「………………………セイバーです」
長い沈黙の後に、セイバーは観念したかのように自らの名を名乗った。だが、はたしてそれは彼女の本名なのだろうか。どちらかというと、職業に近いのではないか。
「ど、どうも、俺は間桐慎二。一応、士郎の同級生なんだけど…」
そんな疑問はさて置き、真司は士郎の方を向く。士郎は隠すことを諦めたかのように、顔を手で覆っていた。
今、士郎は脳内で必死に考えているのだろう。彼女の偽りの身分を。彼らの事情はある程度知っているので、深く追求はしない。
「取り敢えず、正座なんかしてないで…えっと、セイバーちゃんも居間に来なよ」
「は、はあ…」
このまま、こうしていてもラチがあかないので、真司はセイバーを居間へ手招きする。
セイバーが正座を解いてこちらへ来た事を確認した真司は、二人を取り残したまま、廊下へ出ていった。
ちょっと取ってくる物がある。と言って。
「………シロウ。彼は…シンジは、貴方のご友人ですか?」
「あ、ああ。………でも、ちょっと不思議だな。慎二の奴、セイバーを見たらもっと驚くと思ってたんだけど…」
士郎は、もっと天地がひっくり返るようなリアクションを予想していたが、それとは裏腹に、真司の反応は落ち着いたものだった。
「驚く………。しかし、彼は………」
セイバーは何故か考え込むように顎に手を当てている。真司の様子が気にかかっているのだろうか。
「どうかしたのか? 別に俺が知る限り、慎二は魔術師とは関係ない普通の奴だぞ」
「ええ。シロウの言う通り、彼には魔力は感じませんでした。…ですが、彼は私を、僅かに警戒していた」
「知らない奴が家に居たって気づいたなら当然じゃないか?」
「…………」
士郎の指摘にも納得がいかない面持ちで、セイバーは黙り込む。特に会話を交わすこともなく待っていると、件の少年が戻ってきた。
「まっさか、これが役に立つ日が来るとはなぁ…」
そんな言葉を呟き、真司は両手に抱えていた大きな収納ボックスをテーブルの上に置く。
家に有るものは大抵把握していると自負していた士郎だったが、その黒い箱は自分の知らない物だった。
「…どこからこんなもの持ってきたんだ?」
「そ、そんなことは気にしなくていいから、開けてみなよ」
士郎とセイバーは、不思議そうに顔を見合わせて、箱の蓋を外す。
その中には、やけに仕立てのいい女性物の洋服が綺麗に折り畳まれて入っていた。ご丁寧に防虫剤も添えてある。
これは少し前、決別の儀式だと宣う凛に押し付けられて、真司が扱いに困っていた洋服たちである。当然、桜にあてがってみたのだが、どうやらサイズが合わなかったらしい。
この洋服たちを目にする度に、憂鬱の影を落とす桜を見ていられず、捨てるのも勿体ないので、衛宮邸の客間にこっそり封印しておいたのだ。
「取り敢えず、それに着替えて来なよ。そしたらさ、このゲーム一緒に遊ぼうぜ」
「あ、ありがとうございます。シンジ」
セイバーは礼を言いながら、元居た部屋へ急ぎ足で着替えに行く。そんなセイバーを尻目に、真司は放置していたゲームを起動させた。
「俺はあんまりとやかく言わないけど、藤ねえへの言い訳はちゃんと考えておけよな? ……巻き込まれたくないし」
「……悪い」
その後、いつものように夕食をたかりに来た大河は、当然困惑し、士郎に説明を求める。
ちなみに、一緒に来ると思っていた桜は、用事があるのだと言って途中で別れたらしい。
セイバーの身分に関して、士郎は以下のように詐称した。
セイバーは留学の下見のために遠い親戚の切嗣を頼って来日したが、既に切嗣が亡くなっており、困り果てていた。
そんな彼女に士郎は助け舟を出したのだと。そうして、どうにか大河を納得させた。
「………で、どうしてこうなったんだ?」
「お、俺に聞くなよ…」
困惑のままに、真司は士郎に耳打ちして質問するが、士郎にもこの状況が理解できていないらしい。
大河が竹刀を強く握りしめて、セイバーに少しずつ距離を詰めていく。対するセイバーは竹刀を正眼に構えたまま、微動だにしない。
真司と士郎は道場の端にて正座をして、二人の手合わせを眺めていた。
事の発端は、セイバーだったか大河だったか。渋々、セイバーの滞在を了承した大河だったが、尋問めいた面談で、セイバーの人柄を徹底的に探ろうとしたのだ。
その際、セイバーのとある一言が、大河の心の琴線に触れた。
———私に出来ることは多くはありません。ですが、最近、この辺りは物騒だと聞きます。私がここに居る間だけは、シロウをありとあらゆる危険から、力の限りを尽くして守ってみせましょう。
———へえ、言ったわね。だったら腕前を見せてもらうんだから。………セイバーちゃんって名前なんだし竹刀一本勝負ってのはどう?
