ようこそマイナス気質な転生者がいるAクラスへ   作:死埜

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30話目 特別試験Ⅱ 一日目Ⅳ

 見たことのない番号からの着信は、Bクラスのリーダー格の一之瀬さんからだった。図書館の時に連絡を先を渡していたものを、律儀に取っておいたらしい。

 今まで一度も電話どころかメールすら送ってこなかった彼女がどうして電話をかけてきたのか気になったが、()()()()()()()ことに気付いてからどうでもよくなった。

 彼女は、今すぐに二人きりで話をしたいから自分の部屋に来てほしいと、ご丁寧に部屋の番号を教えてくれた。何故私がそんなことをしなくてはいけないのか、何で呼び出してきたのか、Bクラスの総意なのか。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ことが、何か関係しているのかもしれないと思った。

 

 そこまで考えて面倒になって呼び出しには応じることにした。

 どうせこの試験ももう結果が見えているようなものだ。後1時間もかからないうちに有栖が優待者を決め打ちに行くだろう。

 彼女が自分の派閥の人間に指示を出し、一斉に回答を送るとしても30分もあればできるはずだ。

 早ければもっと早く終われるだろう。彼女の派閥は『ご主人様(有栖)』と『従者(お友達)』と言っていいぐらい、上下関係がはっきりとできている。

 彼女の呼び出しを断れるような人は派閥の中にいるとは思えないし、友達たちと遊んでいたとしてもそっちを切り上げることができる人達で構成されている。

 

 故に、()()()()()()()()()()()()()()というだけの理由で私は彼女の部屋に行くことにした。

 この件を康平や有栖に伝えようかとも一瞬思ったが、康平は()()()()()()()()()()()()()()()()、有栖は今手が離せないだろう。

 仮に連絡を入れたところで二人きりで話をしたいと言われた以上、他の人を連れていっても待たせるだけになってしまいそうだ。

 それに、私はAクラスの奴隷ではない。

 私がしたいように動く。何でもかんでも連絡をするのは小学生までだろう。

 

 第一過負荷(マイナス)を完全に縛れる鎖なんて、この世には存在しない。

 上から押さえつけたり、周りからがんじがらめにすることで抑えつけるようなことが可能ならば、ここまで嫌悪されるものではない。

 上から押さえつけようものなら自分から押さえつけられて相手を怯えさせ、周りからがんじがらめにしようものなら周りごと全てを台無しにする。

 

 それが過負荷()だ。

 上しか見ていない連中に、下を思い出させてあげる。

 ただそれだけのことなのに、他の人たちはそれを受け入れきれない。

 そんなことは自分とは『無関係』だと言って、そんなものは自分には『関係ない』と言って、短所(マイナス)欠点(マイナス)弱点(マイナス)を直視しようとしない。

 

 そんなことはないと言う人もいる。

 自分は自分の短所を理解していると、欠点にきちんと向き合っていると、弱点を長所で補おうとしていると。

 だが、それはあくまで幸せ者(プラス)の意見でしかない。

 改善したつもりになって、()()()()()()()()()()()()()()()()奴らのセリフだ。

 本当にその欠点を克服しているのなら、過負荷(私達)を受け入れることができるかもしれない。

 しかし、そんな人がいない以上は()()()()()()()でしかない。

 本当に見たくないものというものは、無意識にでも意識的にでも見ようとはしないものを指すのだ。それの集合体が(マイナス)である以上、過負荷(マイナス)なんて普通の人が見れば気持ち悪いと思うのも当然だ。

 

 今でこそ『負完成』になっていると自称している私だが、私が過負荷(マイナス)として一番()()だった時は恐らく今ではない。

 その時期を敢えて言うとするのならば、()()()()()()()()()

 前世があったからこそ、()()()()()が最後の働きを見せて周りにばら撒く悪影響に耐えきれなくなって自殺した。正確には死んでいないが、もしもあそこでそうしなかった場合完全に『めだかボックス』の過負荷の人たちと同じ未来を辿っていた。

