司令官「ウォン 俺はまるで人間ロープウェイだ」
的な感じの青葉とのイチャラブ(?)短編です
ワンドロ的な感じで練習しつつ書きました。
pixivに同時掲載。
とある村にある山の中。
時刻はマルゴーマルマル。辺りはまだ暗い。
その中を、男一人が懐中電灯片手に車椅子を押しながら登っていた。
「司令官、そろそろ休憩してもいいんですよ?」
「大丈夫だ、青葉。お前のためだからな」
「司令官……」
男──司令官は、車椅子に乗る少女──青葉に大丈夫だと諭し、ひたすらに山道を登っている。
「…………」
「…………」
「今まで、いろんなことがあったな」
「そうですねぇ……」
「……なあ、青葉」
「はい?」
司令官は息を切らせつつも、足取りをしっかりとしたまま口を開いた。
「
「そーですねぇ……」
そう問われた青葉は、
「確かに、足のあった頃に比べれば不便ですね」
「…………」
「一人で動いてる時に倒れたりしたら戻るのに苦労しますし、ここみたいに急な坂だと登れませんし」
「……ごめんな」
「司令官は悪くないですよ。それに、何も悪いことばかりじゃないですし」
「……そうなのか?」
司令官がそういうと、青葉は後ろへ振り返り、司令官の頬へ手を伸ばした。
「だって、青葉の好きな司令官が、キチンと青葉のこと見てくれるじゃないですか!」
「青葉……」
そして頬から手を離すと、ガッツポーズを見せた。
「だから、どんなにつらくても、青葉は大丈夫! だって、司令官がいますし!」
「……そうか。それを聞いて、俺も安心したよ」
「司令官は少し気負いすぎです!」
「かもな……」
「青葉みたくもっと気楽に行きましょうよ!」
「お前は気楽すぎだ。もっと考えて動いてくれよ」
「むー」
そう話していると、斜面の角度が段々と緩やかになり始めた。もうすぐ頂上に着くのだろう。
「よし、頂上だ」
「司令官、お疲れ様です!」
司令官は平らな所へ車椅子を動かしてから手を離し、青葉の前に出た。
「そういえば司令官、どうしてここまで来たんですか?」
「青葉に、山の上からの日の出を見せてやりたくてな」
「好きなんですか?」
「ああ。青葉の次ぐらいに好きだな」
「んもー司令官ってばー!」
「ほら、日が出てきた」
青葉は司令官から目を離し、水平線から顔を出している太陽を眺める。
顔を出した太陽が、辺り一面に広がったいた闇を取り払い、その領域を広げていく。
その光景に、青葉は息を呑んだ。
「……綺麗、ですね」
「ああ。綺麗だろ?」
「……司令官」
「なんだ?」
「こんな青葉だけど……これからも、よろしくね」
「ああ。絶対離さないからな」
「……えへへ」
司令官の言葉に、青葉は指で頬を掻いた。
思いつくままにワンドロみたいな感じで書きました。
足をもいだ理由?
可愛いからです(狂気)