その発言を自分への挑戦と捉えた大河が、全員を道場に連れ込んで、今に至る。
おそらく、士郎にいいところを見せて自分が頼れる姉貴分であることを再認識させたいのだろう。
「どりゃあぁぁー!」
「———ほう」
間合いに入った大河が、踏み込みと共に上段に構えた竹刀を振り下ろす。そこに一切の手加減はなかった。竹刀がぶつかり合い、室内に乾いた音を響かせる。
「ふん、ふんんっ、ふんんんっー!」
面、面、胴。苛烈な打突で大河は仕掛け続ける。対するセイバーは反撃せずに、次々と大河の竹刀を受け流していく。
その反応を見た大河は、相手の竹刀を払うような動作を打突に織り交ぜて、セイバーを攻め立てる。
「———獲ったぁ!」
そして、下から上へ、セイバーの竹刀による防御を崩し、そのまま、鋭い動きで渾身の面を叩き込む。
一層大きな風切り音、そして、竹刀の音が勝負の終わりを告げた。
「な、なぜ…………?」
そう言って、大河は床に仰向けになって倒れた。しかし、最後の矜持だろうか。決して竹刀は手放さなかった。
大河も卓越した剣道家なのだが、今回ばかりは相手が悪かったらしい。
勝利の確信を得て、慢心した大河は竹刀を上段に振り上げた。その大河のがら空きの胴を、即座に竹刀を構え直したセイバーが薙ぎ払ったのだ。
「………藤ねえ、立てるか?」
「…………………」
少し本気を出してしまった。と口に手を当てて呟くセイバーに、士郎は説教をしている。
そんな士郎を見て見ぬ振りして、真司は倒れたままの大河を抱え起こした。大河は手に持ったままの竹刀を強く握りしめている。
きっと悔しいのだろう。慰めの言葉をかけるべきなのか、何も言わないべきなのか、真司が少し迷っていると、大河が唐突に竹刀を手渡してきた。
「ん? なにさ、この竹刀」
「…………慎ちゃん。…………とって」
なにをだ。震え声で訳の分からない事を言う大河に困惑し、なるべく刺激しないようにその真意を問おうとした瞬間。
「私の仇を、この竹刀で取ってえぇぇぇ!!!!」
今年で二十五歳にもなる立派な女性が、見苦しい癇癪を起こした。
「はあ…………」
溜息を零しながらも、正眼に構えた竹刀の切っ先は決して動かさない。その切っ先の向こうにはセイバーが居た。やけに乗り気な様子だが、それは大河のせいだった。そこに士郎も加わるのだから、尚更たちが悪い。
いつまで経っても泣き止まない大河に折れた真司は、嫌々ながらも竹刀を受け取った。その直後、泣き腫らした目を喜悦に歪ませて、大河はセイバーにこう宣言したのだ。
———私に勝ったからって調子に乗らないでよね。私なんか、あくまで慎ちゃんの前座なんだから! 慎ちゃんは超天才剣道少年なのよ! 冬木の龍なのよ! ドラゴンなのよ!
