東方終焉雪   作:カミユ

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どうもカミユです!

今回から学園祭ですが、かなり長くなると思います。最近の投稿ペースから考えると、終わるのがいつか分かりませんが、ゆっくりとお待ちください


第48話 学園祭1日目

ミィルが転校してから一気に時間が過ぎた。ミィルと生活していると、大変なことになる。学校の体育の時間に勝負したり、家で勝負したり、イルカミアと勝負したり、イルカミアvsミィルvs俺の構成の勝負したりの毎日だった。まあ、それよりも予想外なことが起きた。その予想外は、ミィルが幻想郷の存在を知ったことだ。紫と幽々子達が結界?で人払いをかけているらしいが、ミィルには見破られた。ミィル曰く、「なんとなく違和感を感じた!」……らしい

 

そして、学園祭の準備。メイド喫茶の準備をしたり、衣装の準備をしたり、燈の生徒会の準備の手伝いの手伝いをしたり、委員会の準備をしたり、衣装合わせに付き合わせられたり……と、色々なことを忙しくやった。その間にバイトも始めた。学校終わってからバイトに入ったことにより、家に帰るのは夜中になった。夕飯はミィルが作ってくれたものを食べている。ミィルの料理は思ったよりも美味い。見た目は失敗してるようにしか見えないが……

 

そんなこんなでついに学園祭当日になった。朝から学校中が和気あいあいと賑わっている。俺はクラスメイトに頼まれた荷物を片手に登校する

 

「さて、今日は楽しくなりそうですねぇ」

「その悪どい顔をやめろよ。お前の場合シャレにならん」

「早く行かないと遅れる」

「よし、雪競走だ!」

「嫌だよ疲れたくない」

 

変わらずに元気なミィルについて行くように教室に入る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時は過ぎ学園祭が始まる

 

しかし少し時間が遡る

 

「学園祭が始まったな。このタイミングで襲撃するんだ」

「襲撃はしない。正々堂々と正面から武士道をもって試合う」

 

暗闇で二人の男の会話が響く

不思議と声が反響するその空間で小さなため息が漏れる

 

「では頼んだぞ」

「あぁ」

 

こうして平和な学園祭が遠ざかっていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちら注文の品となります」

 

あるメイド喫茶を企画している2年生の教室から静謐な声が漏れる。メイドから注文の品を受け取った客は呆然とした顔をしてメイドを見る

メイドは、本格的だと思うほどのメイド服に白い髪をリボンでポニーテールにして纏めており、少しのメイクを施している。落ち着いた雰囲気を醸し出しており、立ち振る舞いは滑らかなもので一目見て目を奪われた人は多いだろう

 

「ごゆっくりどうぞ」

 

そのメイドは半歩引くと綺麗なお辞儀をすると、奥の調理場へ戻る

 

「凄かったな……」

 

メイドが見えなくなってもそこをずっと見てしまっている客はしばらくした後に、ドゴォ!という音に正気をもどし、注文の品を食べ始める

 

 

 

 

 

「この野郎……」

「甘い」

 

メイド服を着た雪が調理場に戻ると共に、お茶を飲んで休んでいるメイド服を着た禊に殴りかかるが、片手で受け止める

 

なぜこうなったかというと、学園祭の開始の放送が流れる前のHRの時、雪は急に意識を失ったかと思うと、メイド服になっていて寝起き早々接客しろと言われた

言われたとおりにやってみたが、イライラは止まらない

少しの間ボクシングをすると、落ち着いたのかリボンをとる雪

 

「俺は学校を回らせてもらうよ」

「それならこれ持って行って」

 

そう言われると、でかでかと『メイド喫茶』とプリントされた看板を渡された

 

「……まあこれくらいなら良いか」

 

着替え終わった雪は渋々と看板を受け取ると、廊下に出る

 

「とりあえず適当にパンフレットを探しに回るかな」

 

雪が校庭に足を向けると見覚えのある少女を見かける

 

「あっははは!ここ楽しいなぁ!」

「イルカミアさんあまり離れないでください!はぐれてしまったら探すのが大変なんですよ!」

 

イルカミアと妖夢が居る……なんでだよ!妖夢とイルカミアは幻想郷に居るはずだろ!

