足柄辰巳は勇者である   作:幻在

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すいません。
先週は季節の変わり目にものの見事に風邪を喰らって投稿できませんでした。
さらに報告として、自分はこれでも学生の身なので投稿が不定期になる可能性があります。
それでも土曜の零時には、つまり週一は投稿できるように頑張っていくつもりです。

それとしばらくこの『あたゆ』の方の投稿が滞ります。

理由としてはもう一つ、これの『ゆゆゆ』時空にあたる『ふちゆ』が色々とクライマックスなのでストック作るのにあちらに集中しまくってるからです。

なので、『あたゆ』と『ふちゆ』の同時投稿が出来なくなってしまうかもしれませんので、その辺りは悪しからず。

こちらの勝手な都合で楽しみを削ってしまう事をお許しください。

というかよくここまで週二で投稿してきた自分を褒めたいんですがね・・・アハハ・・・

そんな訳で、これからの投稿ペースが色々と変わってきてしまうかもしれないので、覚悟していて下さい。では、本編をどうぞ。


そして今へ

「――――これが、事の顛末です」

水都の締めの言葉に、誰も何も言わない。

それほどまでに、その話は衝撃的で、悲しい話だった。

しかし、やはり持ち前の精神力で感傷に浸っていない辰巳が、第一に口を開いた。

「大体の話は分かった・・・・手紙がある、て言ってたが、それは今どこに?」

辰巳は、そうたずねる。

それに顔を見合わせた歌野と水都は、懐から一通の手紙を取り出し、それを差し出す。

「これです」

辰巳は、それを受け取り、封を切って中身を開く。

歌野と水都以外の全員が、その手紙を横から覗き込む。

 

 

四国の勇者の方々。

狗ヶ崎哮と申します。この度は諏訪に来て下さり、ありがとうございます。

堅苦しい挨拶はここまでにしておいて、まずは初めましてと言っておく。

正直、歌野からは乃木若葉って奴の事しか聞いてないから、他六人の事は何にも知らないんだが、とりあえず、俺の事は知っていて欲しい。

まず得意な事だが俺は料理が得意だ。

これでも諏訪の皆に絶賛されるほどの腕前は持ってるんだぜ?どうだ。すごいだろ?

あと好きなものと言えば蕎麦だな。うん、長野の蕎麦は四国のうどんより美味い。これは未来永劫変わる事の無い真理だ。異論は言わせない。

あとは、ってなにも書く事はねえな。まさか自分がこんなにも書く事がねえとは思わなかったな。

ガキの頃は結構なケンカ坊主だった事や、町中じゃ知られたガキ大将だった事くらいか・・?まあ、歌野やばあちゃん以外に手紙出した事ねえから、他人に手紙書くのは結構ムズイな。

まあ、それはともかく、だ。

お前たちに、頼みたい事がある。

諏訪の奴らを、無事に四国に送り届けて欲しい。

勝手に死んじまったバカが言う事じゃねえけどよ、諏訪の皆を、歌野や水都を守って欲しい。

もちろん、お前たちにも生きててほしい。どんなにつらくても、生きる事を諦めないで欲しい。

最後の最後で、生きてて良かった、て思って欲しい。

そんな人生を送って欲しい。

ただ、それだけだ。

それだけ守ってくれれば、後の事は任せる。

 

