……………殺さなければならぬ。
…………殺さなきゃ。
………殺したい。
……殺そう。
…殺す。
私にこんなことを味あわせた世界に
私をいなかったことにした人に
私へ牙を向けた社会に
殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ
……そうして
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…寝てた。
変な夢を見ていた気もするが、まあ
中間考査が終わってひと段落ついた私は、特に何をすることでもなく自室で惰眠を貪っていた。まるで燃え尽き症候群にでもなったかのように、授業が終わってから寮の自室に直行してなにもやる気が起きずに眠ってしまった。
原因は中間考査だ。中間考査の問題が去年と同じ問題が出るという情報が出回ったが、Aクラスとしては最初の中間考査で躓く様なことはしたくない。しかし、最初から過去問に頼って勉強を疎かにするのも身にならないということになり、個人的に点数が怖い人が上級生から買うのは止めないが、クラス全体で回すような真似はしなかった。
私も過去問を見たことは一度もなかった。そしてそのままテストを受けた。
……結果は、国語62点、数学69点、英語51点、理科53点、社会52点だ。
手を抜いたわけではない。むしろクラスで勉強を教えていた立場の人間だったから真剣に取り組んだ。
それなのに…
国語では漢字を間違えて文章題の問題を全て落とし、数学では単位を書き間違えて減点され、理科では回答欄がずれていて点数を大幅に落とし、社会ではテスト時間中に手が滑ってシャーペンが手のひらにささり、そのタイミングで椅子が壊れて、机に向かって体が倒れ込むような形になった。そのせいでシャーペンが手のひらを突き破って、回答どころじゃなくなる珍事が生まれた。
監督の先生が他の教室から急いで椅子を持ってきてくれたのでテストを受けることができたが、右手の手のひらから出血したままでテストを受けるのは正直きつかった。そのせいで時間内に必死になってやったものの、正直それどころじゃなかった。
そして、その後の英語のテストでは痛む手を我慢しながらテストを受けた。その結果、英語もボロボロだった。
テストの結果を見て、坂柳さんは引き攣った笑みを浮かべ、康平はそんなこともあるのかとなんか感心した様に頷き、橋本君は見たこともないような笑顔で私を見て、神室さんは社会のテストの時を思い出したのか思いっきり吹き出し、戸塚君は何とも言えない顔をし、茂はこっちを見て大爆笑し、沢田さんにはなぜかドン引きされた。
他のクラスメイトも、私がこんなに点数を落とすと思っていなかったようだが、社会の時間の事故を思い出して納得したような顔をした。だが、私の回答用紙をクラスで回し読みされるとかいったいどうなっているのかと問い詰めたい。
何処で間違ったのか見たかったと言われたが、回答欄がずれていたり、単位を間違っていたり、漢字の一部を間違えていたのにもかかわらず、それを直せば社会と英語以外満点になるような回答用紙を見てクラスメイト達は何とも言えない表情になった。
とりあえず茂は一発殴ったが、そのせいで治療した手を痛めて笑われた。勢いに任せて下手なことをした罰なのかもしれない。
テスト後に保健室に行ったら星之宮先生に会ったので、原因を言ったら大笑いされた。
彼女からはもっと早く来なさいと怒られた。だが、赤点取ったらすぐ退学になる以上、途中退席したらどうなるかわかったもんじゃない。途中退席で赤点を取った場合、そのまま退学になってしまうことも考えられた。
最近マイナスが馴染んできたからなのか、高校に入ってからはこういう事故が少なくて平和だと思って油断したからかもしれない。
いや、言い訳なのはわかってる。本当にマイナスのせいだと思いたいが、自業自得の面が圧倒的に大きいのはわかっている。前日にオールで大学受験の勉強をするとかいう間抜けなことをやらかしたし、前回のテストで満点だったから、今回のテストは見直しなんかしなくてもいいと思ってた。
そもそも、中学校の時もテストの時にはこんなことになったことがなかったから完全に油断していたのもある。椅子が壊れてシャーペンが手のひらを突き破るってなんだよ。運が悪いにしてもあり得ないだろ。だが実際にいまだに私の右手には包帯がまかれているし、テストの点数が現実であることを物語っている。
そして、その結果がこの有様である。