 普通(ノーマル)が混じってなお(マイナス)としても完成している『負完成』ではなく、純粋なるただの過負荷(マイナス)

 それの分岐点とも言えるのが、あの3歳の時だった。

 

 

 不幸な思い出も、邪魔な物事も、体の痛みも、精神的な苦痛も、嫌だと思った『縁』は全て切っていた。

 嫌な『縁』を切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切った。

 だけど、心のどこかで普通(ノーマル)だったことを切り離せずにいた。

 だから、良いものとの『縁』だけは切らないようにしていた。

 

 そうすれば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 気がついたときには捨てられていたことも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()意識していないうちに『無冠刑(ナッシングオール)』を使っていたのかもしれない。それでも、前世(普通)を知っている私が幼児で一人生きていけるとは思っていなかった。

 だから、虐待はされると()()()()()生きていくためのリソースを確保するために、『養われる』ということそのものとの『縁』は切らなかった。

 こうして取捨選択を繰り返して不幸(いや)な『縁』を切り続ければ、その内幸せ(良いこと)だけが残るはずだ。

 

 

 そうして切って切って切って切って切っ切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って切って―――――――そうして私は独りぼっちになった(誰にも理解されなくなった)

 

 

 …なんて、蝶ヶ崎君の過去シーンみたいなことを考えてみる。

 だけど、これが思いの他当たっているようにも思えて仕方ないのだ。

 『負完成』する前に幼少期の頃の記憶の一部を忘れていたことも、『嫌な思い出』との『縁』を切っていたと考えれば納得できる。

 転生したとはいえ、体をまともに動かすことはできなくて周りのこともあり、過負荷(マイナス)に振り回されていた日々。

 今思えば私の人生(マイナス)減点(原点)と、過負荷(マイナス)としての目覚めはそこにあったのかもしれない。

 

 

 一般的には過負荷(マイナス)になった場合、幸せになることはできないし誰かを幸せにすることもできないらしい。そうでないと(マイナス)とは言えないものだと考えれば、そうならないとおかしいのだろう。

 

 だが、それを誰が判断するんだ?

 

 よく客観的に見て、と宣うが人の人生を客観的に判断することは正しいことなのか?

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 自分の人生はどんなにきれいごとを並べても()()()()()()()()()()

 誰かを幸せに…なんて言っても、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だけだ。

 なぜなら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 他人から押し付けられた幸せほど面倒なものもないだろう。相手に今の自分は幸せですよ、と見てわかるように振る舞わないといけないことを加味すると、幸せの押し売りというものはやった側の自己満足でしかない。

 

 だから、自分が幸せだと思うならそれがその人の幸せなのだろう。

 例えそれがどんなに歪んだ幸せでも、どんなに螺子曲がった幸せでも、誰とも無関係な幸せだとしても。

 主観的に見て自分が幸せだと感じたならば、その人は幸せなのだ。

 

 仮にその幸せが屍の上に築き上げられたものだとしても、他の人から見たら幸せに見えなくても、自分自身の体が壊れていても、本人の心が消えていても、一番最初に求めていたものを失ったとしても。

 

 幸せだと思うのならば、それはきっと幸せ(マイナス)なのだろう。

 

 

 

 過負荷(マイナス)の在り方について自分自身がどうしていくべきかを考えて、思考が脱線していることに気付いた。

 そもそもが、一之瀬さんに呼び出されたことについて考えていたはずだった。

 しかし、気が付いたら自分のことばかり考えてしまい既に5分ほど浪費していることを確認してしまう。

 自虐するように苦笑して、結局あの頃とあまり変わっていないことを再確認した私は頭を振って余計な思考を追い出し、割り当てられた自室を出て指定された部屋に向かった。

 

 

 

___________________________________

 

 

