地球防衛軍5 俺は普通の一般人です! 作:師匠@ゲーム実況者
ということで、どうも皆さんおはこんばんちは!
師匠でっす!
朝起きたらなんか評価バー赤く染まってるわ、お気に入り3桁になってるわ、ランキング15位になってるわと驚きすぎて、寝起き早々爆笑しました。
そのあともどんどんお気に入りや評価してくれる方増えていって感謝しかありません!
拙作を楽しんでくれてる方がたくさんいますので、頑張って続けていきたいと思います。
今回は前回予告した通り、暫定ヒロインのウイングダイバーちゃん視点です。
私が初めて彼を見かけたのは、多分彼が入隊したばかりの頃だと思う。
彼とのあの出会いを、私は一生忘れることはないだろう。
───なぜなら、泣いている彼を慰める、というシチュエーションでの出会いだったのだから。
彼と初めて出会ったその日、地球外生命体『プライマー』の駆除作戦に行っていた。作戦を終えた私は自室へと戻ろうと施設内を歩いていた。
そんなとき、偶然にも彼が休憩室にいるのを見かけたのだ。
期待の新人、ということで有名な彼───聞いた話だと私より少しだけ年上らしい───の姿を知っていた私はどんな人なのだろうか気になり、話をしてみたく、彼に近づいたのだった。
近づいていくうちに、私は彼が静かに涙を流していることに気づいてしまった。
予想外の状況に、あと少しのところで私は足を止めてしまった。
そんな私に気づいたのか、彼はこちらへと振り返ると驚いた顔になり、すぐに服の袖で涙をぬぐうと気まずそうな笑みを浮かべた。
「えっと……大丈夫、ですか?」
そんな彼になんて声をかければいいのか分からなかった私は、結局当たり障りのないことを口にしてしまった。
「え?あ、あぁうん、大丈夫だよ。大したことじゃないから」
そう言って笑う彼だったが、あまり大丈夫そうには思えなかった。だからだろうか、初対面にも関わらず踏み込んでしまったのは。
「あの……、厚かましいかもしれないですけど、お話聞きますよ?そういうのってあまり溜め込むとよくないって言いますし……」
「……そう、だねぇ。それじゃあご厚意に甘えてみようかな」
不躾なことをいったにも関わらず、彼はそう言って私に話してくれた。
両親がすでに死んでしまっていたこと、死に目に会えなくて申し訳ないこと、親孝行してやれなかったこと、などと口にしていた。
彼は頭では分かってても心が納得出来てなくて自然と涙が出てしまった、と恥ずかしそうに笑っていた。
「ごめんね。暗い話聞かせちゃって……」
「ううん。私から言い出したことなんですし、気にしないでください」
「……そっか。でもありがとう。言ってた通り、結構気が楽になったよ」
彼は曇りが晴れた表情そう言うと、立ち上がり伸びをする。
「───さて、と。そろそろ俺は部屋に戻ろうかな。改めて話聞いてくれてありがとね。……あ、あと、泣いてたことは内緒にね!」
「あはは、分かりました。これから大変でしょうけど、頑張ってくださいね」
「ありがとう。それじゃあまた会うことがあればよろしく」
それだけ言うと彼は休憩室を後にしていきました。
これが、私と彼───新人くんの出会いでした。
◇
最初に会ったとき以降、私と新人くんが会うことはありませんでした。
私は現場に出るウイングダイバー、新人くんはいくら戦場を経験したとはいえ、まだ基礎が足りてなく多くのことを学んでいる最中です。
でも時々新人くんの話は聞いてました。
民間人のころから戦果をあげていた人物だ。やっぱり皆、気になっているのだろう。
そしてそんな彼は、正式な戦士としての初陣でとんでもないことをしでかしました。
そのことについて知ったのは新人くんの初陣で出撃した日の先輩たちの会話からでした。
「───聞いたか?あの期待の新人、単独でテレポーションシップを落としたらしいぞ」
─────はい?