どうか、歌野と水都の事を、よろしく頼む。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・必ず」

読み終えた辰巳は、ゆっくりとその手紙を机の上に置く。

「・・・・すまない」

若葉は、涙で濡れた顔をくしゃくしゃに歪め、項垂れた。

ひなたは、そんな若葉の背中をさする。

「謝らないで若葉。ただ貴方が、哮兄の繋いでくれた・・・・バトンを受け継いでくれれば、それで良いの」

歌野は、若葉を慰めるようにそう言った。

辰巳は、一度全員に目配せをする。

その意図を読み取った一同は、頷き、了承する。

辰巳は、水都と歌野の方を見る。

「・・・本日をもって、俺たちは狗ヶ崎哮、そして、諏訪と盟約を結ぶ。そして、盟約に従い、貴方達諏訪の人々を、四国へ護送すると約束しよう」

「寛大な処置、ありがとうございます」

水都は頭を下げ、感謝の意を示す。

「さて、それについていくつか聞きたい事が・・・・」

「どうやって四国へ護送するか、ですね?」

「まあ、そうなる」

水都は、一度間を置いて話し出す。

「まず、四国に行く中で徒歩はキツイと判断し、車を使用する事に決めました」

「燃料はあるのか?」

「あの災害以来、車を使っている人は一人もいませんので、それに、備蓄もちゃんとあります」

「ならよし」

「使用するのはトラック、それもオーバースタイルのものを使う事にしました。

「荷物を積む部分がむき出しになってる奴か・・・大丈夫なのか?」

「バーテックスから逃走する際に、小回りを利かせた方が良いと思いまして」

「そうか・・・・」

「食料もある程度持っていきます。少なくとも十日分」

「十日以内に四国につかなければならないのか・・・・まて、寝込みの際のバーテックスへの対応はどうするんだ?」

「それについては、まずは四国へ逃げる際の手段を話し合った後でよろしいでしょうか?」

「そうか・・・・分かった。続けてくれ」

「では、逃走する際は、バーテックスとの遭遇をなるべく避ける為に、先頭車両に、私かひなたさん、巫女を置いて、道を誘導する事になります。もし、逃走経路が塞がっていた場合、あなた方でそれらを吹き飛ばせるほどの火力を持つ人がそれを破壊するか、あるいは別のルートを探し出して逃げるしかありません」

「火力なら、俺のファブニールか球子の輪入道・・・あとは()()()()として友奈のアイツだな・・・」

「タマは別に問題ないぞ」

「いや、球子は杏に次ぐ遠距離攻撃が可能だ。その点を考えたら、障害物の破壊は俺がやった方が良いだろ」

「分かりました」

これで、逃走経路のついての話し合いは済んだ。

まとめるとこうだ。

 

逃走にはトラックを使用し、一台につき数名。人を乗せる車両と職掌を乗せる車両に分かれ、それぞれが運ぶ。

先頭車両には巫女を乗せ、バーテックスのいない経路を導く。障害物があった場合は辰巳が『怒り狂う邪竜の咆哮(ファブニール・ブレス)』の手加減バージョンで粉砕する。

さらに、それでもバーテックスの追跡を逃れられない場合は他の勇者が迎撃する。

 

こういう事になる。

「それで、寝る際の警備ですが、あの結界を使います」

水都は、諏訪を守る炎の壁を指差す。

「あれをどうするんだ?」

「哮さんが残した手記によれば、あれの要は、哮さんが使っていた刀です。それは、普段は誰にも抜けない様になっています。もちろん、うたのんであっても抜く事は出来ません。ですが、私には抜けます」

