勘違い系エリート秀一!! ルート玉狛第二   作:カンさん

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玉狛第二②

ランク戦を前に、玉狛第二の面々はそれぞれの方法で試合に備える。

 そしてそれは彼も例に漏れず、チームメイトや玉狛基地の先輩方の手を借りながら一歩一歩強くなっていた。

 今回は、そんな彼と玉狛のメンバーとの日常の一コマを記そう。

 

 

 ◆

 

 空閑遊真の場合。

 

 

「良いねコレ。グラスホッパーだっけ?」

 

 かなり動きやすいと言いながら、遊真はオプショントリガー『グラスホッパー』を使ってピョンピョン跳ね回った。

 作戦会議が終わった後、秀一は遊真を連れて訓練室でグラスホッパーの手ほどきを施していた。遊真の戦闘スタイルはA級の緑川と通じる部分があったので、もしやと思い薦めてみたら……予想以上に遊真と相性が良かった。

 嬉しそうな遊真を見て満足げに頷いていると、地面に降り立った遊真は何気なしに言った。

 

「後は練習して……シュウイチの頭のおかしいバイパーから逃げれるようにしないとな」

 

 ジトッと秀一を見ながら遊真がそう言うと、彼は申し訳なさそうにして謝った。

 遊真にグラスホッパーに慣れて貰うために、彼は模擬戦をした。その際にバイパーを使ったのだが……リアルタイムで弾道を設定できる彼とバイパーの追い込みは、歴戦の遊真にして「頭のおかしい」と呼ばれる程に厄介だった。

 グラスホッパーの扱いに慣れていないというのもあるのだろうが、果たして遊真は何度蜂の巣にされただろうか? 戦闘経験が豊富な遊真が思わず苦言を漏らす程の変態弾道。さらにエグいのが二人居るんだから驚きだ。

 

「それにしても……」

 

 ジト目から一転。遊真の目が普段のものに戻る。視線の先には、秀一の持っている弧月。

 迅と栞によって新しい姿となったその()は、彼に妙にしっくりと来ている。

 以前の試合までは、ボーダーで支給されている何てことは無い弧月だったのだが、現在彼が持っている弧月は日本刀をモデルとした、何処となく『風刃』に似ている刀になっている。

 遊真との模擬戦前に栞が『迅さんが、こっちの方がやりやすいんじゃない? って』と、伝言と共にトリガーを渡されたのだが……。

 

「確か『イアイ』だったか? その刀にしてから随分と鋭くなった」

 

 蜂の巣以外にも、真っ二つにされ続けた遊真の言葉に彼も頷く。

 デザインを変えただけの弧月だが……それだけで彼の勝率はグンッと上がった。シールドよりも受け太刀をする癖がある彼にとって、この日本刀型の弧月は有り難い。

 

「……それにしても、シュウイチってセンス無いんだな」

『シオリがあそこまで動揺するのは初めて見た』

 

 その時の事を思い出しひっそりと呟く遊真とレプリカ。

 迅が手掛けた新しいデザインの弧月を持って来た際に、トリガーの見た目を変える事ができると知った彼の行動は早かった。紙に走り書きした弧月(怪)はB級ができる改造の範疇を変えており、そして明らかに戦闘で邪魔になるデザインだった。栞が説得し何とか諦めて貰ったが……正直、多くの人間が見るランク戦で弧月(怪)を持った秀一の隣に居たくない、と遊真は思った。

 

「玉狛第二の隊服も、迅さんたちに任せよう」

『それが賢明だ』

 

 今度迅にお礼を言おうと決めつつ、遊真は再びトリガーを構える。

試合まで時間が無い。次の試合までに仕上げる為にも、秀一には付き合ってもらうつもりだ。そしてそれは彼にも言えることで。

 

「早く慣れて、ギャフンと言わせてやる」

 

 不敵な笑みを浮かべて、チームメイトでありライバルである秀一と激突した。

 

 

 ◆

 

 

 雨取千佳の場合。

 

