地球防衛軍5 俺は普通の一般人です!   作:師匠@ゲーム実況者

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間ぁに合ったぁぁぁぁぁ!!!

ということで皆さんおはこんばんちは!
師匠です!!

なんとか火曜日に間に合わせることが出来ました。

今回は二度目のダイバーちゃん、ミソラちゃん視点です。

書きたい視点が多過ぎて話が進まないのがネックです……



Others View 【ウイングダイバー その2】

 エイリアンの襲撃から、すでに多くの日が過ぎました。

 あのエイリアンのせいで、多くの人々が被害に合った。それは私たちEDFの隊員だけではなく、一般の人々たちもです。

 私たちが行った作戦が初の殲滅例だったらしく、その方法を伝えてからは被害が著しく減ったらしい。だが、未だに被害は続いています。

 

 多くの人が喪った悲しみに暮れるなか、新人くんは前しか見ていないかのように戦い、彼の実力の本質を現し始めていました。

 戦場をくぐり抜けるたび、確実に成長を続ける新人くん。この間は、ついにエイリアンをたった二撃の突きで倒してしまったらしい。

 この事に私は驚き、頼りになるな、と思う反面、いつ彼が壊れてしまうか心配になってしまった。未だにエイリアンを攻撃するのに躊躇する隊員がいるなか、新人くんはただ淡々と確実に頭を貫いているらしいです。

 

 彼を支えられるように、私も頑張らなくては!

 

 そう思い、努力を続ける私でした。その間にも、新人くんの話は聞こえてきます。その話を聞くたびに、よりいっそう頑張ろうという気持ちが湧いてきます。

 そんな感じで訓練や任務を繰り返し過ごしていたある日のこと。

 

 私たちイーグル隊が山岳部で怪物の殲滅任務を行う同日、新人くんも街中で怪物の殲滅任務があると、朝食のときに教えてくれました。

 朝食を終えるとお互いに頑張ろうね!と言って彼とは別れた。そして少ししてから、私は任務に出撃したのでした。

 

 

 ※

 

 

 山岳部での殲滅任務が終了し、帰投する途中。話のネタとして新人くんのことを話していると、チームの隊長がふと思い出したように私に声をかけてきました。

 

「街中での任務……?それってさっきの報告のやつか?」

 

「はい?何ですかそれ……?」

 

 私が首をかしげていると、隊長は任務中にあって通信報告の内容について教えてくれました。

 なんでも、新人くんのいる作戦エリアに別区域で戦っていた怪生物エルギヌスが乱入。大暴れし、結構な被害が出たらしいです。

 その話を聞き、新人くんの安否が気になり、不安になってしまった私は、若干のパニックに陥ってしまいました。

 

「そ、そんな……!急いで救援にいかないと!場所は!?場所はどこですか隊長!」

 

「落ち着け。今から行ったところでもう間に合わん。それに、既に作戦は終了。重傷者が出たものの奇跡的に死者は無しだ」

 

 隊長の言葉に慌てていた私の心が落ち着いて行くのを感じました。それと同時に、その重傷者の中に新人くんはいるのかが今度は気になってきました。

 しかし、それがわかっていたのか、隊長は呆れた声で言葉を続けました。

 

「ちなみに新人は軽症。誰もが相手の大きさに物怖じするなか最前線で戦い、そんなことをしたにも関わらず怪我が少ないという馬鹿げた報告もあるぞ」

 

 …………ちょっと、新人くんにお説教しないといけないかもしれないですね。

 未知の生物相手に新人が前線で戦うなんて危なすぎる。……けど、あの新人くんのことだし、もしかしたら理由があるのかもしれない。とりあえず話を聞くだけにしよう。

 

 隊長の続けた言葉に、心のなかでこの後の予定を立てていると、海岸近くで新人くんが参加していた任務の参加隊員たちと合流しました。

 それはつまり新人くんもいるということで────!