クラスの平均点を上げるどころか、大幅に下げた元凶になってしまった。これには思わず真嶋先生まで苦笑いしていたのだから、どれだけ期待してくれていたのかが窺える。
入試もほとんど満点近くとり、前回の小テストの高難度問題全てを解き切ったような生徒が、中間考査でこんな点数を出していたら苦笑いにもなるだろう。
そんな訳で今日帰ってきたテストの結果を見て、私はふて寝している真っ最中だった。今の私に、坂柳さんに勝負を挑んだ時のようなやる気はこれっぽっちもない。何をするにも無気力で、何もしたくない気分がずっと続いている。もう坂柳さんに負けてもいいやー、とかまで思い始めているあたり重症だと自分で理解はしている。
坂柳さんといえば、最近では昼休みに一緒に昼食をとっていた坂柳さんにお弁当を渡して、自分は屋上でボッチ飯の日々が続いている。この前の星之宮先生の話を聞いて、昼食を一緒にとるのは他のクラスの人から見ても目立つし、やめにしようと提案したのだ。
彼女は少し考えた後に了承してくれた。理由を説明したら納得したように下がってくれたので個人的には助かったのだが、周りのクラスメイト達はつまらなさそうにこっちを見ていたのが印象的だった。
私が教室じゃないところで昼食をとることにした結果、屋上でボッチ飯になった。吹きすさぶ風の中、辺りにほとんど人がいない状態で、誰にも邪魔されることなく食事をとるのだ。
ボッチ飯になるのは本当に久しぶりだが、たまにはこんな日々も悪くないと思っていた。
何もしたくない、ただひたすら惰眠を貪りたい。そんな時があってもいいと思う。
だから今は何もしたくない。
そんな思いでベッドの上をごろごろしていた。
ベッドのぬくもりを感じる。
このベッドのフカフカ感、枕の弾力、抱き枕代わりに買ったクッションのもこもこ、寒くなる前に買っておいた薄い毛布の肌触り…もう私はここから出たくない。
今日は一日中ごろごろしてやる。明日も、明後日も、毎日自堕落な生活を送ってやる!
……さっきから鳴りやまない携帯の着信はもう無視することにした。
目が覚めたときからずっと鳴っていたが、どうせ大した用でもないのに呼び出してくるような奴だろう。多分茂とかその辺だろ。この前あいつと沢田さんとかの基本ボッチ組でカラオケに行ったし。
…だから私にはスマホの画面の『坂柳有栖』なんて文字は見えない。
あれは幻覚だ。本当は『茂』って文字が映っているはずなんだ。私は今日はもうベッドから出ないし、この駄々流しなマイナスもそのままにするのだ。
私に休息の時があってもいいじゃないか。人間だもの。
コンコンッ
…あれは悪質な新聞勧誘の人だ。出たら最後、新聞を取ることにされた挙句、幸運になるツボとか買わされる残虐非道な手口のやつだ。
だから、私が出なくても私は悪くない。私には関係ない。
コンコンッ コンコンッ コンコンッ コンコンッ コンコンッ コンコンッ
………はあ、嫌な予感しかしない。
とりあえず、マイナスは抑えておかないとどうなるかわかったもんじゃない。出たくないけどこのままノックされ続けるのは鬱陶しい。それに、私の部屋の前でずっとノックし続けるとかどっかのクラスの噂にでもなろうものならまためんどくさいことになる。
私は仕方なくベッドから出た。制服のまま倒れ込んでいたらしく、皺になっていた。今度クリーニングに出さないといけないか、と考えていた。
そしてそのままドアを開けると、そこに立っていたのは橋本君だった。
「どうしたの、橋本君?」
「坂柳さんがお呼びだ」
そんな気はしていた。私は無言でドアを閉めようとすると、彼が足をドアに挟ませて閉じさせない。
「お願いだから寝かしてくれ。今傷心中なんだ」
「坂柳さんもだが、他の人たちも待っている。急いでくれ」
他の人たちも待っている?
今日何かあったのだろうか?
とりあえず、梃でも動かなさそうな彼をどかすために、私は仕方なく彼の言う通りにした。
「…わかった。ちょっと準備するからまってくれ」
「わかった」
そう言った彼は入り口に入って立ったままだ。どうやらこのまま私が逃げ出さないか見張っているのだろう。
隙を見て逃げ出そうと思ったがそういうこともできなさそうだ。先月に転んだ時の怪我はもう完治しているが、この位置取りからテニス部の彼を抜いて逃げ去るのはとてもできないだろう。
私は仕方なく、スマホと学生証を持った。気が付いたらスマホが鳴りやんでいたので、マナーモードにしておく。
「外に出たりする?」
「夕食の誘いだが…もしかして覚えてないのか?」
夕食…?