水都曰く、哮はあの刀を抜けれるのは水都と設定したらしい。

その意図は分からないが、さらにあの刀は、鞘に収まっている状態ではただの刀だが、ひとたび抜けば周囲に見えない炎の結界を形成。近付くものを全て燃やす事が可能らしい。

その範囲は、抜いた長さに比例し、天球状に展開されるらしい。

さらに、走行中でも発動可能で、剣を中心に展開されるらしい。

しかし、それでは代償である『哮の寿命』が消費されてしまう。

だから、走行中の使用は、最終手段としてあまり多用は出来ない。

「そうなると、防衛する際の陣形も必要になってくるな」

「あ、それについては私が」

「頼む」

杏の申し出にうなずき、辰巳はまた水都の方を見る。

「とりあえず、今回はここまでって事にしておこう。良いな?」

「はい」

話し合いは一旦打ち切り、一同は一息つく。

「すみません。休んでもらうつもりが、こんな堅苦しい話になってしまって」

「まあ、もともとのんびりする気なんて無かったがな」

「疲れているでしょう。お風呂の用意が出来ているので、入ってきてはどうでしょうか?」

「なら先にこいつらを入れてやってくれ。俺は後で良い」

「混浴なんてまっぴらだからね~」

と、歌野が余計な一言を言った。

「ああ、本当にな」

「覗きにくるなよ辰巳」

「その時はどうなるか分かっているわね?」

「・・・・・何したんだ?」

何故か殺気立っている若葉、球子、千景の三人。

それに何故か首を傾げる辰巳。

それに苦笑する友奈、杏、ひなたの三人。

そして察したのか同様に苦笑する歌野と水都。

 

 

 

 

結局、訳が分からぬまま、辰巳以外の全員が温泉に入る事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁあぁぁあああ・・・」

そんな訳でさっそくとろけ切っている若葉。

「まさか若葉が大の風呂好きとは・・・・」

「そうなんですよ」

歌野がそれに苦笑し、ひなたはニコニコとしながら肯定する。

「でも不思議ね」

「何が?ぐんちゃん」

「あの炎の壁ってとっても大きい筈なのに、夜はちゃんと暗いのね」

確かに、あれほど炎が燃え盛っているのに、それが発する光の影響はほとんどない。

「それは、あんまり光が強くなり過ぎないようにって、哮さんが配慮したみたいなんですよ」

その疑問に、水都が答えた。

「へえ。哮さんってすごいんだね」

もちろん(オフコース)!哮兄は頭は悪いけどああ見えて結構運動が得意でね、一度料理を作らせたらそれはもう絶品でもはや諏訪の名物といっても良い程に諏訪の食文化をさらに進歩させたまさに諏訪料理の父と言っても良い程の―――」