 

 私がちょっと辺りを見回すと、見慣れた黒とくすんだ金色のカラーリングをしたフェンサーが、目に映りました。

 私はさっきまで考えていたことなど忘れ、彼の───新人くんのもとへと駆け寄っていきました。

 

「新人くん、作戦お疲れさまっ!そっちは大変だったみたいだね?」

 

「そっちこそ、お疲れさま。……うん、まぁ大変とかいうレベルじゃなかったような気もするけどね……」

 

 そう言って肩を少し落とす新人くんの姿に、苦笑いを浮かべるしかなかありませんでした。

 そんな新人くんを少しでも元気付けようと、私はいろんな話を新人くんにしていきました。

 どれくらい話していたかわかりませんが、話をしていると、ふと新人くんがじっとこちらのことを見てることに気がつきました。

 

「それでね───ん?どうしたの新人くん?私の方をじっと見て?なにか気になることでもあった?」

 

「えっ?ああ、いや………その…………」

 

 気になった私が声をかけると、彼は慌てた様子を少し見せます。しかしすぐにこちらを向くと、

 

 

「いやぁ、やっぱりダイバーちゃんって可愛いな、って思ってね!」

 

 

 ふぇっ……!?

 予想外の言葉に戸惑ってしまい言葉がでない私。

 と、とりあえずなにか言わないと……!

 

「えっ!?ええっと……その……あ、ありがとう……///」

 

 とりあえずお礼を言って新人くんから顔を背ける。

 なんだろう、ありきたりな言葉なのにすごく嬉しく感じる。

 

「可愛い……可愛い……ふふっ♪」

 

 無意識のうちに笑みがこぼれてしまい、ニヤニヤが止まらない私。たぶん端からみたら気持ち悪い光景だったでしょう。

 

 しかしそんな何とも言えない雰囲気もすぐに吹き飛んでしまいました。

 突如として姿を表した赤色α種の大群。その対処に追われてしまったからです。

 

 ただそんな事態よりももっと驚くべきことが起こりました。

 なんと、さっきまで会話してた新人くんが突然、一人で赤色α種の群れに突っ込んでいってしまったのです!!

 さすがの私もビックリして追いかけようとしましたが、先輩から援護するよう頼まれ、仕方なく新人くんの方へ行くのは諦めました。

 

 ───私は、このとき後で絶対に説教してやる!と強く心に誓ったのでした。

 

 その後、倒しては湧き倒しては湧きを数回繰り返し、上空からの空爆による支援もあり、無事に殲滅が完了しました。

 私は、案の定というか相変わらずほとんどダメージを受けた様子の見られない新人くんのもとに駆け寄り、お説教をしました。

 流石に自分が悪いとわかっているのか、新人くんは素直に私に怒られていました。

 

 そんな私たち二人の様子が面白かったのか、多くの人が私たち(どちらかというと新人くんがメインかな?)をからかってきました。

 なかでも先輩の一人が言った『夫婦みたいだ』という言葉を聞き、一瞬新人くんとの新婚生活を頭に浮かべてしまった私は、とても恥ずかしくなり新人くんから逃げるように先輩を追いかけるのでした。

 

 帰投してから、新人くんが心配かけたお詫びということでご飯に誘ってくれました。

 初めて向こうから誘ってくれたことがとても嬉しくて、私は終始笑顔だったと思います。

 

 …………なんか、恥ずかしいです……

 

 

 ◇

 

 

 新人くんの単独特攻があった日から幾日か経ちました。

 どうやらあの件について新人くんはお咎めはなかったようです。彼が特攻したことで偶然にも彼が囮となり、結果として他の隊員たちの負担が減ったため、今回は処罰無しということらしいです。

 

 そんな新人くんは昨日、初の夜間任務に出ていたらしいです。

 しかもなんと、あのウイングダイバー部隊屈指のエリートチーム、スプリガン隊との作戦だったとお昼に会ったときに教えてくれました。

 感想を聞いてみたら、

 

「うーん、作戦自体は楽だったんだけどねぇ……。ちょっと性格というか人当たりがあれだったからなぁ……」

 

 そう言って新人くんは苦笑いを浮かべていました。

 そのあとに彼は自然な表情で付け足して言いました。

 

「任務自体は楽だったけど、俺は君たちと一緒に行動する方が気が楽だから好きだな」

 

 新人くんはそれだけいうとそれじゃ、と言って自室に戻っていきました。

 彼が最後に言ったその言葉が嬉しくて、私は少しその場でニヤニヤしてしまい、通りすがった先輩たちに不思議そうな顔で見られました……

 

