はにゃーん様、コズミック・イラの大地に立つ   作:ざんじばる

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全て……全て……Define12巻が悪いとです。
こんなん泣いてまうやろ……。ハマーン様……。

ということでCDA時代のはにゃーん様をベースにしたSSを書くことにしました。
CDA時代の言動をもとにしているつもりですが、人によっては(特にCDAを読んだことがない人)、こんなもんはハマーン様じゃないという意見もあるでしょうが作者にとってはこれもハマーン様です。なので『オリ主』タグは付けません!(予防線は張りながら)

なおなぜ17才なのかですが、少女らしさを残しながらもキュベレイがある程度形になっているのがこの辺りかと考えたからです。
一年後にはあの事件が起きちゃいますからね。なんもかんも大佐が悪い。



ありふれた異世界転移の始まり

◇U.C0085年1月某日:アクシズ兵器開発エリア

 

 

「コントロール。こちらAMX-004、準備完了。いつでも出れるわ」

『こちらコントロール。了解です。こちらはもう少々かかります。申し訳ありませんがしばしお待ちください、ハマーン様』

「もう! ハマーン様は止めてって言っているでしょう!」

『そんな!? 偉大な摂政閣下を前にして無礼はできません! 閣下こそいつもの口調で命令いただければ』

「よく言うわ。声が笑っているわよ…… いつもいつも摂政じゃ息が詰まるわ。妹や貴方たちの前でくらい気を抜かせてちょうだい」

『摂政に就かれてはや1年半。いい加減慣れたのでは?』

「まさか! 日々覚えることばかりの上、ミネバ様のお付きや軍高官の皆様に囲まれて、すり減っていくばかりよ。だからとても貴重な時間なの。この新型MS開発は」

『はは、了解です。我らがハマーン嬢』

「その呼び方もどうなのかしら…… まあ、『様』よりはましか」

 

『ありがたき幸せ。……ところでハマーン嬢。地球圏への帰還の日取りが決まったそうで』

「耳が早いわね。まだ一般には公開されていない情報なのだけど…… どこから聞いたの?」

『おっと、ジャーナリストとして情報源の秘匿は大原則ですので。こればかりは摂政閣下のご下問でも口を割るわけには参りません』

「誰がジャーナリストよ…… まったくほどほどにしておきなさいよ」

『は! 肝に銘じます!』

「はぁ…… 確かに決まったけど、まだ出発も1年ほど先よ?」

『なるほど、待ち遠しいですな』

「なに? そんなに地球圏に帰りたかったの? 向こうに誰かいい人でもいた?」

『いえいえ、ハマーン嬢のことですよ。これでようやく愛しのシャア大佐を追いかけられるというものでは?』

「…………は?……ちょ、ちょっと待って!?あなた何を言って……!?」

『隠さなくてもよろしい。アクシズが誇る大輪の薔薇が秘めたる恋、我ら開発メンバーで知らぬものなどおりませぬ』

「……それ、全然秘められてないじゃない」

『我らは例外です。あなたともう何年の付き合いになるとお思いで?』

「……シュネーヴァイス開発の頃からだからもう5年近いか……それはバレてもしょうがないわね……」

『ぶっちゃけ、言動に出まくりだったのでアクシズ中が知っているとは思いますが』

 

「?……何か言った?」

『いえ、何も? しかし、あの小さかったハマーン嬢も地球圏に着く頃には20歳ですか』

「そうね……ってなんで航行スケジュールまで正確に知って……」

『……黙秘します』

「もう…… でも20歳なんてオバサンよね。大佐に会ってもガッカリされないかな?」

『……ハマーン嬢、忠告です。今の言葉は致命的な間違いです。ですので他の女性の前では決して口にしないように』

「そう? ……でも大佐が大事に持っていた写真にいっしょに写っていた女性は今の私と同じくらいの年齢だったから心配なの」

『あのロリコン大佐……整備不良に見せかけて始末しておくべきだったか』

「?……何か言った?」

『いえ、何も? ハマーン嬢、20歳は最高です。女性が最も輝き出す年齢です。何も問題ありません』

「そう? ……そうね!」

『ええ、それに出発する頃には大佐の置き土産であるこいつも完成します。地球圏に着いたらこいつに乗って大佐を捕まえにいくんです!』

「ええ! 頑張るわ!」

『その意気です。……っと、言ってる間にこっちの準備も完了しました。オールグリーン。いつでも行けます』

「了解! AMX-004! ハマーン・カーン! 出ます!」

『グッドラック! ハマーン!』

 

 

 

◇同日:アクシズ周辺宙域

 

「コントロールへ。こちらハマーン。テストケース20までクリア」

『コントロール了解。ハマーン嬢、機体の状態はどうです?』

「何の問題もないわ。機体の反応、腕部ビームガンの照準精度、AMBACによる機動性、どれも最高! もう完成でいいんじゃないの、この機体?」

『いやいや、まだ肝心の物をテストしてませんよ? それに各部もまだまだ煮詰めなきゃなりません。こいつの真価はこんなもんじゃないんですぜ、摂政閣下? もう1年くらい付き合ってくださいよ、摂政業の息抜きもかねて』

「息抜きは重要ね! じゃあこのままテストを継続します」

『コントロール了解。ターゲットを射出しました。打ち落としてください』

「ハマーン、了解です!」

 

 きたっ! 私を囲むようにターゲットが10の曲線を描きながら高速で迫ってくる。とてもビームガンじゃ迎撃しきれないけど、この機体なら!

