地球防衛軍5 俺は普通の一般人です! 作:師匠@ゲーム実況者
師匠です!
昨日のうちに投稿しようと思ってましたが無理でした(´Д`)
とりあえず出来る限り続けていきたいと思いますので、これからもお付き合いください。
とりあえずシリアスは今回でおしまいです。
投稿二話目にしてお気に入り登録者が50人を越えました!
感謝しかありません!ありがとうございます!
M16 孤立
「───!お前か!無事だったか……!」
通信から聞こえてくる誘導に従い向かった先にいた軍曹が、俺を確認し、そう声をかけてきてくれる。
周囲にはいつもの軍曹の部隊の面々に、フェンサーが数人、そしてダイバーちゃん含めたウイングダイバーが数人といったところだった。
「お前は確かデルタチームだったな。他のメンバーは……」
軍曹のその言葉に、俺はしまっていたドッグタグ数枚を取り出し見せる。そして、彼らの顛末を軍曹に伝える。
俺の話を静かに聞いていた軍曹は、話を聞き終えると、渋い顔でうなずいた。
「…………そうか。わかった。よく生き延びてくれた」
それだけいうと背を向け、俺のもとを去ろうとする。
え、ちょっと……!このドッグタグは回収しないんですか!?
俺の言葉に軍曹は首だけこちらに向ける。
「───それはアイツらがお前に託したものだ。もうすでに確認はした。あとどうするかはお前次第だ」
それだけいうと、軍曹は今度こそ俺のもとを去っていった。
どうするか、って……言われても……
手元に残されたタグを見つめて一人俺は考え込む。
そして軍曹の召集がかかるまで考えたが、結局答えは出なかった……
*
アイツらは人間に似ている。
武器を使い、敵を目視し、動く相手を確実に狙ってくる。
そこに勝機がある、
そう軍曹は言った。
つまりこう言うことだ。
───エイリアン相手に対人戦法を取る。
お互いに目で見て、相手を見つけて攻撃するのであれば、小さく隠れやすいこちらの方が有利である。
行動を見た感じでは、人間ほど賢くはないとみられる。だから身を隠しながらの攻撃でやつらを倒していく、という作戦らしい。
そしてその作戦は想像以上に上手くいった。
レンジャーは小回りが効くため、上手く建物の影などで立ち回り、ウイングダイバーはその自由性で相手を翻弄し、フェンサーはスラスターダッシュを駆使して相手が武器を構えるより早く視界から消えるという手法で着実にエイリアンを倒していった。
エイリアンとの戦闘開始から30分近く経過したぐらいだろうか。
俺が通算で五体目ぐらいのエイリアンを倒し、ふと戦況を確認するため振り向いたときだった。
200メートルほど離れた先にいたレンジャー隊員の一人の背後にあった建物の影から、偶然にもエイリアンが姿を表し、レンジャー隊員の姿を見つけてしまった。
────まずいっ!!
視線の先でレンジャー隊員が背後に立つエイリアンの存在に気づくも、どうやってもエイリアンが攻撃する方が早い。
あの至近距離では間違いなく助からないだろう。
その瞬間、脳裏に俺にドッグタグを託した隊長たちの姿が浮かぶ。
『あとは頼んだぞ、スーパールーキー!』
───こんな俺を信じて、命を懸けて逃がしてくれたレンジャーチームの先輩たち。
───俺に期待してくれる周りの人たち。
民間人上がりの新人に何を期待してやがるんだ、って声を大にして叫んでやりたい。
あの人たちや他の皆が言うほど俺はすごくないし、出来ることなら今すぐ逃げ出したい。
───けど、だけど!さすがに続けて二度も目の前にいる人を見捨てられるほど、俺は人間性捨てちゃあいねぇんだよ!!
いまこそ、あのとっておきの移動手段を使うときである。
そう考え、俺は武器をツインスピアとキャノンショットに切り替える。そして、補助装置のアシストを受けながら、キャノンショットに備えられたブーストジャンプとスピアに備えられたスラスターダッシュを同時に起動させる。
すると、俺の身体は放物線を描いて空を飛び、圧倒的な速度で移動する。
上方向に移動するブーストジャンプと横方向に移動するスラスターダッシュを組み合わせることで空中機動をも可能とする。
これこそが、訓練中に偶然にも編み出した移動方法、名付けて『ブーストスラスター(仮)』である。
ぶっちゃけ、割りと勢い強いし、高度もあるからまだ使いたくなかったけど、四の五のいってる場合じゃない。
俺は200メートル余りの距離を一気に詰め、エイリアンとレンジャー隊員の間に割り込む。
なんか周りがざわっ、としたような気がするけどそんなこと考えている場合じゃない!