 ――腹の奥底まで響く轟音と振動が、彼のトリオン体を襲う。

 しかし、彼の肉体は崩れる事無く再生され、煤だらけのまま爆心地から抜け出した。

 彼の黒い髪がアフロの如く爆発し、かなり愉快な髪型になっている。それを直しながら、秀一はアイビスをこちらに向けて構えていた千佳の元へと向かった。

 

「だ、大丈夫最上くん?」

 

 冷や汗をたくさん掻いた千佳が、秀一に問い掛けた。

 それに対して彼はその場で一回転して問題が無いことをアピールする。しかし千佳の表情は優れない。

 

「ご、ごめんね。やっぱり、試合で撃てそうにないよ……」

 

 その言葉に、彼は気にしないで良いと答える。

 

 彼らは、初めてあったあの日からこの訓練を続けている。

 もちろんお互いに納得し合意の上でだ。人を撃つというある種異常なその行為に無理矢理慣れるのは、精神衛生上よろしくない。ゆえに、こうして余裕がある時に、比較的に人を撃った感覚が掴めにくいアイビスで彼を千佳が撃っていた。

 その甲斐もあって、人が居る方向へと撃つ事は出来るようになった。以前の間宮隊の時の砲撃がそれだ。それでもイーグレットやライトニングでトリオン体を崩す事はできないが……。それでも、確実に一歩一歩進んでいる。

 加えて……。

 

「最上くんも、例のアレ随分と上手くなっていたよ。レイジさんも驚くと思う」

 

 秀一の隠し札の練習も付き合って貰う事で、彼女が一方的に迷惑をかけている訳では無く、お互いに成長している事が窺えた。

 ちなみに、この方法は千佳のことを良く知る修から伝授された方法だ。こうすれば、彼女も訓練に積極的になれるだろう、と。

 千佳のお褒めの言葉を頂いた彼は内心嬉しそうにしながら、次の試合ではよろしく頼むと伝えた。次の試合の相手の荒船隊は、狙撃手としては千佳以上の猛者たち。しかし、彼女には彼女だけの手札(砲撃)がある。そしてそれはボーダーの狙撃手の誰も真似できない事。人が撃てなくても、活躍する事はできるのだ。

 

「……! うん、ありがとう」

 

 千佳は嬉しそうに笑うと、彼にお礼を言った。

 尚、先ほどの言葉は全て受け売りである。知らぬが仏とはまさにこのこと。

 

 ちなみに、コミュ障の彼が千佳と比較的話せるのは、彼女が年下だという事と大人しい性格だからだ。

 もしこれがイケイケ女子だったら、連携取れなかったのかもしれない。

 千佳もそうだが、彼もまた難儀な性格をしている。

 

 

 ◆

 

 

 ――三雲修の場合。

 

「――市街地Cを選ぼうと思う」

 

 膨大な量のデータを徹底的に調べた修は、呼び出した秀一に次の試合の基本方針を伝えた。

 荒船隊を普通の戦略で抑え込むのは難しい。そこで修は地形を利用しつつ諏訪隊を巻き込んで荒船隊を普段通りに動かさないようにするつもりなようだ。……いや、普段通りに動かさないのは諏訪隊も同じだ。狙撃手を捕捉すれば、諏訪隊はバラけるだろう。そうなれば、彼らの密集型の陣形を崩す事ができる。

 あらかたの作戦を聞いた秀一は――腕を組んで眉を顰める。

 

「……何か不満があれば教えてくれ」

 

 その様子を見た修が頬に汗を垂らしながら聞くと、秀一は早速口を開いた。

 

 修の作戦では、一度合流して千佳のアイビス砲で荒船隊の目を集めて諏訪隊の援護をするつもりだが、そうなるとどうしても玉狛第二の初動が遅れる。

 荒船隊の優位性を崩せるが点を取れないのでは? と。

 自分だけでもバッグワームを使って駆け上がるべきではないか。

 そう尋ねると修は彼の言葉を吟味し、しかし首を横に振って答える。

 