 呼び出された部屋は女子が割り振られている4階であったことから、一之瀬さんが相部屋の人に理由を付けて空けてもらったのだと予想した。

 部屋に入ると既に一之瀬さんが待ち構えていた。

 他の人はその場には一人もいないため、私と彼女の二人っきりになっている。

 辺りの部屋からも人の気配がしないことから、周囲の部屋がBクラスの生徒で固められていて全員に出払ってもらったのかもしれない。

 監視カメラも見当たらず、録音機も録音機特有の微かなノイズ音が聞こえないことから恐らくないだろう。確信は持てないが、持っている判断材料だけだとそうなると予想した。

 

 私が部屋に来るのを見た瞬間に、彼女は見たくないものを視界に入れてしまったかのごとく顔を歪める。

 過負荷(マイナス)のスイッチを入れていないはずなのに、まるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()私は思わず苦笑した。

 

「やあ、一之瀬さん。急に呼び出して何のようだい?」

 

「…小坂君は辰グループだったよね?」

 

「うん、その通りだよ。Bクラスの人なんて一人も覚えていないけど、私が辰グループだったことは間違いない」

 

 へらへらとした笑顔を張り付けることを意識して話しているが、私の言葉に彼女はますます顔を歪ませていた。

 その表情からは恐怖の思いが良く感じ取れたが、その中に怒りにも似た感情が混じっていることに気付く。

 

「…小坂君が覚えていないとしても、Bクラスのみんなはあの話し合いの後どうなったか知ってほしい」

 

「え、嫌だよそんなの。だって私には関係ないことでしょ?」

 

 私があっけらかんと私には関係ないと言うと、彼女の怒りの感情が爆発したかのように彼女は声を荒げた。

 

「辰グループのみんなだけ話し合いが終わった瞬間に部屋に戻って吐き戻したり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()人もいたんだよ?

 理由を聞いたらみんな揃って、『あの声を聴きたくない』『あの姿を見たくない』って言って誰なのか聞いてみたら小坂君のことだったんだよ!?

 小坂君の話を聞いてそうなったんだよ!?

 それでも『私には関係ない』って言うの!?」

 

 彼女は言い切った後に、感情が昂っているのか肩で息をしていた。

 私はそんな彼女を見て、これだからエリート(プラス)は嫌いなんだ、と嫌悪感を募らせながらにっこりとした笑顔を浮かべて彼女に近づいた。

 

「そうだよ。私の話を聞いて気持ち悪いと思ったのは彼らの勝手だ。だから私は関係ない。

 第一、話し合いの場なんだぜ? 話しをして何が悪いのさ。他の誰も話そうとしなかったんだから、私が一人で話していても何も問題はない。

 むしろ、一人でずっと話しっぱなしで喉が痛くなったのは私だぜ? 話すことだって疲れることには変わりないのに、それを一人に押し付けて彼らは何も言葉を発さなかったんだ。

 だから、『私は被害者だ』」

 

「―――――!!」

 

 私の言葉に、一之瀬さんは彼女の怒りの感情は引っ込み恐怖の感情が前面に押し出されているかのように怯えていた。

 

「それにさ、人の話を聞いているだけで『あの声を聴きたくない』だの『あの姿を見たくない』だの言われる私のことを考えてみてよ。

 ただ話をしてあげただけなのに、そんなことを言われるなんて心外だよ。誰も意見を出してくれないせいで、私の思ったことをありのままその通りに伝えてあげただけさ。 

 ほら、どこを取っても私が悪い要素なんて一つもない。悪いのは、『人の話を聞いているだけで心が折れてしまうようなメンタルしかもっていない彼ら』だ。

 話し合いの時間で話し合いをしようと試みて、意見が来るのを待っていながら話をしていただけの私に悪い要素なんて一つもない。

 だから、『私は悪くない』」

 

 さっきの話し合いで彼らがした表情と同じものを、彼女は私に向けていた。

 だが、彼女の目は完全に折れておらず、私を睨みつけているところはさっきの彼ら(Bクラスの生徒)と違っていた。

 

「…確かに話をしていただけの小坂君がここまで言われるのは本当はよくないことなのかもしれない。

 でも、それで傷ついている人もいたんだってことを知ってほしい」

 

「え、嫌だよ? 第一君がそれを言うのかい?」

 

 私がそう言うと、彼女は怯えていた表情からまた怒りのものへと変化し始めていた。

 

「…どういう意味か教えてもらってもいいかな?」

 

「君たちBクラスだって、Aクラスに上がりたいんだろ?