いくら悔しいからといって、虎の威を借る狐、もとい狐の威を借る虎のような真似は如何なものか。
大河の言葉を受けて、翡翠の瞳に興味を浮かばせて真司を見やるセイバーだったが、そこに士郎の何気ない一言が決定打を与える。
———たしかに、慎二の方が藤ねえよりいい勝負するかもな。剣道でも喧嘩でも、慎二が負けてるところなんて殆ど見た事ないし。
それは二人の度を過ぎた誇張だと真司は必死に否定したが、結局その場の空気に流されてしまった。
「……………」
剣での勝負に於いて、彼女に勝てる気は全くしない。だが、あっさりと負けてしまうと手を抜いたのだと責められるかもしれない。
「シンジ。来ないのですか?」
どうすれば僅差での敗北を演出できるか。足りない頭で考えていたところ、セイバーが一歩も動かない真司を怪訝に思い、声をかけてきた。
大河を相手にした時と同様に、セイバーは先手を譲るつもりらしい。しかし、下手に攻め立てて大河の二の舞を踏むのは嫌だった。
「………来ないのであれば、こちらから行きましょう」
真司の思考を汲んだのか、セイバーが床を踏み込んで一気に迫る。そして、真司の小手を狙って竹刀を振るった。
真司はその一刀を難なく防ぎながら床を擦るように後退し、縦横に半円を描く追撃の竹刀を弾き返していく。
「慎ちゃん! 師匠の仇なんだから手加減なんか要らないわ! もっとガーッと攻めなさいガーッと!」
「うるさいな………っと!」
幾度となく打ち合う竹刀の乾いた音が、板張りの床を踏み鳴らす足音が、道場に響く。
膠着した状況に焦れた大河が野次を真司に飛ばしてくるが、それどころではない。
こちらの腕前を試すような太刀筋は、こちらを仕留めるような太刀筋へと、徐々に気勢を上げているのだ。
「はっ!」
気合一閃。横薙ぎに振るわれた剣閃を、真司は身を沈めて躱す。頭上を流れる鋭い風が、真司の髪を揺らした。
直後、二の太刀の気配を察知した真司は、逆袈裟に振り上げた竹刀で迎え撃ち、大きく後ずさる。
「ここまで私の剣を防ぐとは…。ですが、慎重も度を超えると臆病になりますよ、シンジ」
「…全然隙なんか無いくせに」
ゆっくりと、セイバーは真司へ、賞賛を織り交ぜた挑発をしながら間合いを詰めていく。
対する真司は呼吸を整えることによって心を落ち着かせて、次に繰り出される攻撃に備える。
「…………士郎。もしかして、セイバーちゃんって物凄く強いの?」
「まあ……そう、だな」
今更気がついたのか、大河は再開された打ち合いを呆然と眺め、セイバーの実力を問う。
士郎は空返事をしながら、尚もセイバーに食い下がっている真司に驚愕する。
当然、セイバーはサーヴァントとしての力を使ってはいない。仮に使っていたのならば、決着など一秒の間に着いているだろう。
セイバーは純粋に己の剣技のみを用いて、この勝負に臨んでいるのだ。
「はああぁっ!」
一気呵成にセイバーは竹刀を叩き込む。時に弾き、時に躱し、時に受け流して、真司はその剣戟をやり過ごしていく。
一層大きな音と共に、竹刀と竹刀が鍔迫り合いをする。小刻みに震える竹刀と竹刀。その向こう側に見えるセイバーのつり上がった眼は、もはや真剣そのものになっていた。
結局、決着が着いたのは、打ち付け合う竹刀の音が三桁に届くか届かないかといった頃合いだった。
尻餅をついて、許しを乞うように降参宣言をする真司の肩を、すかさずセイバーが叩いたのだ。彼女のこめかみからは、一筋の汗が伝っていた。
無駄な体力を消費してしまった。真司は気怠げな動作でジャンパーに袖を通す。
先刻の諍いなど、どこ吹く風と言わんばかりにセイバーと談笑を交わしている大河の後ろを通り過ぎて、居間を出ようとする。