「いや……最上は両部隊から警戒されているから、ぼくたちと一緒にガードに入って貰った方が行動を制限する事ができる。捕捉したからと油断するのか、何かを狙っているのかと警戒するにしても、作戦通りに諏訪隊が荒船隊を捕まえる筈だ。だから、最上は作戦通りにこっちに居た方が良い! ……と、思う」

 

 最後は尻すぼみしながらも修は言い切った。

 仕事モードに入っている秀一は、サイドエフェクトを使って考え込み……首を縦に振った。修の作戦に乗る、という事だ。

 他にも不確定要素があるが――例えば転送位置やトリガー構成の変更など――秀一は修の指示通りに動く事にした。

 その後も細かい動きを決め、彼のトリガー構成の見直しをした後、仕事モードから普段のコミュ障モードに戻った秀一は修に尋ねた。

 何故、先に自分に意見を求めたのか、と。

 

「え? それは、ぼくたちの中で最も正隊員歴が高かったし……」

 

 入隊時期は修と一緒である。

 

「三輪先輩に色々と教えて貰っているらしいし……」

 

 罵倒付きのアンハッピーセットで毎回泣いている。

 

「大規模侵攻でも活躍していたし……そうだな。経験豊富だからだな」

 

 どうやら、修は随分と秀一の事を買っているようだ。玉狛基地で彼のデータを相手に何度も模擬戦をしているくらいには。

 対して過大評価されていると感じた彼は何て言えば良いのだろうかと微妙そうな顔をした。

 

「……」

 

 そんな彼を見ながら修はあることを尋ねようとしていた。

 それは、最上秀一と三雲修のライバル説。

 自分の知らない所で拡大したその噂はボーダー中を駆け巡り、彼が玉狛第二に入った事である事ない事が囁かれている。それを初めて知った修は凄く動揺し――全く無反応の秀一を見てさらに動揺した。

 噂を知ってから随分と経つが、彼がその話に触れる事は無い。

 ゆえに、焦れた修はどう思っているのか聞こうとし――。

 

「――いや、何でもない」

「???」

 

 口を閉じた。

 修がその事を秀一本人に聞かなかった理由は色々とあるが――彼もまた男の子だということだ。

 

 

 ◆

 

 

 ――小南桐絵&宇佐美栞の場合。

 

 弧月と双月がぶつかり合う音が訓練室に響く。

 防衛任務で不在の遊真の代わりに小南と模擬戦をしている秀一。

 現在4-5で小南が勝ち越しており、この試合の結果によって秀一は攻撃手ランク3位の彼女と並ぶ事になる。それで秀一と小南の実力差が測れる訳ではないが――負けず嫌いな彼女は、割と焦っていた。

 

(こいつやっぱり強……全力でまあまあだわ! 戦えば戦う程強くなっていく……!)

 

 攻撃手ランク4位の村上鋼はサイドエフェクトの影響で瞬く間に強くなったが、秀一もまたそれと同じくらいに強くなるのが早い。村上と同じように、戦った相手の動きを見切り、対応していく。

 サイドエフェクトを使って小南の動きに慣れたのだろう。素早く鋭くパワフルな彼女の攻撃が徐々に当たらなくなり、そして捌かれ始めていた。

 コネクターで大斧化させれば、秀一の弧月を折り隙を作れるだろうが――それができない程に剣戟が凄まじい。まるで太刀川のようだ。

 

(いや、というよりも迅に近いかも――)

 

 そんな事を考えながら小南は双月で彼を弾き飛ばすと、メテオラを起動させて秀一に向かって撃った。それに合わせるかのように彼もメテオラを発動させて小南の弾丸を相殺し、爆煙が両者の間で発生する。

 目くらましだ。バイパーか。旋空か。それともあのトリガーか。

 相手の次の一手を考えた小南は――。

 

(――此処!)