 Bクラスのリーダーの一之瀬さんは、その中でも特にAクラスに上がりたいと思っているんじゃないかな?」

 

「…そうだよ。確かに私はAクラスに上がりたいと思っている。Bクラスのみんなと一緒に」

 

「じゃあさ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 Aクラス(エリート)だったのに、Bクラス(準エリート)に負けたせいでどこの大学にも入れず、出世とは縁遠い人生を送ることになってしまう可能性がある元Aクラスの生徒たちのことを考えたことはあるのかい?」

 

 彼女はあまり考えていなかった現実を目の前に突き付けられたかのように、それまでに見せていた怒りは鳴りを潜めてしまった。

 

「それは…」

 

「私がBクラスの生徒を潰そうとしたと仮定しても、それはAクラスに上がってこようと思っているなら対処しなくちゃいけないからだよ。

 だから悪い人が一人だけだと仮定するなら、Bクラスのリーダーである一之瀬さんこそが一番悪い人なんじゃないかな?」

 

「違う!

 私はそんなつもりじゃ」

 

「いいや君が悪い。君がBクラスを率いて、BクラスをAクラスに上げるために扇動しなかったら私はBクラスの人たちなんて文字通り目にしなかった。

 それに君は図書館の時に私がどういう存在か、気づいていただろ?

 現に君は今まで連絡先を渡したのにも関わらず、私とやり取りをすることはなかったじゃないか!

 そんな危険人物一号である、私の下に彼らを送り届けたのは君自身だ。私のことなんてこれっぽっちも彼らは知らなかったんだからね。知っていたら、自主的にこの試験から降りていたかもしれない。

 その選択肢を与えることすらしなかったのは、Bクラスのリーダーである君さ」

 

 全てを切り落とすかのような雰囲気の過負荷(マイナス)が私から滲み出ていることを感じた。

 やっぱりどこまでいっても過負荷(マイナス)である私は、エリートである()()の彼女とは根本的に相いれないものなのだろう。

 

だから私は悪くない。

 君が悪い君が悪い君が悪い君が悪い君が悪い君が悪い

 君が悪い君が悪い君が悪い君が悪い君が悪い君が悪い

 君が悪くて、いい気味だ

 

 心が折れるような音が聞こえた気がした。

 彼女はへなへなと座り込んでしまい、私の方を睨む気力すらなくなっている。

 思ったよりも持った方だと思っていたが、本性(マイナス)を少し出しただけで折れてしまったことに少しの寂しさを感じた。

 

「まあ、でもそれで君が嫌だっていうんなら私が一つ提案をしてあげるよ」

 

「…」

 

「私にこの場で10万prを振り込んでくれれば、『辰グループの話し合いで私が話すことはしない』って誓うよ」

 

 私がそう言うと、彼女の目に光が戻った。

 

「…もう一度言ってもらってもいいかな?」

 

「私に今すぐこの場で10万prを振り込んでくれれば、『辰グループの話し合いで私が話すことはしない』って誓うよ。

 不安なら誓約書も書いたっていい」

 

 私が繰り返すと、彼女は蚊の鳴くようなか細い声で不安をかき消すかのように呟く。

 

「…本当に?」

 

「これでも約束は守る方だよ。まあ、君が嫌だって言って自分のポイント可愛さにクラスメイトを犠牲にするなら話は別だけど」

 