ああ、そういえば寝てたけどまだ19時前だったか。にしても珍しいな、昼食を一緒に食べる機会は多かったが、夕食は別の時がほとんどだった。記憶が正しければ、入学初日のあの日だけだ。
私は寝起きですぐに外に出て風邪をひきたくなかったので、薄めの上着を持っていくことにした。6月とはいえ、日が落ちてくるとまだ肌寒い可能性もあると思ったからだ。最悪暑かったらそのまま持って帰ればいい。
「準備できたぞ」
「ついてこい」
そう言うと橋本君は私の部屋を出て歩き始めた。彼の後ろをついて歩く、正直眠いので歩きながら欠伸を噛み殺した。
彼について寮を出ると、杖をついた少女とサイドテールが特徴的な少女が待っていた。言うまでもなく、坂柳さんと神室さんだ。
「遅かったですね、小坂君。」
「寝てたからね。正直まだ眠い」
そう言って欠伸をする。寝起きなのは事実だし、眠いのも事実だ。このまま帰って寝たいというのが、正直な私の心境だった。
「あんた、もしかして忘れてる?」
神室さんがそう言ってこっちを睨んだ。そう言えばさっきの橋本君もそんなことを言っていた気がする。
だが、生憎と私には何のことだか見当もつかない。別に坂柳さんと約束したようなことにも心当たりはないし、彼女と話すようなこともそこまで多くないから約束をした覚えはない。
橋本君にはよく睨まれるし、放課後に一緒に夕食を食べる間柄でもない。
「なんかあったっけ?」
私のその発言に、そこにいた全員がため息をついた。どうやら何か約束をしていたのが妥当なところだろう。
だけど、私には皆目見当もつかない。
「今日、テスト終わりの打ち上げするって葛城が言ってたでしょ。もう他のやつはみんな集まってるよ」
……そんなことを言っていたのだろうか?
「聞き覚えないのだが、何時言ってたんだ?」
「確か、小坂君の解答用紙をみんなで回していた時です。あと、帰りにも言ってましたけど聞いていなかったみたいですね」
そんな時に言ってたのか。全く覚えがない。テストの点数が衝撃的過ぎて放心状態だったから仕方ないと言えば仕方ないけど。
「おかげで、何回も電話を掛けたのに出てくれなかったので私達が迎えに行くことになりました」
そう言って、笑顔を浮かべてくる坂柳さん。笑顔の裏には、何で電話に出なかったんだよ? っていう想いがひしひしと伝わってくる。出るのがめんどくさかったからですとは口が裂けても言えない。
「ふて寝して起きたら鳴ってるのに気づいたけど、その直後にノックが聞こえたからそっちに出た」
「…まあいいでしょう。」
真実に嘘を混じらせる。本当は電話の画面があなたでしたから出るのが怖くて出ませんでしたとか、大幅にクラスの点数を下げたことについてねちねち言われるのじゃないかとか思っていたなんて言えるはずもなかった。
「そういうわけなので行きましょう。もうみんな始めているはずですので」
そう言って彼女が歩き始める。その横に二人が立ち、私は彼女たちの後ろをついて行く形だ。
少し歩いたところのファミレスで打ち上げをしているみたいで、そのファミレスに入るとクラスメイト達で埋まっているテーブルがあった。
「遅いぞー」
そうヤジを飛ばしてきたのは茂だった。珍しくテンションが上がっているらしく、普段はあまり絡まない戸塚君とかと楽しそうにしている。クラスメイト達に遅れたことの謝罪と挨拶をして適当な席に座ろうとすると、新しいテーブルを占領した坂柳さんたちに誘導されて仕方なくそっちに座った。
他のクラスメイト達は自分たちの話で盛り上がっているらしく、あまりこちらを見ようとはしない。康平も茂や戸塚君と話している上に、席の中心にいるので助けを求めるのは絶望的だろう。
席に座って、適当にメニューを開き何を食べるのか見繕う。坂柳さんと神室さんも決めたのを確認すると橋本君が店員を呼んで注文した。
「小坂君、これからあなたはどうしたいですか?」
……?
