時間は少し飛び、織斑一夏がISを動かす日がやってきた。
ISを初めて男が動かしたというニュースは瞬く間に世界に広がり、
国を挙げて検査する国も出てきたようだ。
私はもともと動かせるので検査に通らないわけもなく、
瞬く間に二人目であると世界に知れ渡ってしまった。
これで私もめでたくIS学園行きが決まったわけだが、織斑一夏とは違う時期となった。
理由は、クレイの好意によってデュノア社との非公開の合同訓練に参加してから
IS学園に入学することになったからだ。
この訓練はデュノア社から後の三人目ことシャルル・デュノアが、
ステラ社からは私と山風が参加するそうだ。
実を言うとデュノア社の社長のアルベール・デュノアらには
クレイの不注意で異界の存在だとばれてしまっているらしく、
それならばという事でグルとしてクレイが脅しまがいのことをして
味方に引き入れたらしい。
その為、私はシャルル・デュノアが
実はシャルロット・デュノアという女の子であることも知っているし、
アルベール達が、ストーリーから外れすぎないように
配慮してくれているのも理解している。
この結果、どこまで原作と外れるかは知らないが、いざこざは減りそうだ。
シャルロットの男装プラス男性としての偽装も、
理由は男性と虚偽しての他者の入学の対策の訓練の一環として
学園より秘密裏に要請があったからという原作からの変化
(まず原作を知らなかったが)まで起こり、
お咎めと同時に織斑一夏にシャルロット・デュノアが惚れるイベントが
(シャルルからそんなイベントがあると聞かされた)おおよそつぶれてしまっただろう。
デュノア社との合同演習の日になった。
参加者は一つの部屋に集められるそうなので薄々感付いていたが、
同じ部屋で寝泊まりするようだ。
なぜか二人部屋に三人で泊まるようだし、せめて会社ごとで分けれなくとも、
男女別の部屋にしてほしいと感じた。
どうせ別にしても同じ布団で山風と眠ることになるだろうから
別に構わないのだが、見られると恥ずかしいのだ。
寝る前にシャルルも日本語が分かるため、山風が無理して怪談をし始めた、
私の種族は妖狐でお化け側なので試しに停電を局地的に起こしたうえで狐火を出して、
妖怪の幻影を見せて驚かしてみると泣いてしまった。
これで夜に山風と同じ布団で寝ても怪しまれにくいだろう。
もし同じ布団で寝た事を追及されても、
今日の山風は怖くて一人では眠れなかったとごまかす事にする。
夜中に山風に起こされた。
トイレくらいなら付き添ってやれるが、
結構な頻度で起こされるのでどうにも寝にくい。
これは自業自得なので我慢するが、シャルルはどうなのかと見てみると、
シャルルも怖くてあまり眠れないのかカタカタ震えながら私の布団にもぐっていた。
抱き枕代わりに山風でも抱っこさせれば安心しそうだが、
山風は基本的に私から離れようとしないので、
強制的に私も同じ布団で眠ることになる。
男女で同じ布団に入るなどいかがわしいことをしたと思われそうなので避けたいが、
原因は私のうえ明日に響くと会社に迷惑がかかるので覚悟を決めることにした。
シャルルからも男として扱っていいよと言われているので問題無いだろう。
次の日の朝、やはりうるさく追及された。
二人から何かしらの追及があるとは思っていたが、
説明を受け、しばらく考えた後で山風は矛を収めたものの、
シャルルは恥ずかしいのか顔を合わせると
そそくさとどこかへ逃げていくようになってしまった。
その状態のままのものすごく気まずい雰囲気の中で今日の訓練が始まった。
訓練後の時間にシャルルと戦う事になった。
シャルルはもしかしたら言葉ではなく拳を交えて意思を伝えるタイプなのかな、
などと考えると顔に出ていたのかジト目で否定されてしまった。
どうやら戦って吹っ切れたかったらしい。
しかし山風は受けてくれなかったので仕方なく私に模擬戦を申し込む事にしたそうだ。
どんな理由だろうと手加減は無用とのことなので
殺さぬ程度に本気でかかることにした。
アリーナに移動する途中で作戦を考えた。
シャルルは多彩な武器の高速での切り替えを得意としているが、
実弾兵器なのでいつかは弾切れを起こす。
そして一番の弱点は機体に慣れていない事だ。
ビットのデータ取りの為に機体を替えたばかりの為、
経験は私より少ないだろう。
そこを狙っての強襲や、切り替えの際の一瞬の隙を窺っての
スタートの合図と同時にアルタイルへ変形して行う、高速戦闘をすることにした。
時間を掛け過ぎれば、エネルギー切れを起こすので防御にだけ集中されれば不味いが、
その場合、水銀をレールガンで撃ち出して倒す事にする。
普通、戦場においてこのような戦法など愚の骨頂で、
ステルスからの奇襲などをすべきだが、
ISの試合は一応スポーツに当たるので正々堂々を戦う事にした。
試合開始と同時にアルタイルへ変形しつつ、コールドハルバードで切り付ける。
シャルルが受け流しつつカウンターを合わせてきたので、
後ろに下がって回避しながらレールガンを撃つ。
レールガンで発生した煙を目くらましに、コールドハルバードを構えて切り抜ける。
レーダーの強化でシャルルの居場所は分かるので、
ヴェントなどの射撃を細かな旋回で躱しつつ
反転してレールガンを撃つ。
煙から出てくるところを待ち構えていると思われるので、
変形時に排熱された熱と冷気によって集めた水から作った即席のチャフを撒いて
その中でアンタレスに換装後、当たらないように偏差撃ちで赤き極光で攻撃。
周囲の温度の上昇でシャルロット機のパーツが歪み、
行動が阻害された事で出来た隙に、威力を絞った赤き極光を当てて止めを刺した。
模擬戦は私の勝ちに終わった。
こちらの得られたものとして、非殺傷での無力化が予想以上にしにくく、
武装の数が不足していると感じた。
拡張領域に電磁パルスグレネイドやマシンガン、
ラケーテンバズのような携帯兵器を搭載すべきだろう。
この戦いで危ない所も有ったので、まだまだ精進が足りていないことも痛感した。
好き勝手にやってしまったがシャルは吹っ切れられたのだろうか?
分からないが、すっきりとした顔をしていた気がする。
この戦いの後、結果的にシャルは吹っ切れていて、
私とシャルルがちゃんと仲直りして、
私はシャルとこれからは呼んでいいことになった。
シャルルは替わりに私を普通にヨイサメと呼ぶらしい。
仲が深まったという事でいいのだろうか?
その後は大きな出来事も無く、シャルに変成器と小型トランシーバーを渡したり、
学園では気づいていないふりをしてバレそうになったら
フォローを入れることになったり、
三人で料理会をして、各々の料理のレパートリーを増やしたり、
山風がシャルルを見ても隠れなくなって、シャルちゃん呼びし始めたりした。
そんなこんなで合同演習は終わり、
面倒ごと盛りだくさんのIS学園に三人で向かって旅立った。