私は一瞬自分の耳を疑いました。
新人くんが今日、初陣として出てるのは知ってましたが内容までは知らなかったため、先輩に詳しく話を聞いてしまいました。
どうやら新型機による攻撃は失敗し、どうするか話し合っていたところ、軍曹の情報からテレポーションシップのハッチ内部は弱いのでないか、という話になり、急遽そこを狙って攻撃するという作戦になったそうです。
急遽決まった作戦にも関わらず、新人くんはまるでわかっていたかのように近接戦闘用の装備と遠距離戦闘用の装備を持って出撃していたらしく、フェンサー特有の機動性を活かして単独で二機、仲間と協力して残る一機のテレポーションシップを撃墜してしまったとのこと。
また手際も完璧でシップをギリギリまで狙い撃つとすぐに近接に切り替え、地上の怪物を倒していき、処理したらまた狙撃する、という行動で確実に落としていったそうです。
その話を聞き、私はいてもたってもいられず、帰投している彼のもとへと向かっていきました。
数ヶ月前に泣いていたあの彼がいきなりそんな戦果をあげるなんて……!
ちょうど部屋に戻ろうとしている彼を捕まえ、私は称賛の言葉を贈りました。
「おめでとう新人くん!すごい活躍だったらしいね!これは私も負けてられないね!」
その後もちょっとだけ言葉を交わし、疲れているだろう彼を解放しました。
でもなんで新人くん、微妙にひきつった笑いだったんだろう……?
◇
新人くんのテレポーションシップ撃墜から数日後。なんと新人くんと作戦が一緒になったのです!
どうやら上の方たちは、新人くんの成長を見込み、多くの経験してもらうため、特定のチームに組み込まず、色んなチームと同行してもらうことにしたようです。
まぁ、そんなことどうでもいいんですけどね!噂の新人くんと同じ作戦に出れることのほうが重要です!
そんなことを考えているとブリーフィングルームの扉が開き、例の新人くんが入ってきました。
なんか嬉しくなった私が新人くんに向かって手を振って近づいていくと、彼は驚いたような顔をしていました。
作戦同じだって知らなかったのかな……?
私がいつも通りの調子で話しかけると、彼は急に頭を下げてきて、敬語で話すようになりました。
どうやら今更ながらに私が先輩であることに気づいたらしいです。
私が年も近いしそんなに畏まらなくていいと言っても彼は渋っていました。
今更敬語使われるのはなぜか分からないけどもやっとする……
私が膨れっ面で彼を見ていると、彼は降参してくれたのか、今まで通りの話し方に戻ってくれました。
それだけなのに、私はなぜか嬉しくなりました。
その後はブリーフィングを行い、装備の準備のため一旦新人くんとは別れることになりました。
準備を終えた新人くんと合流した私たちは作戦エリアへと出撃したのですが、現場での新人くんの動きは、本当に新人なのかと疑ってしまうほどの実力でした。
開始早々誰よりもはやくミサイルを眼前のβ種へと撃ち込み、敵の意識をほとんど持っていってくれました。
私たちウイングダイバーにとって、β種の糸はとても脅威です。それを分かってなのか、ほとんどのβ種を彼が請け負ってくれたおかげで、私たちは比較的安全に他の怪物を片付けることが出来ました。
途中、エネルギーリロードのため着地した無防備な私を狙い、β種の糸が飛んできて、ヤバイ!と思いました。
しかし、その瞬間、新人くんが素早く割り込んできて、糸をシールドで跳ね返したあとに間髪いれずに槍で倒してくれたおかげで、私は無事でした。
そのあと新人くんはすぐに他の怪物のほうへ去っていってしまったので、お礼を言うことは出来ませんでした。
……ちょっとだけ。ちょっとだけですけど、颯爽と私を助けてくれた新人くんをカッコいいと思ったことは内緒です。
新人とは思えない動きを見せる彼でしたが、最も驚かされたのは、一番最後のときでした。
彼は突然足下から出てきた赤色α種に囲まれるという絶望的な状況下で紙一重で攻撃を回避し敵を倒していくという、到底真似できないような動きをしていたのです。
その光景には私だけではなく先輩たちも唖然としていました。
その後、我に返った私たちで新人くんを救出。無事作戦成功となり私たちは帰投しました。
帰投後、助けてもらったお礼ということで、新人くんとご飯を食べにいきました。
◇
次に新人くんと作戦が同じになったのは、人に似たエイリアンと初めて交戦したときでした。
その時は新人くんとは作戦エリアは違っていましたが、敵の勢力が強すぎたため、一時撤退。体勢を建て直すため、生存者は集合するとのことで私たちは合流地点に向かいました。
