止んだ時雨は宵の内   作:春宵

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ここからがこの作品の始まりです。
前話は彼の過去を彼が思いだしているという感じです。
彼自身は幾度となく負った怪我の結果、
メモリが破損しておぼろげにしか過去を覚えていません。
印象深いことは覚えているのですが、
薬物投与で実験体になるまでの事を忘れているので
彼がどうして絡繰りになったのかは知りませんし
知らされていません。
しかし予想はしていますし、山風という実の家族がいるために自身の親の名だけは知っています。


原作介入前
宵に雨が降り始めた日


私宛の書類を書き終えたところで携帯が鳴った。

どうやら仕事のようだ。

元々軍人のような物だったので軍を選んだが、最近暇だったのでちょうど良い。

妹の学費の足しにしようと思いながら応答した。

「こちら宵雨、大将からの任務ですか」と

任務のようなので話を聞くと、働き過ぎだから息抜きが出来そうな任務にした

と返答があった。

どうやら彼の部下たちが未来の変容が発生する可能性がある世界を報告したらしい

それで危険度も低そうなので任されたといったところのようだ。

任期は未定、まあ最高でも3年間らしく、分かりやすく言うなら留学らしい。

ついでに高等教育も受けてこいと言われてしまった。

小中学校すら行っていないのにである、どうすべきだろうか。

とりあえず任務を受注して必要物を聞くと筆記用具と鞄と着替えと携帯と返って来た。

ついでに小型のパワードスーツの構想を練っておけと言われてしまった。

後は武器や予備弾倉そして隠しカメラを数台持って出発は一週間後となった。

一週間以内に覚えろと渡された文書はとても分厚かった。

 

 

自宅に帰ると中学生の妹がいた、名前は山風という。

私の可愛い妹であり家に居る唯一の家族である。

任務を受けた事と任期は未定で在る事を言うと予想はしていたが泣きそうになった。

未だ兄離れが出来ていない妹である。

心配なのであまり行きたくはないが行くしか無いだろう

一週間の間家から出ずに勉強三昧になりそうだ。

妹の方が賢いので(私と違いちゃんと義務教育を受けている)

頭を下げて教えてもらうことにした。

心なしか嬉しそうだったのは気のせいだと信じたい。

 

 

 

出発の日、携帯式のポータルを山風から渡された。

宿泊先で使って欲しいらしい、使わないと怒るよとも言われた

スイッチ一つで場所を繋ぐワープ装置のような代物だが、

情報が漏れそうなので正直使いたくは無い。

使ったら絶対に毎晩布団に潜り込んできて可愛いが

少し騒がしいと感じる事になるからだ。、

しかし使わなければ山風が夜にトイレに行けなくなる上、

帰って来るたびに山風に泣きながらポカポカ殴られる事になるので

使うしか無いだろう。

話す事には注意しようと思う。

 

 

 

出発時刻になった、家を出るとそこには私の愛機が立っていた。

搭乗してみると既に移転先の座標へのワープの準備は完了しているようだった。

任務の概要位は聞かせてもらいたいので、

寄り道になるが大将に聞きに行こうと思う。

多分大将は母艦に居るので行ってみようと思う。

 

予想どおり大将は母艦に居た。

話を聞いてみると、説明が有った。

今回の設定は先に潜入している隊員の会社に所属している設定で、

隊員の努力で原作のデュノア社と既にパイプを構築出来ている。

それならばボロを出さないように注意するだけで良さそうだ。

 

とりあえずは納得したので、私は相棒に飛び乗り、ワープゲートに突入していった。


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