「はいはいうたのんそこまで、皆が呆気にとられちゃってるよ」

熱烈に語ってきた歌野に、一同は唖然としていた。

「こほん・・・まあ、誰が何と言おうと、哮兄は凄いって事よ!少なくとも料理に関しては右に出る者はいないわね」

うんうんと一人勝手に納得している歌野。

それは水都も頷くところだ。

そして、それを豪語してくる彼女を見れば、その腕は認めざるを得ないと頷いてしまう、四国組の一同。

「でさでさぁ」

そこで歌野は一同を見渡すと、ある人物にとってとんでもない事を言い放った。

「誰が辰巳のフィアンセ?」

「ぶほッ!?」

その問いに、ひなたが思わずむせた。

「ななななななにを――――」

「ああ、それならひな――――」

「待て若葉」

突如として若葉の口を塞ぐ球子。

「むぐ・・・!?」

それに思わず抗議しようとするが、球子が何かを耳打ちすると、途端に大人しくなった。

「?」

「さぁて、誰なんでそうなぁ」

球子がわざとらしくひなたに視線を向ける。

それに思わず顔を引き攣らせて肩をびくりと震わせるひなた。

「そういえば、そんな事考えた事無かったわね」

千景がいきなりな事を言い始める。

「格好いいですよね、辰巳さん」

「うんうん、たっくんちょっと運ないけど、格好いいよね」

「ああ、思わず惚れてしまいそうな程にな」

全員、心にもない事を言い出す。

「それに教えるのも上手いし」

「そういえば辰巳って料理出来たっけ?」

「出来ると思いますよ。それに頭も良いですし」

「物理に関しては私たちの知る限り、奴に敵う者はいないだろうな」

「たっくんうどんは食べないけどカツ丼好きだったよね」

そして、杏がとんでもない事を言った。

「あ、そうなると、辰巳さんに彼女はいないって事ですよね!」

「あら、結構容姿良いから彼女の一人や二人はいるものだと思っていたわ」

「アハハ・・・・なるほど・・・」

その杏の言葉に、素直に受け取ってしまう歌野と、どういう事なのか察して苦笑する水都。

「あ、それなら」

そして友奈が手をあげて、

「私告白しちゃ――――」

「だめですぅぅぅぅぅぅうううううぅぅううう!!!!」

何かを言いかけた友奈の言葉を遮って、ひなたが叫んだ。

「辰巳さんは、私の恋人(もの)ですぅ!!」

そして、暴露した。

沈黙がその場を包む。

しかし、水都以外の全員が黒い笑みを浮かべた。

「へーえー」

「引っ掛かったな」

「見事にはまったわね」

「ふふ、ひなたさん可愛い」

「ヒナちゃん顔真っ赤~」

「自分から暴露したな、ひなた」

そして、ひなたは自分が嵌められた事に気付いて、次の瞬間湯舟に一気に沈んだ。

「あああ!?ひなたさん早まらないでください!」

「離してください水都さん!このまま沈めさせてください!」

「それじゃあ辰巳さんが心配しますよ!」

辰巳の名前を出した途端に、今度は露天風呂の方へ逃げるひなた。

「逃げちゃった」

「物凄い逃げ足ね」

「ひなたの奴、辰巳の事になると一気に慌てるからからかいがいがある」

「若葉ちゃん、笑い方がなんだか悪いよ」

逃げて行ったひなたを生暖かい目で見送った一同。

 

 

 

 

しかし、彼女たちは知らない。というか、ひなたは予想もしていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハア・・・ハア・・・・全くもう、お風呂からあがったらみんなお仕置きです」

頬を膨らませていじけるひなた。

そして、肌に突き刺さる寒さを感じて、ひなたは自分が屋外にいる事に気付く。

「ああ、ここが露天風呂ですか・・・」

目の前に広がるのは、湯気を立ち上らせる温泉。

戻ったら弄られるタネにされる。

ならばと思い、ひなたは湯舟に使ってみる。

「ああ・・・やっぱり露天風呂は一味違いますねぇ・・・」

そう、ぼやいて横を見た時。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

そこに、設置されていた岩の影に山鳩色の髪をした少年がいた。

その顔は、青ざめているのか赤らめているのか分からないという表情で、必死にひなたに気取られないように制止、なおかつひなたから目を逸らしていた。

そして――――

 

「・・・・・・・・なんでいるんですか?」

 

ひなたは、青ざめた状態で蚊の鳴くような声でそう問いかけた。

「いや・・・ここって男女別々じゃなかったっけ?」

「確かにそうですけど露天風呂は違いますよ?」

「そうなのか?」

「話聞いてなかったんですか?」

「正直、若葉たちがなぜ俺にあんな目を向けてくるのか分からないという事でいっぱいだった」

「辰巳さんにしては珍しいですね・・・・」

「ああ、その・・・・・すまん」

「・・・一応聞いても?」

「別に男女別々なら時間ずらさなくても大丈夫だと思い、入ってたんだが露天風呂がある事に気が付いて外に出て入っていたらお前がいきなりものすごい勢いで別の扉から出てくるから逃げるに逃げれなかった」

一息にそう言う辰巳。しかし視線はそらしたまま。

気まずい沈黙。

「お、俺もう・・・」

そう言って風呂場から出ようとした辰巳。

しかし、その腕をひなたが掴んだ。

「え・・・ひなた?」

そのままぐいっと引き、自ら体を密着させる。

それに、辰巳は心の中で悲鳴をあげる。

(な、なにやってんのコイツ!?)

突然の出来事に混乱する。

しかし、ひなたの次の一言でその混乱は一気に収まる。

「・・・・二人きりの機会、しばらくありませんでした・・・」

いや、数日前もあったよな?