今すぐにでも攻撃してきそうなエイリアンに俺は先手必勝で攻撃を撃ち込む。
ツインスピア、キャノンショット、そしてトドメのツインスピア。
たったそれだけでエイリアンは絶命してしまった。
……やっぱ、こいつらも生物である以上頭やられたら再生は出来ないか。
思っていた通りの収穫を得ることが出来た俺は、レンジャー隊員の無事を確認すると、この作戦をはやく終わらせるため、残り少なくなってきたエイリアンのもとへと向かうのだった。
※
あれからの話をしよう。
エイリアンに囲まれ、生存は絶望的だと思われていた俺たちだったが、軍曹の鋭い観察眼による機転の聞いた作戦によって無事、誰一人欠けることなく帰ってくることが出来た。
さすがに無傷、というわけにはいかなかったがそれでも重傷者すら出なかったのは奇跡なのではないだろうか。
メディカルチェックを終えた俺は、自室にて横になりながらそんなことを考える。
そして、今日の作戦を思い出し、懐にしまっていたドッグタグを取り出し光に翳す。
結局、本当にこれは俺に渡されてしまった……。
…………あの人たちが俺を逃がしてくれたから、あのレンジャー隊員を救うことが出来た。
あの人たちの言葉がなかったら、あのとき俺は動くことはできなかっただろう。
そんなことを考えながら、俺は先ほどのことを思い出す。
作戦終了後、助けたレンジャー隊員が俺のもとへとやってきて、お礼を言ってきたのだ。
『─────ありがとう。お前のおかげで、俺は生き延びることが出来た。感謝する。お前は本当に、スーパールーキーなんだな』
───"スーパールーキー"
その言葉は俺にとって忌まわしいものだった。
誰も彼もが俺なんかにそう言って期待する。
俺にはそんな実力も、期待に応えられるだけの力もないのに……。
だから、"期待の新人"、"スーパールーキー"などの言葉は俺にとっては忌み嫌うワードでしかなかった。
けど、いまはそうじゃない。
俺の実力は大したことないし、相変わらず周りの期待には応えられるとは思えない。
だけど、だからといって今までのようにその言葉から逃げるのはやめだ。
あの人たちが俺に託したものが無駄にならないよう、その言葉に見合う実力がつくよう、少しずつでもいいから頑張っていこう。
それがきっと、託してくれたあの人たちに俺が出来る最大の手向けだろうから。
世界を、地球を救うなんて大それたことは考えない。ただ手の届く限り、手を伸ばしたら助けられる限りの人たちを助けよう。
そう覚悟を決め、手に握るタグをしまいこんだとき、部屋のドアがノックされる。
はい、どちらさまで────ってあれ?ダイバーちゃん?
なにか用?……うん?また一緒にご飯食べようって?
いや、いいけどなんか最近多いような……って、待って!行くから引っ張らないで!?
ダイバーちゃん距離近いよ!!そんなことされたら勘違いしちゃうでしょ!?
その後、ダイバーちゃんに引っ張られていく俺たちの姿はウイングダイバーの先輩方や軍曹たちに見られ、見守るような笑顔で見送られた。
そういうのと違うからね!?というか楽しんでないで助けてよ!?
そんな俺の思いは届くことなく、俺はダイバーちゃんに食堂まで引っ張られていくのだった。
つづく
【捕捉情報】
主人公
今回の件で意識が少し変わり、戦いに前向きになる。
といっても根本の逃げ腰というか民間人根性は変わらない。
シールドを捨て、スピアとキャノンショットにしたのはこの立体機動を使うため。
この動きも、多分この世界だととんでもないものに見えるんだろうなぁ……
あ、あと武器説明とかいるだろうか……?
次回はウイングダイバーちゃん視点をお送りしますのでお楽しみに!
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