「どういうことだ?」
「中間考査も終わって、恐らく各クラスの動きがこれから活発になると予想されます。それを踏まえて、これからあなたがどうするのか、ということを聞いたつもりだったのですが」
…確かに夏休み中も学校から出られないこの
そういう話か、てっきりテストのことでなんか言われるのかと思ったからびっくりした。
「てっきりテストのことでなんか言われると思ったけど、そっちか」
「テストのことは残念ですけど言っても仕方ありませんし、それで敗北を認めるあなたではないでしょう?」
正直負けてもいいやーって思ってたことは秘密にしよう。
「それに、勝手に自爆して得た勝利を勝利なんて思いません。私がそうなるように仕組んだなら別ですが、私は今回何もしていませんので」
サラッと怖いことを言われた気がする。
必要であれば、それぐらいの工作は行うと言われたのも同然だ。
……いい加減落ち込んでても仕方ない。次のことを考えて行動しないと正気に戻った時に取り返しのつかないことになるかもしれない。
このくらいのことは昔は頻繁にあったじゃないか。
外に出たら自転車に撥ねられたり、いきなり電柱が私に向かって倒れてきたり、学校で食中毒が起こった時の第一犠牲者は必ず私だったし、配られるプリントが私だけ白紙だったこともあった。
意図的なものじゃなくて事故ならば仕方ない。それに、前にあそこで受けていたことに比べれば、今回のことなんて大したことじゃないじゃないか。
よく考えたら私には大した影響がないじゃないか。どうせ最後までAクラスに居られるわけないんだから、自力で大学受験を乗り越えなくちゃいけないのは目に見えているんだ。それだったら、
それなのに、クラスメイトに悪く思われるとかいつまでくだらないことばっかり考えているんだ。
へらへら笑えよ。それが
……よし。
「まあ、他のクラスの今後の出方次第かな? 多分C辺りは速くつぶれるだろうけど」
「理由をお聞きしてもよろしいですか?」
「独裁者が独裁政治をしているっていったら聞こえはいいけど、それは独裁者が倒れた瞬間に全てがおじゃんになるってことと同じだからね。独裁者の力量次第だけど、速かれ遅かれ勝負を仕掛けてくるんじゃない?」
「ふむ…そう思った理由は?」
「結果を出さないと反対勢力が生まれかねないからね。どこまで掌握できているかにもよるけど、わかりやすい結果を出した方が独裁者に妄信的にみんなついてきやすいだろ?
結果が出れば、自分たちのリーダーはこんなに優秀なんだ、っていう安心感が生まれる。それで完全にクラスを手足のように扱うことが出来れば上に上がれるって思ってるんじゃないかな?」
まあ、実際そんなことが出来たら上に上がれるだろう。問題としては、他の40人近いクラスメイト全員の動向を把握することなんて不可能に近いということと、それまでに他のクラスに妨害されたら準備が遅れるということ。
そして何より、
「だから、Cクラスの動向を見ながら動きを合わせていく感じが妥当だと思う。潰しにかかるなら多分そこらへんが早い。何もしなくても潰れそうだけど」
「何もしなくても?」
「他が勝手に潰してくれるってこと。ただでさえBとDに挟まれてるのに、ぱっと見リーダー以外は烏合の衆だからね。民衆の質が勝ってるBと、何人かの怪物が潜んでいるDを相手にするのは荷が重いよ」
怪物とは言わずもがな主人公勢のことである。相対するとCどころか他もすべて殺しかねない爆薬だ。
「Dクラスにはそんなに優秀な人がいらっしゃるんですか?」
「私が足元にも及ばない
「……あんたでも勝てない人っているんだ」
話していると、不意に神室さんが話に入ってきた。
「私は負けることのほうが多い。自分で勝ったって自信を持って言えることなんて一回もないんだ」
「そんな感じには見えないけど」
「見えないだけさ。私が本当に勝利を実感したことなんて一度もない。だから本当の勝利ってやつが欲しいんだ」
そう言って私は坂柳さんの方を見た。坂柳さんは納得したかのように頷き、神室さんは訳がわからないというような表情をし、隣の橋本君はよくわからないような顔をしている。
そのタイミングで料理が来たので、いったん話をやめて食べることにした。適当に食べ、他のテーブルに混ざる。もう坂柳さんたちにも止められなかったし、別に話すようなこともないだろうと思ったので適当なテーブルに混ざって楽しんだ。
その後は適当に解散して、自室に帰った。日が完全に落ちて少しの肌寒さを感じ、上着を羽織る。
今日の失敗を引きずるのはもうやめだ。そんなことよりこれからのことを考えないといけない。クラスの立ち位置も、前よりは悪くなるだろうし他のクラスとの関わりも作る必要がありそうだ。Dクラスには一番欲しいようで欲しくなかった主人公の連絡先という鬼札がある。Cクラスからは嫌われてるだろうし、Bも同じだろう。そう考えると、Dクラスとの関わりを強めたほうがよさそうだ。
いい加減、諦めて主人公勢との関わりを深めていこう。最悪轢き殺されたとしても、他のクラスメイトは困るかもしれないが
根本的に次元が違う。だけど、私がそう思っているだけなのかもしれない。あくまで、図書館でぱっと見ただけだしメールのやり取りもあれ以降はやっていない。
だから、探りに行こう。
虎穴に入らずんば虎子を得ずというやつだ。
思えば、クラスのことにはそこそこ参加していたけど、クラス以外のことには消極的だった。主人公と関わりたくないってのがあったけど、よく考えたらAクラスから落ちることは半ば確定しているのに、いつまでもAクラスのことばっかり気にしていても状況が良くなるわけじゃない。
これからはクラス外の関わりを深めることにしよう。とりあえずはそれを第一方針として、後はいくつかの仕込みを入れよう。後で役に立たないかもしれないが、役に立つことを祈っていくつかの仕込みをすることにする。
私らしく、
だから、他人全てを利用して私の目的を果たすために、