 そんなことがあった日から少し経ったある日。

 私たちイーグル隊は全員休暇をもらっており、皆で集まって他愛ない話をしてました。

 そんなときでした。話の話題が、新人くんのことになりました。

 

「そういえばミソラ、お前あの新人と仲がいいんだっけ?」

 

「まぁ、仲はいいですけど……なんですか、またからかうんですか?」

 

 前に夫婦とか言ってからかってきた先輩にジト目を向ける。

 しかし、先輩は首を振ってそれを否定する。

 

「違う違う。今日、大型の偵察任務があるだろう?確かあの新人、任務のメンバーに選ばれていたが、なにか聞いているのかと思ってな」

 

 ───────え?

 

 先輩のその言葉に、私は頭のなかが真っ白になりました。

 その任務については聞いていました。

 一夜にして現れた超巨大基地。それの偵察任務が本日あると。前情報がまったくない上、敵の基地への接近であるため、死亡の危険性がもっとも高いということも。

 そんな任務に新人くんが参加していると聞いて、私は気が気でありませんでした。

 

「そ、そんな!新人くんはまだ経験浅いのにどうして……!」

 

「それはヤツがそれだけの戦果をあげているからだろうな。なんせあのスプリガン隊のメンバーですらヤツの実力を認めたほどだしな」

 

「私の見立てでは、あいつは既に小隊長レベルの洞察力と実力を持ってるんじゃないかと推測しているよ」

 

「というかミソラはあの新人のことになると反応が過剰だねぇ。やっぱり"そういうこと"なのかい?」

 

 私の反応と異なり、なぜか焦りを全く見せずいつも通りに過ごす先輩たち。

 その姿に私は少し怒りを覚えました。

 

「なんで、先輩たちはそんなに呑気にできるんですか?」

 

「いや、だってあの新人だぞ?フェンサーのくせに空を飛び」

 

「エイリアンを瞬殺し、怪物の大群や空爆のなか生き残るようなやつだぞ?」

 

「むしろどうやったらアイツが死ぬのか教えてほしいぐらいだよ、私たちは」

 

 そう言って笑う先輩たち。その言葉に、どこか納得してしまう自分がいました。しかしやはり安心しきれない自分もいます。

 そんな私の心情を悟ったのか、隊長が連絡用端末を操作しながら言いました。

 

「……ふむ。そんなに心配なら自分の目で確認してこい。ちょうど部隊が基地に帰ってきたそうだぞ」

 

「─────いってきます!!」

 

 その言葉に私はその場から去り、全力でゲートの方へと向かっていった。

 その時の頭のなかには新人くんの安否しかなかった。

 

「……いやぁ、青春してますなぁミソラのやつ」

「これは応援とからかい甲斐がありますねぇ」

「ほどほどにしてやれよ。……まぁ、ミソラが本気なら協力してやろう。あの新人ならミソラの相手として悪くないからな」

 

 だから、後ろでそんな会話が交わされていたことを知るよしもなかったのです。

 

 ちなみに新人くんは、ボロボロにはなっていましたが、元気な姿で帰ってきてました。

 

 

 ◇

 

 

 ふふふ……!

 今日はとてもいいことがありました!

 

 なんと!新人くんとお互いに名前で呼び合うようになったのです!

 

 きっかけは今日の任務でした。

 今回の内容は山岳部での怪物の排除、及び怪物を転送してくる塔の破壊でした。

 参加は軍曹たちレンジャーチーム、私たちウイングダイバーチーム、中堅レベルの実力を有するフェンサーチームに新人くんという大型編隊となりました。

 作戦指揮は軍曹だったのですが、現場にてなんと軍曹が今までの実績から新人くんの考えを発表するように頼んだところ、

 

「……作戦自体はすごくシンプルです。敵が増える前に塔を集中狙いで破壊。それと並行するかたちで敵を殲滅するという作戦です。一応、遠距離狙撃用にキャノン砲は持ってきましたが……、俺が狙撃役になるとすると、皆さんに迎撃役を頼まなくてはいけません。なので、この作戦はあまりオススメできないというか……」

 

 作戦の説明と共に欠点を述べた新人くん。

 彼はきっと、この作戦が否定されると思っていたのでしょう。

 しかし─────

 