「あれ? 慎ちゃん、 晩御飯まだなのにもう帰っちゃうの? もうちょっとあの接戦の余韻に浸りましょうよー」
しかし、襖に手をかけた瞬間、大河に呼び止められてしまった。
「ええ。シンジ、貴方がどこであのような体捌きを会得したのか、私も気になります。荒削りではあるが、あれは実戦での経験に裏打ちされたものでしょう」
呼び止める大河に便乗し、セイバーはさりげなく真司へ詮索をしてくる。剣の英霊の名は伊達ではないという事らしい。実は、これが嫌だったのだ。
「………今日は疲れたから早く帰って寝たいんだよ。ほんっと、最後の方はずっと降参するって言ったのにセイバーちゃんは無視してさ」
真司はそう言いながら、詮索を躱すように目を細めてセイバーを見やる。
自分が塩梅を間違えて変に粘ったせいでもあるが、もう少し手心が欲しいものだった。サーヴァントとしての矜持がそれを許さなかったのだろうか。
「うっ…」
セイバーの目は、真司の視線から逃げるように居間を泳いだ。熱くなってしまったという自覚はあったらしい。
暫しの回遊の後に、セイバーは誤魔化すように咳払いをして黙り込んだ。
「あ〜…」
大河も、真司を個人的な諍いに巻き込んだことに思うところがあったのか、これ以上引き止めるような真似はしなかった。
「じゃ、俺もう帰るよ。また明日」
「は、はーい。………士郎ーっ。慎ちゃんもう帰るってさー!」
わかった。と台所から士郎の空返事が返ってきた。料理にかかりきりで手が離せないようだ。
真司は今度こそ襖に手をかけて開き、居間を出て玄関に向かう。そして、外に停めてあった原付に跨り、衛宮邸を後にした。
「………うーん。セイバーちゃんも相当凄いけど、慎ちゃんの方はだいぶブランクあるはずなのに、あの竹刀捌き。………ほんっと、改めて見ても勿体ないわ〜」
「勿体ない? どういう意味ですか?」
居間からも聞こえて来たエンジン音。それと共に大河はテーブルに突っ伏して言葉を零す。
勿体ない。その単語に反応したセイバーは首を傾げて反芻した。
「慎ちゃんねー、大体二年ぶりぐらいになるのかな。まともに竹刀握るの」
「……なんと。ですが、彼には大きな怪我を抱えている様子もありませんでした。なにか有ったのですか?」
「…それがね〜、慎ちゃんは全然悪くないのに———」
「———ほら、藤ねえ。皿並べるから、さっさと起き上がってくれ」
大河の言葉を遮るように、テーブルに夕食が素早い手際で配膳されていく。
まったく間が悪いものだ。そう思いながら、大河は起き上がり、不服気に士郎を見上げる。
その視線を受けた士郎は、口の端を下げて、逆に大河を見下ろした。
「…本人の居ないところであの事をベラベラ喋るのはどうかと思うぞ。どんなに言ったって、剣道を辞めたのは慎二自身が決めた事なんだから、いい加減あきらめろっての」
「…ふーんだ、まだ最後の夏があるもんねー。絶対諦めないもんねー。………あっ、今日は餃子にしたのね! 慎ちゃんの作る餃子にどこまで追いつけたか、採点してあげるわ!」
目尻を吊り上げて鼻を鳴らす大河だったが、最後に並べられた餃子の皿を見て、即座に手のひらを返した。
程なくして、衛宮邸の居間にてセイバーを混じえての普段とは違う夕餉が始まる。
…ちなみに、大河の採点は十点満点中、七点であった。桜が現在位置している八点の壁は未だ果てしない。
「ぶぇーっくしょい! うー…。寒い寒い…」
真司は原付を走らせて帰路につく。冷たい風がジャンパー越しに体の節々を冷やしていくのがやや辛い。
空を照らす太陽は、地平線からその姿を消そうとしていた。もうすぐ夜が来る。それが意味することは、昨夜に散々思い知らされた。
無意識の内にハンドルを捻って、速度を上げていく。少しでも長く、夜に備えて体を休めたかった。
「…ただいま〜」