「…わかったよ。今から振り込むからちょっと待ってて」

 

 そう言って彼女は携帯を出して操作を始めた。

 これが通れば、()()()()()()()()()()prが10万も増える。

 彼女は知らないだろうが、子、酉、亥グループ以外の話し合いが行われることはもうない。

 だから、これが通れば私になんのデメリットもなく、prが増えるが…。

 

『丑、寅、卯、辰、已、午、未、申、戌グループの試験が終了いたしました。該当するグループの方は、以後試験へ参加する必要はありません。他の生徒の邪魔をしないように気を付けて行動してください』

 

 …まあ、こうなるか。

 アナウンスの意味が理解できなかったのか、携帯を操作する手を止めて固まってしまっている一之瀬さんを横目に、ある意味()()()()()だと自嘲した。

 

 もう少しで、()()()()()()()()()と思ってしまったからだろうか?

 

 それとも、過負荷(マイナス)故の宿命なのか。

 

 どっちに転んだとしても、現実はいつも悲しく私に降り注いでくるものだ。

 現に彼女は冷静さを取り戻したみたいで、私の方を睨んでいる。

 

「あーあー、あと一歩だったんだけど、残念だぜ。話し合いの機会そのものがなくなっちゃったんだから、この取引は不成立だね。

 やっぱり勝てなかった」

 

「…小坂君、もしかしてこうなることを知っていたの?」

 

「私は何も知らないよ!

 有栖が優待者を決め打ちに行こうとしていたことも、康平がそれにGOサインを出したことも、Aクラスが話し合いそのものをしようと思っていなかったことも、ぜーんぶ私は知らないよ」

 

「……」

 

 目の前に蜘蛛の糸を垂らして必死になってよじ登っている時に、その蜘蛛の糸そのものが必要なかったかのようにヘリコプターからロープでも落とされたらこんな顔なんだろう。

 彼女は顔を歪ませて黙ったまま何もしようとしていなかった。

 助けられたと思っていた希望は、何もしなくても助かることは決まっていたのだとしたら、ここでのやり取りは彼女にとって不要なものでしかない。

 

 だって、過負荷()と関わる機会が増えるなんて、普通の人からすれば悪夢でしかないんだから。

 

「そんな意気消沈しないでさ、楽しくいこうよ。せっかくの高校生活だぜ?

 君だって他の受験生を蹴落としてこの学校に通う権利を勝ち取った一人じゃないか。ちょっと嫌なことがあったぐらいで暗い顔して沈んでたら、落ちた人たちも浮かばれないってものだよ」

 

「…」

 

「まあ、私がいたら寛げるものも寛げないか。私はエリート(君たち)は大嫌いだし、エリート(君たち)も私のことは嫌いだろうしね。

 それじゃあ、私はこれでお暇させてもらうよ。

 じゃあね。また今度」

 

 私はその言葉を最後に部屋を出た。

 突然、三つのグループを除いた全てのグループの試験が終わったことで廊下が騒がしい。

 男性である私が部屋から出てきたことに驚いている女子が何人かいたが、私を見るなり蜘蛛の子を散らすようにどこかに逃げていった。

 どこかおかしいところがあっただろうか、と思いながらも女子の奇異の視線に晒されることを嫌った私はおとなしく自室に戻ることにした。

 

 予定通りに終わったのなら、有栖から報告が上がっているだろう。

 それと、カッコつけておいて速攻で試験を終わらせたことに茂が文句を言うかもしれない。

 他人の日常を壊しておきながら自分の日常を謳歌しようとしている様は、まさしく『無関係(無冠刑)』の言葉通り自分本位であるということを私に再認識させるには十分だった。




 軽めの過負荷(マイナス)回でした。ただ、他の人たちとは違って一対一で行った上に、真正面から個人的にも言われたのでダメージはそれなりに大きく、正しくない使い方ですがトラウマになっていてもおかしくありません。 
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