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サイside
あのバトルから数日後、アポロはオレの手下になった。
といってもオレの活動班の中では一番下で元幹部の威厳も無くし、オレの部下最年少部下のユカに負けている程、バトルの腕も低い。
それとコイツはヘルガーをダークポケモン化させていない。
下手なプライドがそれを許さないのかもしれないが分類上、デルビルとヘルガーは元祖ダークポケモンだぞ。
今、オレはサカキ様より新たな研究テーマを与えられた。
それは進化を超える進化、メガ進化だ。
メガ進化、カロスやアローラ、最近ではホウエンでも時折見かけるバトル時のみ進化する特別な進化だ。
これをダークポケモンに取り込めないかと相談を受けた。
理論上では不可能に近い。
メガ進化できるポケモンは数が限られているし文字通り鍵となるキーストーンや対となるメガストーンは大変珍しい物なのだ。
そもそもダークポケモンとメガ進化は対極の位置に存している。
ダークポケモンはトレーナーとの絆を絶ちきる事で冷酷な戦闘力を与える。
それに対してメガ進化はトレーナーとポケモンの絆が最大限に高まった状態でなければ発動しないのだ。
もし相反する2つの力を同時に扱えればそれこそ強靭にして無敵の最強ポケモンが誕生する訳だが。
「悩んでいるようだな、サイ」
オレに話しかけてきたこの人はビルリッチ様。
ロケット団に入った頃親元の無いオレの親代わりなってくれた人でこの班の実質リーダーの人だ。
といってもこの班のアポロを除くメンバーは皆、ビルリッチ様の友人やオレのような孤児だったりする。
現にビルリッチ様夫婦には子供がいないためオレにとっては兄弟が一度に沢山できた気分だ。
「ええ、面白いテーマですけど壁にぶつかって」
「なら、目一杯悩むと良い。若い頃に沢山悩んだ方が大人になって得することもあるからな」
まったく、この人にはポケモンバトルで勝てても、人間的な器には勝てないな。
ときどき、鋭い事を言っているからこの部署のメンバーはビルリッチ様を尊敬し父親の様に慕う者も多い。
「どうしても上手くいかない時は発想を変えてみるといい。正解は1つかも知れんがそこに辿り着く答えは1つでは無いはずだ」
発想を変えるか、それもそうだな。
「ありがとうございます、ビルリッチ様」
「頑張るんだぞ、サイ」
そう言われるとビルリッチ様は自室に戻られた。
しかしながらどうしたものか?
オレはそう思いロケット団基地のある場所を訪れる事にした。
数々の資料が眠る、ロケット団の地下書庫に。
今回出てきたビルリッチは前話に出てきたカンザキやルイと同じゲームに登場するキャラクターです。
また、今回出てきたダークポケモンやメガ進化は作者個人の意見が含まれている部分があり公式ではないところもあります。
ご了承ください。