黒髪の少女side
私には幼馴染みと呼べる存在がいた。
私より1つ年上だけど私と同じくらいの身長をした男の娘。
透き通るような白と、存在感溢れるような黒い2色の髪、宝石のような青い目、陶器を思わせる白い肌の幼馴染み。
今思うと、それが私の初恋だったのかもしれない。
アイツはなんだって完璧だった。勉強にしても、スポーツにしてもいつだって他の同級生達の10年先を行っていた。
私の家が忍の家系だって打ち明けたときもアイツは笑って「どんなことがあっても、僕は味方だよ」って言ってくれた。
アイツはいつも私の味方をしてくれた。
他の人が私を無視していてもアイツだけは私の側にいて遊んでくれた。
私が泣いていても決して大きいとはいえない小さな手で私が泣き止むまで撫でてくれた。
私が親と喧嘩をして家を出たときでさえアイツは誰よりも先に私を見つけてくれた。
そんなアイツはいつも私の憧れだった。
だけどアイツは私の前から居なくなった。
理由は分かっているつもりだ。
私が小学校に上がってすぐに虐めに合ったときアイツは私を庇って喧嘩をしてた。
その際に右目と右腕にに大傷を付けられた。
その喧嘩相手は退学処分を、アイツは治療のため、遠くの病院に入院することになった。
私が弱かったから。
私に力があったならアイツは怪我なんてしなくてすんだのに。
それでもアイツは笑顔で「絶対治して、帰って来るからね」って言ってた。
まだ小さかった私は見送ることしかできなかった。
その後、私を気づかってくれる人は家族以外居なくなっていた。
私の家系は善忍だけど私は悪忍の道を選んだ。
善忍は私欲のために力を振るえないが悪忍ならそれが可能だからだ。
その後、私は悪忍の養成学校である秘立蛇女子学園に入学し、見事に選抜メンバーになることができた。
そこで、焔、詠お姉ちゃん、日影、春花様に出会えた。
だけど蛇女では道元とかいう男が私利私欲のために
私や詠お姉ちゃん、日影に春花様は
でも、焔1人で助けられた訳じゃない。
焔が内側から、善忍の飛鳥が外側から戦ったからこそ倒せた戦いだった。
その後、私達はスポンサーであった道元を切ったということで抜け忍になることを決めた焔と一緒に焔紅蓮隊を作ってとある山の洞窟で生活している。
今でも時々思うことがある。
アイツは元気でやっているのか。
今、何処にいるのか?。
考えても答えは出てこない。
だけどアイツは必ず私の前に帰ってくるはずだ。
アイツは1度だって嘘をついたことがないから。
三人称side
右腕と右目に包帯を巻いた男が廃墟と化した神社の鳥居の上に立っている。
「元気でやっているのか、アイツ」
そんな男の後ろに人でも、獣でもない者達。
妖魔が集まっていた。
「人気者は辛いね。まぁ、すぐに方は着くんどけど」
振り向くことなく、妖魔達は死滅していた。
「善忍から悪忍になってその後は抜け忍か。波乱万丈だね。久しぶりに会いに行ってみるか」
そういうと男は一瞬で姿を消した。
まるで最初から其処に誰もいなかったのように。
ただ、回りに散乱している数万単位の妖魔の死骸が異常な雰囲気を作り出していた。