 

「おい、何でお前らがいるんだよ」

「あ、雪さん」

「やっほー雪!」

「イルカミアさんが学園祭が気になると言って幽々子様を説得したらしく、許可がでてしまったんです。でも流石に1人では不安だと言うので私が付き添いとしてきました」

「そうか……神秘ってなんだろうな?」

「わたし雪のところにいきたーい!」

「あーはいはい。こっちだよ」

 

妖夢の説明で幻想郷の神秘性が薄まっているんじゃないかと遠い目をしてしまう

イルカミアに手を掴まれて自分の教室へ連れていく。正直足が重い

 

「可愛い人が多いね!」

「あー悪いけどこいつお願い」

「博咲君この子と知り合い?」

「少し前に迷子になっていた所を家に帰した後から何かと会うことになったな」

 

教室に入ると近くにいたクラスメイトにイルカミアと妖夢を預ける

イルカミアに関しては嘘だ。何代も前の因縁持ちって説明しても信じないだろうな

 

「じゃ客寄せやってくる」

「よろしくねー」

「雪さんまた後で」

「おー」

 

妖夢に適当な返事をした後にもう一度校庭に足を向ける

校庭では、主に焼きそばやお好み焼きなどの食事が並んでいる。パンフレットを頼りにたこ焼きを買いに行くと、またもや見覚えのある少女を見かける

 

「外の世界ってこんなに賑やかなんですねぇ!」

「おーいこれを2つくれ!」

 

文と魔理沙だった

 

「おいこらテメェら神秘はどうした」

「あやややや!雪さんではないですか!」

「お、ちょうどいい所に来たな!案内してくれよ!」

「これ終わったら紫と話し合いしないとな……」

 

肩を落とした雪は2人をメイド喫茶まで連れていく。妖夢と一緒に行動させた方が良いだろう

 

「そういえば禊。ミィルはどこに行った?」

「あそこ」

 

さっきから見かけない危険人物の居場所が気になってメイド服の禊に聞くと、教室の窓を指さす。窓の方に目を向けると、人が降ってきた

 

「……は?」

「バンジージャンプ」

「よく許可出したな学校…」

 

窓を開けて下を見ると、ちょうど反動で戻ってきているところで、顔面にバンジージャンプ者の体と当たる前に身を反らす

バンジージャンプ者はミィルだった。満面の笑みをうかべて上がっていく

 

「見なかったことにしよう」

「お客が増えてる」

「妖夢だけじゃ無理そうだからこいつら頼む……」

「ん」

 

禊の短い肯定を受けてもう一度校庭に行く。たこ焼きをひとつ頼むと、そのまま校内を1周する

 

「明日は長紅高校に行こうかな」

 

長紅高校は隣町の高校だ。この学園祭は長紅高校と合同で行われているものだ。この期間だけ、この高校と長紅高校の往復バスが日に10本だされる

1人そんなこと考えてると、腕相撲大会をやっていた。一般人も参加している。1人の男子生徒と接戦している

 

「しゃあ!」

「……レオか」

 

目の前で緋月 莉煌ことレオが勝利の雄叫びを上げている

 

「ちょうどいいところに来たな雪!勝負だ!」

「嫌」

「そう言わずに勝負だ!」

「お、いい所に出くわしたな!」

 

レオがしつこく言ってくるのをどうするか考えていると後ろからミィルが現れた

 

「ナイスだミィル。このバカと腕相撲で勝負してみろ。強いぞコイツ」

「OK!」

「勝負を挑まれたら断らないのが俺だ。こいつを倒したら次はお前だ雪!」

「あーはいはい」

 

ミィルとレオが腕相撲を開始すると共に俺はそっとそこを離れる

 

「次は……演劇のところでも行こうかな」

 

体育館で行われている演劇部の『ロミオとジュリエット』を見に行く

 

「なんで燈がいるんだよ」

 

演劇が始まると同時に体育館の幕が上がった。そこでロミオ役と思われる燈と目が合った。それも満面の笑みを浮かべて

 

「………………帰ろ」

 

そっと看板を持って体育館を出る

 

「さて、クラスの手伝いしたくないし…禊はそろそろ休憩時間だろ」

 

現在時刻は12:30になった所だ

足を教室に向けると、1人の女子生徒が目に入る

長紅高校の生徒だろう。制服がそうだからだ。特徴的なのが腰まで伸びた白髪だ。髪を先でリボンでまとめている。どこか寂しげな雰囲気を纏っており、近寄り難い

右手にはわたあめがあり、周りをみまわしながら歩いている

 

「ひっ……」

 

偶然目が合うと悲鳴をあげて足早で見失ってしまった

 

「……」

(雪、どうしましたか?)

「なんか今の奴気になってな」

((ほの字))

 

今の女子生徒……どことなく異質だった様な。いや、混ざっているのか…?完成されたものを、必要なところだけくっ付けた…が正しいのか?

物耽っているとさっきの女子生徒の後を追うように、素早く動く影が接近して背中に抱きついた

 

「……!」

「…………!」

 

遠くからなにやら声が聞こえる。内容は分からないが、言い合っているようだ

 

「……あぁ明日はアレか。ゆっくり休むかな」

 

看板を持ってクラス企画の手伝いをする為に戻る。絶対にメイド服は着ない

 

 

 

 

 

 

数分後、雪はメイド服で過ごすことになった

もちろん、知り合いから笑われたのは言うまでもない


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