特に寄り道もせず、家に到着した真司は声をかけながら玄関を開ける。
しかし、出迎える声は聞こえない。どの部屋にも電気が点いていない様子から分かっていたが、誰も居ないらしい。
緩慢な歩みでリビングに辿り着き、電気を点ける。そして、真司はソファにだらしなく寝っ転がり、仮眠の体勢に入った。
部屋のベッドで横になることも考えたが、寝心地が良過ぎて、起きるのが辛くなってしまうような気がしたのだ。
万が一何かが起こった場合には、自分を叩き起こすようにドラグレッダーに言ってある。………通じているのかはわからないが。
目を閉じて、視覚の情報を遮断する。リビングに真司のいびきが響き渡るまでの時間は、カップラーメンの完成よりも早かった。
「うー………う、うん?」
背中から伝わる硬い地面の感触に不快感を覚えて、真司は瞼を開ける。
赤、という名の暴力的な色彩が、目覚めたばかりの網膜を悪辣に刺激した。咄嗟に手で顔を覆い、目を保護する。
「すっげえ真っ赤だ」
今度はゆっくりと瞼を開けて、その視界に目を慣らしていく。凝り固まった体をほぐしながら起き上がって周囲を見回すと、そこは新都の大通りの丁度真ん中だった。
多くの人が行き交う道だというのに、真司以外の人の姿は無い。町中に避難警報が鳴ったというのに、自分だけ気づかずに逃げ遅れたのか。
手持ち無沙汰に上を見上げる。赤い空から読み取れる情報は、辛うじて夜ではないということだけだった
「空襲とか…………じゃなくって、夢か。最近よく見るような気がするなあ」
それも、明晰夢というやつだろう。真司はそんな結論を下す。そもそも、自分は家のソファで寝ていたのだ。
この赤い世界といい、いつのまにか新都に居ることといい、現実であることは絶対にあり得ない。
とりあえず、真司は家に帰って二度寝を決め込むことにした。目を開けているだけでも疲れるのだ。夢の中だというのに。案外、もう一回寝てみれば、夢から覚めることが出来るかもしれない。
なるべくまばたきの回数を増やして、目に負担をかけないようにしながら、夢の世界を歩き始める。
雲一つない空に浮かぶ真っ赤な太陽は、眼球のように真司を逃がすまいと見下ろしていた。
「ふう、妙に時間かかった」
ようやく家へと辿り着いた真司は、土間と廊下を隔てる段差に座って靴を脱ぐ。
あの場所から家に着くまでの時間は、およそ一時間程度の筈だったが、体感で倍以上の時間がかかった。
だが、所詮夢などそんなものだろう。特に疑問に思わずにリビングへと向かい、扉を開き———。
———即座に閉じた。
なぜか、リビングが桜の部屋になっていたのだ。見間違いかもしれないので、もう一度扉を開いてみるが、室内の景色は変わらない。
「……………んん!?」
その後、真司は片っ端から家の扉を開けて回った。しかし、全て同じ部屋だった。間桐邸の間取りがおかしな事になっている。
嫌な予感を感じて家を出ることも試みたが、玄関の扉でさえも桜の部屋に繋がっている。それを見た時は流石に怖気が走った。
「ま、まあ夢だし………」
若干動揺したが、これは夢なのだ。何が起こっても不思議ではないし別にリビングに拘る必要もない。桜の部屋のソファで寝ればいい。
そうやって自分に無理矢理言い聞かせ、部屋の中へ入り、ソファへと歩みを進める。
だが、真司の歩みは、背後からの施錠音によって止まった。
次回、このままでは、真司が夢の中でなんかを誰かに搾り取られてしまいます。果たして無事に目を覚ますことができるのか。
前々回の描写はいつにするかは決めてませんが、ほんのり書き直そうかと思っております。まあ、些細な変化でしょう。今後も無言で添削は何度でも繰り返すでしょうしね。
感想、アドバイス、お待ちしております。