「なるほど、いい作戦だ。流石と言わざるを得ない」

「いわゆる固定砲台ってやつか?」

「悪くない作戦だ。つまりはお前を護衛すればいい、ということだろう?」

 

 各チームリーダー、いや、私含めて全員がその作戦に乗りました。

 新人くんは信じられないと言った表情をしていました。

 そんな彼に軍曹は諭すように言いました。

 

「お前の作戦は確かに危険だ。だが、危険のない任務など存在しない。それなら、確実性の高い方法を選ぶのが、EDFの戦士として正しい選択だ。俺たちは必ずお前を守ってみせる。だからお前は塔の破壊に専念してくれ」

 

「…………わかりました。ただ、俺も援護はします。そのために高高度から攻撃するタイプのミサイルを持ってきたんです」

 

「……そうか。なら、任せたぞ」

 

 軍曹の言葉に覚悟を決めた新人くん。

 それだけで雰囲気が変わり、なんか頼もしく見えました。

 結果として作戦は大成功。

 予定されていた作戦時間を大幅に短縮する形となりました。

 皆に囲まれ、称賛の言葉を浴びせられている新人くんの姿を見て、私はこう思いました。

 

 ─────もう、新人くんなんて言えないな。

 

 多くの隊員に頼りにされ、皆の期待となっている新人くん。

 もう『新人くん』は似合わない。

 今まで新人くんとずっと呼んできたため他の呼び方なんて考えたことなかった。

 

 ─────せっかくだし、この際だから名前で呼んでもいいかな……?

 

 そんな考えが私の頭に浮かぶ。すると何故か少し緊張してくるのを感じた。

 緊張をなんとか押し殺して、私は彼に近づく。

 

「お疲れさま。今日は大活躍だったね」

 

「そっちこそ、お疲れさま。俺はただ撃ってただけだからね。作戦が成功したのは迎撃してくれた他の皆のおかげだよ」

 

 私が声をかけると、いつもの優しい雰囲気で彼が答えてくれる。

 

「ふふっ、いつの間にか新人くんも立派になっちゃったなぁ……。もう新人くんってのは合わないね」

 

 緊張が先程より強くなっていく。

 ただ彼と話しているだけなのにドキドキしてくる。

 それでも、なんとか言葉を紡いでいく。

 

「……その、だから、これからはキミのこと名前で呼んでもいいかな……?キミも私のこと名前で呼んでいいからさ」

 

「……え、名前で?」

 

 私の提案に不思議そうな声を出す彼。

 それだけでさらに緊張が高まる。

 

「うん。もうキミも新人なんて呼ぶような存在じゃなくなってきたし、ね?……ダメかな?」

 

 これで断られたらイヤだなぁ……。

 なんて、不安になっていたけど、

 

「ううん。別に構わないよ」

 

 彼はそう言って私の提案を快諾してくれた。

 それだけで、さっきまでの不安は吹き飛んで、私の心はただただ嬉しさに満たされた。

 

「えへへ、よかった。それじゃあ改めて。……これからもよろしくね、"ソウゴ"くん!私のこともこれからは名前で呼んでね!」

 

 私は笑顔で彼の名前を口にする。

 すると彼───ソウゴくんも私の名前を呼んでくれる。

 

「えっと……うん。こちらこそよろしく、"ミソラ"ちゃん」

 

 名前を呼ばれただけでまた私の心が嬉しさに包まれる。

 私は、ソウゴくんの言葉に、とびっきりの笑顔で答える。

 

「うん!よろしくね!!」

 

 私がなぜこんなにも彼に反応してしまうのか。

 それに気が付くのはまだもう少し先のことです。

 

 

 つづく




はい、というわけで今回はミソラちゃんの視点でお送りしました。

今回の話は主人公の視点では語られなかったことが多くあったかと思います。
こういう感じでこれからも何回か主人公視点では語られないシーンを書いていきたいと思います。

ちなみに次回はお待ちかね軍曹視点をお送りしたいと思ってます。
長くなりすぎないよう頑張ります!

早くもう一人のヒロイン出して修羅場りたい……!

とりあえず次の更新は週末を予定してます。
頑張りますので、応援よろしくお願いいたします!

それでは、またな!!

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