方が口を開く

 

「なー、お前のことなんて呼べばいい?」

「ん?あー、そうだな」

 

 本物の雪がドッペルゲンガーの雪に呼び方を訊くと、ドッペルゲンガーの雪は考える。その間何もすることがない本物の雪も考える。しばらくすると同じタイミングで2人の雪が右手を顎に当てて、考えるそぶりをする

 そして、

 

「ふむ。安直に"ドッペル"で良くないか?"そそぎ"って読み方に、"偽"とか"裏"って読み方に無理があるものがあるからな」

「まあだよな。裏についてはお前は俺の裏ってことじゃないだろ。偽の方が合ってる」

「俺もそう思った」

 

 ドッペルゲンガーの雪改め、ドッペルは適当な返事をする

 

 

 その光景を見ていた幻想郷の戦力達は小声で話し合う

 

「なにあの緩い空間。さっきまでの緊張感が一気に抜けたわ」

「それよりも早くここを離れてドッペルゲンガーの方に行くわよ」

「分かったわ」

「こう言う時に幽々子がいてくれたらもっと楽になったんだけど……」

 

 紫はそうぼやくとスキマで自分たちのドッペルゲンガー達がいるところに移動する

 現時点で幽々子と妖夢、天子と衣玖が居ない。幽々子はドッペルゲンガーと同じ思考で、妖夢は幽々子に従っている。天子は自分のドッペルゲンガーが居ないなら後は勝手に解決してくれ、と紫に言って天界で昼寝中。衣玖は天界から異変の顛末を観ている

 本物の紫達がスキマに入るところを見ていたドッペルは思い出したかのように雪に話しかける

 

「そういえばさっきの登場のタイミング謀っていただろ」

「ん、あぁさっきのやつか。別に謀っていないけど……」

「テンプレみたいなタイミングで来て、疑わないほうがおかしいだろ」

「…………分からないことはない……か……?」

 

 ドッペルが感じたことはオリジナルである雪と同じ感性である事を、雪は理解しているので曖昧な様子で答える

 

「にしてもなんかへんな感じがするな」

「同じような存在が目の前にいて話すことがか?」

「いや、自分の同じ存在が正しいな。同じような存在だとレミリアの時とかであったから違うな」

「あー、なるほど」

「結局お前と殺し合わないといけないのか?」

「そうだな。というか、俺たちドッペルゲンガー側からすれば本物は全員殺したいところだな」

「……なんでだ?お前たちドッペルゲンガーを作り出した奴が死んだら本物が死んでも消えるからか?」

「そうだ。スワンプマンみたいなものだと思えば分かりやすいだろ?」

「まあな。というかこういうのは大体犯人を倒せば消えるのは定番だからな」

「テンプレ……」

 

「「はあ……」」

 

 2人が同時にため息をつくと、同時に2人の中心で激突があった

 誰……と言われても2人は答えることはできない。何故ならば2人が白雪で競り合っている

 

「「とりあえずお前を(消せば・殺せば)俺は安全だってことだ!だからテメェはここで死ね!」」

 

 ギリギリッと2人の雪が白雪で競り合っている。そこから雪とドッペルが同時に距離をとる。全く同じ距離で着地し、全く同じ動きで無数の氷柱を生成し、全く同じタイミングで射出する

 

「「ったく、こうなるとめんどくせぇな!」」

 

 同時に悪態を叫び、同時に駆け出す。2人の間の距離が1メートルを切った瞬間に刃物とはものが連続でぶつかり合う

 

「「真楼の抜刀 豪!」」

 

 全力で真横に振り切ると衝撃波が発生し、地面を抉る

 

 今の状況では、2人は全く同じ実力でなにをやっても平行線で決着はつかないだろう。だが、地面は違う。一見平地だが、僅かな凹凸がある。その僅かな凹凸が形成を変える

 

「オラっ」

「甘ぇよ!」

 

 少しだけ上にいるドッペルが力強く白雪を振り下ろすが、雪は受け流したがら体勢を横にし、ドッペルの白雪を思いっきり蹴り上げる

 それを予測していたが反応できなかったドッペルはお返しと言わんばかりに雪の白雪を蹴り飛ばす

 2人の白雪はほとんど同じ距離で地面に突き刺さる

 

「「っ!」」

 

 2人同時に息を呑み、白雪を取りに行こうとするが、それよりも目の前の自分と同じ姿をした奴を倒す事を優先した

 

「つかお前さっき俺からできたんだからそこまで実力の差はねぇよな!」

「そうだよ。だから自分との勝負っていうテンプレ展開が起きてんだろうが!」

 

 無手の状態で相手の攻撃を受け流しながら隙をつこうとしているが、同じ実力で思考も同じな2人は無手の攻防を断念して白雪を取りに行く

 

「「真楼の居合 散」」

 

 同時に対象の目の前で爆発して斬撃を繰り出す技を使用する

 

「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」」

 

 2人が叫びながら自分の繰り出せる技を片っ端から使用する

 

 結果––––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ––––––妖怪の山の一部が無数の斬撃痕を残すことになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2人の戦闘の余波は遠く離れて戦っていた幻想郷組の方にも届いた

 地面を抉るようにしてドッペルゲンガーと本物を分けるように地面が割れた

 

「一体何が……」

「横!」

 

 叫ぶよりも早くすでに2人が両戦力の間に2人が移動していた。白雪の瞬間移動を使用したのだろう

 

「「良い加減くたばれ!」」

 

 同時に叫ぶと、白雪を体の中に入れて割れた地面の上を飛ぶ。そして同時に右足どうしで蹴る。このまま空中で戦闘しても良いが、それだと割れた地面に落ちてしまう。ドラゴンボールみたくならないのを2人は分かっているので、また瞬間移動をして別の場所で一撃、また移動して一撃、これを繰り返していく

 

「「おおおおお!!!」」

 

 2人が同時に拳で目の前の自分と同じ姿をした者を殴ると背後に吹き飛ぶ。木にぶつかった瞬間にまっすぐ進み、白雪を取り出して周りの木を全て切る

 

「「吹き飛べェェェェェェェェェェ!!!!」」

 

 白雪を逆手に持ち、刀身に氷を纏わせ、長さが50m程伸ばす

 

「「真楼の抜刀 絶!」」

 

 巨大な物体同時が勢いよくぶつかり、ギチギチギチギチッ!!!と、大音量が鳴り響いた

 

 そして二刀の刀の氷がお互いに砕け散り、静寂が訪れる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2人の立つ場所から半径1キロメートルほど木が全て倒れており、範囲内全てが凍った

 

 

「「まだ終わってねぇぞ!」」

 

 そしてそんな中で2人がまた激突する

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