 

「いけッ! ファンネルッ!!」

 

 バインダーに格納された小型の機動砲台――ファンネルを放出する。

 ファンネルは私の思念を受け取り、機敏に反応する。

 ファンネルはそれぞれ別個のターゲットをロックオンできる位置に素早く移動し、砲撃。またたく間にターゲットを火の玉に変えた。

 同時に私自身も機体を操る。腕部ビームガンをサーベルモードに切り替え、残る一つのターゲットを切り裂いた。

 

「全ターゲット撃墜を確認。ファンネルの反応も前回テスト時より遙かに良くなってる! もうシュネーヴァイスのビットとは完全に別物ね! やっぱりこの機体、もう完成でいいんじゃない?」

『1発外してますよ、摂政閣下。ごまかさんでください』

「……バレましたか」

 

 そう。この機体――今はまだ試作実験機という扱いだが制式採用時には『キュベレイ』という名が付くことになっている――には、ファンネルが10基搭載されている。先ほど落としたターゲットは10。サーベルで切り裂いたのが1。ということはファンネルの攻撃は1発外れているのだった。

 なお、どう見ても10基以上ファンネルを使っているという都市伝説もあるが事実無根である。キュベレイのテストパイロットを務めている私が言うのだ。間違いない。何を疑うことがあるというのだ、痴れ者めっ!

 

『バレバレです。ターゲットドローンだってタダじゃないんです。外すなら潔く外して再利用させてください』

「そういうわけにはいかん。私にも摂政としてのプライドがあるのだ」

『突然、摂政モードにならんで下さい……なんもかんも貧乏が悪いので改善して下さい摂政閣下』

「……善処します」

『玉虫色のご回答ありがとうございます。……はぁーつっかえ。どっかに有能な摂政転がってないかな?』

「……おい、いくらなんでも無礼が過ぎないか?」

『小官、尊崇する摂政閣下の摂政扱いするなというご命令を堅く遂行中であります!』

「私自身の命令でも、私に無礼を働くわけにはいかないとか出撃前に言っていなかったか?」

『ハマーン様! 次のターゲットが来ます! ご用意を!』

「……後で覚えていろよ?」

『はッ!後で覚えております!』

「…………」

 

 私は無言でファンネルをバインダーに戻し、次のターゲットに備えてエネルギーをチャージする。

 そして、オペレータへの怒りも込めてファンネルを解き放とうとした、その時。

 

「ぇ!? なぜ? ファンネルが動作しない!?」

 

 だめ! 思念をいくら送ってもとどかない! トリガーを引いても反応しない!

 

『ハマーン様!? 大丈夫ですか!? 何が起きてるんです!?』

「わからないわ! ファンネルが動作しないの! そちらでモニターできない!?」

『……っ、これはっ!? ハマーン様! サイコミュの数値が無茶苦茶になっています!! 思念波を送るのを一旦止めて下さい!!』

「そんなこと言われても……私何も…… あれ? 何これ?」

『どうしたんです!?』

「何か、虹みたいな光が……光なのに曲線を描いて帯のように広がって……?」

『ハマーン様!? そうだっ、いっそキュベレイの動力を落として下さい!!』

「分かったわ! やってみる!! …………ダメ……動力を落とそうとしても反応しない……」

『ッ! なんてことだ!!』

「ダメ……光がどんどん強くなって……」

『諦めるな! ハマーン! おい! ハマーン!?』

 

 もう眼も開けていられないほど眩しい。

 せめてノーマルスーツに着替えていれば、ハッチを開けて飛び出せたのに。

 ……いえ、ダメね。どう考えても巻き込まれる。

 

 私は何もなせず、ここで死ぬの……?

 せめて……最後にもう一度……シャア大佐に会いたかった。

 

 ダメ……もう意識も遠い……

 でもなぜか、この光に包まれていると暖かくて安心する……

 これは人の意思の光……?

 

 

 そうして、私の意識は途切れた————

 

 

 




ということでお約束の異世界転移です。
次回から舞台はC.Eに移ります。
なお、ハマーン様と軽快なトークを繰り広げてくれたオペレーター君はまごう事なきモブキャラのため二度と出てきません。惜しい人を亡くした。

次回は19時過ぎに投稿です。
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