合流地点に到達した私たちでしたが、その場所に新人くんはいませんでした。
不安に刈られた私でしたが、少し遅れて新人くんは到着し、安心しました。
しかし合流した新人くんはいつもと様子が違っていました。
フェンサーのパワードスケルトンに包まれているため、表情は見えませんでしたが、どこか辛そうにしているように感じました。
この中で新人くんと最も付き合いが長い軍曹が彼のもとに行き、話を聞いていました。
どうやら、味方のレンジャー隊員の人たちが命を懸けて彼を逃がしてくれたそうです。彼は、仕方ないとはいえ味方を見捨てて逃げてきた、ということになります。
そんな経験は今までなかったのでしょう。新人くんはとても辛そうに見えました。
私は彼に声をかけようとかけようと思いましたが、なんと言って声をかければいいのか分からず、結局声をかけることは出来ませんでした……
※
軍曹の観察眼によって立てられた作戦でエイリアンを撃破していると、突然私の隣を何かが通りすぎていくのを感じました。
敵の攻撃かと思い振り返った私の視線の先にいたのは、フェンサーなのに、何故か宙を舞って移動している新人くんの姿でした。
私が唖然としているなか、彼はエイリアンとレンジャー隊員の間に降り立つと、二連装の槍でエイリアンの腕を吹き飛ばしました。さらに間髪いれずに身体へ散弾らしき攻撃を撃ち込み、攻撃でひるんだエイリアンの頭へと、トドメの槍を撃ち込む姿が、私の目に映りました。
人に酷似したエイリアンを作業のように、淡々と倒してしてしまうその新人くんの姿に、私は恐怖を感じてしまい、少しの間動くことが出来なくなってしまったのでした……
そのあとは、彼が率先して活躍したおかげで、素早くエイリアンを殲滅することが出来、私たちは誰一人欠けることなく帰投することができました。
帰ってきてからメディカルチェックを受けた私は、自室にて今日のことを思い出していました。
エイリアンの頭を容赦なく狙い、何事もなかったかのように倒す新人くん。
その姿に私は恐怖を感じてしまった……
帰投した時の会話で、アレは、あのとき危なかったレンジャー隊員を助けるためにとった行動だったと知りました。
彼がとても優しく、民間人だったときから率先して隊員や民間人を襲っている怪物を倒していたということを私は先輩たちから聞いていた。
なのに、彼に恐怖を抱いてしまった。
そのことがとても恥ずかしい……
彼は多くの人を助けるため、自分が出来ることを最大限にしていたというのに、私は───
私も彼に負けてられない。
彼ばかりがあんなことをしなくてもいいように、少しでも私がそれを負担できるようになるためにも、私ももっと強くなろう!
とりあえずお疲れさまということで新人くんをご飯に誘おう!
そう考え、私は彼の部屋へと足を向ける。
「いつか、正式に新人くんと同じチームになれたらいいな……」
そんなことを一人こぼしながら私は新人くんをご飯に誘いにいくのだった。
つづく
【本文捕捉】
ウイングダイバーちゃん
主人公より半年ほどはやく入隊したが、実戦経験はあまり変わらない割と新人なウイングダイバー。
主人公の戦果がぶっとんでいるだけで、彼女も比較的好戦果を残している。
主人公にとってエイリアンはカエルにしか見えないが他の人にとってはどうやらあれが人間に似ているようで、その認識の齟齬によって主人公が仲間を助けるため、人に近い存在を冷徹に殺すという悲しい宿命を背負った──と勘違いされている。
ちなみに主人公に対して恋愛的な意識はなく、お気に入りの仲良し隊員、といった認識。
それはいつまで続くかは、お楽しみ……
はい、というわけでウイングダイバーちゃん視点をお送りしたわけですが、上手く書けてたでしょうか……?
たまにこうやって別視点からのものも投稿していきたいと思っております。
いまは連続投稿出来ておりますが、いつまで続くかはわかりません……
失踪はしないように努めますので、どうかこれからも本作品をよろしくお願いいたします。
お気に入り登録してくださった400人以上の方々ありがとうございます!
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低評価も一人いましたが、やっていく以上しょうがないこと、と割りきってますので!
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それでは、また次回お会いしましょう!