 

 ここ一番。己の勘を頼りにし、煙の中へと突っ込んだ。体勢を低くし、地面ギリギリまでに体を傾けさせる

 長年の戦闘経験に身を任せた結果、彼女の中でこれが最良だと判断した。

 そしてそれは正しかったようで。

 幾つもの弾丸が爆煙に穴を空け、次に横一閃に薙ぎ払われる。その際に弾丸数発が彼女のトリオン体を掠めたが――それによって秀一の居場所をより正確に察知する事に成功した。

 コネクターを発動させ、双月を大斧へと変える。強く握り締めて、跳躍。

 

「はあああっ!」

「――っ」

 

 煙から飛び出した小南はそのまま斧を思いっきり振り下ろし、サイドエフェクトでそれを見切った秀一は、しかし弧月を振り切った状態だった為に避ける事ができず――。

 

 

 彼が咄嗟に展開したシールドは、呆気なく砕かれてしまい。

 

『10本勝負、6対4で小南の勝ち!』

 

 宇佐美のアナウンスで幕を閉じた。

 

 

「アンタのサイドエフェクト、迅ほどじゃないけど反則ね」

 

 試合を終えて休憩している最中、小南が何処か呆れたようすでそう言った。

 彼女は最後の一撃を放った際、一瞬斧が止まったのを感じ取っていた。ほんの一瞬だけだったがそれはつまり防がれたという事であり……。

 

両防御(フルガード)の集中シールド……あの一瞬で展開するとかズルくない?」

 

 彼のサイドエフェクトの事は知っている小南は思わずそう呟いた。

 もし小南のトリガーが玉狛のオーダーメイドではなく、本部で作られたものだったら、あの後彼が逆転する展開もあり得た。

 現に、小南の双月からは一瞬の抵抗を感じ取れ、弧月ならあそこで受け止められ秀一の最後の一撃が綺麗に決まっていただろう。

 そんな彼女の言葉に彼は縮こまりだんまりを決め込む。美少女相手に言葉を返すコミュ力を彼は持っていない。しかし小南はそれをスルーされたと感じたのか、一瞬だけ眉を顰めハア……とため息を吐いた。

 

「それにしても、よくもまぁアレだけトリガー構成を変えて正確に切り替えられるわね」

 

 先ほどの模擬戦10本勝負の際、彼は毎回トリガー構成を変えていた。

 次のランク戦でのトリガー構成は既に決めているが、他のトリガー構成の勘を鈍らせない為に行った事だ。

 模擬戦前にそれを聞いた小南は、トリガーの切り替えミスを起こすと思っていたのだが実際はその逆。一瞬で攻防入れ替えて対応してくる。

 それがどれだけ難しいかを彼女は知っていただけに――。

 

「本当、何でアンタまだB級なのよ」

 

 現在の彼の立ち位置に再びため息を吐く。

 ……ぼっちをこじらしてチームを組めなかっただけなのだが。

 

「いや~相変わらず秀一くん凄いねー。これは次の試合も期待しちゃうね」

「確か荒船隊と諏訪隊だっけ?」

 

 下位グループを蹴散らし、早々に中位グループに食い込んだ事を知っているのか、小南は玉狛第二の次の対戦相手を思い出しながら呟く。

 彼女の問いに宇佐美は頷いて肯定しつつ、彼に問い掛けた。

 

「確か、荒船隊と諏訪隊とは戦闘経験あるんだっけ?」

 

 彼は内心キョドりつつ答える。

 迅たちの陰謀によっておかしくなった混合チームによる模擬戦を。

 

「ふむふむ。そういえば前に言っていたね」

 

 とは言っても、その時に落としたのは諏訪隊の人間で荒船隊とは当たっていない。夏にポイント稼ぎで弧月マスタークラスの荒船とは戦ったが、それでも彼らとの戦闘経験が豊富というわけではない。

 そう保険をかけたような言い方をする。

 

「油断をしない事は良い事だね! 流石眼鏡が似合う男!」

「そういえば前に荒ぶっていたわね。そんなに凄いの?」

「そりゃもう! オペレーター達の間では有名だよ!」

 

