東方終焉雪   作:カミユ

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どうもカミユです!


第44話 勝負の妖怪

「久しぶり!氷霧!」

 

朝玄関から出たら幼女が居た

赤髪をサイドテールにしていて、赤い瞳。水色の着物を着ていて、所々が切れていたり葉や小枝が付いている。9歳くらいの可愛らしい見た目だが、立ち方に一切の隙がない。何だこの子

 

「えっと…君は?」

 

俺は子供が苦手なのでどうすればいいか分からない。とりあえず近所にこんな子はいないはずだ

それを聞いた幼女は大きな赤い瞳を丸くしながら首を傾げる

 

「あれ?氷霧私の事忘れちゃったの?」

 

と言いながら目に涙を溜め始める

 

「ちょっと待ってくれ…思い出す。思い出すから泣かないでくれ!」

 

そう言うが全然思い出せない。何度も過去を遡るが、この子の顔が出てこない

 

(おや、この子は……)

(白雪知っているのか?)

 

そうだ、俺がわからないなら白雪に聞けばよかったんだ!コイツならなんでも知ってる

 

(この子は妖怪です。名前はイルカミア。博咲家6代目の氷霧と戦闘した妖怪です)

(そう言えば俺の事を氷霧って呼んでたな)

 

「少し落ち着いて聞いてくれないか?俺は氷霧じゃない」

「え?でも氷霧と全く同じ顔だよ?」

「マジか……えっと名前はなんだ?」

「私はイルカミア!」

「イルカミアな。氷霧はもう死んだよ何百年も前に」

「じゃあ、豪雪?」

「俺は雪だ」

 

自己紹介は済ませた

さて、俺はどうするんだこれ……現在時刻はAM8:00。学校開始まであと30分

ここでイルカミアを置いていくことも出来るが、この場合こいつどうするんだ?今日学校行かずにイルカミアのことを知るべきか……

 

「……仕方ねぇ今日は休むか」

 

俺はそう決断し、燈に連絡する

今日行けなくなったから、行ってくれ

 

「それで…お前は6代目当主の博咲 氷霧と知り合った妖怪なんだな?」

「そうだよ、氷霧…じゃなくて雪!」

「それで、お前はどんな妖怪なんだ?」

「これは氷霧に聞いたことなんだけど、私は【勝負には悪魔が宿る】っていう迷信が恐怖を集めて具現化したみたいなの!」

 

なるほど。昔はどうだか知らんが、本番や勝負する時に、何かと不安になったり思いもしないミスをする。そういった恐怖はあるだろう。俺も父さんと打ち合った時、何かとミスをしたな

 

「私が出会ったのはねーーーーーー」

 

それから楽しそうに氷霧との出会いを語るイルカミア。ずっと満面の笑みを浮かべながら話しているうちに、時間が昼になっていた

昼の準備しないとな……と考えていると、こんなニュースが流れてた

 

『近頃、この付近の森の木が粉砕されたような形で発見されることが多くなりました。森に出入りしている人物の話によると、笑い声が聞こえたかと思うと、急に破壊音が鳴り、気が粉砕されるとのことです』

 

物騒だな。これは異能者がやった事だろ。何故か規制される超能力。SNSに載せてもすぐに消されるらしい。まぁ俺が関係してなければどうでもいいが……

 

「あ、ここ私が最近居たところだ」

「…………」

 

…………なにをやっているんだこいつは

 

「お前がやったのか……?」

「そうだよ!修行してたら周りのものが壊れていくの!」

「自然な感じで言ったぞこいつ」

 

俺は若干引く。なんだよ……修行するのに木を利用するのはまぁ分からないことではないが……

 

「あ、修行で思い出した!」

「その前に昼飯食うぞー」

 

〜昼食中〜

 

「あー美味しかった!」

「洗い物めんどくさいな」

 

溜息をつきながら食器を洗っていく

 

「それじゃあ勝負しよ!」

「食事後の運動はNG」

「じゃあ後で!」

「……(嫌そうな顔)」

 

コイツ勝負しないと帰りそうにないな……仕方ない

 

「分かった。で、何をやるんだ?」

「んーとね、試合!」

「………(嫌そうな顔)分かった」

 

俺が了承するとイルカミアは嬉しそうに走っていく

 

「はぁ」

 

もう一度ため息をつくと、後ろにスキマが開く

 

「雪……今の妖怪は…」

「強いだろうな」

 

イルカミアと対面してる時は警戒をしていた。幻想郷に行っていた時に出会った奴らと比較すると、正直勝てるかどうか。強さは地底にいた勇儀と同等くらいか……

 

「まぁ命のやりとりってことじゃないだろうし、適当に頑張るよ」

「そう」

 

それを言うとスキマは閉じる

 

「さーて頑張りますか」

 

洗い物を終えた俺は食器を片付ける

そして道場の掃除をし始める


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