なんていう事は言わず、辰巳は諦めてひなたに腕を掴まれたままになった。

しかし――――

(ひなたの体は綺麗だな・・・・)

なんて、思ってしまった。

運動している訳では無い。しかし、適度な栄養摂取や量によって、肌は白く、体格も良い。決して太すぎず細すぎず、しかし華奢で、柔らかい。

ただ、本当に美しいと思うなら若葉が理想的だと思っている。特に足腰は良く鍛えられており、引き締まってまるで鹿のような足で――――

「むぅ・・・」

「ん?どした?」

「今若葉ちゃんの事考えていたでしょう?」

エスパーか何かなのですか?

という事は言わず、適当に誤魔化す。

「ひなたの体は綺麗だなって思ってな」

そう、まさしくそれは爆弾発言だった。

「――――」

ひなたの顔のみならず体中が真っ赤になる。

「あぅ・・・・」

蚊の鳴くような声で声を漏らし、顔を逸らすひなた。

そこで、辰巳も今自分がした発言に気付き、同様に顔を赤くしてしまう。

「いや・・・その・・・・・」

また、気まずい沈黙が二人の間に流れる。

しかし、その沈黙は、ひなたが破った。

「・・・・辰巳さんの」

「ん?」

「辰巳さんの、良い所は、困っている人を見過ごせない事です。道に迷っていたら案内する。ケンカしていたら仲裁する。誰かがものを落としてしまった時は拾ってあげる。犬が逃げたら捕まえてあげる。沢山の人を、助けようとする。それに、何かを教えるのも上手です。若葉ちゃんの剣を振り方を指摘してあげる。友奈さんの組手の相手をしながら戦い方を教える。球子さんに立ち回り方と防御の仕方を実践させる。千景さんに鎌を振る際に必要な筋肉の付け方をレクチャーしてあげる。杏さんに、弓の撃ち方と立ち回り方を教えてあげる。沢山の事を、皆さんに教えてあげています」

ひなたは、辰巳の腕を掴む手にさらに力を込める。

「だけど、辰巳さんの一番凄い所は、剣術です。人とは思えないような技を沢山編み出しています。誰よりも、沢山努力しています。それを、私はよく知っています・・・・」

そこで、辰巳は気付く。

「ひなた・・・お前、まさか歌野や水都の話を聞いて、やきもち焼いてるのか?」

「・・・・」

無言。それはこの場合では肯定を意味する。

そんな、ひなたの子供っぽい所に思わず吹き出す辰巳。

「笑わないで下さい・・・」

「悪い。でも、嬉しいよ」

ひなたはいわば、歌野や水都の言う狗ヶ崎哮という人よりも辰巳の方が凄いと言いたいのだろう。

だが、若葉と違って、ひなたにとっては初めて好きになった異性であり、経験のない事だ。だから、何をすれば良いのか分からず、ただそれによってともなう気恥ずかしさがあってあの場で言い出せなかったのだろう。

そんな風に、ひなたが辰巳の事を大事に思っている事が、辰巳にとっては嬉しかった。

「ひなた」

辰巳はひなたの名前を呼ぶ。

ひなたは、まだ恥ずかしいのか躊躇いがちに振り向いてくる。

「お前を好きになって良かった」

そう、改めて告白する。

それに、ひなたは一層顔を赤くする。

そんなひなたの紅い頬に手をあげ、顔をあげさせる。

無理矢理視線を合わされたひなたは、やがて諦めたかのように目を閉じる。

「私も・・・・貴方を好きになって良かったです・・・」

月と青い炎が照らす夜の中、二人は愛を囁き合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな甘い夜を過ごした二人と、その様子を()()()()()()()()七人。

その翌日。

「討伐だと?」

若葉がそう呟いた。

場所は旅館の食事の間。

当事者は、杏。

「はい。今回の諏訪の人たちを護送する際に確実な障害となるあのバーテックス人間。彼らを排除したうえで実行するべきと判断しました」

杏は、真剣な表情で、そう言った。




次回『討伐戦』

討ち取るは、目的の障害。
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