 なんてことをしてくれたんだこの人。宇佐美の言葉に彼は絶句した。

 自分が眼鏡を掛けた際の彼女の反応が、そのまま先日受けた古寺からの尋問を思い出してしまう。眼鏡って人を威圧するためにあるんだね。そう思ってしまうほどに怖かった。

 だから、眼鏡装備の最上秀一は、彼にとってタブーな存在だ。

 ゆえに、小南と宇佐美がチラチラとこちらを見ても彼は屈しない。

 

「え~……だったらサングラスは? 隊服作る時に迅さんが提案してきたんだけど」

 

 それなら良いです。

 

「即答!?」

 

 あっさりと掌を返した彼に、小南は驚きつつ声を上げた。

 一番驚いているのは彼自身だったりするが。

 

「ふっふっふ! 言質は取ったからね、秀一くん!」

 

 宇佐美は眼鏡をキラリと光らせると部屋を後にした。おそらく隊服のデータにサングラスを付け加えるためだろう。

 それを見送った二人は思わずため息。

 

「ああなると面倒くさいわよ」

 

 小南の助言に、彼は肩を落としつつ、普段は迅のように額に掛けておこうと心に決めた。

 

 

 ◆

 

 

 

 ――迅悠一の場合。

 

 トリガー、オフという言葉が彼の口から紡がれる。

 使用者の命令に従いトリガーは動き、彼の戦闘体は構築していたトリオンを解いた。生身の体に戻った彼は、先ほどの新たな隊服……玉狛第二の隊服に満足そうに頷いた。

 迅と宇佐美がデザインした隊服は、どうやらお気に召したようだ。未来視で知っていた迅はほっと息を吐いた。……奇特な服を着た秀一がランク戦で暴れている未来を視たからだろうか。

 

「それにしても明日に間に合って良かったよ。服も変わって心機一転! 玉狛第二として頑張ってくれ」

 

 先輩として後輩を鼓舞するつもりで解き放った言葉は、しかし逆に彼のテンションを下げさせた。

 

「え? どうしたの?」

 

 目尻を下げて尋ねると、返って来たのは諏訪隊と荒船隊からの宣戦布告。

 どうやら、本部の三輪隊室に行く道中に、次の試合相手である両部隊と遭遇し色々と問い詰められたらしい。何で自分たちの勧誘蹴って玉狛に行っているんだコラァ、と。

 その場は何とか治めたが「ぶった斬る」「蜂の巣にする」と荒船と諏訪に凄まれてしまったらしい。

 他にも前々から彼を勧誘していた部隊が彼の元に訪れ……それを思い出したのか憂鬱そうにため息を吐く秀一。

 その話を聞いた迅は苦笑いしかできなかった。未来視で、しばらくそのネタで揶揄われるのが視えたからだ。そして回避する事はできない。

 ご愁傷様と言いつつ、迅は苦労する()()()()()に合掌した。

 

「まっ、そこまで気に病まなくて良い。A級に上がるっていう意志も大事だけど、それだけじゃあ息が詰まる。ほどほどに楽しみな」

 

 かつて太刀川とバチバチやり合っていた過去を思い出しつつ、迅はポンッと自分よりも低い位置にある頭に手を置き――何故か顔を顰めた。

 突然の迅の変貌に彼は首を傾げた。

 

(マジかー……)

 

 迅はとある未来を視た。結論から言えば、誰かが死んだり、目の前の後輩が酷い目にあうような未来は来ない。

 ただ、迅にとってはめんど……厄介な未来が確実に来る。

 原因は秀一の隊服のデザインにある。宇佐美と迅の共同で手掛けたその隊服は、スピードアタッカーである秀一とよく似合う。

 それとちょっとしたイタズラ心を加えたのだが……。

 

「秀一。秀次にはなるべく見せないようにしてくれ。実力派エリートからのお願いだ」

「???」

 

 ――秀次(あいつ)、キャラ崩壊し過ぎだろ……。

 

 迅は、未来で行われる鬼ごっこにため息を吐いた。

 

 

 そして、次の日。

 B級ランク戦ROUND2が始まる。

 

 

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